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「それから、このブックカバーですが」
アンさんの説明に耳を傾ける。
「このブックカバーも、紛失しないようお気をつけください」
「悲しい事に、このブックカバーが出来る前は本の紛失だけでなく中身への落書き、変色、また一部の損失が多くあるのでこのブックカバーが造られました
このブックカバーは、貸し出した本人以外が触ると静電気が流れる仕組みになっておりますので
もし、読書中の方がいてその方のカバーが落ちている場合もあり
その場合は、お声を掛けてくださるか焦らずこちらの手袋をつけて拾ってくださいませ
その、読書中に眠ってしまわれる方も中にはいらっしゃるので
また
本の貸し出しが被って、他の人が読みたい時の為の措置として、
シェアしたい時がある場合には事前にシェアする人達が触って頂く事で、シェアが可能になります。
その時は、ブックカバーには自分の名前と相手の名前が並び、2人で使用中と表記されます。
また大人数で、になりますとその時のカバーをお渡ししますので言ってくださいね」と、淡々と説明するアンさん。
大人数での時は恐らく試験中の参考書の事だろう。
自分が読みたい時に貸し出し中は残念だった記憶がある。
確かに友達同士、仲良く読みたい時あるものね。
「それから、本の返却について、ですが
本の返却時間や、貸し出し期間には充分お気をつけください
もし、延長したい場合がありましたら
その時は申し付けてください
でないと無断で貸し出しになり延長料金が発生する事になりますから
また返却時間と返却期間は、3日、5日、最大で1週間
お昼の12時までとさせていただきます。」
「櫻井様はまだ初回と言う事で、一般的なコーナーには立ち寄れますが、回数が増えると閲覧が可能な本や場所も増えてきます
その為、また閲覧制限がかかっている場所の立ち入り
皇帝陛下の許可を得ている場合のみ、または特別な資格を持つ方以外の入室をお断りしている場所があります
そちらに立ち寄って無断で入室されました場合には、
残念ですが2度と図書室の利用は出来ません
ご了承ください」
うんうんと私は何度も頷く私に、アンさんは
ニコッと微笑む。
「これまでの説明で、何かご不明な点はありますか?」
「はい、大丈夫です」
「では、これから登録を行います」
「はい、よろしくお願いします」
そう言ってアンさんは、私にタブレットの画面を見せてくる。
「では、こちらに両手を置いてください」
私が言われるがまま、タブレットの画面の上に両手を置くと、上下の線が動き、指紋認証の時のように指だけじゃない、両手全体の指紋を読み取っていた。
「はい、完了です」
もう?あ、そうか
手書きで自分の名前を書く紙のイメージがあった。
「では、今日これからどうですか?早速使いますか?」と
渡されたのは、閲覧用のカードキーとブックカバー
アンさんは既に、手袋を嵌めていてちょいちょいマジックのような手付きだなって思ってしまった。
なんか、こうスマートで素早いんだよね。
タブレット端末出した時も手袋を嵌めていた時も、どこから出したのよ?って言うくらい気が付かなかった。
「そうですね、じゃあこの国の、いえ城下町のマップと
この国の歴史はありますか?」
「そう…ですね」と、タタッとタブレット端末をタップする音が聞こえる。
「こちらがヒットしました」そう言って大画面のほうで見せてくれる。
『城下町の地図 写真付き』
『城下町 古い街並み 今と昔』
『この国の歴史アセリアルージュ』
『旧アセリアルージュ城について』
『クレセント帝国について』
『歴代の皇帝陛下 貴族図鑑』
ふむふむと大画面を見てみると、世界史と地理の分類に入るのだろうが
似たような検索結果の欄の所にあった
『銀色の龍の冒険譚』が非常に気になった、が
まぁいいか、今は地図とこの国の歴史を知る事が今は重要だもの。
「では、こちらのコーナーに行く事にします」
そう私が言うと「分かりました、少しお待ちください」
そう言ってまたタブレットを操作している。
「こちらになります、まだ誰かからも貸し出しはありません」とニコッと微笑むアンさん
「ありがとうございます」
「では、何かありましたらこちらに声をおかけくださいね」
とアンさんが言って
「はい、ありがとうございます」
私はアンさんにお礼を言って、早速、世界史と地理のコーナーに向かう。
話をしていたせいか、不躾な視線はほとんど残っていなかった。
図書室、と言ってもズラリと本棚が並んでいるだけじゃなくて高い天井にステンドグラスの丸い窓と、中央に丸いテーブル
ゆっくり読書出来るように広めなソファー
それから圧倒されるような、3階まである広さに横並びの膨大な数の本。
移動して行くと、とある一部分だけ派手な格好をした男性が、ゆったりしたソファーに座って優雅に紅茶を嗜む姿が、目に入る。
あれ?図書室って飲食は禁止していなかったっけ?
って首を捻りそうになるが
考える事はやめましょう。
今は自分のやる事があるんだし、それに
自分から近寄っていくなんて事はしないようにしましょう。
君子危うきに近寄らず。南無!
アンさんの説明に耳を傾ける。
「このブックカバーも、紛失しないようお気をつけください」
「悲しい事に、このブックカバーが出来る前は本の紛失だけでなく中身への落書き、変色、また一部の損失が多くあるのでこのブックカバーが造られました
このブックカバーは、貸し出した本人以外が触ると静電気が流れる仕組みになっておりますので
もし、読書中の方がいてその方のカバーが落ちている場合もあり
その場合は、お声を掛けてくださるか焦らずこちらの手袋をつけて拾ってくださいませ
その、読書中に眠ってしまわれる方も中にはいらっしゃるので
また
本の貸し出しが被って、他の人が読みたい時の為の措置として、
シェアしたい時がある場合には事前にシェアする人達が触って頂く事で、シェアが可能になります。
その時は、ブックカバーには自分の名前と相手の名前が並び、2人で使用中と表記されます。
また大人数で、になりますとその時のカバーをお渡ししますので言ってくださいね」と、淡々と説明するアンさん。
大人数での時は恐らく試験中の参考書の事だろう。
自分が読みたい時に貸し出し中は残念だった記憶がある。
確かに友達同士、仲良く読みたい時あるものね。
「それから、本の返却について、ですが
本の返却時間や、貸し出し期間には充分お気をつけください
もし、延長したい場合がありましたら
その時は申し付けてください
でないと無断で貸し出しになり延長料金が発生する事になりますから
また返却時間と返却期間は、3日、5日、最大で1週間
お昼の12時までとさせていただきます。」
「櫻井様はまだ初回と言う事で、一般的なコーナーには立ち寄れますが、回数が増えると閲覧が可能な本や場所も増えてきます
その為、また閲覧制限がかかっている場所の立ち入り
皇帝陛下の許可を得ている場合のみ、または特別な資格を持つ方以外の入室をお断りしている場所があります
そちらに立ち寄って無断で入室されました場合には、
残念ですが2度と図書室の利用は出来ません
ご了承ください」
うんうんと私は何度も頷く私に、アンさんは
ニコッと微笑む。
「これまでの説明で、何かご不明な点はありますか?」
「はい、大丈夫です」
「では、これから登録を行います」
「はい、よろしくお願いします」
そう言ってアンさんは、私にタブレットの画面を見せてくる。
「では、こちらに両手を置いてください」
私が言われるがまま、タブレットの画面の上に両手を置くと、上下の線が動き、指紋認証の時のように指だけじゃない、両手全体の指紋を読み取っていた。
「はい、完了です」
もう?あ、そうか
手書きで自分の名前を書く紙のイメージがあった。
「では、今日これからどうですか?早速使いますか?」と
渡されたのは、閲覧用のカードキーとブックカバー
アンさんは既に、手袋を嵌めていてちょいちょいマジックのような手付きだなって思ってしまった。
なんか、こうスマートで素早いんだよね。
タブレット端末出した時も手袋を嵌めていた時も、どこから出したのよ?って言うくらい気が付かなかった。
「そうですね、じゃあこの国の、いえ城下町のマップと
この国の歴史はありますか?」
「そう…ですね」と、タタッとタブレット端末をタップする音が聞こえる。
「こちらがヒットしました」そう言って大画面のほうで見せてくれる。
『城下町の地図 写真付き』
『城下町 古い街並み 今と昔』
『この国の歴史アセリアルージュ』
『旧アセリアルージュ城について』
『クレセント帝国について』
『歴代の皇帝陛下 貴族図鑑』
ふむふむと大画面を見てみると、世界史と地理の分類に入るのだろうが
似たような検索結果の欄の所にあった
『銀色の龍の冒険譚』が非常に気になった、が
まぁいいか、今は地図とこの国の歴史を知る事が今は重要だもの。
「では、こちらのコーナーに行く事にします」
そう私が言うと「分かりました、少しお待ちください」
そう言ってまたタブレットを操作している。
「こちらになります、まだ誰かからも貸し出しはありません」とニコッと微笑むアンさん
「ありがとうございます」
「では、何かありましたらこちらに声をおかけくださいね」
とアンさんが言って
「はい、ありがとうございます」
私はアンさんにお礼を言って、早速、世界史と地理のコーナーに向かう。
話をしていたせいか、不躾な視線はほとんど残っていなかった。
図書室、と言ってもズラリと本棚が並んでいるだけじゃなくて高い天井にステンドグラスの丸い窓と、中央に丸いテーブル
ゆっくり読書出来るように広めなソファー
それから圧倒されるような、3階まである広さに横並びの膨大な数の本。
移動して行くと、とある一部分だけ派手な格好をした男性が、ゆったりしたソファーに座って優雅に紅茶を嗜む姿が、目に入る。
あれ?図書室って飲食は禁止していなかったっけ?
って首を捻りそうになるが
考える事はやめましょう。
今は自分のやる事があるんだし、それに
自分から近寄っていくなんて事はしないようにしましょう。
君子危うきに近寄らず。南無!
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