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39話

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朝目覚めると机の上に鉢植えが置いてあった

妖精は座ってない

何だこれ?と、触ってたら
「商売道具に勝手に触んな!!!」と声がした
何処から?と、キョロキョロしてると
「上だ上だ!」と、声がするので
「田辺だ田辺」と呟いた
「上よ上よ!」とまた聴こえたので
「何を植えるの?」と聴き返した
額に〈ペチっ〉と音がしたので拾うと種だった
「積極的だよなお前って」と呟いたら
頭に何かが落ちてきた
摘み上げて見るとトマコだった
「あんたは!あんたは!」と手足をバタつかせて
怒っている
「我が妻よおはよう」と悪ノリしながら呟くと
動かなくなった、「おのれ!魔王め!!!」と言いながら、上からもう一人落ちてきたので掴み
目の前に持ってくると観察した
初めて性に目覚め、りかちゃん人形でハァハァした時のようにじっくり観察してたら
「お前らって基本構造女なのか?」
トママもトマコも服みたいな物を捲ると胸が膨らんでいるのが分かる
シノには無い膨らみが俺を刺激して…は、いなかった。なんせ小さいからな

まさかの百合っとした感じで子も出来るのか…
カタツムリみたいだな、妖精面白い!
と、1人妖精握って観察しながら笑っていると
後ろでガタッと音が聴こえたので振り返ると
シノが落ち込んでいた
「コージが変態さんになっちゃったぁぁっ!!!」と、泣き崩れている

素早くトママを植木鉢に差し込んでシノに弁解しに駆け寄る
「違うんだシノ!これは、観察だ!生態観察!妖精研究だよ!」と、言い訳する

泣き崩れるシノは呟くように復唱する
「妖精研究?」

「そう!研究して妖精との繁栄をだね?」
っと、ちょっと苦しいか?っと、感じたが突っ走る

「繁栄?」と呟く

「そう!霊長類と妖精が繋がるとエルフが産まれると言うだろう?ソレの実験だよ」

繋がるという言葉に絶望したのかトマコとトママは植木鉢の中で抱き合いながら泣き出した

オババ様の言葉を思い出したのか
「付け入られるとはこの事か…」
と悔しそうに泣くトママ

「済まぬトママ!私があの時ぃぃ」
と泣き崩れるトマコ

なんの悲劇だなんの!と突っ込みそうになるのを堪えシノを慰めてると

バンッ!!!と外から音がして窓から外を見ると
シルフと内田が風になって抗議しに来たらしい

「何だよもう次から次と鬱陶しい」と外に出ると
シルフ隊とシルフが空を囲み
内田が風を纏って竜巻を起こしていた

「これはアレだ!威力業務妨害」
「業務してねーじゃねーか‼」と内田が突っ込む
で、なんの騒ぎよ?と聴くと
「トマト妖精を返せ」といってきた
「婚姻だろ?何言ってんの?」
「認められるか!!!」と騒ぎ始める妖精達
「話し合わずに最初から攻撃的だよなぁ…内田って……気に入らねぇなぁ」と怒気を纏い始めた俺

「何この気……」とシルフが怯え始め
シルフ隊は俺の気で既に飛ばされていた

「クッ!」と内田は耐えてたが攻撃も何も出来ない様だった

いつの間にかウンディーネとかも来ていたようで
「朝からなにやってんのよ!!!シル!怒らせるなって言ったでしょ!!?何してんのよ!!!」と、シルフが怒られていた

そこへ俺の後ろからシノがテコテコやってきて
「コージ?話まだ終わってないよ?側室て何?取り敢えず部屋に戻りなさい」と笑顔で言われ腕を捕まれ引っ張られる
「あ、はい!」と素直に従い引っ張られて行った

ウンディーネに「後よろしく」と手を振って


植木鉢の中で泣き崩れ抱き締め合う二人と
シノに顔を抓られ爪をたてられて泣き崩れる俺と
阿鼻叫喚の地獄絵図と化してる俺の部屋へ

ウンディーネとシルフと内田が入って来た

呆れる3人に何も言えずただ謝り続ける俺に
シノが般若の顔で睨み続けるという修羅場で

「植木鉢とトマト妖精持ち帰って良いか?」
と内田がシノをビクビクしながらにして、俺に聞いてきた
俺は横に首を振ろうとしたらシノの手で縦に振らされた。
食い込んで血が流れている所が上下に少し裂けて更に血がドバっと流れる
それを「ヒィッ!!?」と言いながら避ける内田と
空いた口が塞がらないシルフ
「はあぁぁ…」と盛大に溜め息が漏れて指クイっだけで植木鉢を回収したウンディーネと
「「助かっ…た?助かっ…たの?」」と呟き
本気涙に暮れながら、声にならない声を上げ
歓喜に酔いしれるトマト妖精だけがこの部屋で笑っていた

麹村の裏掟
①コージを怒らせない
②コージを調子に乗せない
③コージが笑いだしたら要注意
④コージが悪ノリし始めたら全村民を呼び会議
⑤どーしようも無くなる前にシノに通報

の5箇条が記された紙をラミネート加工されて各家に保管された。勿論トマト妖精の族長家の壁にも縮小されて貼られたが、⑤だけがでっかく書かれており神棚に飾られてるという

俺の顔の傷は戒めとして1ヶ月間放置され寝れない日々を過ごさせシノの前で二度と側室の話はしませんと一筆書かされたあと、ウンディーネにも謝ってから、治したという


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

昼頃着いた姉貴は俺の顔を見るなり大爆笑した

まぁ、目だけ出して後は包帯でグルグル巻にされ
口からはストローだけが刺さり、口も聴けなくなっていたから
聖人兄さんも「ど、どーしたの!?」と動揺する程酷かったらしく心配してくれたのだが姉の笑い声で描き消された
「チッ」と舌打ちしても激痛が走り傷口が開いて血が流れるもんで最悪な日々が続いたのだった

その包帯はシノが毎日交換し奇麗だったという
包帯を変えるたびにシノは微笑みコージは震えていたそうだ

それと…結局姉は始終大爆笑しかしないで帰っていった
(本当に何しに来たんだあいつ……)



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 あー……。温泉気持ちいいー……。
蕩ける様に湯に浸かると、自分がお湯と一体化した気分になる。このまま、お湯に溶け込んでしまえば楽に成れるのになぁ……。
 「あ! こんな所に居たよ村長」と、いうのは酒蔵で働きながら修行をする元50うん歳で、今は若返って中学生くらいになった通称【おやっさん】
 あれ? おやっさんの名前知らねんだけど? 
まぁいいか。誰も困っていなそうだし、本人も特に自己紹介する訳でもなし、放っておくのも優しさだろーよ。
 そーいや、何か用があったのか? と、ようやく目を開けておやっさんの声がしていた方向に、顔を向ける……居ねーじゃねーかよ……。
 また目を瞑り、お湯になる。と、今度は他の誰かが階段を登ってくる音が聴こえてきた、全く忙しないねぇ……少しは俺を見習ってお湯になるべきだよね? 「そう思わないかい? 亮介」と、階段を登ってきた奴に訊いてみる。
 「え? 何の話? 」と、聴かれたので、「忙しなく動いてないで、俺見たく偶にはお湯と一体化してみるのも良いと思わないかい? て話だよ」
 「いや、意味がよく分からないんだけど? 」と、いうので「だーかーらー……服を脱げぇっ!!! 」と、襲い掛かってやった。
 「キャーーっ!!? 」と、どっから出してんのその声って、くらいの女の声だった。
 「いや、亮介お前ねぇ……女装は可愛いからいーけど、声まで女になる必要ねーだろ? 」と、いって見るが「地声だよ! おじさんっていうか下着を掴まないで!! あっ……ちょっ……待って!‼ 自分で脱ぐからっ!!! ちょっと!!? やーめーてーって!!! もうっ!!! 」「って、言いながらも顔が紅いですねぇ……好きなんですか? このシチュエーション」
 「なっ! っんな訳無いでしょ!? 」と、湯船に潜りだして対面まで泳いで逃げたので、お尻を撫で回してやったら「ゴポッ! 」と、泡が浮き出して
 「な、なな、なに何してんですか!!?」と、耳まで真っ赤になって照れ始めた。ヤッパそっちの毛もあるのかなぁ?と、思ったので揶揄い半分興味半分で、寄ってみた。
 「んんー?どーしたのかなぁ?照れちゃって♡」
っと、肩を抱いて擦り寄ってみた。
 「ちょっと!? な、なんで寄って来るんだよ⁉ おじさん⁉ よ、酔ってるの!? 」と、体をキュッと縮めて拒否し始めた。あれー?何か可愛く見えてきたな……。
 なので、少し強めに肩を抱いて耳朶をカプっと、甘噛みして見た。
 「っ!!!!!!!!! 」と、声に成らない音で絶句したあと固まってるので、ソッと胸を触ってやったら……
ザバンッ!と、立ち上がって裸のまま逃げてった。
 憂い奴……。あー……玩具居なくなっちゃったなぁー……。と、またお湯に溶け出していると。また誰かが階段を登ってくる音がしたので振り向くと。
 内田だった。珍しいな内田が足音立てて階段登ってくるなんて。っと、思ってたら。
 「今亮ちゃんが、裸で走ってったけどどしたの? 」と、聴いてきた。それには、答えずに
 「お前が階段の音を響かせて来るなんて珍しいな? なにかあんの? 」と、逆に聴いてみた。
 「俺が先に聴いたんだから先に答えろよ」お前って本当にさー……。と、言いかけてやめる。
 「何よ? 俺が何なのよー? 」と聴いてみるが何も言わないってか、口籠ってる。
 (もー、本当に何なのよ? )と、思うがまぁ、言わないならもういーや。「あ、うちだー」
 「なに? 」「酒持ってきて? 」というと、自分で取りに行ってこい! って、言いながら空飛んで行っちゃった。
 何だかアイツはいつも怒ってるよなー……。カルシウムを今度山程食わせよう。
 なぁんて考えてたら、また誰かがズダダダッ‼っとマシンガン鳴らしてる様に走って階段登るやつがいる。もー、だれー? と、思ってたら階段のある方向から、赤く光る物が浮いてる……。
 それに何か……寒気が酷い……湯に浸かりながら湯冷めするなんて珍しい事もあるもんだ……
 そうだ! 湯から出てお布団入って寝よう!! そうしよう! そうと決まればゆっくり湯になんて浸かってられない!!! 早く逃げなきゃ!!! 
 「コーオージくーん……どぉこいっくのっかなぁ?」と、誰かが俺の肩を掴んで離さない……。
ガタガタ震えが来る程寒くなった俺は「シッ!」
「シィー? 」「シノちゃんにあ、あ、ああいに」
 「んー?ちゃぁんと言わないと……駄目なんじゃないかなぁぁ? 」と、誰かの尖った爪が僕の頬を撫でる……。「亮ちゃんに何したのかなぁ? 」
肩にも鋭い爪がガガガ……「ちょぉっと部屋……行こっか?」「ははははいぃっ!!!」と、そのまま温泉から飛び出して、飛んで消えましたとさ


        めでたしめでたし


○●○●○●○●○●○●○●○●○●


うーさぶっ……流石に冷えると屋上はきついなぁ
まぁ、それでも入りたくなるのが
温泉だよねー……あー……ああー……気持ちいいなぁ
徳利に♪ お酒を注いでお猪口も出して♪ 湯船に浸してぬる燗に♪ っと。手酌で一杯♪はぁぁ……美味しいなぁ……亮ちゃんに感謝だねぇ あれから近寄って来なくなったけど……
まぁ、軽い冗談だったのになぁ……
途中で楽しくなっちゃったけど
アレはあれで……。
ヤメトコウ。悪寒がするし……。
なぁんか最近呑んでるかお湯に入ってるかしか、してないなぁ……
武術でも習いに行こうかなぁ……暇だし……
体動かさないと太るよねぇ……。
まず、何を習うかだな。うーん……
空手とか剣道とかは在り来りだしなぁ……
親父、には習いたくないなぁ。突撃隣のお風呂覗きなんてスキル体得したら何回殺されるか分かったもんじゃないし…… 
そうだ! 暇だから精霊と喧嘩しに行くのもありか?って言っても精霊がどこに居るか知らんのよな。
あー、でも異世界潜れば勝手に攻撃されるかも知れないな! よし! 

そう思った俺は風呂から上がり、装備を取りに自宅に帰った。
「たっだいまー! 」って、あれ?誰も居い……。ま、いっか! 
剣鉈久し振りー! 
革鎧も久しぶりー! 
ウンディーネの水袋は……
トマト村に埋めたっけな。
サラマン粉も久し振りー! 
アド塗り薬も久し振りー! 
ノーム壺も久し振りー! 
よし! 手紙置いていくか

  【旅に出ます探さないで下さい】

置き手紙良し! 装備よし! 武器よし! 

じゃ、行きますかねー

家を出ると翅妖精が飛んでいた! 
あいつらはシルフ隊だ! 
見付かると厄介ダナ。
よし、軽く気で飛ばそう……
どうやって気って出るんだろ……
怒ってると出るんだよな、たいがい
怒ってみるか?ネタがねーなー……。
うーん。怒る事かぁ……
思い出しムカツキとか昔はあったけど、今は無いしなぁ
 あ!そっか。そうだよ!突破すりゃいーじゃんな。よしよし、計画変更。玄関でたらスタートしよう! 

 チラッ……(今だ! )っと、ダッシュで集会所を抜け、角を曲って山を登り、峠を飛んで短縮、川に出たら、橋を渡らず、ぽしゃんと潜り、スーッと狼村出口まで泳ぎ切り、ゴブ河童だ! 
久し振りだなー見たの。
チャンス到来!!ゴーゴーゴー!っと
霧の森か……。突っ切るか! 

 「フハハハハハハハハハッ!!! 」という笑い声を残し霧森へと突入して消えた。
っと……。
「ウンディーネどーすんの?」とノーム
「うーん。うーん。うー……。だいたいアイツ何しに異世界入ってたのよ? 」と苛々しながら机を叩くウンディーネ。
コージが異世界に行ったという情報が狼村から入ったのが、コージが霧森へと突っ込んで、2時間過ぎた当たりらしい事が判明してる。
 奴が残した手紙から時間を割り出したのは、シノの嗅覚で、残り香から推測したそうだ……。
そこから、霧森に響いた笑い声と合わせていくと2時間前に成った。
「屋敷妖精から情報入りました!」と、伝えて来たのはシルフ隊村長監視部隊
 「驚かないで下さいね? 」と、名も無き妖精がいう「なによ? 」(あまり聴きたくない間ね)
 「なんと村長……精霊と戦争してくると話していたそうです!!! 」「んなっ!!? に、考えてんのよ!!! アイツは!!! 」
頭を抱えて、塞ぎ込むウンディーネ
 シルフはシルフ隊に連絡し村に居る約四分の三の翅妖精を収集して、即座に村長探索チームをスリーマンセルに別けて行動する様に支持、もし精霊と戦争状態に陥ってた場合は個人に任せるという。「そ、それは村長攻撃もありって事でありますか!? 」と、驚く名も無き妖精部隊達
「だから、その判断は各個人に任せるわ」
 ザワザワと動揺する隊員達「敵対したら、もうここの村には帰れないんですか?」と、聞く妖精も出てきた。
「その件に関してなら帰ってくる事を許可します! 」更にざわめく妖精達
 「ではいきなさい! 」と攻めるか攻めないか決め兼ねてる間に出陣命令が出てしまった! 
 「取り敢えず出よう!!! 」そう言い合って妖精達は出発していった。
 総勢300万人の翅妖精が100万チームに別れてコージ探索に出た事になった。




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