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Another Story
高良 美兎②
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「今日はこれくらいでいいかなー」
椅子の上で大きく伸びをする。春休みの宿題範囲をいち早く終わらせる。
春休みに宿題をしている時間はない。きっと、生徒会で忙しいし。
時計を見る。
時刻は21.00。まだ寝るには少し早いので、私はベッドの上で横になった。
スマホの中のアルバムを開く。
その中の一枚の写真データをタップすると、昔懐かしい写真が出てきた。
小さい頃の、人見知りの私と入人くんがツーショットで写っている。
「ふふっ」と自然と笑顔が漏れる。
今日は、凄くいい事を聞いた。
ビッグニュース、いや、ハッピーニュース?
入人くんが、先帝高校に教師として来るらしい。
何で、と聞いたけど、お母さんもよく分かってないようだった。
入人くんと最後にあったのは随分と前の事だけど、確か、伯父様の会社で働いているって聞いていたけど。
その伯父様が亡くなったから?
分からないけど、流石に踏み込めないな。
凄く気になるけど、入人くんは、何でも答えてくれるけど、伯父様関連の質問には露骨に顔に出る。
まぁ、いいや。
私は、とにかくまた近くでいられるのが嬉しい。
それだけで、心がワクワクする。
教師との禁断の恋、そんなことは望まないし、これからも入人くんと何かあるなんて期待してないよ?
でも、密かな恋心くらい持ってもいいよね。
インターホンが鳴った。
こんな時間に、誰?
お母さんが、はーい、と出ている。
お隣さんかな。
ピコン、とスマホが鳴った。
智永ちゃんからだ。
『松浦に何て断るか考えた?』
う~。忘れてた。
『まだ‥どうしよ』
『私が代わりに言ってあげようか?』
『え、駄目だよ』
『じゃあどうするの?』
うーん、とまた私が悩む。
その時、部屋をノックされた。
「はーい」
私が部屋を開ける。
「ひっ」
突然現れた、見知らぬ人物。私は足がもつれ、そのまま尻餅をつく。
上から下まで、全身白の服装。髪は伸びきっており、何か、嫌な臭い。
「お、おかあさん」
私は震える声で、後ろに立っているお母さんに話しかける。
様子がおかしい。
お母さんは、虚ろな表情でこう言った。
「美兎、大切なお客さんよ。丁重にお迎えしなさい」
そう言ってお母さんは部屋を出ていく。
「は、初めまして、た、高良美兎さん」
声を震わしながら、その人物が近づいてくる。
「キャ、キャー!!!」
私は大声を出す。
いや、来ないで、近寄らないで。
「め、面倒だなぁ」
その男は、無理やり私の腕を掴む。
そして、何かを取り出して私に見せてきた。
スマホ?
椅子の上で大きく伸びをする。春休みの宿題範囲をいち早く終わらせる。
春休みに宿題をしている時間はない。きっと、生徒会で忙しいし。
時計を見る。
時刻は21.00。まだ寝るには少し早いので、私はベッドの上で横になった。
スマホの中のアルバムを開く。
その中の一枚の写真データをタップすると、昔懐かしい写真が出てきた。
小さい頃の、人見知りの私と入人くんがツーショットで写っている。
「ふふっ」と自然と笑顔が漏れる。
今日は、凄くいい事を聞いた。
ビッグニュース、いや、ハッピーニュース?
入人くんが、先帝高校に教師として来るらしい。
何で、と聞いたけど、お母さんもよく分かってないようだった。
入人くんと最後にあったのは随分と前の事だけど、確か、伯父様の会社で働いているって聞いていたけど。
その伯父様が亡くなったから?
分からないけど、流石に踏み込めないな。
凄く気になるけど、入人くんは、何でも答えてくれるけど、伯父様関連の質問には露骨に顔に出る。
まぁ、いいや。
私は、とにかくまた近くでいられるのが嬉しい。
それだけで、心がワクワクする。
教師との禁断の恋、そんなことは望まないし、これからも入人くんと何かあるなんて期待してないよ?
でも、密かな恋心くらい持ってもいいよね。
インターホンが鳴った。
こんな時間に、誰?
お母さんが、はーい、と出ている。
お隣さんかな。
ピコン、とスマホが鳴った。
智永ちゃんからだ。
『松浦に何て断るか考えた?』
う~。忘れてた。
『まだ‥どうしよ』
『私が代わりに言ってあげようか?』
『え、駄目だよ』
『じゃあどうするの?』
うーん、とまた私が悩む。
その時、部屋をノックされた。
「はーい」
私が部屋を開ける。
「ひっ」
突然現れた、見知らぬ人物。私は足がもつれ、そのまま尻餅をつく。
上から下まで、全身白の服装。髪は伸びきっており、何か、嫌な臭い。
「お、おかあさん」
私は震える声で、後ろに立っているお母さんに話しかける。
様子がおかしい。
お母さんは、虚ろな表情でこう言った。
「美兎、大切なお客さんよ。丁重にお迎えしなさい」
そう言ってお母さんは部屋を出ていく。
「は、初めまして、た、高良美兎さん」
声を震わしながら、その人物が近づいてくる。
「キャ、キャー!!!」
私は大声を出す。
いや、来ないで、近寄らないで。
「め、面倒だなぁ」
その男は、無理やり私の腕を掴む。
そして、何かを取り出して私に見せてきた。
スマホ?
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