漫才部っ!!

育九

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ふくぶちょーくんとくらすめいとちゃん

くらすめいとちゃんはほぼないている

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……まだそうと決まった訳じゃない、落ち着け私。



「……気、使わなくていいし」



「いや知らねえし」



震えそうになる声を押さえてなんとかして平静を装おうが、一瞬で一蹴されてしまった。

やばい、泣きそう。



「だ、だからそんなに気にしてないって」



「知らないです」



……ぐすん。



「いやだか……」



「知らねえ」



ひっぐ……



「ちが……」



「くない、閉廷」



わ、わだじ、ひっぐ、ぐすっ……



「あの、すいません。

改札の前で無駄話するのやめてもらっていいですか」



心の中で号泣していると、後ろから同じ木芽校の生徒に話し掛けられてしまった。

見れば、私の後ろには行列が出来ている。

そうだった、そいえばここは改札の目の前だった。



はぁ、もうダメだ。

北城には嫌われたし、なんか写真撮られてるし、最悪だ。

大方撮られた写真は[駅の改札でイチャつくくそ迷惑なカップル、やはり非リア充は正義]とか言ってツイットーに上げられるのだろう、鬱だ。

北城とカップル……でへへ。



……はぁやめよ、現実を見よう。

そう言って私はパーカーのポケットをまさぐってパズモを探す。

もうお別れだ、これで明日からまた私が一方的にチラ見するだけの関係。



割り切って改札へ向かおうとすると、不意に手首を優しく掴まれる。



「俺ら邪魔だってよ、あっち行こうぜ」





は、はいぃぃ……











------------



改札から少し離れたところにある時計台、回りには駅中コンビニや売店などが立ち並んでいる。



平日の朝だというのに人通りは物凄い、まあ当たり前だろう。

ここを出れば大きな商業施設が2、3個立ち並び、中には映画館やゲーセン、お洒落なカフェ、時代を先取りしたユニークな雑貨店などが盛り沢山。

それどころか凄い階数のオフィスビルまで。

ここにまで来てどこにでもあるハンバーガーやラーメンだけ食って帰る輩など愚者でしかない。



彼は自分がしている大胆な行動に気付いてさえいないのか、私の手を引いて歩く。



そして徐に時計台の真下に備え付けられているベンチに座り込んで、私にアイコンタクトを送ってきた。

恐らく私が話すのを待っているのだろう。



「まあいいよ、ありがと。

助かった」



……何がいいんだろうか、いや自分の台詞なんだけどさ。

止めどなくあふれでる疑問を抑えられない



自分の不甲斐なさからか、肌を撫でるように、股を撫でるように全身を抜ける喧騒が今はとても気に障る。



「はぁ……いいよ別に。

大したことしてねえしよ」



ガーン、という擬音が脳髄に響いた……ような気がした。



確実にこれはうざったく思われてる。

手まで引いてくれたからって自惚れすぎてた……
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