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第295話 4年目の誕生月

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12月9日はのんびりプールデー。

相変わらず王族3人娘が遊びに来ていたが安心安全。
フィーネだけが別の意味で大変。要求時間が回を重ねる程に長く切なく。
「フィーとなら…。最後まで」
「駄目よメル…。メルの事は大好きだけどそこは踏み込んじゃいけない領域よ」
メルシャンから他2人にも軽いデコピンを喰らわせ。
「妄想は妄想に留めて下さい。立入禁止にするしお茶会にも行きませんよ?」
「「「済みませんでした…」」」
治癒されたおでこを擦りながらお城へと帰ったらしい。

エルラダさんは訳有って不在。

10~11日はモーリアとリオーナのお引っ越し。

宿舎南棟2階1列を贅沢に1人ずつ。
セントバ氏、ミゼッタ、リオーナ、モーリアの順。
モーリア兄妹の改信手続きを終え。今後の進路を協議。
モーリアとミゼッタの同居開始はペカトーレのモデロンの移住を待ち再来年。
「今は南北両方半分空いてるからいいけど。埋まって来たらモデロン待たずにモーリアとミゼッタは同棲を始めて貰うんで家具とかの購入はそれを見越して抑え気味に」
「「はい」」
顔を見合わせ照れ照れ。初々しいぜ。
「セントバさんとモーリアで同じ職場で宿屋働きのお勉強と執事業務兼任。ミゼッタとリオーナセットで別宿と侍女仕事のお勉強。それぞれ外での同年代のお友達作り。
但し俺の関係者だとバレバレなので下心丸出しの相手とは距離を置くように」
「「「「はい」」」」

「セントバさんは遠慮せず再婚相手を探してみては」
「流石にそれは厳しいと…。でも茶飲み友達は見付けたいですな」
「良いですね。個人的お勧めは5区のカエザール家周辺の旧貴族家。あの一帯はモヘッドの管轄でマリーシャが一手に取り仕切りロルーゼからの移民が固まり新しい事業展開を幾つも走らせています。信用はある程度置ける人たちばかりで新鮮。性別問わず色々刺激に成ると思います」
「それは是非。暇を見付けて寄らせて頂きます」

「ミゼッタとリオーナは北棟に居るジョゼ。ソプランの妹と積極的に交流してみて。ちょっとお馬鹿で奇想天外な料理を具現化する子だから。2人で料理を教えてあげて。自分たちが得意に成ってから」
「ご一緒に勉強するのでは」
「いけないのでしょうか?お菓子作りとか」

「一緒に…はどうだろうソプランアローマ」
「止めとけ」
「自分たちの料理の腕が壊されます故に」
「「えぇ…」」
そりゃ引くわな。
「自分たちで腕を磨いてからな」
「「はい」」
宿屋見習いと侍女仕事で充分関わるので。

12日は女子メンバーが予定を繰り上げ朝からお出掛け。

他が出払い毎度の3人が横並び。
「暇ッすねぇ」
「暇だな。相変わらず」
「大変お日柄も良く」
「ハンバーグの効果はどうでした?」
「俺も気に成ります」
「それはそれは凄い事に。モメットさんをカメノス邸へ追い出して昨日までずっとしてました。溜め込まれていた物が爆発した感じで。秘薬の効果も出てメロメロに溶かされました」
ポーッと朱に染まる先生が素敵。
「「おぉ~」」

「参考に成るな」
「何時か使うかも知れないその組合せ」
「ニーダたちを幸せで壊さぬようにご注意を」
「「はい」」
先生の今後は心配無しだ。

夕食はカメノス邸でメメット親子とアルシェの6人でお喋り会食を。
ソプランは暇でメメット氏とモメットと付き合いが有るからと同席。
アルシェが不思議なご縁ですねと軽妙に笑っていた。
マジでこの組合せは面白い。
「モメットとアルシェは何時固めるの?」
「さあどうでしょうねモメット?」
「どうしようかなぁ。急にパパに天使さんが舞い降りちゃったしぃ。どうなのパパ?私たちは順番的に後かな?」
「そ、そんな急に言われてもな…。エルラダさんのご都合も有るし」
「私は何時でも。無いと考えていた未来。幸せにして頂ける。幸せに出来るのならば。まさか…私をお捨てに?」
「そんな事はしません!誓って。俺次第なのか…」
「メメットさんらしくないなぁ。もっとガツンと」
「頼むぜ元隊長さんよ。優柔不断は格好悪いぜ」
「よ、良し!年明けと同時に手続きして貰い受ける。明日指輪を買いに行こう。身内式は九月の夏休み目標。懐妊していたら質素に。モメットの方は構わず行え。
俺に付いて来いエルラダ」
「はい。生涯お側に」

「なら私たちは二日に手続きねアルシェ」
「はい。末永くお願いねモメット」

凄く良い感じに纏まった。


13日。夕方にソプランと合流してラフドッグへ行き。デート中のピレリとクレハジルに凸して居酒屋で飲み。
「デートの邪魔して御免だけど。ここの外の夜って新鮮」
「この組合せも初だしな」
「クレハを攫わないで下さいね。お二人で」
「逆に光栄です」
「しないしない。そんな事したら小旅行中の嫁さんたちがすっ飛んで来てボッコボコ」
「海に沈められるぜ」
4人で笑い合い。
「将来的にピレリはどうするの?王都側に来る?こっちに留まる?財団代表に成ってしまう俺のリサーチ。遠慮せず正直に」
2人顔を見合わせ。
「あぁ…確かに。それはまだ考えてませんでした」
「思慮不足で済みません」
「でも留まります。僕もクレハも海が大好きで離れられない身体なので」
「はい。申し訳有りません」
「そか。謝る必要は全然無いよ」

「例の案件もこちらで完結しますし。その次は船の改良が控えてます。お互いの両親もこちら。…と言う事は詰り」
「ラフドッグ支部統括代表と成るピレリ君。もっともっとゴーギャンさんから吸収するように。クレハジルはメドーニャさんから全部引き継ぎだぞ」
「「は…はい…」」
楽しい飲み会がトーンダウン。

当然解ってた事だろ?と開き直って最後は笑い話に。


14日の夕方に艶ッ艶の大満足な10人が帰宅。
感想を聞いたがとても文章には起こせないので割愛。
兎にも角にも凄かったらしい。

夕食は疲れた時の定番。本棟自慢のシーフードカレーで締め。

15日は東大陸のランガ家へ遊びに。
サファーレの懐妊はまだ。秘薬が超欲しいですと要求され追加の秘薬と愛のハンバーグを置き。サンガの迷路を更新して短時間で帰宅。

帰宅後にヤン工房に遊びに行っていたソプランとアローマの話を聞くとフラーメとナンシャが揃ってご懐妊と言う嬉しい知らせ。

こっちの2組には余計な物は渡さずに。


21日から秘密の宴。最長予定の25日まで溶け合い蕩け愛でトロットロ。愛の深まりは未だ底が見えず。

26~30日。
年末恒例行事の餅搗きに始り。男2人はやる事が無いので散歩やら追加食材の買い出しやら。こっそりアッテンハイム奥地で茸狩りも少々。
序でにルーナリオン南2番で期間限定餃子も購入。
ラフドッグとギリングスで程々に鰻釣りもした。

大晦日に自宅担当侍女4人に感謝を述べご褒美キスをたっぷりと進呈。圧倒的に得してるのは俺なんですが…。

総勢16人とロロシュ氏とカーネギとミランダと長男1歳児ミツラギ君で年越し海老天蕎麦を食べ笑顔で解散。




-------------

新年元旦。

遂に御節料理も解禁し女子皆で作成したそうで。五重箱が2つの十重箱に進化。豪華過ぎる品揃えに朝から感激の涙を流した。

「配布用は定番メニューだけ。私以外の物は全部ここだけの限定品。スタンさんの為に。沢山食べても1週間は持つ位にストックが有ります」
「めっちゃ嬉しい。しっかり幸せを噛み締めて味わわせて頂きます。夕食は質素でも無しでも良い位だ」
「そうは行かないですよ。もっと豪華なフルコースが待ってます。お昼は簡単にして食べ切れる分量でね」
「午後に身体動かそかな。トレーニング部屋で」
「ゆっくりしてよ。今日はスタンさんを甘やかす日です。ダイエットは4日から」
止められてしまった。これがホントの正月太りだ。

手を動かすのも許されず。順番に隣の席に来てはあーんされる全自動捕食器と化した。有り難く全受け。

今年から城での新年挨拶には不参加。レイルやオメアニスの前で偉そうな挨拶は出来ないと陛下がビビったのが理由。代打で従者2人が出席と挨拶文を代読。

本棟の水竜像に新年の挨拶をした以外はお出掛けも許されず。寝室や防音室で膝枕や胸枕。そしてキスの雨。
防音室での日々進化するシュルツの攻撃に対し愚息の起動を抑えるのに一苦労。幸せな拷問が夕方まで続いた。

場を事務棟食堂へ移し。気に成る夕食フルコース。
鯛と鮃のカルパッチョ。米粉皮の生春巻き。
薄皮で具がたっぷりの焼売。異世界定番の緑豆乗せ。
2口サイズのジューシー肉饅。マスタードはお好み。
完熟トマトソース冷製パスタと鶏ガラブイヨンスープ。
香茸の粉を衣に混ぜた香り爆発唐揚げ。
肉汁をしっかり留めた厚切りローストビーフ。ブルーベリーと少量のガラハイドの実を混ぜた大人なほろ苦ソースでお肉の旨味を際立たせ。
照り焼き風の豚のスペアリブ。
添え物の温野菜のディップソースはリゼルオイルとフレッシュオリーブオイルの合わせマヨ風味。
〆のデザートは。南瓜プリンと南国フルーツ盛り盛り寒天ゼリー。甘芋と栗の金団。

飲み物はシャンパンとハイネーブル。食前の梅酒。
シュルツとペッツは林檎ジュースと檸檬水。
さっぱりとしたお酒が良く合うメニューでした。

「素晴らしいです。全部。出される順番も完璧。最後の最後で甘さ控え目の金団を持ってくるチョイスが小憎い演出で感動。
毎年泣いちゃうとこだけど朝流したから今日は嬉しさと喜びで胸が一杯だ」

純粋なフルメンバー12人とペッツで1品ずつ順に食べているのであーんは無く。自分のペースで食べられた。食べ方も重要な美食要素。

皆が笑顔で至福の時は瞬く間に過ぎ行き。遅くまで晩酌とお喋りを愉しむ健全な元日。

侍女衆は本棟側で同じレシピの物を食べていると聞いて余計に安心と感動。気配りを忘れない嫁らが素敵でより愛おしく。


2日の夕食はガラリと入替え。
豚骨スープと香茸を加えた鶏ガラスープを合せた香り蓋かな塩豚骨ラーメン。味玉メンマ海苔薄切り長葱盛りの極上ラーメンが出現。叉焼代わりに豆板醤が決め手の豚バラ肉野菜炒め。
更に加えて東方風蒸し上げ鰻丼。お摘まみは酒蒸し白焼きと骨唐揚げ。

食い合わせで少し躊躇ったが全然有りだった。余計な臭みや脂を落として何れもあっさりとした味わいで。


3日の昼にガードナーデ家。クラリアとボレイスの身内式に出席。嫁8人もドレスを参考にする為全員参加。
と思ったがライラのお下がりを仕立て直した物を着ていたので余り新鮮ではなかった。しかし主役2人は堅実で倹約家の似た物夫婦。明るい未来しか感じない。

ライラの2人目の子供は元気な男児ランザ君。
マリカの男児はマノッカ。
同年代で善きライバルと成りそうな予感。

賑やかな会場の大半がカメノス邸の大宴会場へ移動し新年会。

序盤にモメットアルシェとメメットエルラダさんの婚姻発表され益々盛り上がった。俺とソプランが秘密にしていたので他は初耳プチサプライズ。


4日5日は迷宮訓練や自主練やプール遊び。

6日。鰻を釣りにギリングスを訪ねた時にお誘いを受けた北部全域統括港町ウェードレッドへの視察。

ヘルメンち不在でミラン様とメイザーメルシャンの前回同様3名がゲスト。俺たちは転移係。フルメンバーで訪ねて別行動。勝手な分散は勿論出来ないので全員で港手前へ転移。プリメラ様と役職数人も連れての大移動。

城の留守番は泣く泣くマルシュワとサインジョ。

主教が水竜教だけあってラフドッグやシャインジーネと同じく水色の建物目白押しで圧巻。

特産のウツボや魚介の浜焼きが振舞われて大興奮。味付けはミリータリアから仕入れた醤油で香ばしく。

お米はまだカートロッド周辺展開に留まり今後で拡大。

海賊島を放置せず慰霊碑を建て周遊観光地化する予定だと独自の図太さを見せてくれた。


7日は実家へ新年挨拶。折り返しにパージェントのトワイライトで会食。戻ってスタルフたちとも少しお茶会。

その場で2月6日に五国会合を開催予定だと告げられ。
「兄上。知らせは当然各国首脳へ送るのですが。四国の要人の転移輸送をお願い出来ませんでしょうか」
「だろうと思った。1ヶ月切ってるし。まあ良いよ。今後に関わる重要な会合だしな。お知らせに全部俺かフィーネで迎えに行くと添えといて」
「助かります。保守派の掃除に少々手間取りまして」
「あぁそれでか」
「なら仕方無いね」

まだ父上は改信予定をペリル以外には話していない様子だったがこちらは任せるしかない。


8日9日は女子会。10~12日は事務棟の年始開き。
その間に光分析ゴーグルの改良。人型用8個を製作。
サイズはベルトで可変なので使い回しは自由。俺とペリーニャは固定。

南沿岸水中班にロイドと自分を追加。
残りのペリーニャたち6人は北部山中地上班。
ダリアの未来視は15日夜。出発は16日。

普段なら不安に塗り潰される所だがシュルツのペンダントで全然平気。

穏やかな気分で13~14日に秘密の宴。
ハンバーグもカステラも無しの純粋な愛の確認。心身充実で更に平穏に。これで何も怖く無い。




-------------

15日夜の未来視。

扇子を閉じ胸元へ。深呼吸を数回。瞳を閉じる何時もの事前儀式。集中力を高めていざ。

「劣化魔神戦での武装入替えは元通りに。南沿岸に乗り付けたスタフィー号はスターレン様が海面上で回収。
レイル様の小型コテージとスターレン様の大型を交換。
分析ゴーグルは水中班三。地上班五。レイル様のみ初期は肉眼で突入。前提条件は打ち合わせ通りの以上」
紅茶で一息。
「照明具は各班フィーネ様とレイル様。
時間帯入口開放以外に…入場までギミック無し。
一層目から水陸両生類の蜥蜴と土竜。土竜はライトの強弱だけで只の毛達磨と化します。接近戦で倒そうとすると穴を掘って逃げ出し。迷宮内部を複雑化しますので目潰しが得策。
シュルツさん以外のスマホを常時通話。南北の進捗均衡はそれで保てます。
一日の目安は三層。一層戻って休息。スターレン様とレイル様の双眼鏡で双方の位置確認と下層確認。
空き時間が多くなりますがソプランさんの負担が大きいのでエッチは計画的に」
本人も皆も真っ赤。
「そこまで読まなくてもいいよ。皆解ってるから」
「はい…。遠征班が羨ましいなと。そこは割愛します。
明けて十七日に四層から六層。五層で休息。
十九日に十層で合流…?ご…あれ?繋がっているのに出会えない?」
「ん?」

「視覚ギミック…。時間軸のズレ…。いえ双方の存在は感じ取れます。姿が識別不能?ゴーグルに乱れ無し。
神の目も欺く…。丸でブランちゃんの壁が在るような。
真実の灯火を使い…。十層南端に居る階層主を倒せ…ません」
「え?」
「ブランちゃんと同一能力を持つ土竜の最上位種が南北両端に居ます。何方か一方を攻撃すると反対側の主の所へ逃げます。完全消失を施して。
唯一倒せるのはブランちゃん装備のペリーニャ様だけ。最接近して真贋の瞳であれば薄ら影が見える。
南側に適度に仕掛け北側へ逃し。ペリーニャ様が時雨剣と時間操作スキル併用で同時討伐を果たす。これ以外には見えません。
ピーカー君で南を倒してしまうと北の主が下の層へ逃げ込み迷宮攻略が…不能に」
「成程。敵側の完全消失は厄介だな。環境まで弄れるのはもっと」

「ドロップ品は…その完全消失の腕輪が二個。御方様が仰った厄介な物とはこれの事では」
「充分有り得る…。でもまだ結論には早い。一息入れて先へ進めようか」
「はい」
紅茶をアローマが淹れ直して一服。
「討伐合流後。十層中央付近の下り坂から下層へ。
十一から土竜種が消え蜥蜴種のみに。ですが無属性以外全部持ちで個別でランダム。階層主にも統一性無し。加えて擬態スキルを駆使して仲間の誰かに化けます。
看破カフスや臭いや気配で直ぐに判別可能。会話を交せばシャーっと歯を剥くお馬鹿です。
物理こそ最強。暫くごり押しで問題有りません。蜥蜴の上位種から食用肉が出ますが…。プレマーレ様は絶対に食べないで下さい。弱体化と低脳化します」
「死んでも食べません!」
「獄炎竜のお肉や竜の谷で得られたお肉以上の物は存在しません。容赦無く消炭に」
「その場で捨てる。シュルツが成人してから最上位以外でコツコツ食べる積もりだから下手物は要らない」

「最近食していないので楽しみです。話を戻します。
一日三層ペースは崩さず二班分けで周辺警戒。
二十層で蜥蜴種の最上位。…出会った頃のプレマーレ様レベルだとフィーネ様が粉砕。ドロップ素材はまずまずだとの鑑定結果。内容はお察し。
二十一から一部溶岩混じりに。環境温度が上昇。一層下りる毎に一度上がります。炎属性の魔物が跋扈。接近される前に討伐を。
三十で炎属性最上位種。そこまではスターレン様が懸念されている危険物は発見出来ないと見えます。とは言え検分は疎かにしませぬように。
三十一でイフリート?炎の最上位精霊が出現。ラーハに氷を貼れば何方でも討伐は可能。ですが足場が少ないのでソプランさんは控えた方が良いようです。ナーディ騎乗のアローマさんで楽勝。ドロップは炎耐性道具と装備品が幾つか」
「おぅ。足元注意か…」
「漸く私にも出番が」

「最終層三十二。…接近したり近接攻撃をすると自爆する爆弾岩が多数出現。蹴り込んで側壁に当て層内を拡張して行くと…。オメア様の進行方向に溶岩溜りが出現。
蔦鞭やロープで絡め運びゴミ捨て。ドロップ品は…
スターレン様の希望線に挙げた破滅の小石や爆発物の威力を拡張する補助石。微量の放射線を発するそうですがそれ自体に危険は無いようだとの鑑定結果です」
「おぉそっちかぁ。良かったぁ…マジで」
「アレだけは見たくないもんね…。良かったねフウ」
「ホントそれよ」

「その補助石も塵箱へ投函。上層で日を改め。プレマーレ様の無限再現で最下層と十層の難敵を枯渇させれば今月内で任務を完遂可能です」
一同で拍手。
「十層の出現位置は何度でも同じ場所。ペリーニャ様とピーカー君が南北の定位置に張り付けば後は作業。三個目の腕輪は出ませんが懸念はとことん潰しましょう。
三十一のイフリートは三巡目で泣きながら自ら異界の冥府へと帰還。詰りは十、三十一、三十二を空に出来ます」
「折角だから遣り切ろう。何度も溶岩迷宮入りたくないし」
「そうね。早速出発して船で仮眠しましょ。現地の零時過ぎまで」

待機班3人とキスを交して出発。




-------------

途中のドロップは魔石以外無し。
炎耐性の指輪はオメアが吸収して弱点耐性を獲得。
イフリートの装備品は上等品。蜥蜴装備はまあまあ。
合成次第で化けるかも。

迷宮主の爆弾岩は合体する前に塵箱へIN。
補助石以外何も出ず。

戦闘はレイルたちに任せ。周辺隅々までゴーグルと双眼鏡で確認したが宝石や鉱物以外に何も無し。近場で掘れるだけ掘って10層を枯渇させて名も無き新迷宮とはサヨナラ。

二度と来る事は無い。ギルド登録するまでも無いなとアデルが無駄な道草を食ってくれるのを期待して放置決定。

要するに餌。

28日に帰宅。待機班と城へ結果報告。
2月の中旬以降で他の2迷宮の調査へと乗り出すと議決。
次は人から情報を取れるエボニアル山脈から。
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