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チョコレート

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 ある日の午後店へ訪ねてくる者が2人居た、今日は休みで扉は閉まったままだったが、偶々窓を俺が拭いて居たので目があってしまった。


 何となぁく嫌な感じがしたので、裏から回って面玄関の前に向かった。


 その人物は燕尾服に片眼鏡をしてカイザル髭を綺麗に纏めたロマンスグレーのナイスミドルで典型的な執事と、腹がでぶーんと出てニキビ面のどう見ても馬鹿っぽい息子でイカ臭い香水でも使ってるのかと疑いたくなる体臭の男が立っていた。


 この男が言うには、男爵の息子様がパーティでうちのお菓子を山の様に聳えさせ、王女殿下を持て成したい、なので全てのお菓子を献上しろと言い出した。


 だがしかし、庶民とはいえ生きて行かねばならぬし、可哀想だろうと息子が言い出し、では金貨10枚やるから全て売れと言ってきた。


 王女殿下は最近このお菓子を求めて各パーティーを梯子しているらしく、どんな身分の者の招待であろうとうちのお菓子を優先して貰えるのなら、出ても良いと御触れをだしたらしい。


 それを聞いたアホが殺到して、今現在1パーティーに全種類100づつしか渡せなかった。


 つまり50パーティーが単純的に開かれている事になる。1日にっていうのが馬鹿すぎる。


 それを全て梯子してる王女殿下に呆れるしかなかった。


 だがしかし、このまま追い返せば鬱陶しい事にしかならない。なので、執事と男爵子息に


 「他の貴族様にお渡しする分もありますので、ウチからは100づつしか、渡せません。ですが、男爵様の御子息様が交渉すれば譲ってくれるかも知れませんよ?」


 なる程な、っと納得された様で意気揚々と鼻息荒く去って行かれた。


 その後その子息がうちの店に来る事は永遠に無かった。


 何でも公爵家の奥様とメイドを怒らせたとかで田舎の領地へと帰ったらしい。


 公爵家の奥様はうちの常連で毎日欠かさず、メイドが買いに来る、そのメイドさんにはお世話になった気がしたので、新作のチョコリエールを5本渡した。


 「まぁ!まぁ!チョコレートデスの⁉まぁぁ!」っとテンション高く帰っていった


 一応新しいスキルのため本数が出せないので毎日は無理ですが……っと断ったのだが、どーなることやら……。

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