277 / 385
【第3部】13章 切り裂く刃
16話 陰謀の渦(後)
しおりを挟む
「え? カイルを? 狙って って……」
「なんで……そういや、セルジュさんも最後らへんアイツのこと聞いてきたけど」
「よく分からないが、カイルのことを探っているのは確かだ。日記を漁ったりもしているらしい」
「に、日記を!?」
「……悪趣味」
ルカがパンケーキを頬張りながらしかめ面でぼそりとつぶやいた。
でも本当に、そうだ。悪趣味としかいえない。
わたしは日記を書いていないけど、勝手に回し読みなんてされたら恥ずかしくて悔しくて消えてしまいたくなるだろう。
しかもイリアスは、グレンさんにカイルの日記の一部を提示して質問をしてきたという。
人の取り調べに他人の日記を……他人事ながら、不快だ。
何がやりたいのかはともかくとして、その内容はなんとも不思議なものだった。
そこには聖女様と思われる女性の名前がはっきりと記されていたらしい。
封印されている聖女様の名前は、書くことも読むこともできないはず。
事実、紋章持ちのグレンさん、そして彼以上に強力な紋章の力を持つイリアスにも読むことはできなかったという。
「そりゃ……変だな」
「日記の内容からして、聖女とは知り合いだったようだが」
「ええっ、でも……」
「ああ、例えばその……恋人だったとしても、頭から消えちまうんだぜ」
「うん……」
「……カイルさんは、時間を越えた人。それが関係ある?」
「!!」
ルカの言葉にわたし達3人は顔を見合わせる。
「時間を……そういや、カイルが消えたのは今の聖女様が就任する前だな……」
「だから、今の聖女様の封印には縛られないってことかな? えっと、括り的には、カイルは前の聖女様の時代の人で……?」
わたしとジャミルの話を聞いたグレンさんが「1回情報を整理しよう」と、懐から取り出した手帳に情報を書き出していく。
カイルは前の聖女様――ローザ様の封印時代を生きていて、そこから過去へ飛ばされた。
だから今もローザ様の封印の影響下にあり、その名前をきっと呼ぶことができない。
一方、今の聖女様が封印される前の時代から飛んだから、そちらの名前は呼べるし書ける。
グレンさんが見せられたカイルの日記の内容からして今の聖女様と何らかの関わりがあり、かつ、聖女様の記憶は全く消えていない。さらに……。
「そういやベルがカイルに言ってたんだけど、アイツ"聖女の加護"を得てるとかなんとかって。……はぐらかされてたけどよ」
「せ、聖女の加護……知り合いだからとか? ……あっ! そういえばあのテレーゼっていう人の呪いの言葉が聞こえなかったって言ってたけど、それもそのおかげ?」
「……思った以上に秘密が多いな。ジャミルと俺はついでで、最初からカイルが目的だったのかもしれない。イリアスの"時代を創る"という目的に何かが合致するのか……」
「関係ねえよ。……何だってんだよ……色々不思議なことがあったって、めちゃくちゃ強くたって、アイツはオレの弟で、普通の人間なんだぞ……」
「…………」
うなだれるジャミルを前に、誰も何の言葉も出せなくなってしまう。
結局その日はそれで解散して、カイルの帰りを待とうということになった。
カイルのことが心配でたまらないけど、正直わたしにできることは何もない。
グレンさんに「学校と日常生活を最優先に」と言われたこともあり、平日も砦に来たい気持ちを抑えてわたしは普段通りの日常を過ごした。
来週砦に行けば、カイルはきっと帰っている。
「ほんとに参ったよ」なんて苦笑いしながらお酒をがぶ飲みしたりなんかして、そんなカイルにジャミルが「お疲れさん」とか言いながら彼の好物をテーブルに並べるの。
それで、情報を整理しながらこれからのことを話し合って……。
そうなると思っていた。
だってそれが、今までのわたしの……わたし達の日常だったんだから。
◇
「え……カイル、まだ帰ってないんですか!?」
「ああ……」
次の週も、カイルの姿はなかった。
砦に行くとグレンさんとジャミルが隊長室で何かを話している最中だった。
2人とも疲れた顔をしている――食堂に場所を移して、温かい飲み物を出した。
「なんで、1週間以上も……」
「……さすがに拘束しすぎだろうと思って抗議しに行ったんだが……」
そう言いながらグレンさんが険しい顔でココアを一口すすり、今日あったことを教えてくれる。
――グレンさんとジャミルの2人で聖銀騎士の詰め所に赴き「返せないならせめて面会を」と申し入れたけど、「イリアス様の命で誰とも会わせることはできない」と門前払いされそうになった。
それならセルジュ様と話を……と食い下がるも、こちらも拒否。
何を言っても聞いても、全く同じ声の調子で「イリアス様の命で誰とも会わせることはできない」と、死んだような目で繰り返すのみだという……。
「何、それ……」
「……さすがにやべえってなって、一旦帰ってきたんだ」
「……正気じゃない。何か術にかかって操られているようだ」
「…………」
思った以上に事態は深刻で、背筋が凍りつく。
カイルは無事なんだろうか?
聖銀騎士は正気を失い、操られている――それなら、団長のセルジュ様はどうなんだろう?
あくまでも仮定の話だけど、イリアスはセルジュ様を邪魔に思って、排除しようとしている。
「イリアス様の命で」誰にも会わせられないということは、セルジュ様はもう……?
「どうしたものか……これも、書いてみても何も反応がなかったし」
グレンさんがため息を大きく吐きながらイスにもたれかかり、テーブルの上に薄い緑色の石板を置く。
これは確か「頼信板」という物だ。
ここに文字を書くと、対になっているもう一つの石板に浮かび上がる――グレンさんがヒースコートに行っていた時に、これを使ってカイルと連絡を取り合っていた。
「どうしたんですか、これ」
「俺が釈放された時、着替えの服の間にこれが挟まっていた」
「一体誰が……イリアスか、セルジュ様?」
「さあな……。罠かもしれないと思って使わないでいたが、もしセルジュがこれを入れたのなら……」
そう言いながらグレンさんがテレグラムとセットのペンを持って、何かを書き込む。
"無事なら、連絡を"――。
……返事はなかった。
そして……その日もやっぱり、カイルは戻らなかった。
「なんで……そういや、セルジュさんも最後らへんアイツのこと聞いてきたけど」
「よく分からないが、カイルのことを探っているのは確かだ。日記を漁ったりもしているらしい」
「に、日記を!?」
「……悪趣味」
ルカがパンケーキを頬張りながらしかめ面でぼそりとつぶやいた。
でも本当に、そうだ。悪趣味としかいえない。
わたしは日記を書いていないけど、勝手に回し読みなんてされたら恥ずかしくて悔しくて消えてしまいたくなるだろう。
しかもイリアスは、グレンさんにカイルの日記の一部を提示して質問をしてきたという。
人の取り調べに他人の日記を……他人事ながら、不快だ。
何がやりたいのかはともかくとして、その内容はなんとも不思議なものだった。
そこには聖女様と思われる女性の名前がはっきりと記されていたらしい。
封印されている聖女様の名前は、書くことも読むこともできないはず。
事実、紋章持ちのグレンさん、そして彼以上に強力な紋章の力を持つイリアスにも読むことはできなかったという。
「そりゃ……変だな」
「日記の内容からして、聖女とは知り合いだったようだが」
「ええっ、でも……」
「ああ、例えばその……恋人だったとしても、頭から消えちまうんだぜ」
「うん……」
「……カイルさんは、時間を越えた人。それが関係ある?」
「!!」
ルカの言葉にわたし達3人は顔を見合わせる。
「時間を……そういや、カイルが消えたのは今の聖女様が就任する前だな……」
「だから、今の聖女様の封印には縛られないってことかな? えっと、括り的には、カイルは前の聖女様の時代の人で……?」
わたしとジャミルの話を聞いたグレンさんが「1回情報を整理しよう」と、懐から取り出した手帳に情報を書き出していく。
カイルは前の聖女様――ローザ様の封印時代を生きていて、そこから過去へ飛ばされた。
だから今もローザ様の封印の影響下にあり、その名前をきっと呼ぶことができない。
一方、今の聖女様が封印される前の時代から飛んだから、そちらの名前は呼べるし書ける。
グレンさんが見せられたカイルの日記の内容からして今の聖女様と何らかの関わりがあり、かつ、聖女様の記憶は全く消えていない。さらに……。
「そういやベルがカイルに言ってたんだけど、アイツ"聖女の加護"を得てるとかなんとかって。……はぐらかされてたけどよ」
「せ、聖女の加護……知り合いだからとか? ……あっ! そういえばあのテレーゼっていう人の呪いの言葉が聞こえなかったって言ってたけど、それもそのおかげ?」
「……思った以上に秘密が多いな。ジャミルと俺はついでで、最初からカイルが目的だったのかもしれない。イリアスの"時代を創る"という目的に何かが合致するのか……」
「関係ねえよ。……何だってんだよ……色々不思議なことがあったって、めちゃくちゃ強くたって、アイツはオレの弟で、普通の人間なんだぞ……」
「…………」
うなだれるジャミルを前に、誰も何の言葉も出せなくなってしまう。
結局その日はそれで解散して、カイルの帰りを待とうということになった。
カイルのことが心配でたまらないけど、正直わたしにできることは何もない。
グレンさんに「学校と日常生活を最優先に」と言われたこともあり、平日も砦に来たい気持ちを抑えてわたしは普段通りの日常を過ごした。
来週砦に行けば、カイルはきっと帰っている。
「ほんとに参ったよ」なんて苦笑いしながらお酒をがぶ飲みしたりなんかして、そんなカイルにジャミルが「お疲れさん」とか言いながら彼の好物をテーブルに並べるの。
それで、情報を整理しながらこれからのことを話し合って……。
そうなると思っていた。
だってそれが、今までのわたしの……わたし達の日常だったんだから。
◇
「え……カイル、まだ帰ってないんですか!?」
「ああ……」
次の週も、カイルの姿はなかった。
砦に行くとグレンさんとジャミルが隊長室で何かを話している最中だった。
2人とも疲れた顔をしている――食堂に場所を移して、温かい飲み物を出した。
「なんで、1週間以上も……」
「……さすがに拘束しすぎだろうと思って抗議しに行ったんだが……」
そう言いながらグレンさんが険しい顔でココアを一口すすり、今日あったことを教えてくれる。
――グレンさんとジャミルの2人で聖銀騎士の詰め所に赴き「返せないならせめて面会を」と申し入れたけど、「イリアス様の命で誰とも会わせることはできない」と門前払いされそうになった。
それならセルジュ様と話を……と食い下がるも、こちらも拒否。
何を言っても聞いても、全く同じ声の調子で「イリアス様の命で誰とも会わせることはできない」と、死んだような目で繰り返すのみだという……。
「何、それ……」
「……さすがにやべえってなって、一旦帰ってきたんだ」
「……正気じゃない。何か術にかかって操られているようだ」
「…………」
思った以上に事態は深刻で、背筋が凍りつく。
カイルは無事なんだろうか?
聖銀騎士は正気を失い、操られている――それなら、団長のセルジュ様はどうなんだろう?
あくまでも仮定の話だけど、イリアスはセルジュ様を邪魔に思って、排除しようとしている。
「イリアス様の命で」誰にも会わせられないということは、セルジュ様はもう……?
「どうしたものか……これも、書いてみても何も反応がなかったし」
グレンさんがため息を大きく吐きながらイスにもたれかかり、テーブルの上に薄い緑色の石板を置く。
これは確か「頼信板」という物だ。
ここに文字を書くと、対になっているもう一つの石板に浮かび上がる――グレンさんがヒースコートに行っていた時に、これを使ってカイルと連絡を取り合っていた。
「どうしたんですか、これ」
「俺が釈放された時、着替えの服の間にこれが挟まっていた」
「一体誰が……イリアスか、セルジュ様?」
「さあな……。罠かもしれないと思って使わないでいたが、もしセルジュがこれを入れたのなら……」
そう言いながらグレンさんがテレグラムとセットのペンを持って、何かを書き込む。
"無事なら、連絡を"――。
……返事はなかった。
そして……その日もやっぱり、カイルは戻らなかった。
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる