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大人になった僕ら

43.あいしあう(2) ※成人向け

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 もう、気持ち好くなりたくない。
 早音の手と口だけで何度もイかされて、頭が真っ白になっている。
 俺はもう、早音のを口に含めていないのに、早音はずっと俺自身と入り口をいじって遊んでいる。そのせいで、おれはもうぐちゃぐちゃのめちゃくちゃだ。
 腹の辺りはぐちょぐちょで気持ち悪いし、すぼまっているべき穴は早音の指を何本も飲み込んで、中で快楽を得ている。

「さね、ぇ……もう、や……」
「本当に? 智のここ、きゅうきゅう吸い付いて悦んでるよ」

 そんな意地悪なことを楽しげな声で告げてくる、俺の好きなひと。
 意地悪も、好きだけど、こんな攻められ方は辛い。
 
「さねの、いれて……ゆびじゃ、たりない」
「……可愛いこと言うね、智」

 やっと指が引き抜かれて、ぐしゃりと倒れ込んだ俺を早音が引っ張り上げて、気付いたらベッドに腰掛けた早音の膝を跨がされていた。早音が、のぼせたような笑顔でこちらを見ている。

「智、えっちな顔してる。そんなに俺が欲しい?」
「ほしい……もう、腹の中うずいて、頭変になりそう」

 とてもいやらしいことを口にしている自覚はある。でも、本当に、早音が欲しくて欲しくて、たまらなかったから。俺たちの間ではちきれそうになっている早音のものに指を這わせた。

「……自分で、挿れられる?」

 早音がまたえっちな要求をしてくる。そんなの恥ずかしいのに、俺は「うん」と頷いて、膝を立てて早音のを自分の穴に押し当てた。
 固くて熱い早音のが、散々なぶられて待ちわびた場所に、キスしてる。くちゅ、って可愛い音を立てて、まるで運命の恋人同士みたいだ。
 そこで俺ははっと気付く。

「なあ、早音。俺たちって恋人同士?」
「……それ、今訊く?」
「そういうのははっきりさせとくべきだろ。なあ、俺たち、恋人?」

 散々俺を虐め倒した唇が、惑った。早音でも恥ずかしがるんだな。

「そうだったら、いいなと、僕は思います……」
「何だよそれ! 案外可愛いな、お前」
「仕方ないだろ、初恋が実るなんてどうしたらいいか分かんないんだ」

 俺の腹がまたきゅんとする。
 早音の、初恋の相手が、俺。
 なあ早音、俺も、ずっと好きだったよ。

「好き、よりもっと上は、何て言うんだ?」
「……愛してる、とかじゃない?」
「じゃあそれ! 早音、あいしてるよ」

 俺は多分満面の笑みで言った。
 すると。

「っあ! おれが、いれるんじゃ……」
「ごめん、智が可愛すぎて待てなかった」

 早音に貫かれて、それだけで達してしまいそう。
 大きな早音のが、腹の中で暴れ回る。いつももっと的確に俺のいいところを抉ってくるのに、余裕がなさそうだ。可愛くない男がこんなに可愛く思えるなんて、愛って奇跡だ。

「さね、さね、あいしてる」
「それ、何度も言わないで。腰に来るから。ゴムもつけてないのに中で出しちゃうよ」
「じゃあ、さねがいえよ」

 腹の中で早音の動きが止まる。そこに居てくれるだけで気持ち好いとか、俺はもう頭がおかしいのだろう。
 早音は散々迷っているように見えた。素直じゃないなあと思っていたら、腰に回っていた手が俺の頬にふれて。

「愛してる、智」

 そして、ちゅ、なんて可愛らしい音をたてて、キスをくれた。
 あ、だめ。イく。

「ぁあっ……!」
「え、智そんな……っく」

 早音の声は毒だ。俺をしびれさせて、何も分からなくさせる毒。
 その所為であっさり絶頂した俺は、中にいた早音の精までも搾り取ってしまった。どくん、どくん、と鼓動のように、早音が俺の中に熱を吐き出していく。
 ああ、気持ち好い、これ。

「中出ししちゃった……智が妊娠したらどうしよう」
「責任取れよ、お前の子だぞ」
「はいはい、ちゃんと大事に育てるよ」

 そんな馬鹿な冗談を言い合って。抱き締め合って笑って。
 ああ、俺、しあわせだ。
 早音がいてくれるのが、こんなにしあわせ。

「早音、愛してる」
「僕も。ずっとずっと、智を愛してるよ」

 そのまま、ベッドに引き倒されて、中に入ったままの早音がまた元気になる。まだ、もっと俺をめちゃくちゃにして。可愛がって。愛して、早音。
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