上 下
1 / 133

プロローグ

しおりを挟む
「あぁ、感動的だ」

今、俺の目の前には夢にまで見た光景が広がっている。

目を閉じ、聞こえてくる音に耳を澄ました。

「なに、が、感動的よ」

左からノイズが聞こえてくる。

少し苛立ちながら俺はその人物に話しかけた。

「静かにしてくれないか。今、いいところなんだ」

「だから、はやく、こんな馬鹿な事は止めさせなさい!」

「自慰行為に耽っている君にそんな事言われてもなぁ。説得力にかける」

体育館の壇上の上で、全校生徒に見せつけるようにオナニーをしているのは生徒会長の一ノ瀬唄いちのせうただ。

全裸でM字開脚しながら、自身の性器に指を入れ激しく動かしている。
後ろから彼女の胸を揉んでいるのは新任教師の木本英雄きもとえいゆう

根暗で大人しかった彼も、今となっては随分様変わりした。
息を荒くし、一ノ瀬の胸をいやらしい手つきで揉みしだく。

「見たまえ、生徒会長。全校生徒と教師が君をネタにし、気持ち良くなっている姿を」

広い体育館を全面に使い、左端では教師陣が、中央から右側にかけて生徒たちが全裸で一心不乱にオナニーをしている。

「皆、したくてしてるわけじゃ、ない!」

「そう。全ては催眠アプリのお陰だ。ここまで来るのに色々苦労したが、教師から生徒まで、君を除く全ての人間は完全に俺の支配下だ」

最前列で生徒達に見せつけるようにしているのは生徒会の面々だ。

普段はクールに生徒会を支えていた生徒会副会長の河合可憐かわいかれんが、激しくオナニーをしている姿など、数ヶ月前では考えられなかった。

「その、インチキアプリ‥」

「インチキとは酷い。これは本物だよ」

一ノ瀬に向けて催眠アプリを起動する。

「やめて、‥あっ」

一瞬恐怖に歪んだ顔をしたが、ぐるぐると渦巻き状に回るその画面を見せると、すぐに虚ろな表情に変わる。

「もっと激しく指を動かしなさい」

「あっ、あぁぁ」

その暗示通りに指を激しく動かす。

端正な顔を歪ませ、艶のある黒髪は動かす度に乱れる。

しかし、それは一瞬だ。すぐに目に光が戻り「この、クズ野郎!」と睨んできた。

「素晴らしいね。流石☆5の生徒だ」

「人をランク付けなんて、最低最悪の下劣行為よ!あなたみたいなクソ教師、消えてなくなればいい!」

「お嬢様の言葉ではないね。最高ランクに選ばれている事を誇りに思ってほしいがね。さて、ここからが本番だ」

「‥何をするつもり?」

「決まっているだろう。今からこの場にいる全員で性行為をしてもらうんだよ」

一ノ瀬の表情が絶望へと変わる。
顔は青ざめ、言葉にならない様子で口を動かしている。

いい、いい。

この、全てを支配している感覚が堪らない。

「あなた、一体何がしたいのよ」

涙をうっすら浮かべながら聞いてくる。

そう言われれば、聞かれた事も無かったし、自分でも考えた事は無かった。

少し考えてみる。

小さい頃から、誰かを支配したい欲望は強かった。

もう一度、壇上から全体を見渡す。

教師・生徒共々が快楽に身を委ね、喘いでいる声。
敵意をむき出しにしている生徒会長ですらそうだ。

普段は優等生で周囲から将来を嘱望されてきた子供たち。そして子供だった大人。

勉学に励み、運動に励み、文武両道を期待されて来た君達。

しかしどうだ。

今、この瞬間。恍惚とした表情を浮かべながら性欲を満たすその姿は、君達自身が望んでいた事だろう。

そうだ、この催眠アプリを手に入れてからずっとやりたかったことは、これだった。

俺は生徒会長に向き合い、語りかけた。

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...