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最終章「私の望んだ終わり」
「ねんねんころりよ」
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【そうだな、言葉は要らないか】
私は脱力し、膝で地面に着地する。竜人となった私の体が解け、私は核となる球体の姿で現れる。レメディは優しく、頷きで反応する。
【不思議な気分だよ。きみを見ていると、ずっと昔に知っていたはずの、何か大切なものを思い出せそうなんだ……】
私は目を開く。恐らく、アイコン的にシンプルな目と口が私には備えられているはずだ。
【始まりは本当に哀しみだったのか……?私は、ナノカと過ごした日々の中で、哀しみしか感じなかったのか……?】
私の体から自動で球体がいくつか吐き出され、彼へ光線を放つ。威力は先ほどよりも出力に糸目を付けずに繰り出しているが、彼の体表に阻まれ弾かれる。あちらはゆっくりと特大剣を振り上げ、両手で構えて振り下ろす。私はもはや動かずに直撃を受け、だが微動だにしない。
【なるほど……】
私の体は燃え盛る太陽のごとく緋色に染まり、体表が波立つ。そのまま力任せに突進する。彼の胸部に激突し、彼は左手で私を抱き止める。
【まだ……】
私は冷たい憎しみがごとき蒼色に染まり、無数の礫になって天へ飛ぶ。そして彼を目掛けて急降下する。反撃は出来たのだろうが、レメディは敢えて攻撃を受け止める。私は散らばった体を搔き集めて再構成し、今度は吹き荒れる嵐と雷を思わせる紫に染まり、一気に巨大化してボディプレスを放つ。だが特大剣の一撃に阻まれて吹き飛ばされる。
【忘れていたもの……哀しみを清算するために、私を滅ぼすだけの力を求め……そのために、争わせ続けた中で……薄れて、消えてしまったもの……】
レメディを見ると、彼は極めて落ち着いて、穏やかな気を放っていた。
【私……は……】
そうだ。私は彼女を失った哀しみに暮れるばかりで、事実を自らから切り離していた。既にわかっていたことだ……
【私は……】
「私は……愛を、忘れていたんだ」
レメディを見る。彼の輝きが眼窩を貫く。次第に私の言葉が、特別な意味を失っていくように感じる。
「すまないな、レメディ……きみに、全てを押し付けるようで……」
【……】
彼はかぶりを振る。
「そうだな……私はただ、愛して、愛されて、その記憶を取り戻したかっただけ……なのだろうな……」
そして特大剣を再び構え、膨大な量の輝きを纏わせる。
「頼む、私をきみの手で……」
頷きで返し、特大剣を振り下ろす。眩い閃光が私を覆い尽くし、全てを凌駕する衝撃が迸る。だが痛みも苦しみもなく、穏やかなそよ風のごとく、私の体を吹き抜けていく。
「これが……私の望んだ、終わり……」
私は脱力し、膝で地面に着地する。竜人となった私の体が解け、私は核となる球体の姿で現れる。レメディは優しく、頷きで反応する。
【不思議な気分だよ。きみを見ていると、ずっと昔に知っていたはずの、何か大切なものを思い出せそうなんだ……】
私は目を開く。恐らく、アイコン的にシンプルな目と口が私には備えられているはずだ。
【始まりは本当に哀しみだったのか……?私は、ナノカと過ごした日々の中で、哀しみしか感じなかったのか……?】
私の体から自動で球体がいくつか吐き出され、彼へ光線を放つ。威力は先ほどよりも出力に糸目を付けずに繰り出しているが、彼の体表に阻まれ弾かれる。あちらはゆっくりと特大剣を振り上げ、両手で構えて振り下ろす。私はもはや動かずに直撃を受け、だが微動だにしない。
【なるほど……】
私の体は燃え盛る太陽のごとく緋色に染まり、体表が波立つ。そのまま力任せに突進する。彼の胸部に激突し、彼は左手で私を抱き止める。
【まだ……】
私は冷たい憎しみがごとき蒼色に染まり、無数の礫になって天へ飛ぶ。そして彼を目掛けて急降下する。反撃は出来たのだろうが、レメディは敢えて攻撃を受け止める。私は散らばった体を搔き集めて再構成し、今度は吹き荒れる嵐と雷を思わせる紫に染まり、一気に巨大化してボディプレスを放つ。だが特大剣の一撃に阻まれて吹き飛ばされる。
【忘れていたもの……哀しみを清算するために、私を滅ぼすだけの力を求め……そのために、争わせ続けた中で……薄れて、消えてしまったもの……】
レメディを見ると、彼は極めて落ち着いて、穏やかな気を放っていた。
【私……は……】
そうだ。私は彼女を失った哀しみに暮れるばかりで、事実を自らから切り離していた。既にわかっていたことだ……
【私は……】
「私は……愛を、忘れていたんだ」
レメディを見る。彼の輝きが眼窩を貫く。次第に私の言葉が、特別な意味を失っていくように感じる。
「すまないな、レメディ……きみに、全てを押し付けるようで……」
【……】
彼はかぶりを振る。
「そうだな……私はただ、愛して、愛されて、その記憶を取り戻したかっただけ……なのだろうな……」
そして特大剣を再び構え、膨大な量の輝きを纏わせる。
「頼む、私をきみの手で……」
頷きで返し、特大剣を振り下ろす。眩い閃光が私を覆い尽くし、全てを凌駕する衝撃が迸る。だが痛みも苦しみもなく、穏やかなそよ風のごとく、私の体を吹き抜けていく。
「これが……私の望んだ、終わり……」
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