妖の木漏れ日カフェ

みー

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終わらない冬

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 あれから結局何もこれといった情報を得られないままに時は過ぎ、枝についた葉も枯れて地面に落ちる。

 葉の付いていない木は寒々しい景色を作り、秋の終わりと冬の始まりを表していた。

「朝も大分冷えて来たな」

「そうですね……」

「もうそろそろ雪が降ってもおかしくない」

 雪……。

 そういえば、あの時のおみくじに初雪の時になんとか……って書いてあった。

 でも、おみくじなんてたかがおみくじだし、何の意味もないのかもと思うとそれ以上そのこについて考えるのは無駄な気がした。



 今日も1日何の収穫も得られないまま過ぎ、そろそろお風呂に入ろうとして何気なく窓の外を見た瞬間、ちらちらと白いものが空から落ちてくるのが見えた。

「あ……雪……」

 と同時に、胸にあるものが光りだす。

 それは、ヤクモさんから貰ったネックレスで青く光っていて、それから一筋の光の線が出ていて、どこかを指していた。

 これって、おみくじに書いてあったことと同じ……。

「これ……キ、キキョウさん」

 隣の部屋で休んでいるキキョウさんの元に行って、それを見せる。

「この光の筋……」

 この先に何かがある、もしかして種かもしれない。

「なんだろう、でも、なにか絶対に意味のあるものだね。この光の先に行ってみよう」

「はいっ」

 それは庭の方を指していて、すぐに外に出るとカイさんのハーブ園の一部を指している。そして光が吸い込まれている部分により強い光があった。

 何かがそこにあることを示しているようで、すぐにそこの土を掘り返す。

 もしかして……。

 期待で、胸が早く動く。お願い、そうであって。

「あ……」

 あった、光り輝く何かの種。

「まさか、これがキセキバナの種?」

「きっと、そうですよ。絶対に、そうです」

 その種は触れてもなお、光ることを止めずに輝きを放っている。

「カイさんっ」

 家の中にいるカイさんの元へすぐにそれを持っていくと、カイさんは目を見開いてそれを見た。

「もしかして、それが?」

「多分、そうだと思います」

「これをシドウさんに見せれば、花が咲くはずだね」

 私の気持ちがこれでシドウさんに伝わってくれるはず。

 私はただ、この世界の平和を願っているだけだと。

 ここの皆が笑って過ごせるこの世界を守りたいだけだと。

「はい」

 きっと、シドウさんも少しでも人間のことを好意的に捉えてもらえるはず。

 
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