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11. 第二階層に足を踏み入れて、罠にかかる
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新たな装備品を身にまとい、三人はキミョウナ迷宮の第二階層に向かった。
どのような敵が現れるか、彼らには未知の領域であり、所々に水溜りのあるツルツルした洞窟を慎重に進んでいく。
すると、青白く光る骸骨のような鎧武者が現れた。
「お、出たな。こいつはヤオヨロズの試し斬りに丁度いいかな」
「はい、ではお任せしますね。私は邪魔が入らないよう、周りを警戒します」
「陽動は任せてニャン」
ヤマトナが鞭を構えて援護体制に入ると、ファムファが骸骨の背後に回って敵の注意を引き付ける。それに釣られて鎧武者が背中を見せたところに、グライクが斬りかかる。
「おおりゃあ!」
気合を込めた掛け声と共に剣が振るわれ、着ている鎧ごと、その体が斜めに真っ二つとなった。
「やるニャア!」
「お見事です! ここ三日の修行の成果が出ましたね」
ミスリルの装備が出来上がるのを待つ間、グライクはヤマトナに剣の手ほどきを受けていた。
教え方が良かったのか筋がいいのか、腕前はみるみるうちに上達し、すでにこの階層の魔物を仕留めるのに苦労しないほどになっている。
もちろん、ファムファのサポートあってのことではあるが。
「どんどんいくニャ!」
「おう!」
それから時折現れる魔物を同じように倒して進み、その結果、ヤオヨロズは完全にグライクの手に馴染んだ。
元々剣としての出来が格別なのもあり、もはや手足のように操れる。
また剣の特性により敵を感知できるため、不意打ちを受けることなく、むしろ有利な状況で戦闘を仕掛けられる。
向かう所敵なしの絶好調さに、グライクは完全に浮かれていた。
そして、好事魔多しとはよく言ったものである。
それは、今また魔物を倒したグライクが、一息つこうと壁に手をついた瞬間のことであった。
「ふぅ……んっ!?」
ガコッ、と音がして手をついた壁が凹み、続いてドドドドド、と何か不吉な音が壁の奥から低く響いてくる。
「やっ、やばいニャ!」
「若様、こちらへ!」
三人は慌ててヤマトナの近くに固まり、罠の起動に備えた。
と、次の瞬間。
「洪水だ!」
迷宮の閉鎖性を利用した致命的な罠である。
仮にフル装備の重鎧を着ていたとて、溺れる水の前には意味がない。いわんや、今の三人では逃げるしかない。
「こっちニャ!」
「若様、お早く!」
「え、あ、待って……!」
生まれ持った反射神経、あるいは熟練の条件反射をもって即座に反応した猫獣人と忍者メイドに対し、新人冒険者に過ぎないグライクは一歩遅れてしまう。
「若様、こちらへ!」
「うわああああ」
しかし、主人の身を案じて振り向いたヤマトナの横を、グライクは目にも止まらぬ速さで駆け抜けた。
「わ、若様!?」
グライク本人も訳が分からないほどのスピードで、安全地帯と思われる曲がり角まで辿り着く。
「? ? ? ……あ、そうだ。これを履いていたんだった」
グライクの足元は、パワーナインの一つ、荒鬼霊主の靴で飾られていた。一歩ごとに速度が倍となる秘宝である。
「て、あれ。ファムファとヤマトナが追いついてこない……はぐれちゃったのか」
あまりに速度が出たせいで、ここに辿り着くまでにいくつかの安全地帯らしき場所を通過してしまった。彼女らはそのうちのどれかにて難を逃れたのだろう。
「マズいな、早く合流しないと。諺にある通り、一罠去ってまた一罠、ってやつか」
迷宮とはいわば人を迷わす罠そのものである。罠の後には罠が続く、という慣用句通りの状況に、グライクは陥っていた。
「とりあえず、来た道を戻るか」
しばらく通路を戻るが、道というものは行く時と戻る時とでまったく変わって見えてしまう。
どこまで戻ればいいか分からずに歩き回るうち、グライクは本格的に迷ってしまった。
「や、ヤバい……! こんなタイミングで敵の大軍に襲われたら……」
そして、望むと望まざるにかかわらず、考えたことは必ず起こるものである。
ふと曲がり角を超えた先には、大広間があった。それに何となく嫌な気がした瞬間、今来た道の天井がガラガラと崩れて、塞がれてしまう。
「うっ!?」
驚く間もなく、大広間の床がそこかしこで光り出す。見れば、魔法陣が多数描かれている。
そしてその光る魔法陣の上には――
「召喚陣!? それがこの数……ここはモンスターハウスか!」
モンスターハウスとは、簡単に言えば一つの部屋に大量の魔物がひしめく罠のことだ。
閉鎖空間で同時に多数の魔物を相手取るのは、非常に危険ではある。しかし多くのドロップ品と財宝が期待できるため、苦難を乗り越えた先には一攫千金の夢が待っている。迷宮のハイリスクハイリターンさを顕著に示す存在と言えよう。
「しかも、精霊系モンスターハウス! ヤバい、聖水と火の玉がコンボが使えない……!」
そのモンスターハウスには、大きく分けて二つの種類がある。
一つは、単純にその階層の魔物が集結しているパターン。
もう一つは、特定の種族の魔物が召喚陣によって発生するパターン。今回は、この後者であった。
火の玉は水の精霊に効かず、火の精霊に至ってはむしろ吸収されてしまう。
「どうする、俺。どうするよ……考えろ、考えるんだ……!」
迷宮制覇において、モンスターハウスとの遭遇は絶対に避けては通れない。必ず一度は潜り抜けるべき試練なのである。
今、グライクの覚悟と実力が試される――
どのような敵が現れるか、彼らには未知の領域であり、所々に水溜りのあるツルツルした洞窟を慎重に進んでいく。
すると、青白く光る骸骨のような鎧武者が現れた。
「お、出たな。こいつはヤオヨロズの試し斬りに丁度いいかな」
「はい、ではお任せしますね。私は邪魔が入らないよう、周りを警戒します」
「陽動は任せてニャン」
ヤマトナが鞭を構えて援護体制に入ると、ファムファが骸骨の背後に回って敵の注意を引き付ける。それに釣られて鎧武者が背中を見せたところに、グライクが斬りかかる。
「おおりゃあ!」
気合を込めた掛け声と共に剣が振るわれ、着ている鎧ごと、その体が斜めに真っ二つとなった。
「やるニャア!」
「お見事です! ここ三日の修行の成果が出ましたね」
ミスリルの装備が出来上がるのを待つ間、グライクはヤマトナに剣の手ほどきを受けていた。
教え方が良かったのか筋がいいのか、腕前はみるみるうちに上達し、すでにこの階層の魔物を仕留めるのに苦労しないほどになっている。
もちろん、ファムファのサポートあってのことではあるが。
「どんどんいくニャ!」
「おう!」
それから時折現れる魔物を同じように倒して進み、その結果、ヤオヨロズは完全にグライクの手に馴染んだ。
元々剣としての出来が格別なのもあり、もはや手足のように操れる。
また剣の特性により敵を感知できるため、不意打ちを受けることなく、むしろ有利な状況で戦闘を仕掛けられる。
向かう所敵なしの絶好調さに、グライクは完全に浮かれていた。
そして、好事魔多しとはよく言ったものである。
それは、今また魔物を倒したグライクが、一息つこうと壁に手をついた瞬間のことであった。
「ふぅ……んっ!?」
ガコッ、と音がして手をついた壁が凹み、続いてドドドドド、と何か不吉な音が壁の奥から低く響いてくる。
「やっ、やばいニャ!」
「若様、こちらへ!」
三人は慌ててヤマトナの近くに固まり、罠の起動に備えた。
と、次の瞬間。
「洪水だ!」
迷宮の閉鎖性を利用した致命的な罠である。
仮にフル装備の重鎧を着ていたとて、溺れる水の前には意味がない。いわんや、今の三人では逃げるしかない。
「こっちニャ!」
「若様、お早く!」
「え、あ、待って……!」
生まれ持った反射神経、あるいは熟練の条件反射をもって即座に反応した猫獣人と忍者メイドに対し、新人冒険者に過ぎないグライクは一歩遅れてしまう。
「若様、こちらへ!」
「うわああああ」
しかし、主人の身を案じて振り向いたヤマトナの横を、グライクは目にも止まらぬ速さで駆け抜けた。
「わ、若様!?」
グライク本人も訳が分からないほどのスピードで、安全地帯と思われる曲がり角まで辿り着く。
「? ? ? ……あ、そうだ。これを履いていたんだった」
グライクの足元は、パワーナインの一つ、荒鬼霊主の靴で飾られていた。一歩ごとに速度が倍となる秘宝である。
「て、あれ。ファムファとヤマトナが追いついてこない……はぐれちゃったのか」
あまりに速度が出たせいで、ここに辿り着くまでにいくつかの安全地帯らしき場所を通過してしまった。彼女らはそのうちのどれかにて難を逃れたのだろう。
「マズいな、早く合流しないと。諺にある通り、一罠去ってまた一罠、ってやつか」
迷宮とはいわば人を迷わす罠そのものである。罠の後には罠が続く、という慣用句通りの状況に、グライクは陥っていた。
「とりあえず、来た道を戻るか」
しばらく通路を戻るが、道というものは行く時と戻る時とでまったく変わって見えてしまう。
どこまで戻ればいいか分からずに歩き回るうち、グライクは本格的に迷ってしまった。
「や、ヤバい……! こんなタイミングで敵の大軍に襲われたら……」
そして、望むと望まざるにかかわらず、考えたことは必ず起こるものである。
ふと曲がり角を超えた先には、大広間があった。それに何となく嫌な気がした瞬間、今来た道の天井がガラガラと崩れて、塞がれてしまう。
「うっ!?」
驚く間もなく、大広間の床がそこかしこで光り出す。見れば、魔法陣が多数描かれている。
そしてその光る魔法陣の上には――
「召喚陣!? それがこの数……ここはモンスターハウスか!」
モンスターハウスとは、簡単に言えば一つの部屋に大量の魔物がひしめく罠のことだ。
閉鎖空間で同時に多数の魔物を相手取るのは、非常に危険ではある。しかし多くのドロップ品と財宝が期待できるため、苦難を乗り越えた先には一攫千金の夢が待っている。迷宮のハイリスクハイリターンさを顕著に示す存在と言えよう。
「しかも、精霊系モンスターハウス! ヤバい、聖水と火の玉がコンボが使えない……!」
そのモンスターハウスには、大きく分けて二つの種類がある。
一つは、単純にその階層の魔物が集結しているパターン。
もう一つは、特定の種族の魔物が召喚陣によって発生するパターン。今回は、この後者であった。
火の玉は水の精霊に効かず、火の精霊に至ってはむしろ吸収されてしまう。
「どうする、俺。どうするよ……考えろ、考えるんだ……!」
迷宮制覇において、モンスターハウスとの遭遇は絶対に避けては通れない。必ず一度は潜り抜けるべき試練なのである。
今、グライクの覚悟と実力が試される――
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