18 / 31
変態協会1-2
しおりを挟むあの夜の事を思い出すと私は顔を青ざめさせる。
家に帰った時気が付いた
マスクを落としていた事に……
あのマスクは私が変わる為の変身道具だった
あのマスクがなければ私は変われないのだ
そしてあのマスクこそが私の変態協会としての証だった。
「おい、佐渡内大丈夫か? 顔が真っ青だぞ? 風邪か?」
そんな私を気遣うのは上司で常日ごろからお世話になってる中村巡査長だった。
「佐渡内、無理するな? 今日はもう帰れ」
「そ、そうさせてもらいます……」
私はマスクを失くした事で気が滅入っていて、いつもなら無理してでも働くのだが、今日は帰らせてもらった。
「佐渡内が無理しないなんてよっぽどだな……暫く休んでいいぞ? 上には私から言っておく」
「す、すいません……お願いします……」
私はその日から三日程寝込むことになった。
あのマスクを持って誰かが私を訪ねてくる。
特に名前なんて書いてなかったが、そう思うだけで私は熱が出てしまっていた。
三日目の夜、ポストに何かが届けられた。
私は這いずる様にしながら何とか玄関に辿り着くと、その手紙を見る。
茶封筒に入った手紙を開けるとそこには……
【変態協会】と書かれていて
【号外】と、その下に書かれていた。
何事かと思ってよく読んでみると
『変態協会会員の皆様へ』
夏の終わりと共に涼し気な秋が訪れだいぶ夜が寒くなり、変態行動もしづらくなってることと思います。
そんな日々を更に追い打ちを掛けるかの如く、この度変態協会の【敵】が現れました。
敵の名称は【魔法少女協会】です。
名前からして私共の仲間の様な響きを感じた方もいると思います。ですが、先日遂に【マスク・ザ・痴女】が倒されました。
会員の証であるマスクが折られたのです!
これは【魔法少女協会】からの宣戦布告と私共は取りました。
ですが、我々には抵抗する力は残念ながらありません……。
ですが、魔法少女の特定は出来るはずです!
そして、私共は一人の魔法少女の写真を撮る事に成功いたしました!
この魔法少女を明るみに出せばきっと撃退出来ると私共は考えております!
どうかお願いです!
平和な変態行為の為に協力してください!
変態協会会長紐パン紳士より
そして、二枚目の紙にその魔法少女の写真があった。
そこには、魔法少女と言われる娘が踏み潰して真っ二つになってる私の仮面が写っていた。
そしてその魔法少女はオカマ兄の妹だった。
写真の後にもう一枚手紙があって読んでみたら
私は変態協会から退会させられた。
負けた罰だという……。
これから変態行為をして見付かっても、揉み消されないという事だ。
その事実に私はショックを受け、更に仕事を休む事になったと同時に、日々の酒の量が増えていく事になった。
0
お気に入りに追加
7
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる