351 / 385
15章 祈り(後)
37話 さまよえるイリアス(3)
しおりを挟む
シリルの教会を立ち去ったあと、僕はポルト市街へ。
僕はもうすぐ死ぬ。街を出ようとすると倒れる。
さらに活動時間にも限界がある。意識を取り戻してから12時間ほど経過すると倒れてしまう。
こんな状態ではできることがあるはずもない。ここ数日は倒れるまでポルト市街をあてもなく歩くのが日課になっていた。
本当に、ただ歩くだけだ。何をするでもなく誰と話すでもなく、道行く人の"樹"や"花"を見ながら歩く。
人の感情を示すその植物達は少し意識を集中すれば見ないようにもできた。だが、僕はあえて見続けてきた。
孤児イリアス、ヨハン、ロゴス、司祭イリアス……全員、それを見るのが好きだった。
街には感情があふれている。様々な感情の"樹"や"花"が地面を、建物の窓を突き破って生えて、複雑に絡み合っている。
それは醜く汚く、しかし美しい。
道行く人はいつも違うから、樹も花も日によって様相が違う。
まるで原生林の中を歩いているようで、心地よかった。
赤眼になってそれもできなくなるかと思ったが、紋章の力を使えば瞳の色を偽ることは容易だった。
しかし、微弱とはいえ魔力を常に放出していなければいけないのが難点だ。
もしかしたら、いつもより早く限界が訪れるかもしれない……。
◇
歩きながら、様々な情報を整理する。
なぜ、僕は死ぬのか?
禁呪の使いすぎだ。命を無為に弄び消費した人間は精神が摩耗し、やがて肉体も滅ぶ。
先代"ロゴス"――シモンもそうだった。ニコライを壁に塗り込め僕にロゴスを押しつけたあと、ドロドロに崩れて死んでいった。僕も近いうちにそうなるのだろう。
なぜ、街を出ようとすると倒れるのか?
人里には魔物が侵入できないよう光の結界が張られている。
結界の張られていない場所は、闇を動力源とする魔物の領域……その闇の気に身体が触れると倒れるらしい。
――僕を裁くのは"闇"だ。
人命を利用して禁忌を犯し悪逆の限りを尽くした僕を、闇は許さない。
さらに今、その闇の力が増大している。聖女の封印を解いたことが主な原因だが……もうひとつ、それ以上に大きい"闇"が僕の行動を阻んでいる。
グレン・マクロードとカイル・レッドフォードだ。
最近あの2人が魔物討伐の依頼を積極的に受けるようになった……と、ギルドマスターと酒場の店主が話しているのを聞いた。
ここ数日で狩った魔物の数は300を優に超えるという。
それほどの数の魔物を斬る時、奴らは果たして無心だろうか。
……確実に斬る対象とは違う何かをイメージしているはず。
本当に斬りたいものはこれではない。憎しみと怨念を乗せたこの剣で貫き切り裂きたいのは、こいつではない――。
闇とは何か。人間の心の後ろ暗い部分の集まり。人間がいる限りこの世から闇はなくならない。
魔法は心の力――闇の魔力も当然、人間の心によるもの。
怒れる戦士2人の憎悪の念は闇の力となって空を漂い、僕にだけ作用する強大な障壁となる――。
「ふふ……」
――参った。人の恨みなんて、買うものではないな。
今奴らはこの街にいないようだ。
どこにいるのだろう、何をしているのだろう?
――ああ、奴らの"樹"を見たい。
僕ひとりだけに向けられた憎悪の念で育った"樹"……ここ数日で、一体どれほど歪で巨大に育っただろうか……?
良い感情を示すものは、小さいが美しい。本物の植物と同じく、育つのに時間がかかる。
それに対し、悪い感情が育つのは一瞬だ。
あの2人は僕を憎んでいるから、最初から"樹"も大きかった。
相手が嫌がるであろう言葉をかけてやれば、短時間でおもしろいように育つ。
一体どこまで育つのか、限界はあるのだろうか、そのうちに爆発したりするだろうか――そう思って煽って煽って……。
しかしその行動は全て自分に返り、計画の失敗に繋がることになった。
ああいうものは観察にとどめておくべきだった。
遊びで育てるものではないな……。
◇
「……くっ……」
夜6時頃、意識が混濁し始める。
やはりいつもより早い。さらに、いつもと症状が違う。
身体が、頭が重い。三半規管に異常をきたしたのか、平衡感覚を保っていられない。
歩くことも立つこともままならない。
視界が歪む。自分がどこに立っているのか認識できない。
目に映る景色が左右に忙しなく移動し、回転し始める。
視界の端で何かが明滅している。
……どうやら今日は、ここで終わりらしい……。
――――――………………
――――…………
――……
……
「…………」
――鳥の鳴き声が聞こえる。
朝だ……今日も死んでいない。
寒い。空気が冷たい上、身体のあちこちが痛い。
「……くっ……」
呻きながら身体を起こすと、そこはどこかの建物の隙間だった。
こんなところで倒れたため誰にも発見されず、そのまま夜を明かしてしまったらしい。
建物の隙間の地面は固くじめじめしており、淀んだ空気の何とも言えない匂いが鼻をつく。
昔シモンに幾度となくこういう場所へ連れ込まれたことを思い出し、吐き気がしてくる。
「教会のベッドは固くて寝心地が悪い」などと考えた昨日の自分を呪った。
「!」
立ち上がれず地べたに座り込んでいる僕の元に、一羽のカラスが飛来した。
カァ、カァ、と大きく鳴き声を上げ、地面についている僕の手をゴツゴツとつつく。
「っ……やめろ。僕はまだ、"死肉"じゃない……」
言いながら手で振り払おうとするが、カラスは全く動じない。
一度地面から飛び立ってバサバサと大きく羽ばたいてから着地し、僕の手の甲をつつきながらまたカァ、カァ、とけたたましい鳴き声を上げた。
「…………?」
何か様子がおかしい。カラスが、死んでもいない、縄張りを荒らしてもいない人間にこうまで執着するものだろうか……?
「あーもう、なんだよ、うるせえんだよー!」
「!!」
――男の声だ。石畳をカツコツと踏み鳴らしながら、こちらへ近づいてくる。
「……あっ! ちょっと、何やってんだよ兄さん! こんなとこで寝てられちゃ、こま――」
言葉の途中で、男は「ヒッ」と息を呑む。それと同時に僕を威嚇していたカラスが飛び立ち、男の元へ。
飛び立った拍子にカラスの身体から羽根が抜け落ち空を舞う――陽光に照らされた羽根はわずかに紫色に輝き、地面に落ちることなく消えた。
明るいところに出たその生き物は、普通のカラスとは全く様相が異なっていた。黒みかかった紫色の身体に、赤く輝く瞳――あれは、闇の使い魔か……。
「…………」
(……ジャミル・レッドフォード……)
使い魔は主人――ジャミル・レッドフォードの肩に止まり、けたたましい鳴き声を上げ再びこちらを威嚇しはじめた。
ジャミル・レッドフォードはそれとは対照的に何も喋らない。
驚愕の表情を浮かべたまま、ただ立ち尽くしている。
僕はもうすぐ死ぬ。街を出ようとすると倒れる。
さらに活動時間にも限界がある。意識を取り戻してから12時間ほど経過すると倒れてしまう。
こんな状態ではできることがあるはずもない。ここ数日は倒れるまでポルト市街をあてもなく歩くのが日課になっていた。
本当に、ただ歩くだけだ。何をするでもなく誰と話すでもなく、道行く人の"樹"や"花"を見ながら歩く。
人の感情を示すその植物達は少し意識を集中すれば見ないようにもできた。だが、僕はあえて見続けてきた。
孤児イリアス、ヨハン、ロゴス、司祭イリアス……全員、それを見るのが好きだった。
街には感情があふれている。様々な感情の"樹"や"花"が地面を、建物の窓を突き破って生えて、複雑に絡み合っている。
それは醜く汚く、しかし美しい。
道行く人はいつも違うから、樹も花も日によって様相が違う。
まるで原生林の中を歩いているようで、心地よかった。
赤眼になってそれもできなくなるかと思ったが、紋章の力を使えば瞳の色を偽ることは容易だった。
しかし、微弱とはいえ魔力を常に放出していなければいけないのが難点だ。
もしかしたら、いつもより早く限界が訪れるかもしれない……。
◇
歩きながら、様々な情報を整理する。
なぜ、僕は死ぬのか?
禁呪の使いすぎだ。命を無為に弄び消費した人間は精神が摩耗し、やがて肉体も滅ぶ。
先代"ロゴス"――シモンもそうだった。ニコライを壁に塗り込め僕にロゴスを押しつけたあと、ドロドロに崩れて死んでいった。僕も近いうちにそうなるのだろう。
なぜ、街を出ようとすると倒れるのか?
人里には魔物が侵入できないよう光の結界が張られている。
結界の張られていない場所は、闇を動力源とする魔物の領域……その闇の気に身体が触れると倒れるらしい。
――僕を裁くのは"闇"だ。
人命を利用して禁忌を犯し悪逆の限りを尽くした僕を、闇は許さない。
さらに今、その闇の力が増大している。聖女の封印を解いたことが主な原因だが……もうひとつ、それ以上に大きい"闇"が僕の行動を阻んでいる。
グレン・マクロードとカイル・レッドフォードだ。
最近あの2人が魔物討伐の依頼を積極的に受けるようになった……と、ギルドマスターと酒場の店主が話しているのを聞いた。
ここ数日で狩った魔物の数は300を優に超えるという。
それほどの数の魔物を斬る時、奴らは果たして無心だろうか。
……確実に斬る対象とは違う何かをイメージしているはず。
本当に斬りたいものはこれではない。憎しみと怨念を乗せたこの剣で貫き切り裂きたいのは、こいつではない――。
闇とは何か。人間の心の後ろ暗い部分の集まり。人間がいる限りこの世から闇はなくならない。
魔法は心の力――闇の魔力も当然、人間の心によるもの。
怒れる戦士2人の憎悪の念は闇の力となって空を漂い、僕にだけ作用する強大な障壁となる――。
「ふふ……」
――参った。人の恨みなんて、買うものではないな。
今奴らはこの街にいないようだ。
どこにいるのだろう、何をしているのだろう?
――ああ、奴らの"樹"を見たい。
僕ひとりだけに向けられた憎悪の念で育った"樹"……ここ数日で、一体どれほど歪で巨大に育っただろうか……?
良い感情を示すものは、小さいが美しい。本物の植物と同じく、育つのに時間がかかる。
それに対し、悪い感情が育つのは一瞬だ。
あの2人は僕を憎んでいるから、最初から"樹"も大きかった。
相手が嫌がるであろう言葉をかけてやれば、短時間でおもしろいように育つ。
一体どこまで育つのか、限界はあるのだろうか、そのうちに爆発したりするだろうか――そう思って煽って煽って……。
しかしその行動は全て自分に返り、計画の失敗に繋がることになった。
ああいうものは観察にとどめておくべきだった。
遊びで育てるものではないな……。
◇
「……くっ……」
夜6時頃、意識が混濁し始める。
やはりいつもより早い。さらに、いつもと症状が違う。
身体が、頭が重い。三半規管に異常をきたしたのか、平衡感覚を保っていられない。
歩くことも立つこともままならない。
視界が歪む。自分がどこに立っているのか認識できない。
目に映る景色が左右に忙しなく移動し、回転し始める。
視界の端で何かが明滅している。
……どうやら今日は、ここで終わりらしい……。
――――――………………
――――…………
――……
……
「…………」
――鳥の鳴き声が聞こえる。
朝だ……今日も死んでいない。
寒い。空気が冷たい上、身体のあちこちが痛い。
「……くっ……」
呻きながら身体を起こすと、そこはどこかの建物の隙間だった。
こんなところで倒れたため誰にも発見されず、そのまま夜を明かしてしまったらしい。
建物の隙間の地面は固くじめじめしており、淀んだ空気の何とも言えない匂いが鼻をつく。
昔シモンに幾度となくこういう場所へ連れ込まれたことを思い出し、吐き気がしてくる。
「教会のベッドは固くて寝心地が悪い」などと考えた昨日の自分を呪った。
「!」
立ち上がれず地べたに座り込んでいる僕の元に、一羽のカラスが飛来した。
カァ、カァ、と大きく鳴き声を上げ、地面についている僕の手をゴツゴツとつつく。
「っ……やめろ。僕はまだ、"死肉"じゃない……」
言いながら手で振り払おうとするが、カラスは全く動じない。
一度地面から飛び立ってバサバサと大きく羽ばたいてから着地し、僕の手の甲をつつきながらまたカァ、カァ、とけたたましい鳴き声を上げた。
「…………?」
何か様子がおかしい。カラスが、死んでもいない、縄張りを荒らしてもいない人間にこうまで執着するものだろうか……?
「あーもう、なんだよ、うるせえんだよー!」
「!!」
――男の声だ。石畳をカツコツと踏み鳴らしながら、こちらへ近づいてくる。
「……あっ! ちょっと、何やってんだよ兄さん! こんなとこで寝てられちゃ、こま――」
言葉の途中で、男は「ヒッ」と息を呑む。それと同時に僕を威嚇していたカラスが飛び立ち、男の元へ。
飛び立った拍子にカラスの身体から羽根が抜け落ち空を舞う――陽光に照らされた羽根はわずかに紫色に輝き、地面に落ちることなく消えた。
明るいところに出たその生き物は、普通のカラスとは全く様相が異なっていた。黒みかかった紫色の身体に、赤く輝く瞳――あれは、闇の使い魔か……。
「…………」
(……ジャミル・レッドフォード……)
使い魔は主人――ジャミル・レッドフォードの肩に止まり、けたたましい鳴き声を上げ再びこちらを威嚇しはじめた。
ジャミル・レッドフォードはそれとは対照的に何も喋らない。
驚愕の表情を浮かべたまま、ただ立ち尽くしている。
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
別れてくれない夫は、私を愛していない
abang
恋愛
「私と別れて下さい」
「嫌だ、君と別れる気はない」
誕生パーティー、結婚記念日、大切な約束の日まで……
彼の大切な幼馴染の「セレン」はいつも彼を連れ去ってしまう。
「ごめん、セレンが怪我をしたらしい」
「セレンが熱が出たと……」
そんなに大切ならば、彼女を妻にすれば良かったのでは?
ふと過ぎったその考えに私の妻としての限界に気付いた。
その日から始まる、私を愛さない夫と愛してるからこそ限界な妻の離婚攻防戦。
「あなた、お願いだから別れて頂戴」
「絶対に、別れない」
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
私があなたを好きだったころ
豆狸
恋愛
「……エヴァンジェリン。僕には好きな女性がいる。初恋の人なんだ。学園の三年間だけでいいから、聖花祭は彼女と過ごさせてくれ」
※1/10タグの『婚約解消』を『婚約→白紙撤回』に訂正しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる