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3章 おしゃべり貴族令嬢
5話 紋章
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「ルカ、おはよー。……あ、グレンさんも。おはようございます」
「……おはよう」
「ああ、おはよう」
翌朝。
お花に水をあげるため中庭に行くと、ルカとグレンさんが一緒にいた。
「2人が一緒にいるのって珍しいですね」
「ああ……まあ、そうかな」
「瞬間移動のお約束。真夜中に寝室へ……行かない」
「真夜中に、寝室……!?」
「おい急に何を言い出すんだ、脈絡もなく……」
「お兄ちゃまは、どこにいても分かる……」
「へ、へー……」
「また誤解を招くことを……言っとくが、俺は全く、全然分からないからな……」
「お兄ちゃまだって、その気になれば分かる。わたしとお兄ちゃまは、一緒だから」
「そ、その気……? 一緒……?」
やっぱり怪しい関係を疑ってしまう言動……ジトッとした目でグレンさんを見ると、ちょうど目線がかち合ってしまう。
「いや違うから、本当に……」
目つきだけで何が言いたいか伝わってしまったようで、グレンさんは目を細めて大きなため息をつく。
「ルカ……もっとこう、言動を分かりやすく出来ないのか?」
「……わかり、やすく……」
「そう。『俺とルカは一緒』とか言われても、何が何やらさっぱり――」
「わたしとお兄ちゃまは、紋章があるのが、一緒」
「えっ……紋章?」
「あっ、こら! なんで言った……」
「分かりやすく、主語を使って言ったわ。そうしろって言ってたでしょう」
「ああ……言った。言ったけど……もおお――……」
グレンさんが頭を抱えて座り込み、頭をガシガシと掻く。
「紋章って『女神の祝福』っていうあれのこと? 杖とかなくても魔法が撃てるっていう……授業で習ったよ」
「そう。わたしとお兄ちゃまは左手にある。魔法を使う時に光る」
「へぇ……今は何もないんだ。グレンさん、は……」
グレンさんは座り込んだまま、動かない。
「あの、大丈夫ですか……」
「ああ……」
「紋章持ってるのは秘密だったんですか?」
「そうだな……一応。はぁ……こんなカジュアルにバラされるとは……」
「……"カジュアル"って。……えっと、大丈夫です。わたし誰にも言いませんよ」
「そうしてもらえると助かる」
「でもどうして秘密なんですか?」
「色々面倒だからな……」
「面倒……」
魔法が使えないから分からないけれど、ジョアンナ先生が言っていたような『魔器がなくてもドババーって撃てるから楽』とか、そういう単純なものでもないんだろうか。
わたしが何か言うよりも早くグレンさんがのっそりと立ち上がる。
「朝飯でも食ってくるかな……」
「ベルナデッタが、ラーメンを作ってる」
「またラーメンか。なんなんだあのお嬢さんは……。2人も行くか?」
「わたしは、水やりをしてから行きます」
「わたし、レイチェルといる」
「そうか。じゃあ」
後頭部をわしわししながらグレンさんは食堂へと歩いていった。
「……お兄ちゃまは、紋章は嫌いみたい」
「そうなの? 『面倒』って言ってたもんね。ルカはどうなの?」
「わたしは……あるのが普通だから。それに、これがなければお兄ちゃまと出会っても分からなかった。……だから、必要。ないとわたしでなくなってしまう気がする」
「自分でなくなる……か」
紋章があるのが普通のルカ。秘密にしておきたいグレンさん。
自分の力に対しての考えも人それぞれなんだ。
グレンさんが立ち去ったあと、ルカと2人で植えた植物に水をあげていた。
「……葉っぱが増えたねぇ」
「ん……」
先月はじめに植えて芽が出た3つの植木鉢。また少し成長して葉っぱがついた。
「それぞれ葉の形が違うのね。……水をもっとあげてもいいのかしら」
「ううん。水をあげすぎると逆に枯れたりしちゃうの」
「枯れる……?」
「うん。あげすぎもよくないんだって、難しいよねぇ。心を込めてもやり方間違うとダメなんだよね……」
「水を……出せば出すほど良いと言われてきた」
「出せば出すほど……魔法のことかな? それって『光の塾』の話?」
「そう」
――以前ルカに聞いた『光の塾』。
魔法は心の力。心を乱されると魔法は使えなくなるから、感情を持ってはいけない。
物を作るのは神のすること。神の真似事をして物を作り育てて、怒り、悲しみ……すぐに感情の波にさらわれ、神からのみ得られる喜びを自ら得る『ヒト』という愚かな存在――そんな話だったと思う。
物づくり禁止、食べ物をおいしいと思うことも喜びにつながるから禁止……。
「魔法――紋章は神が与えた奇跡の力。この力を与えてくれた神への奉仕として更に力を引き出して使わなければならない。神に背く敵はその力をもって排除しなければならない、と」
「は、排除……それって、殺しちゃうってこと?」
またずいぶんおっかない話だ。思考が追いつかない……。
「そう。『ヒト』はモノを作って育てて……罪深いって。でもみんなキラキラと綺麗な水を持っている」
「……」
少し会話できるようになってきたものの、ルカの言うことは観念的というか、よくわからないことが多い。
なのでとにかく黙って聞くか、質問してみることにしている。
「えっとぉ……ルカがよく言う『綺麗な水』とか『水が淀んでいる』とかの『水』って何、かな?」
「水は、水。みんなが持っている。この芽たちも」
「みずはみず……」
――なるほど、分からない……。
「レイチェルは、見えない?」
「わたしは……うん、分からないなぁ」
「きっと……わたしはこれがあるから」
そう言うと彼女の左手に水の雫の形の紋様が浮かび上がり、静かに光る。
「それが紋章……」
「お兄ちゃまは、ふだんはこっちを光らせて魔法を使え って。見つかると怖い人が近寄ってくるって言ってた」
紋章が消え、彼女の腕に巻いてある魔石のブレスレットがポワッと光る。
「綺麗……。怖い人……かぁ」
杖とかブレスレットなしで仕えてオトク! ってだけの人もいれば、たぶん悪用しようとする人もいるんだ。
「……そう言うお兄ちゃまはこれ全然光らせてない」
「あ、そうなの? 秘密にしときたいっぽかったのに」
「『誰も見てないからいい』って。でもわたしはダメだって。よく分からない。」
「グレンさんは強いから、とかかな?」
「……お兄ちゃまはわたしより魔法が下手なのに」
そう言いながらルカがちょっとむくれる。
「あはは……」
――指針はだいぶぶれてるみたいだけど……グレンさん、紋章で嫌な目にあったことがあるのかな?
「……おはよう」
「ああ、おはよう」
翌朝。
お花に水をあげるため中庭に行くと、ルカとグレンさんが一緒にいた。
「2人が一緒にいるのって珍しいですね」
「ああ……まあ、そうかな」
「瞬間移動のお約束。真夜中に寝室へ……行かない」
「真夜中に、寝室……!?」
「おい急に何を言い出すんだ、脈絡もなく……」
「お兄ちゃまは、どこにいても分かる……」
「へ、へー……」
「また誤解を招くことを……言っとくが、俺は全く、全然分からないからな……」
「お兄ちゃまだって、その気になれば分かる。わたしとお兄ちゃまは、一緒だから」
「そ、その気……? 一緒……?」
やっぱり怪しい関係を疑ってしまう言動……ジトッとした目でグレンさんを見ると、ちょうど目線がかち合ってしまう。
「いや違うから、本当に……」
目つきだけで何が言いたいか伝わってしまったようで、グレンさんは目を細めて大きなため息をつく。
「ルカ……もっとこう、言動を分かりやすく出来ないのか?」
「……わかり、やすく……」
「そう。『俺とルカは一緒』とか言われても、何が何やらさっぱり――」
「わたしとお兄ちゃまは、紋章があるのが、一緒」
「えっ……紋章?」
「あっ、こら! なんで言った……」
「分かりやすく、主語を使って言ったわ。そうしろって言ってたでしょう」
「ああ……言った。言ったけど……もおお――……」
グレンさんが頭を抱えて座り込み、頭をガシガシと掻く。
「紋章って『女神の祝福』っていうあれのこと? 杖とかなくても魔法が撃てるっていう……授業で習ったよ」
「そう。わたしとお兄ちゃまは左手にある。魔法を使う時に光る」
「へぇ……今は何もないんだ。グレンさん、は……」
グレンさんは座り込んだまま、動かない。
「あの、大丈夫ですか……」
「ああ……」
「紋章持ってるのは秘密だったんですか?」
「そうだな……一応。はぁ……こんなカジュアルにバラされるとは……」
「……"カジュアル"って。……えっと、大丈夫です。わたし誰にも言いませんよ」
「そうしてもらえると助かる」
「でもどうして秘密なんですか?」
「色々面倒だからな……」
「面倒……」
魔法が使えないから分からないけれど、ジョアンナ先生が言っていたような『魔器がなくてもドババーって撃てるから楽』とか、そういう単純なものでもないんだろうか。
わたしが何か言うよりも早くグレンさんがのっそりと立ち上がる。
「朝飯でも食ってくるかな……」
「ベルナデッタが、ラーメンを作ってる」
「またラーメンか。なんなんだあのお嬢さんは……。2人も行くか?」
「わたしは、水やりをしてから行きます」
「わたし、レイチェルといる」
「そうか。じゃあ」
後頭部をわしわししながらグレンさんは食堂へと歩いていった。
「……お兄ちゃまは、紋章は嫌いみたい」
「そうなの? 『面倒』って言ってたもんね。ルカはどうなの?」
「わたしは……あるのが普通だから。それに、これがなければお兄ちゃまと出会っても分からなかった。……だから、必要。ないとわたしでなくなってしまう気がする」
「自分でなくなる……か」
紋章があるのが普通のルカ。秘密にしておきたいグレンさん。
自分の力に対しての考えも人それぞれなんだ。
グレンさんが立ち去ったあと、ルカと2人で植えた植物に水をあげていた。
「……葉っぱが増えたねぇ」
「ん……」
先月はじめに植えて芽が出た3つの植木鉢。また少し成長して葉っぱがついた。
「それぞれ葉の形が違うのね。……水をもっとあげてもいいのかしら」
「ううん。水をあげすぎると逆に枯れたりしちゃうの」
「枯れる……?」
「うん。あげすぎもよくないんだって、難しいよねぇ。心を込めてもやり方間違うとダメなんだよね……」
「水を……出せば出すほど良いと言われてきた」
「出せば出すほど……魔法のことかな? それって『光の塾』の話?」
「そう」
――以前ルカに聞いた『光の塾』。
魔法は心の力。心を乱されると魔法は使えなくなるから、感情を持ってはいけない。
物を作るのは神のすること。神の真似事をして物を作り育てて、怒り、悲しみ……すぐに感情の波にさらわれ、神からのみ得られる喜びを自ら得る『ヒト』という愚かな存在――そんな話だったと思う。
物づくり禁止、食べ物をおいしいと思うことも喜びにつながるから禁止……。
「魔法――紋章は神が与えた奇跡の力。この力を与えてくれた神への奉仕として更に力を引き出して使わなければならない。神に背く敵はその力をもって排除しなければならない、と」
「は、排除……それって、殺しちゃうってこと?」
またずいぶんおっかない話だ。思考が追いつかない……。
「そう。『ヒト』はモノを作って育てて……罪深いって。でもみんなキラキラと綺麗な水を持っている」
「……」
少し会話できるようになってきたものの、ルカの言うことは観念的というか、よくわからないことが多い。
なのでとにかく黙って聞くか、質問してみることにしている。
「えっとぉ……ルカがよく言う『綺麗な水』とか『水が淀んでいる』とかの『水』って何、かな?」
「水は、水。みんなが持っている。この芽たちも」
「みずはみず……」
――なるほど、分からない……。
「レイチェルは、見えない?」
「わたしは……うん、分からないなぁ」
「きっと……わたしはこれがあるから」
そう言うと彼女の左手に水の雫の形の紋様が浮かび上がり、静かに光る。
「それが紋章……」
「お兄ちゃまは、ふだんはこっちを光らせて魔法を使え って。見つかると怖い人が近寄ってくるって言ってた」
紋章が消え、彼女の腕に巻いてある魔石のブレスレットがポワッと光る。
「綺麗……。怖い人……かぁ」
杖とかブレスレットなしで仕えてオトク! ってだけの人もいれば、たぶん悪用しようとする人もいるんだ。
「……そう言うお兄ちゃまはこれ全然光らせてない」
「あ、そうなの? 秘密にしときたいっぽかったのに」
「『誰も見てないからいい』って。でもわたしはダメだって。よく分からない。」
「グレンさんは強いから、とかかな?」
「……お兄ちゃまはわたしより魔法が下手なのに」
そう言いながらルカがちょっとむくれる。
「あはは……」
――指針はだいぶぶれてるみたいだけど……グレンさん、紋章で嫌な目にあったことがあるのかな?
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