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第三章
上原 哲也②
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母は暴力をする事だけは父みたいに怒りやしたね。
‥それは、少し後悔っす。やっぱり暴力で解決することって、そうないんすよね。
高校に入学してからは、気持ちを入れ替えようとしたんすよ。
まぁ、俺の頭で入れるところなんて所詮知れていたんすけど。
いわゆる、底辺高っす。
同級生の中には、性根の腐った奴もいやしてね。
そんな奴に腕っぷしで、なんて思いやしたが、踏みとどまったんすよ。
母と父の顔が浮かんでしまって。
そんな所何かを変えるために、自分はそこで柄にもなくクラス委員長に立候補したんす。
へへっ、母は喜んでくれやしたね。
でもまぁ、入学して一年が経っても何か変わるわけでもなく、またクラスメイトの中に影でイジメをする奴もいるんすよ。
西山と田部っていう名前の野郎っす。
俺はそいつらを、懲りもなく、殴ったんすけどね‥。
でもね、そいつらと殴り合って、何か気があいやしてね。
そこからは一緒に帰ったりする仲になったんすよ。
何だかんだ、トラブルは多い高校でしたが、俺が二年に上がった時は少しずつ雰囲気も変わってきやしてね。
クラスから、イジメのような事は見えなくなりやした。
担任から「生徒会長にならないか?」なんて相談されるくらい、俺も目立ってたんすよ。
あれ、何か脱線してやすかね。
まぁ、まだまだ語り足りないんすけど、本題の俺の後悔、について。
俺の最後の前世の記憶は、記事の通りっす。
○○県○○市の下り坂の先にあるガードレールに突っ込んだ男子高校生が死亡。
なんとも情けないっすよねぇ。
俺あの日の放課後、西山に呼ばれたんすよ。
助けてくれ、先輩に殺されるって。
慌てふためいて連絡するもんだから、俺も慌てて場所を聞いてね。
確か、旧倉庫だったなぁ。
急いで家に帰って、バイクを走らせやしたよ。
‥あ。今思えば、弟と最後に会ったのもその日っすね。
なんて言われたかな‥覚えていやせんが。
まぁ、とにかく俺は走らせたんす。
家を出てすぐの下り坂。
その右を曲がってすぐの交差点。
‥まぁ、辿り着くことはできやせんでしたね。
俺の後悔はね、西山がどうなったか、なんすよ。
約束したんす。
必ず助けるから、待ってろって。
俺しかいない、って思ってたから。
あいつ、今でも無事で生きてくれてればいいんすけど。
あとは、そうすね、やっぱり家族っす。
俺がいなくなってから、どうなってるか。
母と弟の二人で、ちゃんとやってるのか。
それだけが、俺の気がかりっす。
‥それは、少し後悔っす。やっぱり暴力で解決することって、そうないんすよね。
高校に入学してからは、気持ちを入れ替えようとしたんすよ。
まぁ、俺の頭で入れるところなんて所詮知れていたんすけど。
いわゆる、底辺高っす。
同級生の中には、性根の腐った奴もいやしてね。
そんな奴に腕っぷしで、なんて思いやしたが、踏みとどまったんすよ。
母と父の顔が浮かんでしまって。
そんな所何かを変えるために、自分はそこで柄にもなくクラス委員長に立候補したんす。
へへっ、母は喜んでくれやしたね。
でもまぁ、入学して一年が経っても何か変わるわけでもなく、またクラスメイトの中に影でイジメをする奴もいるんすよ。
西山と田部っていう名前の野郎っす。
俺はそいつらを、懲りもなく、殴ったんすけどね‥。
でもね、そいつらと殴り合って、何か気があいやしてね。
そこからは一緒に帰ったりする仲になったんすよ。
何だかんだ、トラブルは多い高校でしたが、俺が二年に上がった時は少しずつ雰囲気も変わってきやしてね。
クラスから、イジメのような事は見えなくなりやした。
担任から「生徒会長にならないか?」なんて相談されるくらい、俺も目立ってたんすよ。
あれ、何か脱線してやすかね。
まぁ、まだまだ語り足りないんすけど、本題の俺の後悔、について。
俺の最後の前世の記憶は、記事の通りっす。
○○県○○市の下り坂の先にあるガードレールに突っ込んだ男子高校生が死亡。
なんとも情けないっすよねぇ。
俺あの日の放課後、西山に呼ばれたんすよ。
助けてくれ、先輩に殺されるって。
慌てふためいて連絡するもんだから、俺も慌てて場所を聞いてね。
確か、旧倉庫だったなぁ。
急いで家に帰って、バイクを走らせやしたよ。
‥あ。今思えば、弟と最後に会ったのもその日っすね。
なんて言われたかな‥覚えていやせんが。
まぁ、とにかく俺は走らせたんす。
家を出てすぐの下り坂。
その右を曲がってすぐの交差点。
‥まぁ、辿り着くことはできやせんでしたね。
俺の後悔はね、西山がどうなったか、なんすよ。
約束したんす。
必ず助けるから、待ってろって。
俺しかいない、って思ってたから。
あいつ、今でも無事で生きてくれてればいいんすけど。
あとは、そうすね、やっぱり家族っす。
俺がいなくなってから、どうなってるか。
母と弟の二人で、ちゃんとやってるのか。
それだけが、俺の気がかりっす。
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