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11章 色と名前のない世界
13話 友達
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意識の闇の中。
周辺の景色がしきりにぐにゃりと歪み、滅びたノルデンの街やその次に入った孤児院、そして俺もよく知るカンタール市街という風に何度も切り替わる。
行き着く先では都度都度、あいつの記憶が流れる。
『……カイル、さん』
『"さん"はいいよ』
『……カイル。もう一つの名前……俺は、呼べないんだけど。どうすればいい』
『それな~。う~ん……適当な代名詞でいいよ。"先輩"とかさあ』
『先輩。……何の?』
『えっ? う~ん……人生?』
『…………人生』
『なんだよ』
『……別に』
「…………」
――あったな、そんなこと。
「人生」だってさ、馬鹿だよな。
あいつ俺が何か言う度にシラけた顔してたな……内心どうだったんだろう?
記憶の中で、俺はちゃんと「カイル」という名前を呼ばれている。
代わりに、あいつの名前と同じように俺が"クライブ・ディクソン"と名乗っている所には雑音が入る。
親方やおかみさんの会話の中ではちゃんと出てくるのに不思議だ。
今この世界で、俺だけが"クライブ・ディクソン"と言えない。
あいつの中で俺はそんな名じゃないということだろうか。
「その者の意識と存在を証明し、魂を形作る絶対的な、たった一つの呪文」――あいつが名前を呼んでくれていたおかげで自分を失わないでいられたのに、逆はできない。
――なぜ俺はここにいるんだろう。
エリスとアーテがやってきた時も、呪いを放った時も命を取られる時も、そしてアンデッドとやらになって暴れ出した時も、あいつを助けることも止めることもできない。
クソの役にも立たない、ただの観衆。
いつかレストランの店主がノルデン人への差別発言を撒き散らした時、俺は集まってきていた野次馬達に対しこう思った。
「何もしないんだから、とっとと消えて欲しい」と――。
――――…………
あいつがマードック武器工房に行き着くまでの記憶は、全くひどいものだった。
人を人と思わぬ"光の塾"の大人の仕打ち、そしてリューベという村の孤児院で受けた謂れのない差別といじめ。
記憶の中であいつの姿は人間の形をした黒いヘドロの姿に置き換わっていて、名前の部分は聞き取れない。
その代わり"21番"、"カラス"という呼称はやけにクリアに聞こえる。
『きっとあたしらがどれだけ"信じてるから"って言っても駄目なんだ。あの子の耳には悪い話だけが入って、そっちを信じるようになっちゃってるんだ』
『きっと今のあの子には、悪い言葉しか届かない』
(おかみさん……)
悪い言葉だけが届く。
自分の名前は忘れるのに、呪わしい呼称だけが頭の中に残って――。
あいつをそんな風にした大きな要因のひとつ――あいつの話にもあった「副院長」という奴は、聞きしに勝るクズの小者だった。
反撃できない行き場のない孤児をいびり抜いて、無実の罪をなすりつけて追い出す。
追い出してからはあいつが得るはずだった金を掠め取り、有名になったと思ったら手のひら返してあごで使おうとする。
――胸糞が悪くて吐き気がする。こんなクズ、そうそういるもんじゃない。
閉じられた空間で獄吏のような大人しか知らない子供が、そこを出されたはいいが次に出会ったのがこんなのだったら、人を信じられなくなるのは当然だろう。
さらに、せっかくできた友達にも助けてもらえず、それどころか――。
『レスター、どうして』――。
孤児院であいつの火の紋章が発現した時、他の子供達の"火"が恐怖と思われる色に染まっていた。
唯一の味方だったレスターという少年もまた……彼の抱いた感情は決して責めることはできないが、あいつはそれでこの上なく打ちのめされた。
あいつが意図せず呪いを発してしまった時、俺達全員の"火"もそうなっていたんだろう。
――俺は本当に、何もできないな。
かばっているつもりがあいつの心に闇を生み出して、追い落として……しかも、過去の辛い場面を再現して……。
――――…………
過去の場面は順不同でひっきりなしに切り替わり、今の景色はカンタール市街。
親方やおかみさんが出てきて、たまに俺も出てくる。
「態度が悪い」だの「お前に俺の何が分かる」だのギャーギャー言って殴りつけて……「俺は正義の味方だからな」なんてほざいてイキがっている。
今見たら恥ずかしくてたまらない。しかもそれを、あろうことか兄とその彼女に見られてしまっている。
――なんでだよ。自分の名前も姿も失っているのに、なんでこんなこと憶えているんだよ。
建物の窓ガラスに映る自分は、あの時と同じ姿をしている。
大人になっても俺は何も変わらない。青臭い理想を吐いて正義漢ぶるクソガキのままだ……。
『……おかみさん』
「!」
うつむいていたら、場面が切り替わっていた。
武器屋のおかみメリアさんとあいつが話をしている。
『どうしたの?』
『……頼みがあって。本屋で、買って欲しい本が』
『本屋?』
『うん。あそこの店主、俺……ノルデン人が嫌いだから、売ってくれなくて』
『……ああ、構わないけど……今週はちょっと予定が詰まってるから、来週の休みの日になるけどいいかい?』
『かまわない』
『……来週まで待たなくてもさ、明日武器を受け取りにクライブ君が来るんだし、あの子について来てもらったらいいんじゃない?』
「!」
『嫌だ。……あいつうるさいから、一緒に行きたくない』
「…………」
不意に出てきたもうひとつの自分の名前に顔を上げたが、続いたあいつの言葉にまたうつむいてしまう。
兄とベルナデッタの、何かしらの感情の混じった視線が背中に突き刺さっていたたまれない。
"うるさい"……そうか。そういう風に思っていたのか。
かばっているつもりが逆に惨めな思いさせて1人で空回って……馬鹿みたいだな。
涙が出そうになる。
なんだろう。なんでこんなの見ないといけないんだろう?
『うるさいとか嫌だってあんたそんな……』
『俺が嫌な目に遭うとあいつすごく怒るから……嫌なんだ』
『嫌な目に遭うと怒る? そりゃあ当たり前だろう、友達なんだからさ』
『嫌だ。そういうのは……嫌だ』
『……』
要領を得ない返答に、おかみさんが首をかしげる。
『……俺は、あいつと話すの楽しいから。だから、なんでもない楽しい話だけをしていたい。俺のことで……俺のせいで、怒ってほしくないんだ』
「馬鹿野郎っ!!」
思わずそう叫び、壁を殴りつけて地面にくずおれる。
見た目は石の壁なのに殴っても何も痛くないし、壁が壊れることもない。
――どうして痛みはないんだろうか。
拳から血でも出てくれれば少しは気が晴れるのに、この感情へのレスポンスが何もない。
過ぎ去ったことを追体験しているだけだから、今しゃべっているあいつには聞こえないし、届かない。
幻を相手に怒鳴っても何にもならないのに、抑えきれなかった。
痛くもない右の拳を反対側の手で包んで――その手に涙がこぼれ落ちる。
「なんで……なんでそんなこと言うんだよ……! 友達なんだから、怒るのは当たり前なんだよ……それをお前のせいなんて、不愉快なんて思ったことこれっぽっちもない、迷惑なんかいくらでもかければいいんだよ! 友達じゃないか……馬鹿野郎、馬鹿野郎……!!」
地面に拳を叩き付けて泣く俺の背中を兄とベルナデッタがさすってくれるが、余計に涙が出てしまう。
「死ぬなよ……、死ぬなよ……っ!」
『お前の存在は、救いだった』――本当に、本当にそうなんだろうか?
俺がやったことなんて、激流に呑まれそうな人間に向けて葉っぱで作った船を放つような戯れに過ぎないんじゃないのか。
――ああ、空しい。
強くなったって友達の1人も守れない。
今も泣いて喚いているだけで、付き合いも長いはずなのに名前のひとつも呼べない。
俺にとっても、あいつの存在は救いだったのに――。
「……立てるか?」
「ごめん……大丈夫だ」
兄が手を差し伸べてくれるがそれを断り、涙を拭いながら立ち上がる。
「……ん?」
「どうした?」
「いや……何か、女の声が聞こえたような」
「女……あの子達でしょうか?」
「それか、また場面切り替わるのか?」
「いやちがう……何かもっとこう」
もっと現実的で、ヒステリックな女の声が――。
「ねえ、聞こえているの!? 早く出せって言っているのよバケモノ!!」
「……!!」
「あ……」
幻の街の武器屋の裏側。
そこにあの黒いヘドロの子供と――なぜか、アーテがいた。
蹴りを入れ、杖で殴り、思うさま罵倒して――ヘドロの子供は抵抗することなく、うずくまって頭を抑えて、ただ目を赤く光らせている。
周辺の景色がしきりにぐにゃりと歪み、滅びたノルデンの街やその次に入った孤児院、そして俺もよく知るカンタール市街という風に何度も切り替わる。
行き着く先では都度都度、あいつの記憶が流れる。
『……カイル、さん』
『"さん"はいいよ』
『……カイル。もう一つの名前……俺は、呼べないんだけど。どうすればいい』
『それな~。う~ん……適当な代名詞でいいよ。"先輩"とかさあ』
『先輩。……何の?』
『えっ? う~ん……人生?』
『…………人生』
『なんだよ』
『……別に』
「…………」
――あったな、そんなこと。
「人生」だってさ、馬鹿だよな。
あいつ俺が何か言う度にシラけた顔してたな……内心どうだったんだろう?
記憶の中で、俺はちゃんと「カイル」という名前を呼ばれている。
代わりに、あいつの名前と同じように俺が"クライブ・ディクソン"と名乗っている所には雑音が入る。
親方やおかみさんの会話の中ではちゃんと出てくるのに不思議だ。
今この世界で、俺だけが"クライブ・ディクソン"と言えない。
あいつの中で俺はそんな名じゃないということだろうか。
「その者の意識と存在を証明し、魂を形作る絶対的な、たった一つの呪文」――あいつが名前を呼んでくれていたおかげで自分を失わないでいられたのに、逆はできない。
――なぜ俺はここにいるんだろう。
エリスとアーテがやってきた時も、呪いを放った時も命を取られる時も、そしてアンデッドとやらになって暴れ出した時も、あいつを助けることも止めることもできない。
クソの役にも立たない、ただの観衆。
いつかレストランの店主がノルデン人への差別発言を撒き散らした時、俺は集まってきていた野次馬達に対しこう思った。
「何もしないんだから、とっとと消えて欲しい」と――。
――――…………
あいつがマードック武器工房に行き着くまでの記憶は、全くひどいものだった。
人を人と思わぬ"光の塾"の大人の仕打ち、そしてリューベという村の孤児院で受けた謂れのない差別といじめ。
記憶の中であいつの姿は人間の形をした黒いヘドロの姿に置き換わっていて、名前の部分は聞き取れない。
その代わり"21番"、"カラス"という呼称はやけにクリアに聞こえる。
『きっとあたしらがどれだけ"信じてるから"って言っても駄目なんだ。あの子の耳には悪い話だけが入って、そっちを信じるようになっちゃってるんだ』
『きっと今のあの子には、悪い言葉しか届かない』
(おかみさん……)
悪い言葉だけが届く。
自分の名前は忘れるのに、呪わしい呼称だけが頭の中に残って――。
あいつをそんな風にした大きな要因のひとつ――あいつの話にもあった「副院長」という奴は、聞きしに勝るクズの小者だった。
反撃できない行き場のない孤児をいびり抜いて、無実の罪をなすりつけて追い出す。
追い出してからはあいつが得るはずだった金を掠め取り、有名になったと思ったら手のひら返してあごで使おうとする。
――胸糞が悪くて吐き気がする。こんなクズ、そうそういるもんじゃない。
閉じられた空間で獄吏のような大人しか知らない子供が、そこを出されたはいいが次に出会ったのがこんなのだったら、人を信じられなくなるのは当然だろう。
さらに、せっかくできた友達にも助けてもらえず、それどころか――。
『レスター、どうして』――。
孤児院であいつの火の紋章が発現した時、他の子供達の"火"が恐怖と思われる色に染まっていた。
唯一の味方だったレスターという少年もまた……彼の抱いた感情は決して責めることはできないが、あいつはそれでこの上なく打ちのめされた。
あいつが意図せず呪いを発してしまった時、俺達全員の"火"もそうなっていたんだろう。
――俺は本当に、何もできないな。
かばっているつもりがあいつの心に闇を生み出して、追い落として……しかも、過去の辛い場面を再現して……。
――――…………
過去の場面は順不同でひっきりなしに切り替わり、今の景色はカンタール市街。
親方やおかみさんが出てきて、たまに俺も出てくる。
「態度が悪い」だの「お前に俺の何が分かる」だのギャーギャー言って殴りつけて……「俺は正義の味方だからな」なんてほざいてイキがっている。
今見たら恥ずかしくてたまらない。しかもそれを、あろうことか兄とその彼女に見られてしまっている。
――なんでだよ。自分の名前も姿も失っているのに、なんでこんなこと憶えているんだよ。
建物の窓ガラスに映る自分は、あの時と同じ姿をしている。
大人になっても俺は何も変わらない。青臭い理想を吐いて正義漢ぶるクソガキのままだ……。
『……おかみさん』
「!」
うつむいていたら、場面が切り替わっていた。
武器屋のおかみメリアさんとあいつが話をしている。
『どうしたの?』
『……頼みがあって。本屋で、買って欲しい本が』
『本屋?』
『うん。あそこの店主、俺……ノルデン人が嫌いだから、売ってくれなくて』
『……ああ、構わないけど……今週はちょっと予定が詰まってるから、来週の休みの日になるけどいいかい?』
『かまわない』
『……来週まで待たなくてもさ、明日武器を受け取りにクライブ君が来るんだし、あの子について来てもらったらいいんじゃない?』
「!」
『嫌だ。……あいつうるさいから、一緒に行きたくない』
「…………」
不意に出てきたもうひとつの自分の名前に顔を上げたが、続いたあいつの言葉にまたうつむいてしまう。
兄とベルナデッタの、何かしらの感情の混じった視線が背中に突き刺さっていたたまれない。
"うるさい"……そうか。そういう風に思っていたのか。
かばっているつもりが逆に惨めな思いさせて1人で空回って……馬鹿みたいだな。
涙が出そうになる。
なんだろう。なんでこんなの見ないといけないんだろう?
『うるさいとか嫌だってあんたそんな……』
『俺が嫌な目に遭うとあいつすごく怒るから……嫌なんだ』
『嫌な目に遭うと怒る? そりゃあ当たり前だろう、友達なんだからさ』
『嫌だ。そういうのは……嫌だ』
『……』
要領を得ない返答に、おかみさんが首をかしげる。
『……俺は、あいつと話すの楽しいから。だから、なんでもない楽しい話だけをしていたい。俺のことで……俺のせいで、怒ってほしくないんだ』
「馬鹿野郎っ!!」
思わずそう叫び、壁を殴りつけて地面にくずおれる。
見た目は石の壁なのに殴っても何も痛くないし、壁が壊れることもない。
――どうして痛みはないんだろうか。
拳から血でも出てくれれば少しは気が晴れるのに、この感情へのレスポンスが何もない。
過ぎ去ったことを追体験しているだけだから、今しゃべっているあいつには聞こえないし、届かない。
幻を相手に怒鳴っても何にもならないのに、抑えきれなかった。
痛くもない右の拳を反対側の手で包んで――その手に涙がこぼれ落ちる。
「なんで……なんでそんなこと言うんだよ……! 友達なんだから、怒るのは当たり前なんだよ……それをお前のせいなんて、不愉快なんて思ったことこれっぽっちもない、迷惑なんかいくらでもかければいいんだよ! 友達じゃないか……馬鹿野郎、馬鹿野郎……!!」
地面に拳を叩き付けて泣く俺の背中を兄とベルナデッタがさすってくれるが、余計に涙が出てしまう。
「死ぬなよ……、死ぬなよ……っ!」
『お前の存在は、救いだった』――本当に、本当にそうなんだろうか?
俺がやったことなんて、激流に呑まれそうな人間に向けて葉っぱで作った船を放つような戯れに過ぎないんじゃないのか。
――ああ、空しい。
強くなったって友達の1人も守れない。
今も泣いて喚いているだけで、付き合いも長いはずなのに名前のひとつも呼べない。
俺にとっても、あいつの存在は救いだったのに――。
「……立てるか?」
「ごめん……大丈夫だ」
兄が手を差し伸べてくれるがそれを断り、涙を拭いながら立ち上がる。
「……ん?」
「どうした?」
「いや……何か、女の声が聞こえたような」
「女……あの子達でしょうか?」
「それか、また場面切り替わるのか?」
「いやちがう……何かもっとこう」
もっと現実的で、ヒステリックな女の声が――。
「ねえ、聞こえているの!? 早く出せって言っているのよバケモノ!!」
「……!!」
「あ……」
幻の街の武器屋の裏側。
そこにあの黒いヘドロの子供と――なぜか、アーテがいた。
蹴りを入れ、杖で殴り、思うさま罵倒して――ヘドロの子供は抵抗することなく、うずくまって頭を抑えて、ただ目を赤く光らせている。
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