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まんざいぶふくぶちょーのおさななじみ
まんざいぶふくぶちょーはそうだんをもちかけてみる
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「どったの北城……?
寝不足?」
野菜ジュースを握り潰して啜るにゃんこ先輩は、心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
休日は終わりを告げ、今日はササエさん症候群を乗りきった者達に立ちはだかる地獄の月曜日である。
と言っても今日ばかりは俺にとって月曜が天国だ。
天国と地獄で思い出したんだが小学生の頃プールの時地獄のシャワーってのがあったんだけど段々と季節が夏に近づくにつれて天国のシャワーって呼び名に変わってったんだよな。
不思議な話だ。
「ホントにどうしたんだよ北城……
天国と地獄で思い出したんだが小学生の頃プールの時地獄のシャワーってのがあったんだけど段々と季節が夏に近づくにつれて天国のシャワーって呼び名に変わってったんだよな。
とか言いたげな顔しちゃってさ」
彼女は野菜ジュースを置いて一息置いた後に言った。
「なんで一言一句違わずに当てられたんですか……」
因みに時刻は丁度12時回ったところ。
お互いに同クラスに友達が居ない為、昼休みは態々部室まで来て食っている。
女子と1対1で机を突き合わせて食う弁当なんていかにも青春って感じだ、素晴らしい。
喋る人がいない状況で四方八方リア充に囲まれながら飯を食うって言うのは案外辛いからな。
この状況を1年耐えたにゃんこ先輩は尊敬に値するだろう。
「にゃはは、ありがとな北城」
「さも当然のように心読まないで下さいよ、俺ホント疲れてるんですから」
「万年ぼっちで家に帰っても寝るしかやることのない北城がどうしたってそんなに疲れるんだ?」
「うっわ辛辣……
もう話す気失せました、寝ます」
「悪かったって、ほら話せよ。
お姉ちゃんが聞いてやるから」
「上機嫌っすね。
分かりましたよ」
俺はそこで一呼吸置いて真剣な表情で言い放つ。
「……幼馴染みがベランダの窓開けてて煩いんですよ」
なんだかんだ言ってにゃんこ先輩も女性。
正直包み隠さず話すのはどうかとも思ったが、にゃんこ先輩はアレなのでもうこの際気にしないことにして全て話してしまった。
土曜の朝禊に俺が文句言ってから窓開けっぱなしでヤりまくってることを、だ。
お陰で俺は寝不足、近所からの評判は……元より最悪だった。
これ以上下がりようがない。
「……わ、ワンダフルな幼馴染みちゃんだね」
にゃんこ先輩に引かれるということがどういうことなのか禊にもちゃんとわかってほしい。
「ほんとっすよ、ちっちゃいときはお兄ちゃんお兄ちゃん言ってついて回ってきたのにどうしてこうなったんすかねえ……」
俺はそう言って遠い日を思い出す。
将来はお兄ちゃんと結婚するとかねえ、ラノベかよ。
現実は残酷だなぁ。
「や、やけにおっさん臭いな北城。
そうだね、じゃあ……私の家泊まる?」
「へ?」
「冗談!
なにその童貞臭い反応」
別に俺が唖然としたのはそんな理由じゃない。
にゃんこ先輩が冗談を言う時とは思えない顔をしていたからだ。
というかあんな表情は見たことない。
気のせいだろうか……
まあどっちにしろ人の事情に首突っ込むのはあんま好きじゃない。
「なにいってるんですかにゃんこ先輩も処女ですよね。
俺匂いで経験済みかどうか判断できる程度の能力持ってるんですよ」
「童貞の持つ能力とは思えないよ……」
そう呆れ返る彼女にさっきの表情はもう伺えない。
とりあえず俺は今他人のこと気にしてる暇なんてないのだが……
寝不足?」
野菜ジュースを握り潰して啜るにゃんこ先輩は、心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
休日は終わりを告げ、今日はササエさん症候群を乗りきった者達に立ちはだかる地獄の月曜日である。
と言っても今日ばかりは俺にとって月曜が天国だ。
天国と地獄で思い出したんだが小学生の頃プールの時地獄のシャワーってのがあったんだけど段々と季節が夏に近づくにつれて天国のシャワーって呼び名に変わってったんだよな。
不思議な話だ。
「ホントにどうしたんだよ北城……
天国と地獄で思い出したんだが小学生の頃プールの時地獄のシャワーってのがあったんだけど段々と季節が夏に近づくにつれて天国のシャワーって呼び名に変わってったんだよな。
とか言いたげな顔しちゃってさ」
彼女は野菜ジュースを置いて一息置いた後に言った。
「なんで一言一句違わずに当てられたんですか……」
因みに時刻は丁度12時回ったところ。
お互いに同クラスに友達が居ない為、昼休みは態々部室まで来て食っている。
女子と1対1で机を突き合わせて食う弁当なんていかにも青春って感じだ、素晴らしい。
喋る人がいない状況で四方八方リア充に囲まれながら飯を食うって言うのは案外辛いからな。
この状況を1年耐えたにゃんこ先輩は尊敬に値するだろう。
「にゃはは、ありがとな北城」
「さも当然のように心読まないで下さいよ、俺ホント疲れてるんですから」
「万年ぼっちで家に帰っても寝るしかやることのない北城がどうしたってそんなに疲れるんだ?」
「うっわ辛辣……
もう話す気失せました、寝ます」
「悪かったって、ほら話せよ。
お姉ちゃんが聞いてやるから」
「上機嫌っすね。
分かりましたよ」
俺はそこで一呼吸置いて真剣な表情で言い放つ。
「……幼馴染みがベランダの窓開けてて煩いんですよ」
なんだかんだ言ってにゃんこ先輩も女性。
正直包み隠さず話すのはどうかとも思ったが、にゃんこ先輩はアレなのでもうこの際気にしないことにして全て話してしまった。
土曜の朝禊に俺が文句言ってから窓開けっぱなしでヤりまくってることを、だ。
お陰で俺は寝不足、近所からの評判は……元より最悪だった。
これ以上下がりようがない。
「……わ、ワンダフルな幼馴染みちゃんだね」
にゃんこ先輩に引かれるということがどういうことなのか禊にもちゃんとわかってほしい。
「ほんとっすよ、ちっちゃいときはお兄ちゃんお兄ちゃん言ってついて回ってきたのにどうしてこうなったんすかねえ……」
俺はそう言って遠い日を思い出す。
将来はお兄ちゃんと結婚するとかねえ、ラノベかよ。
現実は残酷だなぁ。
「や、やけにおっさん臭いな北城。
そうだね、じゃあ……私の家泊まる?」
「へ?」
「冗談!
なにその童貞臭い反応」
別に俺が唖然としたのはそんな理由じゃない。
にゃんこ先輩が冗談を言う時とは思えない顔をしていたからだ。
というかあんな表情は見たことない。
気のせいだろうか……
まあどっちにしろ人の事情に首突っ込むのはあんま好きじゃない。
「なにいってるんですかにゃんこ先輩も処女ですよね。
俺匂いで経験済みかどうか判断できる程度の能力持ってるんですよ」
「童貞の持つ能力とは思えないよ……」
そう呆れ返る彼女にさっきの表情はもう伺えない。
とりあえず俺は今他人のこと気にしてる暇なんてないのだが……
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