432 / 568
三千世界・黎明(11)
第九話「マタドール・ラプソディー」
しおりを挟む
異界・紅月の死闘場
「わあってる!行くぞレメディ!」
「はい!」
アストラムとレメディがフィールドへ飛び出し、ヴィルが合流する。周囲の雰囲気は明らかに異常であり、観客席からは次々とシフルの粒子が上がっていく。ゲートの向こうから現れたのは、既に骸骨の姿となったマタドールだった。
「この戦場に蓄積された戦いの馨り……実に耽美だ。貴公もそうは思わぬか、特異点《まれびと》よ」
「……」
レメディは生唾を飲み、前へ出る。
「私を前にして、恐れを抱きつつも歩を止めぬその魂、実に遖《あっぱれ》。ここで殺してしまうには惜しすぎる……だが」
斜めに下げていた視線を上げ、虚無を宿した眼窩でレメディを見る。口端から蒸気が漏れ、眼窩には血のような瞳が宿る。
「強者と戦い、生と死の狭間を生き抜くことこそ、私が求めたもの」
マタドールはカポーテとサーベルを構える。
「さあ構えよ。貴公がこのマタドールを越え、我が王を貫く牙となるか。私が貴公をこの地に果たし、再び悠久を戦い続けるか。全てを懸けて、勝ち取って見せよ!」
長剣を抜き放ち、両者は準備を整える。壮絶な殺意が渦巻く最中を、灰色の蝶が舞う。それを合図に、マタドールが先手を取って超光速の刺突を放つ。レメディは殆ど反射の領域で、ギリギリ受け止める。刃が触れ合った場所から煙が立ち上る。マタドールはサーベルを乱雑に振り始め、産み出される真空刃が防御の上から傷を刻んでいく。レメディも防戦一方ではあるが攻撃を往なし、左腕に闘気を宿らせてサーベルを弾き返して、瞬時に踏み込んで長剣を振り下ろす。その切っ先はカポーテに飲まれ、その影から猛烈な刺突が繰り出される。レメディは対応しきれずにそれを喰らい、全身に裂傷を負って仰け反る。しかし追撃に放たれた縦斬りを背中側に躱し、大外から振りながら切り上げる。マタドールはその狙いを察し、即座に飛び退いて躱す。レメディは態勢を建て直し、長剣から漲る闘気で傷を塞ぐ。
「月光の聖剣……月《セレナ》より下りし、バアルの遺産か」
「こんな殺気は、今までの人生で一度も感じたことはありませんでした……」
乱れた呼吸を整え、レメディは全身の緊張をほぐす。
「良き腕だ、特異点《まれびと》。私と斬り結び、そこまで心を穏やかに出来るとはな」
「……。行きます」
レメディが一歩踏み込むと、マタドールはカポーテを翻し、その向こうから刺突を放つ。地面を走る真空刃が生成され、逆手に持たれた長剣を振り抜いて二つの衝撃波を生んで迎撃し、二段目の終わりに順手に持ち替える。両者は同時に刺突し、切っ先が掠めて得物が擦れ違う。レメディの肩の防具が、マタドールの脇腹の布が切り裂かれ、レメディは切り上げつつ宙返りし、マタドールはカポーテを振るい、その裏側に蓄積された大量の斬撃を放つ。レメディは闘気の足場を作って左手で跳ね上がり、もう一度宙返りして斬撃から逃れ、急降下して突きを放つ。またもカポーテで躱されるが、闘気の壁を生んで踏みつけて一気に距離を離し、切っ先に莫大な闘気を集めて突進する。マタドールはそれをまともに受け、大きく後退する。
「……」
「……」
両者沈黙し、そしてマタドールは笑う。衣装が大きく破れ、臓腑たる無明の闇が露になる。
「なるほどな……今のは効いたぞ、特異点《まれびと》……!」
力み、全身から無明の闇を発する。
「行くぞ特異点《まれびと》、勝敗が決するまで躍り続けようぞ!」
「お待ちなさい」
熱り立つマタドールへ、観客席から声が響く。その場にいる全員がそちらへ視線を向けると、先程の少女――エストが立っていた。
「エストエンデ……よもや貴公、横槍を入れるつもりではあるまいな」
「横槍を入れる気はありませんわ。ですけれど、今の彼ではこのまま死合えば本当に死んでしまうでしょう。また戦うにしても、アルヴァナへと黙って見送るにしても、今は己の敗けを認め、彼の勝利を称えるべきでは?」
マタドールは視線をレメディへ向ける。レメディもつられるように視線を合わせる。
「生前の闘牛を思い出してご覧なさい。猛り狂う牛の一撃が直撃した時どうなるか、あなたが一番知っているはず」
その言葉で、彼は無明の闇を鎮め、サーベルとカポーテを消す。
「確かに貴公の言うとおりだ、エストエンデ。余りにも死を忘れた私は、一撃の持つ重さをも忘れ去っていたようだ……」
開いた左手には小さな楔が浮いており、それが自らレメディの下へ行く。
「これは……?」
楔を掴んだレメディは、まじまじとそれを見つめる。
「基礎の楔……それが貴公を、魔人との戦いへの道、そしてバロンの下へと誘うだろう。だが努々忘れるな。これから貴公が進むのは鮮血の道、全ての陰謀が集う、終の決戦への道程だ」
マタドールはそう告げて、ゲートの向こうへ去っていった。
闘技場 フィールド
周囲の雰囲気が元に戻り、明るくなる。闘技場は人の気配はしなくなり、異様な静けさに包まれる。レメディは気が抜けたようにため息をつき、長剣を納める。
「よくやった、レメディ!」
ヴィルが後ろから肩を組む。
「えへへ、ありがとうヴィル。でも――」
レメディが視線を上げると、エストが微笑んでいるのが見えた。エストは手すりを越えてフィールドに着地し、歩み寄ってくる。
「どうしてあなたは、シフルに変わらずに……」
レメディが単純な疑問を向けると、ゲートから現れたロータが言葉を発した。
「簡単な話。どうして気付かなかったのか知らないけど、彼女は王龍。隷王龍エストエンデ。王龍ニヒロに仕える内の一体」
エストはその紹介に、屈託のない、偏りまくった笑みを浮かべる。
「その通りです。私は〈禍つ星、漆黒の戸張〉……隷王龍エストエンデです」
「隷王龍エストエンデ……どうして僕たちを助けるようなことを……?」
「そうね……うふふ、お姉さんね、可愛い男の子が大好きなの。屈強にせよ、軟弱にせよ、ね……?」
エストはするりとレメディの手をとって、目線を合わせて優しく微笑む。
「君が魔人との戦いを越えて、素敵な男になれるように……お姉さん、ずっと応援するからね」
手を離し、名残惜しそうに視線を流しながらエストは踵を返す。そのままフィールドの壁に次元の穴を開けて去っていった。
「なんだあの人……」
レメディが困惑していると、ロータが眼前に現れる。
「今は気にしなくていい。それよりも、今はあなたたちの体を休めることが優先。ホテルに戻るよ」
レメディとヴィルは頷き、一行は闘技場を去った。
「わあってる!行くぞレメディ!」
「はい!」
アストラムとレメディがフィールドへ飛び出し、ヴィルが合流する。周囲の雰囲気は明らかに異常であり、観客席からは次々とシフルの粒子が上がっていく。ゲートの向こうから現れたのは、既に骸骨の姿となったマタドールだった。
「この戦場に蓄積された戦いの馨り……実に耽美だ。貴公もそうは思わぬか、特異点《まれびと》よ」
「……」
レメディは生唾を飲み、前へ出る。
「私を前にして、恐れを抱きつつも歩を止めぬその魂、実に遖《あっぱれ》。ここで殺してしまうには惜しすぎる……だが」
斜めに下げていた視線を上げ、虚無を宿した眼窩でレメディを見る。口端から蒸気が漏れ、眼窩には血のような瞳が宿る。
「強者と戦い、生と死の狭間を生き抜くことこそ、私が求めたもの」
マタドールはカポーテとサーベルを構える。
「さあ構えよ。貴公がこのマタドールを越え、我が王を貫く牙となるか。私が貴公をこの地に果たし、再び悠久を戦い続けるか。全てを懸けて、勝ち取って見せよ!」
長剣を抜き放ち、両者は準備を整える。壮絶な殺意が渦巻く最中を、灰色の蝶が舞う。それを合図に、マタドールが先手を取って超光速の刺突を放つ。レメディは殆ど反射の領域で、ギリギリ受け止める。刃が触れ合った場所から煙が立ち上る。マタドールはサーベルを乱雑に振り始め、産み出される真空刃が防御の上から傷を刻んでいく。レメディも防戦一方ではあるが攻撃を往なし、左腕に闘気を宿らせてサーベルを弾き返して、瞬時に踏み込んで長剣を振り下ろす。その切っ先はカポーテに飲まれ、その影から猛烈な刺突が繰り出される。レメディは対応しきれずにそれを喰らい、全身に裂傷を負って仰け反る。しかし追撃に放たれた縦斬りを背中側に躱し、大外から振りながら切り上げる。マタドールはその狙いを察し、即座に飛び退いて躱す。レメディは態勢を建て直し、長剣から漲る闘気で傷を塞ぐ。
「月光の聖剣……月《セレナ》より下りし、バアルの遺産か」
「こんな殺気は、今までの人生で一度も感じたことはありませんでした……」
乱れた呼吸を整え、レメディは全身の緊張をほぐす。
「良き腕だ、特異点《まれびと》。私と斬り結び、そこまで心を穏やかに出来るとはな」
「……。行きます」
レメディが一歩踏み込むと、マタドールはカポーテを翻し、その向こうから刺突を放つ。地面を走る真空刃が生成され、逆手に持たれた長剣を振り抜いて二つの衝撃波を生んで迎撃し、二段目の終わりに順手に持ち替える。両者は同時に刺突し、切っ先が掠めて得物が擦れ違う。レメディの肩の防具が、マタドールの脇腹の布が切り裂かれ、レメディは切り上げつつ宙返りし、マタドールはカポーテを振るい、その裏側に蓄積された大量の斬撃を放つ。レメディは闘気の足場を作って左手で跳ね上がり、もう一度宙返りして斬撃から逃れ、急降下して突きを放つ。またもカポーテで躱されるが、闘気の壁を生んで踏みつけて一気に距離を離し、切っ先に莫大な闘気を集めて突進する。マタドールはそれをまともに受け、大きく後退する。
「……」
「……」
両者沈黙し、そしてマタドールは笑う。衣装が大きく破れ、臓腑たる無明の闇が露になる。
「なるほどな……今のは効いたぞ、特異点《まれびと》……!」
力み、全身から無明の闇を発する。
「行くぞ特異点《まれびと》、勝敗が決するまで躍り続けようぞ!」
「お待ちなさい」
熱り立つマタドールへ、観客席から声が響く。その場にいる全員がそちらへ視線を向けると、先程の少女――エストが立っていた。
「エストエンデ……よもや貴公、横槍を入れるつもりではあるまいな」
「横槍を入れる気はありませんわ。ですけれど、今の彼ではこのまま死合えば本当に死んでしまうでしょう。また戦うにしても、アルヴァナへと黙って見送るにしても、今は己の敗けを認め、彼の勝利を称えるべきでは?」
マタドールは視線をレメディへ向ける。レメディもつられるように視線を合わせる。
「生前の闘牛を思い出してご覧なさい。猛り狂う牛の一撃が直撃した時どうなるか、あなたが一番知っているはず」
その言葉で、彼は無明の闇を鎮め、サーベルとカポーテを消す。
「確かに貴公の言うとおりだ、エストエンデ。余りにも死を忘れた私は、一撃の持つ重さをも忘れ去っていたようだ……」
開いた左手には小さな楔が浮いており、それが自らレメディの下へ行く。
「これは……?」
楔を掴んだレメディは、まじまじとそれを見つめる。
「基礎の楔……それが貴公を、魔人との戦いへの道、そしてバロンの下へと誘うだろう。だが努々忘れるな。これから貴公が進むのは鮮血の道、全ての陰謀が集う、終の決戦への道程だ」
マタドールはそう告げて、ゲートの向こうへ去っていった。
闘技場 フィールド
周囲の雰囲気が元に戻り、明るくなる。闘技場は人の気配はしなくなり、異様な静けさに包まれる。レメディは気が抜けたようにため息をつき、長剣を納める。
「よくやった、レメディ!」
ヴィルが後ろから肩を組む。
「えへへ、ありがとうヴィル。でも――」
レメディが視線を上げると、エストが微笑んでいるのが見えた。エストは手すりを越えてフィールドに着地し、歩み寄ってくる。
「どうしてあなたは、シフルに変わらずに……」
レメディが単純な疑問を向けると、ゲートから現れたロータが言葉を発した。
「簡単な話。どうして気付かなかったのか知らないけど、彼女は王龍。隷王龍エストエンデ。王龍ニヒロに仕える内の一体」
エストはその紹介に、屈託のない、偏りまくった笑みを浮かべる。
「その通りです。私は〈禍つ星、漆黒の戸張〉……隷王龍エストエンデです」
「隷王龍エストエンデ……どうして僕たちを助けるようなことを……?」
「そうね……うふふ、お姉さんね、可愛い男の子が大好きなの。屈強にせよ、軟弱にせよ、ね……?」
エストはするりとレメディの手をとって、目線を合わせて優しく微笑む。
「君が魔人との戦いを越えて、素敵な男になれるように……お姉さん、ずっと応援するからね」
手を離し、名残惜しそうに視線を流しながらエストは踵を返す。そのままフィールドの壁に次元の穴を開けて去っていった。
「なんだあの人……」
レメディが困惑していると、ロータが眼前に現れる。
「今は気にしなくていい。それよりも、今はあなたたちの体を休めることが優先。ホテルに戻るよ」
レメディとヴィルは頷き、一行は闘技場を去った。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。
じい様が行く 「いのちだいじに」異世界ゆるり旅
蛍石(ふろ~らいと)
ファンタジー
のんびり茶畑の世話をしながら、茶園を営む晴太郎73歳。
夜は孫と一緒にオンラインゲームをこなす若々しいじい様。
そんなじい様が間違いで異世界転生?
いえ孫の身代わりで異世界行くんです。
じい様は今日も元気に異世界ライフを満喫します。
2日に1本を目安に更新したいところです。
1話2,000文字程度と短めですが。
頑張らない程度に頑張ります。
ほぼほぼシリアスはありません。
描けませんので。
感想もたくさんありがとうです。
ネタバレ設定してません。
なるべく返事を書きたいところです。
ふわっとした知識で書いてるのでツッコミ処が多いかもしれません。
申し訳ないです。
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる