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第85話 遠出と特訓
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休日の筈なのに朝から忙しい。
揚げたての豚唐揚げをハフハフしながら朝食準備。
略和食の朝食は余り他に知られたくないからちょいと必死な作業。
一緒に漬けていた大蒜の素揚げも添えてお弁当完成。
フロントパックに付け替えて。
「危なくなったら逃げるんだぞ」
「気を付けて」
「クワッ!」
朝食後にクワンを送り出して漸く一息。
片付け中に朝早く出勤して来たアローマが。
「トーラス様からお手紙が届いております。
…またしても良い匂いですね」
「お、有り難う。丁度覗きに行こうかと思ってたんだ」
「アローマさんも食べてみる?お昼にも出そうかと思ってる豚肉の唐揚げ」
「カラアゲ…どうしてか甘美なひび」
面倒なので口に突っ込んだ。モグモグ…。
「!?美味しいです。大蒜と醤油の相性が抜群で。
元気が出るお味ですね」
アローマにお茶を淹れて貰いながら開封。
「出物在り。今回は一点物となります。
ご来店お待ちしております」
「おー悩むな。今の俺たち…」
「かなり大蒜臭いもんねぇ」
「それ程匂いは…。あ、私も食べてしまったので解りませんでしたね」
「ええい、解毒剤飲んで行っちゃうか」
「勿体ないけど仕方ない!」
「トーラス様のお店と言うのは?」
「3区の宝飾店」
「珍しい宝石とか優先して取り置きしてくれるの」
「あ…あの超高級店の!?」
「興味有りなお顔してますな」
「見るだけでも楽しいよ。一緒に行く?」
「いえいえ。私のような庶民には恐れ多くて入れません。
それに今目を肥やしてしまうと…、ソプランから頂く物が霞んでしまいます」
それはいけないので強制連行は中止した。
3人のカップに解毒剤を注いで時間を掛けて飲み干した。
「カメノス商団製のお薬は高いと聞いておりますが。
実際のお値段は如何程なのでしょう」
「飲んだ後に聞いちゃう?」
「世の中には知らない方が幸せって事もあるよ」
「飲む前にお聞きすれば良かったです…」
無理矢理飲ませたんだから気にすんなと励まして出発。
まだ9時過ぎだったのでペルシェさんの所に行き、お豆腐類と調味料各種と黒砂糖を頂いた。
「最初からこっちにしときゃ良かったよ」
「昨日は凡ミスだったねぇ。危うく大惨事」
「昨日?どうかされたのですか?」
昨日の婚礼式後の夕食会で、レーラさんがトモラ君に蜂蜜を使った鰻の蒲焼きを食べさせようとしてしまった事を話した。
「それは危ない所でしたね。自分たちも気を付けないと」
「お。と言う事は?」
「おめでた?」
「恐らく間違いないかと」
「「御目出度う」」
「明後日の式で飲めなくなってしまったのが少々残念ですが仕方ありません」
それはしゃーなしだと諦めて。
枯渇気味の薬類と麻酔薬を3日後に受け取れるように別途発注した。
「賜りました」
「代金代わりにご祝儀奮発したいけど」
「受け取ってもセルダさんの組に回るだけですね」
「さいですか…」
「ロロシュさんとカメノスさんってどうしてこんな無意味な所で張り合っちゃうのかなぁ」
「聞き分けのない子供みたいですね」
とペルシェさんが笑った。
別れ際にフィーネがペルシェさんのお腹を撫で撫でしてから退席。
総本堂で身近な人たちの安産祈願をしてからトーラスさんの店へ向かった。
「体調は?」
「解毒剤も飲んだからか全然平気です」
一安心して入店。
開店直後で他のお客さんが居なかった。
「早速のご来店、誠に有り難う御座います」
と奥へ通された。
出されたミルクティーを頂きながら。
「ミルクティーもいいな」
「ホッとするよね」
「それはそれは。あの子も喜ぶと思います。
ご用意して参りますので少々お待ちを」
口が利けないあの子が淹れてくれたのか。
奥の天幕から顔を覗かせて微笑んでいたので手を振り返したが目が合うと直ぐに引っ込んでしまった。
「恥ずかしがり屋さんだね」
「んだねー」
暫くすると銀トレイで大き目な箱を持って来てくれた。
慎重に箱を開ける。
それは大小の青く透き通る宝石を携えたネックレス。
「そちらの五つの宝石はブルーダイヤとなっております。
気品溢れる清楚な鮮やかさ。
押しつけがましくない控え目さ。
どの様な場面でも着用して頂けるデザイン性。
全てを成立させるバランス感。
この完成度に私も射貫かれ、一目惚れしました。
ブルーダイヤには着用者の精神を整え、心を清らかに保つ効果が在ると評されており、フィーネ様の気高き気品にこそ相応しいとご提案させて頂きました。
イエローを越える希少価値。
色合を揃えるのも至難の業。未来長きに渡りこれ程の良品に巡り会う機会は二度と無いと言っても過言ではありません。
如何でしょうか」
「「買います!」」
「私も一目惚れです」
目がキラキラしてます。
問答無用で1発サイン。
金5千が吹き飛んだがそれだけの価値はある!
「何時も思うんですが、これだけの高額取引の換金とか危なくないですか?」
「だからこそのこの立地なのですよ」
トーラスさんは自信たっぷり。
「ああ成程。城を通してるんですね」
「はい。ここで襲われるなら世も末。
序でに納税も済ませられるので手間が省けるのです」
「へぇ~」
「そんな方法もあるんだぁ」
残りのミルクティーを頂いて退店しようとした所で
女性従業員が出入り口の脇に立ってモジモジしていた。
何をするのかと見ていると、手を差し伸べて来た。
トーラスさんが。
「これフローラ。妄りにお客様に手を触れるなど」
「握手位いいですよ。最近慣れっ子なんで」
フローラさんか。
握手を交した。
特徴:アッテンハイム出身者
魔道具の影響で沈黙中
(接触時のみ鑑定可能状態)
沈黙の呪いは初めてだな…。
フィーネも快く応じて柔やかに退店した。
「何か見えたの?」
「それは夜に話すよ。
帰るのも頃合いかなって思ってたけど…」
「けど?」
「今度はそれに負けない衣服が必要だと思います」
「…確かに」
「俺が巻き込まれてる間にシュルツにパンツスーツ見立てて貰えば?水色で」
「高尚な場でもスーツ着ていいの?」
「女性はスカート推奨とか言われてるけど。
今度は外交官補佐として行く訳だからその縛りには含まれないよ。頻繁に膝を着いたりもするし」
「そうなんだぁ。なら探してみる」
「間に合えば明日でも着られるしね」
「ネックレス自慢しに行くみたいでちょい気が引けるな」
「みんなフィーネは只のお飾りじゃないって知ってるから大丈夫さ」
「うん。解った」
ロロシュ邸に戻る頃には訓練所に人だかりが。
威勢の良いライラの声が聞こえた。
「「やっぱりね…」」
予想通り。
ソプランが寄って来て。
「待ってたぞ。早く人形出せよ。模造じゃ納得しない奴らばっかだからな」
「えー皆さん。フィーネは体調不良でお休みです」
全員ホッとした表情。
「今の顔は頂けませんね。皆さんは遊びに来たんですか?
明日外交官に任命される俺としては恥ずかしい。
タイラントには腑抜けしか居ないとでも言わせる気か!!」
目の色を変える一同。
「そう来なくちゃ。飛び道具系は無し。
その他全員実戦武装で。
手抜きした人は折角用意した美味しいお昼ご飯も抜きにします!」
訓練所の中央からロープで造った人形を各所に放った。
今回は動かぬ案山子じゃない。
嘗めプはお断り。
初めて目の前で見るライラの乱撃は見事。
ゴンザに渡した伸縮自在の槍とも相性抜群。
善戦したのはやはりカーネギ。
半面展開させた触手攻撃を捌き切って反撃していた。
厄介なソプランの加速双剣。
通常武器との併用で更に時間差を設けてタイミングを撹乱された。
累計時間を見ていたが、かなりの長時間加速を続けていた。俺たちの休暇中に枯渇何度かやったな。
ムルシュの本気が一番怖かった。
予測不能の攻撃が人形の後ろから湧いて出るのは素直に嫌だ。生身で遣り合ったら瞬殺間違い無し。
メンバー以外の侍女たちや警備兵の動きも良かった。
中でもアローマは一際気合いが入っていた。
小剣の柄尻に手を添える姿はくノ一風。あれなら小太刀との相性が良さそう。
ソプランの後方。邪魔にならない位置取りから繰り出す攻撃も粗が見当たらない。真にお似合い夫婦。
明日武器屋にでも誘うおうかな。
「はい。皆さん汗まみれになる前に昼食休憩にしましょう」
フィーネにメールを打って一旦解散した。
---------------
初めての任務外の自由時間に小さな鳩胸が踊った。
誰も居ない遙か上空を優雅に高速移動。
寒さも空気も全く邪魔にならない。
新しい首輪は多くの自由をくれた。
ゆっくり飛んでも二時間も掛からずラフドッグまで来てしまった。
早めにお昼にしようと場所を探し、エリュグンテの屋上の片隅に降りた。
檸檬水のボトルを開けて首を突っ込んだ。
ん~酸っぱい。殆ど疲れてないけど染み渡る。
ご主人様たちが作ってくれるお料理は何れも美味しい。
お弁当も開いて一つ一つ感謝しながら頬張った。
綺麗に甘露煮のたれまで舐め取る。至福の時。
普段はお行儀悪くて滅多に遣らない。
そんな事も気兼ねなく出来る自由行動。
空になったお弁当箱を仕舞い、檸檬水で口を綺麗にした後でおやつでもある鰹節の欠片を砕いて囓った。
海を眺めながら鰹節を味わう一時。そんな時。
「俺にもそれを寄越せ」
一羽の先輩鳩が隣に降りて来た。
首には変テコなスカーフを巻いている。
チラリと裏地から白い柔毛がはみ出ていた。
「嫌です。もしかして帝国の鳩さんですか?」
「そうだ。今は逃げ出した身。扱いが愚劣でな。
俺は腹が減っている。早くその餌を寄越せ」
お話も成立しないお馬鹿な雄。
「そのスカーフと交換ならいいですよ」
「駄目だ。無償で寄越せ。然もなくば犯して孕ませるぞ」
ブッチン。
「今なんつったんだこら!」
「何だと。俺に刃向かうのか」
気色の悪い雄の横っ面を翼でぶん殴って急上昇。
頭に血が上ったのか、置いてある欠片には目もくれず追って来た。
あんなお馬鹿の卵なんて死んでも産みたくない!
そもそも幼体のあたしを犯すとか有り得ない。
穢らわしい!鳥肌が立つ。
ラフドッグ上空で繰り広げる高速反転の応酬。
性能は五分。ここでソラリマを呼び出せば圧倒的差が生まれるがそれではこのお馬鹿に負けたも同然。
ソラリマが居なくなればご主人様にも心配されてしまう。
断じて否だ。
永遠に続くかと思われた追いかけっこに僅かな綻びが見え始めた。
所詮は単細胞な雄。
空腹に加えて水分補給も足りていなかった。
鈍り始めた雄の滑空。
直角反転で正面に向き合い、相手の下に潜った。
「な…」
怯んだ隙に片翼の羽根を嘴で抉り取った。
口に入った羽毛を吐き出し、後ろを取った。
今度は追い掛ける番が来た。
翼の均衡を崩した鳩など飛べない鶏同然。
勝敗は直ぐに決した。
背後から雄のスカーフの結び目を食い破って落とすと、鈍足の鳩。
回り込んでその首をへし折り、死骸をエリュグンテの屋根に置いて落下したスカーフを回収。
屋根に戻って趣味の悪いガードルとバックパックを外し中身を確認。何やら小物と赤い宝石が奧底に見えた。
鰹節の欠片は自分のパックへ。装具類は雄のパックに入れて死骸と共に飛び立った。
飛びながら何処に死骸を捨て…。大鼠の居た中州が目に入ったので瓦礫の中に突っ込んだ。
上流を辿り、無駄撃ちさせられたご主人様の鉛弾を各所で拾い集めて小休止。
ガードル…趣味は悪いが性能は良さそう。
防具屋さんのアリーちゃんに渡してみようかな。
皮とか張り替えてくれないかなと考えに至り即決。
あたしは決断出来る雌。悩んだりはしない。
王都に戻り自宅の裏庭に結構な人だかりが出来ていたので先に防具屋裏のベランダに居たアリーちゃんの前にガードルを置いた。
「天使様だ!どうしたんですか?」
身振りで自分のガードルを叩き、視線を促す。
「これの皮を張り替えるんですか?」
大きく頷いた。
「パパ-!天使様がガードルを持って来てくれたよ」
無事に伝わったようで良かった。
自宅の自分用の小窓から余計な荷物を投げ入れ、お散歩続行。
一回本気で飛んでみようと北に向かった。
またしても二時間足らずで国境壁まで到達。
ツンゲナやラザーリアに続く草原や北西に広がる雄大な山脈を眺めて帰宅した。
今度のアッテンハイムで自由時間があれば、あの山脈辺りまで攻めてみるのもいいかも知れないなと思い馳せながら大空に翼を広げた。
---------------
中々実りのある集団演習を終えた夕方。
フィーネやシュルツを交え、女性陣は自宅で。
俺は追い出されて本棟の大風呂でむさい男衆と。
帰宅許可が降りるまでスマホと睨めっこ。
フィーネよりも先にクワンから。
「お土産があります。後で確認を」
何拾ったんだろ。楽しみだな。
同じく風呂上がりのソプランが。
「それクワンティか?」
「そうだよ」
「もう言葉以外は人間だな
そう。明日は午前10時の予定だ。
俺はどうすればいいんだ?」
「何時もみたいに後ろに控えてて。気紛れで呼ばれるかもだし。アローマさんは純粋な侍女さんだから大丈夫」
「うぃ。思えば遠くへ来たもんだっと」
ソファーから立ち上がり伸びをして。
「宿舎で飯食って筋トレでもして寝るわぁ」
「お休み~」
「お前には感謝しとくぜ。凡才の俺をここまで引っ張って貰って」
「それ死ぬ前の台詞。メメットさんと一緒」
軽く笑って。
「じゃあ止めとくわ。お休み」
そんな頃に漸く帰宅許可が降りた。
風呂上がりの女性陣と擦れ違い手を振り返した。
クラリアからは。
「今日は感激しました。これでラフドッグでも自慢し捲りですよ」
「尾ひれ付けて誇張すんなよぉ」
「しませんよ。有りの侭を伝えても信じて貰えませんし」
アハハと返して溜息一つ。
自宅に戻ると、着替え終わったフィーネがお茶を淹れて待っていてくれた。
「俺も着替えるから待ってて」
「はーい」
着替えて降りたら、ミルクの甘い香りが。
「早速ミルクティー?」
「フローラさんの真似してみた。で何が見えたの?」
午前に見たものをフィーネとクワンに説明。
「ふむ。で何で解除しなかったの?」
「昨日コマネさんの呪いを解こうとして指摘された事なんだけど。上位の魔道具の呪いは大元の魔道具を破壊してからじゃないと最悪即死するんだってさ。
クインザの道具と同じで順番があるんだ」
「…安易にやっちゃ駄目なんだ。怖いね」
「クワァ」
甘いミルクティーを口にしながら。
「フローラさんはアッテンハイム出身。クインザは関係なくてあっちに現況がありそうだなって考えてスルーした」
「手順を踏め…か」
「大元が何なのかを探ってからでも遅くはないよ。
壊してまた時間制限があったりしたら責任取れないしさ」
「…うん。それにしても沈黙かぁ。
意味不明にも程があるよ」
「それは全く同意。
そういやクワンは何かお土産があるんだっけ」
一鳴きして屋根裏に飛んで行った。
戻ると大きめなパックを掴んでいた。
「帝国から離脱した野良の鳩と交渉しました。
鰹節の欠片を渡したらお馬鹿な雄が全部くれました。
性能の良さそうなガードルはアリーちゃんに渡して。
このパックと身に付けていたスカーフも貰えました」
「「ほうほう」」
自慢気なクワンを撫でながら。
「スカーフは確かに帝国の軍旗が刺繍されてる。
性能自体はクワンの新チョーカーベルトと同じだ。
後は…」
名前:変声のピアス
性能:全く別人の声色になる(知り得る人物)
特徴:疚しい事には使わないように
「なんとなーく。これで皇帝が逃げ切りを計ったと推理します」
「よっ名探偵。使用用途は不明だけど私貰っていい?」
「いいけど耳に穴空くか?」
「多分自分の意志でやれば行けると思う」
消毒は入念にと渡した。
ルビーとは違う真っ赤な宝石。
名前:古竜の泪
性能:1日1度だけ、どの様な場所からでも逃亡出来る
(転移不能迷宮も含む)
特徴:古の竜が己の敗北を悟った時に流した泪の結晶
「皇帝必死だなw」
「奪われてたら意味無いんですけどw」
「クワw」
これは俺のリュックに収まった。
「このセンスの欠片も無いスカーフは解体して柔毛だけシュルツに渡そう。ガードルは連絡待ちだな」
「ですね。そろそろ行こっか」
---------------
トワイライト。
落着いた店内。自分たちだけに用意された空間。
贅沢を独占。気は引けるが堪能しないのも申し訳無く。
今宵は指定した特別メニュー。
何時もの店員さん。
「メインはドミグラスソースで煮込んだレバーのシチューとハーツ肉のステーキです。
試食した従業員一同、目から鱗の大絶賛でした。
お口に合えば幸いです。どうぞご緩りと」
シチューには生クリームが円を描いていた。
「流石プロは違いますなぁ」
「ホッペが落ちそう。職人さんの気合いを感じます」
「クワァ~」
ハツもシンプルな塩胡椒でコリコリジューシー。
「あーどっちも貰って帰りたい」
「お代わり控えれば駄目かな」
「聞いてみよう」
考案者として快諾を得られた。
明日の朝食は豪華な洋食になりそうだ。
揚げたての豚唐揚げをハフハフしながら朝食準備。
略和食の朝食は余り他に知られたくないからちょいと必死な作業。
一緒に漬けていた大蒜の素揚げも添えてお弁当完成。
フロントパックに付け替えて。
「危なくなったら逃げるんだぞ」
「気を付けて」
「クワッ!」
朝食後にクワンを送り出して漸く一息。
片付け中に朝早く出勤して来たアローマが。
「トーラス様からお手紙が届いております。
…またしても良い匂いですね」
「お、有り難う。丁度覗きに行こうかと思ってたんだ」
「アローマさんも食べてみる?お昼にも出そうかと思ってる豚肉の唐揚げ」
「カラアゲ…どうしてか甘美なひび」
面倒なので口に突っ込んだ。モグモグ…。
「!?美味しいです。大蒜と醤油の相性が抜群で。
元気が出るお味ですね」
アローマにお茶を淹れて貰いながら開封。
「出物在り。今回は一点物となります。
ご来店お待ちしております」
「おー悩むな。今の俺たち…」
「かなり大蒜臭いもんねぇ」
「それ程匂いは…。あ、私も食べてしまったので解りませんでしたね」
「ええい、解毒剤飲んで行っちゃうか」
「勿体ないけど仕方ない!」
「トーラス様のお店と言うのは?」
「3区の宝飾店」
「珍しい宝石とか優先して取り置きしてくれるの」
「あ…あの超高級店の!?」
「興味有りなお顔してますな」
「見るだけでも楽しいよ。一緒に行く?」
「いえいえ。私のような庶民には恐れ多くて入れません。
それに今目を肥やしてしまうと…、ソプランから頂く物が霞んでしまいます」
それはいけないので強制連行は中止した。
3人のカップに解毒剤を注いで時間を掛けて飲み干した。
「カメノス商団製のお薬は高いと聞いておりますが。
実際のお値段は如何程なのでしょう」
「飲んだ後に聞いちゃう?」
「世の中には知らない方が幸せって事もあるよ」
「飲む前にお聞きすれば良かったです…」
無理矢理飲ませたんだから気にすんなと励まして出発。
まだ9時過ぎだったのでペルシェさんの所に行き、お豆腐類と調味料各種と黒砂糖を頂いた。
「最初からこっちにしときゃ良かったよ」
「昨日は凡ミスだったねぇ。危うく大惨事」
「昨日?どうかされたのですか?」
昨日の婚礼式後の夕食会で、レーラさんがトモラ君に蜂蜜を使った鰻の蒲焼きを食べさせようとしてしまった事を話した。
「それは危ない所でしたね。自分たちも気を付けないと」
「お。と言う事は?」
「おめでた?」
「恐らく間違いないかと」
「「御目出度う」」
「明後日の式で飲めなくなってしまったのが少々残念ですが仕方ありません」
それはしゃーなしだと諦めて。
枯渇気味の薬類と麻酔薬を3日後に受け取れるように別途発注した。
「賜りました」
「代金代わりにご祝儀奮発したいけど」
「受け取ってもセルダさんの組に回るだけですね」
「さいですか…」
「ロロシュさんとカメノスさんってどうしてこんな無意味な所で張り合っちゃうのかなぁ」
「聞き分けのない子供みたいですね」
とペルシェさんが笑った。
別れ際にフィーネがペルシェさんのお腹を撫で撫でしてから退席。
総本堂で身近な人たちの安産祈願をしてからトーラスさんの店へ向かった。
「体調は?」
「解毒剤も飲んだからか全然平気です」
一安心して入店。
開店直後で他のお客さんが居なかった。
「早速のご来店、誠に有り難う御座います」
と奥へ通された。
出されたミルクティーを頂きながら。
「ミルクティーもいいな」
「ホッとするよね」
「それはそれは。あの子も喜ぶと思います。
ご用意して参りますので少々お待ちを」
口が利けないあの子が淹れてくれたのか。
奥の天幕から顔を覗かせて微笑んでいたので手を振り返したが目が合うと直ぐに引っ込んでしまった。
「恥ずかしがり屋さんだね」
「んだねー」
暫くすると銀トレイで大き目な箱を持って来てくれた。
慎重に箱を開ける。
それは大小の青く透き通る宝石を携えたネックレス。
「そちらの五つの宝石はブルーダイヤとなっております。
気品溢れる清楚な鮮やかさ。
押しつけがましくない控え目さ。
どの様な場面でも着用して頂けるデザイン性。
全てを成立させるバランス感。
この完成度に私も射貫かれ、一目惚れしました。
ブルーダイヤには着用者の精神を整え、心を清らかに保つ効果が在ると評されており、フィーネ様の気高き気品にこそ相応しいとご提案させて頂きました。
イエローを越える希少価値。
色合を揃えるのも至難の業。未来長きに渡りこれ程の良品に巡り会う機会は二度と無いと言っても過言ではありません。
如何でしょうか」
「「買います!」」
「私も一目惚れです」
目がキラキラしてます。
問答無用で1発サイン。
金5千が吹き飛んだがそれだけの価値はある!
「何時も思うんですが、これだけの高額取引の換金とか危なくないですか?」
「だからこそのこの立地なのですよ」
トーラスさんは自信たっぷり。
「ああ成程。城を通してるんですね」
「はい。ここで襲われるなら世も末。
序でに納税も済ませられるので手間が省けるのです」
「へぇ~」
「そんな方法もあるんだぁ」
残りのミルクティーを頂いて退店しようとした所で
女性従業員が出入り口の脇に立ってモジモジしていた。
何をするのかと見ていると、手を差し伸べて来た。
トーラスさんが。
「これフローラ。妄りにお客様に手を触れるなど」
「握手位いいですよ。最近慣れっ子なんで」
フローラさんか。
握手を交した。
特徴:アッテンハイム出身者
魔道具の影響で沈黙中
(接触時のみ鑑定可能状態)
沈黙の呪いは初めてだな…。
フィーネも快く応じて柔やかに退店した。
「何か見えたの?」
「それは夜に話すよ。
帰るのも頃合いかなって思ってたけど…」
「けど?」
「今度はそれに負けない衣服が必要だと思います」
「…確かに」
「俺が巻き込まれてる間にシュルツにパンツスーツ見立てて貰えば?水色で」
「高尚な場でもスーツ着ていいの?」
「女性はスカート推奨とか言われてるけど。
今度は外交官補佐として行く訳だからその縛りには含まれないよ。頻繁に膝を着いたりもするし」
「そうなんだぁ。なら探してみる」
「間に合えば明日でも着られるしね」
「ネックレス自慢しに行くみたいでちょい気が引けるな」
「みんなフィーネは只のお飾りじゃないって知ってるから大丈夫さ」
「うん。解った」
ロロシュ邸に戻る頃には訓練所に人だかりが。
威勢の良いライラの声が聞こえた。
「「やっぱりね…」」
予想通り。
ソプランが寄って来て。
「待ってたぞ。早く人形出せよ。模造じゃ納得しない奴らばっかだからな」
「えー皆さん。フィーネは体調不良でお休みです」
全員ホッとした表情。
「今の顔は頂けませんね。皆さんは遊びに来たんですか?
明日外交官に任命される俺としては恥ずかしい。
タイラントには腑抜けしか居ないとでも言わせる気か!!」
目の色を変える一同。
「そう来なくちゃ。飛び道具系は無し。
その他全員実戦武装で。
手抜きした人は折角用意した美味しいお昼ご飯も抜きにします!」
訓練所の中央からロープで造った人形を各所に放った。
今回は動かぬ案山子じゃない。
嘗めプはお断り。
初めて目の前で見るライラの乱撃は見事。
ゴンザに渡した伸縮自在の槍とも相性抜群。
善戦したのはやはりカーネギ。
半面展開させた触手攻撃を捌き切って反撃していた。
厄介なソプランの加速双剣。
通常武器との併用で更に時間差を設けてタイミングを撹乱された。
累計時間を見ていたが、かなりの長時間加速を続けていた。俺たちの休暇中に枯渇何度かやったな。
ムルシュの本気が一番怖かった。
予測不能の攻撃が人形の後ろから湧いて出るのは素直に嫌だ。生身で遣り合ったら瞬殺間違い無し。
メンバー以外の侍女たちや警備兵の動きも良かった。
中でもアローマは一際気合いが入っていた。
小剣の柄尻に手を添える姿はくノ一風。あれなら小太刀との相性が良さそう。
ソプランの後方。邪魔にならない位置取りから繰り出す攻撃も粗が見当たらない。真にお似合い夫婦。
明日武器屋にでも誘うおうかな。
「はい。皆さん汗まみれになる前に昼食休憩にしましょう」
フィーネにメールを打って一旦解散した。
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初めての任務外の自由時間に小さな鳩胸が踊った。
誰も居ない遙か上空を優雅に高速移動。
寒さも空気も全く邪魔にならない。
新しい首輪は多くの自由をくれた。
ゆっくり飛んでも二時間も掛からずラフドッグまで来てしまった。
早めにお昼にしようと場所を探し、エリュグンテの屋上の片隅に降りた。
檸檬水のボトルを開けて首を突っ込んだ。
ん~酸っぱい。殆ど疲れてないけど染み渡る。
ご主人様たちが作ってくれるお料理は何れも美味しい。
お弁当も開いて一つ一つ感謝しながら頬張った。
綺麗に甘露煮のたれまで舐め取る。至福の時。
普段はお行儀悪くて滅多に遣らない。
そんな事も気兼ねなく出来る自由行動。
空になったお弁当箱を仕舞い、檸檬水で口を綺麗にした後でおやつでもある鰹節の欠片を砕いて囓った。
海を眺めながら鰹節を味わう一時。そんな時。
「俺にもそれを寄越せ」
一羽の先輩鳩が隣に降りて来た。
首には変テコなスカーフを巻いている。
チラリと裏地から白い柔毛がはみ出ていた。
「嫌です。もしかして帝国の鳩さんですか?」
「そうだ。今は逃げ出した身。扱いが愚劣でな。
俺は腹が減っている。早くその餌を寄越せ」
お話も成立しないお馬鹿な雄。
「そのスカーフと交換ならいいですよ」
「駄目だ。無償で寄越せ。然もなくば犯して孕ませるぞ」
ブッチン。
「今なんつったんだこら!」
「何だと。俺に刃向かうのか」
気色の悪い雄の横っ面を翼でぶん殴って急上昇。
頭に血が上ったのか、置いてある欠片には目もくれず追って来た。
あんなお馬鹿の卵なんて死んでも産みたくない!
そもそも幼体のあたしを犯すとか有り得ない。
穢らわしい!鳥肌が立つ。
ラフドッグ上空で繰り広げる高速反転の応酬。
性能は五分。ここでソラリマを呼び出せば圧倒的差が生まれるがそれではこのお馬鹿に負けたも同然。
ソラリマが居なくなればご主人様にも心配されてしまう。
断じて否だ。
永遠に続くかと思われた追いかけっこに僅かな綻びが見え始めた。
所詮は単細胞な雄。
空腹に加えて水分補給も足りていなかった。
鈍り始めた雄の滑空。
直角反転で正面に向き合い、相手の下に潜った。
「な…」
怯んだ隙に片翼の羽根を嘴で抉り取った。
口に入った羽毛を吐き出し、後ろを取った。
今度は追い掛ける番が来た。
翼の均衡を崩した鳩など飛べない鶏同然。
勝敗は直ぐに決した。
背後から雄のスカーフの結び目を食い破って落とすと、鈍足の鳩。
回り込んでその首をへし折り、死骸をエリュグンテの屋根に置いて落下したスカーフを回収。
屋根に戻って趣味の悪いガードルとバックパックを外し中身を確認。何やら小物と赤い宝石が奧底に見えた。
鰹節の欠片は自分のパックへ。装具類は雄のパックに入れて死骸と共に飛び立った。
飛びながら何処に死骸を捨て…。大鼠の居た中州が目に入ったので瓦礫の中に突っ込んだ。
上流を辿り、無駄撃ちさせられたご主人様の鉛弾を各所で拾い集めて小休止。
ガードル…趣味は悪いが性能は良さそう。
防具屋さんのアリーちゃんに渡してみようかな。
皮とか張り替えてくれないかなと考えに至り即決。
あたしは決断出来る雌。悩んだりはしない。
王都に戻り自宅の裏庭に結構な人だかりが出来ていたので先に防具屋裏のベランダに居たアリーちゃんの前にガードルを置いた。
「天使様だ!どうしたんですか?」
身振りで自分のガードルを叩き、視線を促す。
「これの皮を張り替えるんですか?」
大きく頷いた。
「パパ-!天使様がガードルを持って来てくれたよ」
無事に伝わったようで良かった。
自宅の自分用の小窓から余計な荷物を投げ入れ、お散歩続行。
一回本気で飛んでみようと北に向かった。
またしても二時間足らずで国境壁まで到達。
ツンゲナやラザーリアに続く草原や北西に広がる雄大な山脈を眺めて帰宅した。
今度のアッテンハイムで自由時間があれば、あの山脈辺りまで攻めてみるのもいいかも知れないなと思い馳せながら大空に翼を広げた。
---------------
中々実りのある集団演習を終えた夕方。
フィーネやシュルツを交え、女性陣は自宅で。
俺は追い出されて本棟の大風呂でむさい男衆と。
帰宅許可が降りるまでスマホと睨めっこ。
フィーネよりも先にクワンから。
「お土産があります。後で確認を」
何拾ったんだろ。楽しみだな。
同じく風呂上がりのソプランが。
「それクワンティか?」
「そうだよ」
「もう言葉以外は人間だな
そう。明日は午前10時の予定だ。
俺はどうすればいいんだ?」
「何時もみたいに後ろに控えてて。気紛れで呼ばれるかもだし。アローマさんは純粋な侍女さんだから大丈夫」
「うぃ。思えば遠くへ来たもんだっと」
ソファーから立ち上がり伸びをして。
「宿舎で飯食って筋トレでもして寝るわぁ」
「お休み~」
「お前には感謝しとくぜ。凡才の俺をここまで引っ張って貰って」
「それ死ぬ前の台詞。メメットさんと一緒」
軽く笑って。
「じゃあ止めとくわ。お休み」
そんな頃に漸く帰宅許可が降りた。
風呂上がりの女性陣と擦れ違い手を振り返した。
クラリアからは。
「今日は感激しました。これでラフドッグでも自慢し捲りですよ」
「尾ひれ付けて誇張すんなよぉ」
「しませんよ。有りの侭を伝えても信じて貰えませんし」
アハハと返して溜息一つ。
自宅に戻ると、着替え終わったフィーネがお茶を淹れて待っていてくれた。
「俺も着替えるから待ってて」
「はーい」
着替えて降りたら、ミルクの甘い香りが。
「早速ミルクティー?」
「フローラさんの真似してみた。で何が見えたの?」
午前に見たものをフィーネとクワンに説明。
「ふむ。で何で解除しなかったの?」
「昨日コマネさんの呪いを解こうとして指摘された事なんだけど。上位の魔道具の呪いは大元の魔道具を破壊してからじゃないと最悪即死するんだってさ。
クインザの道具と同じで順番があるんだ」
「…安易にやっちゃ駄目なんだ。怖いね」
「クワァ」
甘いミルクティーを口にしながら。
「フローラさんはアッテンハイム出身。クインザは関係なくてあっちに現況がありそうだなって考えてスルーした」
「手順を踏め…か」
「大元が何なのかを探ってからでも遅くはないよ。
壊してまた時間制限があったりしたら責任取れないしさ」
「…うん。それにしても沈黙かぁ。
意味不明にも程があるよ」
「それは全く同意。
そういやクワンは何かお土産があるんだっけ」
一鳴きして屋根裏に飛んで行った。
戻ると大きめなパックを掴んでいた。
「帝国から離脱した野良の鳩と交渉しました。
鰹節の欠片を渡したらお馬鹿な雄が全部くれました。
性能の良さそうなガードルはアリーちゃんに渡して。
このパックと身に付けていたスカーフも貰えました」
「「ほうほう」」
自慢気なクワンを撫でながら。
「スカーフは確かに帝国の軍旗が刺繍されてる。
性能自体はクワンの新チョーカーベルトと同じだ。
後は…」
名前:変声のピアス
性能:全く別人の声色になる(知り得る人物)
特徴:疚しい事には使わないように
「なんとなーく。これで皇帝が逃げ切りを計ったと推理します」
「よっ名探偵。使用用途は不明だけど私貰っていい?」
「いいけど耳に穴空くか?」
「多分自分の意志でやれば行けると思う」
消毒は入念にと渡した。
ルビーとは違う真っ赤な宝石。
名前:古竜の泪
性能:1日1度だけ、どの様な場所からでも逃亡出来る
(転移不能迷宮も含む)
特徴:古の竜が己の敗北を悟った時に流した泪の結晶
「皇帝必死だなw」
「奪われてたら意味無いんですけどw」
「クワw」
これは俺のリュックに収まった。
「このセンスの欠片も無いスカーフは解体して柔毛だけシュルツに渡そう。ガードルは連絡待ちだな」
「ですね。そろそろ行こっか」
---------------
トワイライト。
落着いた店内。自分たちだけに用意された空間。
贅沢を独占。気は引けるが堪能しないのも申し訳無く。
今宵は指定した特別メニュー。
何時もの店員さん。
「メインはドミグラスソースで煮込んだレバーのシチューとハーツ肉のステーキです。
試食した従業員一同、目から鱗の大絶賛でした。
お口に合えば幸いです。どうぞご緩りと」
シチューには生クリームが円を描いていた。
「流石プロは違いますなぁ」
「ホッペが落ちそう。職人さんの気合いを感じます」
「クワァ~」
ハツもシンプルな塩胡椒でコリコリジューシー。
「あーどっちも貰って帰りたい」
「お代わり控えれば駄目かな」
「聞いてみよう」
考案者として快諾を得られた。
明日の朝食は豪華な洋食になりそうだ。
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