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【第3部】13章 切り裂く刃
22話 道
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翌朝、母の元に伯母2人がやってきた。
離婚騒動の時点では「引き取りを拒否する」という手紙を送ってきただけだったけれど、司祭様、そして聖女様までも侮辱し汚したという非常事態に駆けつけたという。
とはいっても、引き取るためではない。
母を実家のトレント伯領の片隅に仮住まいさせ、引き取り先の修道院は伯母達が探すことになったらしい。
迎えに来た伯母2人の怒りはすさまじいものだった。
母と対面するなり頬を思い切り平手で打ち、2人がかりで母を罵倒しはじめたのだ。
内容は主に妹ルイーザとその両親――あたしの祖父母に向けての恨み言だった。
母は魔法を持つ伯母達と差をつけられていたと言っていたが実際は逆で、魔法を持たないということを憐れんだ祖父母に徹底的に甘やかされていたという。
そして伯母達は「もらいが少ないが可愛い末っ子ルイーザ」のためにあらゆる場面で我慢を強いられていたらしい。
「どこまで迷惑をかければ気が済むの。今度という今度はもう絶対に許さない、縁切りだ」――。
泣きわめく母を馬車に押し込め、伯母達は嵐のように去って行った。
遠ざかる馬車から、伯母達の激しい怒声が聞こえてきた――。
◇
「ベル。……聖女様候補の話は白紙に戻った」
「……そうですか」
母が去り、お昼すぎ。
父に呼ばれて執務室へ行くとそう告げられた。
理由は様々だ。
まず1つは、ここ数日の度重なるストレスであたしが魔法を使えなくなったこと。
聖女様の祈りの力は魔力より生み出される。今現在その魔力を生み出せないなら、聖女様としては不適格。
魔法を使えなくなったことについてハンスが「どうか気を落とさず。私も一度ありました。どれくらいかかるかは分かりませんが、必ず戻ります」と言って慰めてくれた。
そう、これは魔術師にはよくあること。ルカも、それにジャミル君もそうだった。
好きではない力だったけれど、やはり使えないとなるとアイデンティティがひどく揺らぐ……。
「……ごめんなさい」
「何を謝る」
「だって」
「謝らなければならないのは私だろう、完成しなかったからよかったものの、あんな呪わしい剣を作って……。ルイーザのことといい、魔法があったとしてもお前はやはり聖女様の資格を失っていた」
「それは……」
――そう。「魔法を使えなくなった」が表向きの理由だけど、これこそがあたしが聖女様候補から外される最大の理由。
2つ合わせて、大昔ならば火刑に処されるほどの重罪だ。
「……正直に言って、私はお前が聖女様にならなくて良かったと思っている」
「え……?」
「お前が聖女様になれば、お前に関する記憶は失われる。共に過ごした記憶も、お前が生まれた時の記憶もだ」
「はい」
「そうなったら私は、あの剣でルイーザを害していたかもしれない。……お前は、この家の"良心"なのだから」
「良……心?」
思いがけない父の言葉に、涙がこぼれる。
良心。あたしが……?
「お父様は……あたしが邪魔なのだと思っていました」
だって、今までほとんど言葉をかわしていなかった。言葉をかけるのは、用件がある時だけ。
でもいつも何か言いたげで……それは、サンチェス伯領を売り渡して自由に生きることを阻害したあたしを疎ましく思っているからだと思っていた。
「そう思われても仕方がない。ルイーザがお前に私の悪口を吹き込んでいる場面を幾度も目にした。だからお前も同じように思っていると思い込んで、自分の世界に逃げた」
「そんな……」
薄情だ。勝手だ。でも責めることはできない。
だって……。
「あたしは"良心"なんかじゃありません。だってお父様のおっしゃる通り、あたしもお母様にならってひどいことを言っていました。助けてくれないお父様に腹を立てていた部分もありましたけれど、ほとんど全部お母様のご機嫌取りでした。だって、褒めると自分が貶されるから……だから自分が傷つきたくないばかりに、この土地を、お父様を下げるような発言を……」
「そうか」
短く返事をしたのち、父は窓の外を見つめる。
空には曇ひとつない。あの薄黒い煙が消え失せた部屋に、あたたかで心地の良い日が射す。
醜い自分が映し出されるようで逆に居心地が悪い。
「ごめんなさい、あたしは……駄目な子でした。癒やしの力があるのに、なんにも癒やせない……」
「やめなさい。……子供が親に詫びるなど」
「だってあたしは、ここが好きなのに……ここのぶどうだっていつもおいしいのに、あたし、あたし」
ぼろぼろと涙をこぼして泣き始めたあたしを見て父が立ち上がり、あたしを抱きしめた。
「悪いのは全て私だ。ルイーザに注意をできるのは私だけだったのに、傷つきたくないがために何も対話せず……お前もルイーザと同じに私とこの土地を嫌っていると決めつけ、勝手に閉じこもって、汚い気持ちを全てあの剣に……それがお前の心と体を傷つけた。その場面になってやっと、初めてお前の大切さに気がついたのだ。ルイーザだけではない、私も親失格だ」
「……お父様」
「すまなかった、ベル。私はお前に……私の両親のような"家族"を見せてやれなかった……」
「……うっ……ひっ」
父にしがみついて、子供のように大声で泣いた。そんなあたしの頭を父が撫でてくれる。
「……あの青年と生きたいなら、そうしなさい。私が親としてお前にできるのは、お前を自由にしてやることだけ――」
「『それだけ』なんて、言わないで……これからもベルはお父様の娘です」
「……そうだな、その通りだ。何かあれば、いつでも頼りなさい。この地はいつも変わらない。お前を歓迎している」
「はい」
血のつながりがあるのに、父も母もあたしも、誰もお互いを見ていなかった。
こうして父と親子として、人としてちゃんと気持ちを確かめ合ったのは今日が初めて。でも、最後じゃない。
母とちがって、父とはこれから対話して分かり合える。そうありたい。
「ベルナデッタ。……幸せになりなさい」
◇
みんなに見送られて、あたしはサンチェス伯領をあとにした。
今度は1人じゃない。ジャミル君が、あたしの荷物と父のあの剣を携えて横を歩いている。
「……それ、持ってて大丈夫なの?」
「ああ。まあ、ギリギリ闇の剣になってねえし、闇はすでに先客がいるから。な?」
主人の言葉を聞いて、あたしの肩に止まったウィルがピピッと鳴く。
「ふふっ」
どうして彼がこの剣を父から受け取ることにしたのか分からない。事情があって聖銀騎士に預けることができないそうだけど……。
「イリアスがいるから……?」
「ああ、知ってたのか。まあそれもあるけど、ちょっと複雑で」
「?」
「あとで説明する。帰ったらこれグレンに渡して、作戦会議かなぁ。……とりあえず」
「わっ」
荷物を一旦置いて、彼があたしを抱きしめる。
「無事でよかった」
「ジャミル君……」
「親父さんとちゃんと話できて、よかったな」
「うん」
「髪……ずいぶん短くなっちまって」
彼が短くなったあたしの髪を撫でた。
あの騒動で切れてしまったのを、美容師に首元あたりまでの長さに整えてもらった。もうちょっと長く保つこともできたけど……。
「あのね……生まれ変わるみたいな意味で、思い切ってね」
「そっか」
「ここまで短いの初めてだから、スースーするわ」
「かわいいと思う」
「本当? ふふ……」
笑い声は彼の唇で塞がれた。
その周りをウィルが螺旋を描くように飛んでピピピと嬉しそうに鳴いた。
「……今度こそ絶対に、離さないから」
「はい」
風がふわりと吹く。
もうすぐ春だ。ぶどうの芽吹きが近い。
辛いことがあっても時間は進んでいく。あたしも進んでいかないといけない。
もう誰も妬んだりも羨んだりもしない。
自分で選びとった道を一緒に歩んでくれる人がいる。
これからはきっと、前を向いて歩いて行けるわ。
――13章 終わり――
離婚騒動の時点では「引き取りを拒否する」という手紙を送ってきただけだったけれど、司祭様、そして聖女様までも侮辱し汚したという非常事態に駆けつけたという。
とはいっても、引き取るためではない。
母を実家のトレント伯領の片隅に仮住まいさせ、引き取り先の修道院は伯母達が探すことになったらしい。
迎えに来た伯母2人の怒りはすさまじいものだった。
母と対面するなり頬を思い切り平手で打ち、2人がかりで母を罵倒しはじめたのだ。
内容は主に妹ルイーザとその両親――あたしの祖父母に向けての恨み言だった。
母は魔法を持つ伯母達と差をつけられていたと言っていたが実際は逆で、魔法を持たないということを憐れんだ祖父母に徹底的に甘やかされていたという。
そして伯母達は「もらいが少ないが可愛い末っ子ルイーザ」のためにあらゆる場面で我慢を強いられていたらしい。
「どこまで迷惑をかければ気が済むの。今度という今度はもう絶対に許さない、縁切りだ」――。
泣きわめく母を馬車に押し込め、伯母達は嵐のように去って行った。
遠ざかる馬車から、伯母達の激しい怒声が聞こえてきた――。
◇
「ベル。……聖女様候補の話は白紙に戻った」
「……そうですか」
母が去り、お昼すぎ。
父に呼ばれて執務室へ行くとそう告げられた。
理由は様々だ。
まず1つは、ここ数日の度重なるストレスであたしが魔法を使えなくなったこと。
聖女様の祈りの力は魔力より生み出される。今現在その魔力を生み出せないなら、聖女様としては不適格。
魔法を使えなくなったことについてハンスが「どうか気を落とさず。私も一度ありました。どれくらいかかるかは分かりませんが、必ず戻ります」と言って慰めてくれた。
そう、これは魔術師にはよくあること。ルカも、それにジャミル君もそうだった。
好きではない力だったけれど、やはり使えないとなるとアイデンティティがひどく揺らぐ……。
「……ごめんなさい」
「何を謝る」
「だって」
「謝らなければならないのは私だろう、完成しなかったからよかったものの、あんな呪わしい剣を作って……。ルイーザのことといい、魔法があったとしてもお前はやはり聖女様の資格を失っていた」
「それは……」
――そう。「魔法を使えなくなった」が表向きの理由だけど、これこそがあたしが聖女様候補から外される最大の理由。
2つ合わせて、大昔ならば火刑に処されるほどの重罪だ。
「……正直に言って、私はお前が聖女様にならなくて良かったと思っている」
「え……?」
「お前が聖女様になれば、お前に関する記憶は失われる。共に過ごした記憶も、お前が生まれた時の記憶もだ」
「はい」
「そうなったら私は、あの剣でルイーザを害していたかもしれない。……お前は、この家の"良心"なのだから」
「良……心?」
思いがけない父の言葉に、涙がこぼれる。
良心。あたしが……?
「お父様は……あたしが邪魔なのだと思っていました」
だって、今までほとんど言葉をかわしていなかった。言葉をかけるのは、用件がある時だけ。
でもいつも何か言いたげで……それは、サンチェス伯領を売り渡して自由に生きることを阻害したあたしを疎ましく思っているからだと思っていた。
「そう思われても仕方がない。ルイーザがお前に私の悪口を吹き込んでいる場面を幾度も目にした。だからお前も同じように思っていると思い込んで、自分の世界に逃げた」
「そんな……」
薄情だ。勝手だ。でも責めることはできない。
だって……。
「あたしは"良心"なんかじゃありません。だってお父様のおっしゃる通り、あたしもお母様にならってひどいことを言っていました。助けてくれないお父様に腹を立てていた部分もありましたけれど、ほとんど全部お母様のご機嫌取りでした。だって、褒めると自分が貶されるから……だから自分が傷つきたくないばかりに、この土地を、お父様を下げるような発言を……」
「そうか」
短く返事をしたのち、父は窓の外を見つめる。
空には曇ひとつない。あの薄黒い煙が消え失せた部屋に、あたたかで心地の良い日が射す。
醜い自分が映し出されるようで逆に居心地が悪い。
「ごめんなさい、あたしは……駄目な子でした。癒やしの力があるのに、なんにも癒やせない……」
「やめなさい。……子供が親に詫びるなど」
「だってあたしは、ここが好きなのに……ここのぶどうだっていつもおいしいのに、あたし、あたし」
ぼろぼろと涙をこぼして泣き始めたあたしを見て父が立ち上がり、あたしを抱きしめた。
「悪いのは全て私だ。ルイーザに注意をできるのは私だけだったのに、傷つきたくないがために何も対話せず……お前もルイーザと同じに私とこの土地を嫌っていると決めつけ、勝手に閉じこもって、汚い気持ちを全てあの剣に……それがお前の心と体を傷つけた。その場面になってやっと、初めてお前の大切さに気がついたのだ。ルイーザだけではない、私も親失格だ」
「……お父様」
「すまなかった、ベル。私はお前に……私の両親のような"家族"を見せてやれなかった……」
「……うっ……ひっ」
父にしがみついて、子供のように大声で泣いた。そんなあたしの頭を父が撫でてくれる。
「……あの青年と生きたいなら、そうしなさい。私が親としてお前にできるのは、お前を自由にしてやることだけ――」
「『それだけ』なんて、言わないで……これからもベルはお父様の娘です」
「……そうだな、その通りだ。何かあれば、いつでも頼りなさい。この地はいつも変わらない。お前を歓迎している」
「はい」
血のつながりがあるのに、父も母もあたしも、誰もお互いを見ていなかった。
こうして父と親子として、人としてちゃんと気持ちを確かめ合ったのは今日が初めて。でも、最後じゃない。
母とちがって、父とはこれから対話して分かり合える。そうありたい。
「ベルナデッタ。……幸せになりなさい」
◇
みんなに見送られて、あたしはサンチェス伯領をあとにした。
今度は1人じゃない。ジャミル君が、あたしの荷物と父のあの剣を携えて横を歩いている。
「……それ、持ってて大丈夫なの?」
「ああ。まあ、ギリギリ闇の剣になってねえし、闇はすでに先客がいるから。な?」
主人の言葉を聞いて、あたしの肩に止まったウィルがピピッと鳴く。
「ふふっ」
どうして彼がこの剣を父から受け取ることにしたのか分からない。事情があって聖銀騎士に預けることができないそうだけど……。
「イリアスがいるから……?」
「ああ、知ってたのか。まあそれもあるけど、ちょっと複雑で」
「?」
「あとで説明する。帰ったらこれグレンに渡して、作戦会議かなぁ。……とりあえず」
「わっ」
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「無事でよかった」
「ジャミル君……」
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「うん」
「髪……ずいぶん短くなっちまって」
彼が短くなったあたしの髪を撫でた。
あの騒動で切れてしまったのを、美容師に首元あたりまでの長さに整えてもらった。もうちょっと長く保つこともできたけど……。
「あのね……生まれ変わるみたいな意味で、思い切ってね」
「そっか」
「ここまで短いの初めてだから、スースーするわ」
「かわいいと思う」
「本当? ふふ……」
笑い声は彼の唇で塞がれた。
その周りをウィルが螺旋を描くように飛んでピピピと嬉しそうに鳴いた。
「……今度こそ絶対に、離さないから」
「はい」
風がふわりと吹く。
もうすぐ春だ。ぶどうの芽吹きが近い。
辛いことがあっても時間は進んでいく。あたしも進んでいかないといけない。
もう誰も妬んだりも羨んだりもしない。
自分で選びとった道を一緒に歩んでくれる人がいる。
これからはきっと、前を向いて歩いて行けるわ。
――13章 終わり――
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ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
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申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
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