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第79話 ラフドッグでの休暇02

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休暇も3日目。

朝から魚市や海産物店を回った。

カメノス財団系の店でにがりを購入。

「にがりは何に使うの?」
「魚介を日干しする時の養液の代用に使う。
下処理してこれに漬けて天日に干すだけ。
簡単でしょ」

「なるほろなるほろ」

ロロシュ財団系の海産物店で日干し昆布を購入しながら鰹節の存在を探して回った。

町中の店を捜索したが結局無かった。

「広い町を捜索するのは骨ですねぇ」
「新しいネタは人に聞けないからなぁ。
でもこれで無いのは解った。昼にして、剣先烏賊と鰹の切り身を買ってメドーニャさんとこに行こう」

「行こー」


焼き鮭定食のお店でお昼。

添え物は麦飯と大根おろしと塩漬け野菜のスープ。

「色々と惜しいな」
「これもサッパリとして美味しいですが…惜しいね」

「出汁巻きとお味噌汁…それは帰ってからだな」
「ちょっとだけ帰りたくなったけど。
休暇は切り上げませんよ」

「まだ半分も楽しんでないのに帰らないよ」
「何だかんだ仕事しちゃってるし…」

「全ては後半でたーーーっぷりとのんびりする為です」
「踏ん張り処ですねぇ」


剣先烏賊と鰹を半身の状態で幾つか購入後。
野菜市場へ。

「メドーニャさん。お疲れ様です」
「お疲れ様です」

「おう。今日も元気だねぇ。早速行くかい」

「行くんですけど。ご自宅に干し網とかってあります?」

「天日干し用のやつかい?」

「そうです」

あると言うお話だったのでご自宅に。


「今日はまたご提案があります」

「今度はなんだい?」

「まずは剣先烏賊の下処理をしてから裏庭に行きましょう」


下処理後。

「さぁ今日は。
裏庭の一角をお借りしての天日干しに挑戦です」
「干すだけ簡単」

「干し網の上に。カメノス財団系の海産物店で購入できるこの分離水に浸した剣先烏賊を並べます」
「そのお隣に?」

「こちらの鰹の半身も同じく分離水に浸して並べます」
「鰹?鰹は聞いた事がないねぇ」

「烏賊や鯵や小エビの天日干しは一般的ですが、鰹に辿り着く人は中々居ませんよね」
「早い者勝ち!」

………

「片面が乾いて来たら、刷毛などで分離水を塗り込みます。これを片面ずつ3回塗り込みすれば、後は定期的に返せば良いだけです」
「烏賊は一夜干しでも大変美味しいのですが。鰹は完全乾燥後にしか使えません。返しとか暗所への移動とかの作業は誰かに依頼する事は出来ますか?」

「ここらは家の財団の人間ばっかだよ。王都から派遣された警備連中も口は堅い。誰かお手伝いさんに頼むさ。
久々に貰った新規ネタだ。離すもんかい」

「それは良かったです。鰹は大体1週間が目安です。
表面も中身もカッチカチになるので面白いですよ」


日中の限界まで鰹の表面が硬化するのを監視し続けた。
朝から遣るべきだったが仕方ない。

日が落ちる手前で昨日の蒟蒻を貰ってホテルに戻った。



そして…気付いた時には手遅れ。

「やっちゃったぁーーー」
「真っ黒だぁーーー」

何って露出したお肌が。

「折角日焼け止め買ったのに…」
「ど忘れ…」

「全身防御のクワンがうらやま」
「クワッ!」
胸を張るクワンティ。

「こんな時の為に。ペルシェさんからアフターケアローションを頂いております。お風呂の後で塗り込みましょう」

準備がいい!それはそれで楽しみです。

「塗り合いっ子しよう」
「言うと思った」笑われてしまった。


そんなこんなで。刺身蒟蒻で晩酌。

3年物のリキュール漬けを試飲。

「おー。理想的な甘さ」
「料理酒の代用…。これなら隠し味かぁ」

「一気に風味が増すけど。シュルツには厳しいかも」
「奥の方に居るね。黒大蒜。でも普通の白より全然臭くないと…思ってるのは自分たちだけ?」

クワンティにハーしてみた。

「僅かに匂います。でも臭いとは思いません」

「「良かったぁ~」」

シャンパン割にしてゴクゴク飲んだった。

その夜は2人共、非常に元気でした。




---------------

その効果は翌朝まで。
強壮剤以上の効果を発揮した。

「主に私の身が持ちませんので…
あれのガブ飲みは控えましょう」
「控えましょう」
「クワァ…」呆れ顔。


「今日は?何をするの?」
「天草の捜索とゴーギャンさんとこにご挨拶かな」

「天草…売ってなかったもんね」
「最悪そっちは諦める。一応ノルマは熟したし。
何処を探せばいいかも解りません」

「あっても冷蔵庫があるここか、
自宅でしか試せないしねぇ」
「流石に全く関係ない商団の厨房は借りれないしな」

「そう言えばここの系列って何処なの?」
「クインザ系が占めてた4から6位が解体と統廃合で落ちた代わりに食い込んだのがここ。
現在ランキング4位のエリュダー商団。
宿泊施設だけで登り詰めた完全独立商団」

「孤高の独立商団…格好いいね」
「既に西方三国とか南西大陸にまで進出してるらしい」

「今後も何かとお世話になりそう」
「なりますね、絶対」

「ストアレン商会とメメット商隊は?」

「メメット商隊はもうカメノス財団の傘下に所属してるからカメノス商団としての順位変動は無し。
ストアレン商会はちょっと変わってるけど。
ロロシュ商団とカメノス商団との共同傘下。
俺とフィーネしか居ないから。ランキングにも載らない謎の商会。だからタイラント以外では知名度が低いんだ」

「それでマッハリアでは堂々と使えたのかぁ。
アッテンハイムでは門前払いだったし…。許すまじ」

「前はタイミング悪かったから仕方ないよ。
今度は外交官として行くんだから問題無し。
国賓級を門前払いしたら、国交断絶さ」

「今度は強気に行けるんだ。良かった良かった」


朝食を終えて日焼け止めを塗り塗り。天草の捜索活動。
しかし発見には至らず。


財団管理棟にやって来た。

昼は食堂で済ませて、ゴーギャンさんとピレリさんにご挨拶した。

「お久し振りです。
奥様の方が先になっちゃいましたけど」
「お久し振りです」

「いやいやこちらこそ。上さんも喜んでたし。
昨日も追加案件貰ったーって。有り難い話です」

「ピレリさんは養子に入ったんですよね。
メドーニャさんから聞きました」

「はい。運良く拾って貰いました。
仕事は絶賛勉強中です」

「因みに今後は何か計画されてますか?
どうして行きたいだとか」

「具体的にはまだ何も。
ゴーギャンのお墨付きが貰えれば、何時か王都に行きたいとは思っています」

「まだまだヒヨッコですがね」

「うーむ…」

暫しの逡巡。考えながら室内を歩き回る。

「また何か良からぬ事を」

フィーネに心配されながらも、ある提案をしてみた。

「ゴーギャンさん。10年前からの商船取引の帳簿を
裏も含めて閲覧は出来ますか?」

驚いたのはゴーギャン。
「え…っと。それはちょっと…」

「裏なんて見てどうするの?」

「まあまあ。無理にとは言いませんよ。
ロロシュさんの許可があっても不可能ですか?」

ゴーギャンさんは暫く考えた後。
「総師の許可が降りたなら構いませんが、それを見てどうするのかを先に教えて下さい」

「ピレリさんをテストしたいと思います。
そこに存在する筈のポイントを利用して。
多分ゴーギャンさんの最終テストだと思いますが?」

「テスト?とは何の事でしょう」

ゴーギャンさんが声を荒げて激怒した。
「いい加減にして下さい。物には順序があります。
幾ら貴方でも賛同は出来ません」

「俺なら一番最初にその話をしますがね。
ピレリさんを大切に思うなら尚更」

「クッ……。総師の許可を…お願いします」


スマホを取出してシュルツを呼び出した。
「今大丈夫?」

「はい。大丈夫です」

「近くにロロシュさんって居る?
居たら少し代わって欲しい」

「今なら本棟内に居ます。少し待って下さい」

数分後に交代。
ラフドッグの裏帳簿が見たい旨を伝えた。

「…本気か?」

「冗談で裏は見ませんよ」

「ゴーギャンと代わってくれ」

スマホをゴーギャンさんに渡した。
「総師本人と繋がってます。お話を」

「これでですか?はい…はい…ご無沙汰しております…
本当に宜しいのですか?…解り…ました…」

スマホを受け取り。
「決して悪い事には使いません。
俺を信じて貰えますか?」

「信じよう。許可は出した。
その新人が潰れぬと良いがな…。

しかしこれは便利な道具だ。欲しい」

「無理です。ちゃんと返してあげて下さいね。
取り上げたら家出しちゃいますよ」

「…解った…」

シュルツに無事に返され、挨拶して切った。


「許可は降りました。帳簿の閲覧は何時出来ますか?」

「明日のこの時間に来て下さい。…それまでに用意を」

「ではまた明日」

終始疑問顔のピレリを残して退散した。




---------------

ホテルに戻ってフィーネに説明。

「裏帳簿をどう使うの?」

「表と裏を見比べると必ず存在するものがある。

それはウィンザートが荒廃する切っ掛けでもあり、
クインザを暴走させた直接の原因でもある」

「…そのテストって。それをピレリさんに見せるの?」

「そう。ゴーギャンさんはそれを卒業試験辺りに持って行こうとしてた。それを俺が前倒しにするんだ」

「それは余計な事じゃないの?」

「心の傷を抉るのは、早い方がいいと思う。
彼がそれに自分で気付いて、乗り越えられれば
必ず彼は大成する。

それで潰れるなら、尚更早い方がいい。

最悪ゴーギャンさんが刺されても可笑しくないから」

フィーネは顔を覆った。
「…辛すぎるよ…それは」

「だからこそ。どうしても止めたい。
彼に乗り越えて欲しいんだ。

商人として。一人の人間として。
前を向いて生きる為に」

「…うん」



ディナー後にしんみりしていると。
シュルツからフィーネに入電。

スピーカーモードで。
「外泊の許可が取れました。三日後一日。
お二人が良いならお泊まりもしたいです」

「了解。3日後の朝に迎えに行くから、俺たちの家のリビングに居て」
「念の為前日の夜にもメール入れてね」
「クワッ」

「はい!宜しくお願いします。
スピーカーモードも楽しいですね」

その後も暫くお喋りして切った。

「癒されたぁ~」
「シュルツの声って不思議な魅力があるんだよねぇ~」
「クワァ~」




---------------

翌日に見せて貰った帳簿には、ウィンザートの荒廃を加速させた証拠が多数見られた。

南西大陸間の取引顧客の買収と囲い込み。
ウィンザートからの移民と称した造船技術者たちの引き抜きの記録。
元クインザ派閥の貴族たちとの裏取引。

表の帳簿と見比べれば一目瞭然。
国や軍部にすら計上していない上乗せ分。

そこから類推すれば簡単に答えに辿り着く。

商人としての目があれば。


中央管理棟の会議室で、ゴーギャンさん立ち会いの下
ピレリに3つの代表例を見せた。

最初は意味が解らないといった彼の表情も、時間が経過すると見る見る変化して行った。

純粋な怒りの表情へと。

「…スターレン様の昨日の言動の理由が解りました。
ゴーギャンさん!俺を養子にしたのは、これの罪滅ぼしなんですか。同情ですか。慰みですか!こんな…」

「…違う。君がウィンザートの情報を求めていた時の姿に。純粋に感動と将来性を見たからだ。

それら全てを取り仕切っていたのはこの私だ。
総師から明確な指示を受けた覚えもない」

「…」
両手で机を叩き、腕に顔を埋めた。

嗚咽が漏れ聞こえる。

「こんな…こんな事をしなければ!」

「今頃ラフドッグが、以前のウィンザートの様にされていただろうな。

言い訳はしない。これは全て保身の為にやった事。

ウィンザートの犠牲がどれだけ生まれようと。
追い込まれたクインザが海賊業に手を染めようと。

一切無視をして。私がやった事だ」

「…くっ…」
ピレリさんは歯を強く噛みながら、手拭いで顔を拭き、
目を開いて帳簿を見始めた。


暫くの後。彼は呟いた。
「商人は、冒険者稼業よりも辛い。
ゴーギャン様の言葉の意味を、今理解しました。
明日から、俺が目を逸らしていた
汚い部分を教えて下さい」

「…うむ」


両者の強い言葉を聞いて。俺たちは胸を撫で下ろした。

ピレリさんが俺に問う。
「こんな事で…。怒りを露わにする俺は。中央でやって行けるのでしょうか」

「俺もここまで長期の折衝はした事がありません。

俺の知識はロルーゼの下町。マッハリアの内政の一部。
そしてタイラント。

3つの国を渡っただけの俺が言えるのは。

金の欲望に駆られずに傾かない強い気持ち。
意志の力。少なくとも俺は、ピレリさんにはそれがあると感じました」

「…過大な評価。有り難う御座います…」

「タイラントは非常に豊かな国です。

以前のウィンザートを除いて。町中を歩いても浮浪者が誰一人居ないんです。

王都に集められた奴隷層の人々も。食うに困らないだけの仕事があり。
病気になれば国から薬も貰える。

俺が作った歯ブラシも無償で配布されてます。

奴隷層の印を付けた子供たちが町中に迷い込んでも
煙たがられたり石を打つけられる事もない。

王都は国の光。ウィンザートは闇でした。

ウィンザートが正常化しても、完全に闇が消えた訳じゃありません。

何時かまた第2のクインザになろうと暗躍する馬鹿が現われるかも知れません。

その時。他の誰かを導き、救ってあげられるのは。
ピレリさんのような。真っ直ぐな人なんだと思います。

王都を目指すなら。覚悟して頑張って下さい」

「はい!」
固い決意漲る熱い返事だった。


「話題をガラリと変えて。新しい仕事の話をしましょう。

二人は海岸沿いの岩場に生える、赤紫色をした海藻は知りませんか?」

「「赤紫…」」

ピレリが手を挙げた。
「それかどうかは解りませんが。
この町を東に向かった所の低い岩場で見た気がします」

「「お!」」

「ゴーギャンさん。
明日ピレリさんを借りてもいいですか?

目標の物なら、これもボロ儲けのネタになります。
何せ元手がタダなんで」

「いいですよ、と言うか私も同行させて下さい。
丁度休暇なので」

「勿論です。何ならメドーニャさんもご一緒に」

「行けるかは別として。声は掛けてみます」

「なら明日の朝。礼拝堂前の中央広場前集合で」


話も纏まり。心晴れやかに。前向きな話を。
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