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番外
099 クナーミーニヴ1
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城の中庭に、十数人の魔族が集まっていた。
フィアとネンズが少し距離をとって向かい合い、それを他の魔族が眺めているという構図だ。それ以外では、4人のメイドたちが魔族の世話をしている。
──フィアの手には、鉄球が握りしめられていた。
フィアは大きく腕を振りかぶる。そして、目にも留まらぬ早さで鉄球を放り投げた。
鉄球は空気を切り裂きながら、ネンズに向かって飛ぶ。その速度は凄まじく、メイドたちには視認できないほどだっただろう。しかしもちろん、視力が強化されている魔族なら見切れないスピードではない。
ネンズは手を出して鉄球をキャッチしようとした。
だが、ネンズの目前で鉄球の軌道が変わったのだ。鉄球は、やや速度を落としながらドロップし、ネンズの手をすり抜けた。
ボゴォ!
鈍い音とともに、鉄球はネンズの下腹部に直撃した。
ネンズは悶絶し、その場でうずくまる。
「おお!」
いくつかの歓声が上がった。
クナーミーニヴも、思わず嘆声をもらしていた。どうやったのか不明だが、不思議なボールだった。あれが魔法でないとすれば、すごい事だ。
「これが、姫様に教わった、魔球……!」
「どうやったんですの!? 魔法でボールを操作したわけではありませんわよね?」
「魔法は、使って、ない。技術」
「すごいですわ! これなら戦場でも使えそうですの」
その時、立ち上がったネンズが走り寄ってきた。
顔を紅潮させて、二人の会話を遮る。
「『スゴイですわ』じゃ、ねえっ! いきなりとんでもない弾ぶつけやがって! おかげで俺の玉がぶっ壊れたじゃねえか!」
「……? 鉄球は、たくさん、ある。心配、いらない」
「そっちじゃねえよ! 俺の金玉が弾け飛んだって言ってんだよ!」
フィアは首をかしげた。
そしてクナーミーニヴを見るが、彼女も首をかしげた。
「ケガなら、治せば、いい。まだ戦争まで、時間ある」
「治る治らないじゃなくて、メチャクチャ痛ってぇんだよ!」
その場にいた男たちは、気の毒そうにネンズを見つめていた。
……実は鉄球が当たった時の反応も、男性陣と女性陣で真っ二つに分かれていたのだ。
女性たちは、単純にフィアの技術に感動していたのだが、男たちは「ヤバイとこ当たったぞ……」と言いたげな表情で沈黙していたのである。中には自分の股間を抑えている者もいたほどだ。
「この程度の痛みで音を上げるなら、戦いなんてとてもできませんの」
「いやいや違うんだって、わっかんねえかな、この痛みが。しかも不意打ちだぜ!?」
「私は、姫様の魔球を、投げると言った。油断した、あなたが悪い」
「うっ、そりゃ、俺にも油断があったかもしれねえけどさ……」
「ネンズは、姫様をナメた……!」
「えぇ……!? なんで俺が怒られてんだ……」
二人のやり取りを見ながら、クナーミーニヴは安心していた。
フィアがリラックスしている様子だったからだ。
フィアはディニッサの代役をこなそうと、必死に頑張っていたと思う。
だがいかにも無理をしている様子で、見ていられない気分だったのだ。
おそらくフィアは、人の上に立つことに向いていない。
クナーミーニヴだって向いていないが、兵の指揮をした経験がある分、まだましなくらいだろう。
けれど今のフィアは、重荷から解き放たれたように伸び伸びとしていた。
あきらかに、ディニッサの帰国がわかったからだ。
(そばに来るだけでこれだけ安心させられるなんて、やりますわね)
心のなかでディニッサを賞賛する。
じつはクナーミーニヴは、ディニッサのことを認めているのだ。わけのわからない部分も多いが、領主として光る物を感じる。
──ノランやネンズは、引きこもっていたディニッサを説得せず後悔していた。だがクナーミーニヴの後悔は、それ以上だったかもしれない。
二人は曲がりなりにもディニッサに会い、そうして無理だと判断したのだ。その判断は間違いだったのかもしれないが、自分で確かめたことである。
対してクナーミーニヴは、周囲の噂だけでディニッサのことを決めつけていた。
もしかしたら、ノランのような男には心を開かなくても、同性のクナーミーニヴだったら相談相手になれたかもしれないのに。
とは言え、後悔は後悔として、それを現実に引きずる気はない。
次にうまくやれば良いのだ、とクナーミーニヴは前向きに考えている。
* * * * *
「さっきの魔球、どうやったら投げられますの?」
ネンズが大人しくなったのを見て、クナーミーニヴはフィアとの会話を再開した。
あの魔球を使えるようになれば、戦いを有利に進められるようになるだろう。しかしフィアの返事は意外なものだった。
「魔球は、教えない。いろいろ問題、あるから、戦争では使えない、って姫様言ってた」
「オイオイオイ、ふっざけんなよ!? 俺の玉はなんのために潰されたんだよ!」
クナーミーニヴより早くネンズが吠える。
よくわからないが、かなり激高しているようだ。フィアもネンズの態度にとまどっている様子だった。
魔族の常識は「腕が切れたなら、治せばいいだけ」というものだ。
ここまで負傷に執着する意味がわからない。
「レクリエーション……?」
「余興で人の金玉潰してんじゃねえよ!」
──その後フィアが謝っていたが、ネンズは納得いっていないようだった。
ネンズのことをよく知らないクナーミーニヴは、少し不安になった。
(この男、戦場でもピーピー泣きわめくんじゃありませんの?)
ひどい誤解だったが、やむを得ない。
男と女には、分かり合えない部分が確かにあるのだった……。
フィアとネンズが少し距離をとって向かい合い、それを他の魔族が眺めているという構図だ。それ以外では、4人のメイドたちが魔族の世話をしている。
──フィアの手には、鉄球が握りしめられていた。
フィアは大きく腕を振りかぶる。そして、目にも留まらぬ早さで鉄球を放り投げた。
鉄球は空気を切り裂きながら、ネンズに向かって飛ぶ。その速度は凄まじく、メイドたちには視認できないほどだっただろう。しかしもちろん、視力が強化されている魔族なら見切れないスピードではない。
ネンズは手を出して鉄球をキャッチしようとした。
だが、ネンズの目前で鉄球の軌道が変わったのだ。鉄球は、やや速度を落としながらドロップし、ネンズの手をすり抜けた。
ボゴォ!
鈍い音とともに、鉄球はネンズの下腹部に直撃した。
ネンズは悶絶し、その場でうずくまる。
「おお!」
いくつかの歓声が上がった。
クナーミーニヴも、思わず嘆声をもらしていた。どうやったのか不明だが、不思議なボールだった。あれが魔法でないとすれば、すごい事だ。
「これが、姫様に教わった、魔球……!」
「どうやったんですの!? 魔法でボールを操作したわけではありませんわよね?」
「魔法は、使って、ない。技術」
「すごいですわ! これなら戦場でも使えそうですの」
その時、立ち上がったネンズが走り寄ってきた。
顔を紅潮させて、二人の会話を遮る。
「『スゴイですわ』じゃ、ねえっ! いきなりとんでもない弾ぶつけやがって! おかげで俺の玉がぶっ壊れたじゃねえか!」
「……? 鉄球は、たくさん、ある。心配、いらない」
「そっちじゃねえよ! 俺の金玉が弾け飛んだって言ってんだよ!」
フィアは首をかしげた。
そしてクナーミーニヴを見るが、彼女も首をかしげた。
「ケガなら、治せば、いい。まだ戦争まで、時間ある」
「治る治らないじゃなくて、メチャクチャ痛ってぇんだよ!」
その場にいた男たちは、気の毒そうにネンズを見つめていた。
……実は鉄球が当たった時の反応も、男性陣と女性陣で真っ二つに分かれていたのだ。
女性たちは、単純にフィアの技術に感動していたのだが、男たちは「ヤバイとこ当たったぞ……」と言いたげな表情で沈黙していたのである。中には自分の股間を抑えている者もいたほどだ。
「この程度の痛みで音を上げるなら、戦いなんてとてもできませんの」
「いやいや違うんだって、わっかんねえかな、この痛みが。しかも不意打ちだぜ!?」
「私は、姫様の魔球を、投げると言った。油断した、あなたが悪い」
「うっ、そりゃ、俺にも油断があったかもしれねえけどさ……」
「ネンズは、姫様をナメた……!」
「えぇ……!? なんで俺が怒られてんだ……」
二人のやり取りを見ながら、クナーミーニヴは安心していた。
フィアがリラックスしている様子だったからだ。
フィアはディニッサの代役をこなそうと、必死に頑張っていたと思う。
だがいかにも無理をしている様子で、見ていられない気分だったのだ。
おそらくフィアは、人の上に立つことに向いていない。
クナーミーニヴだって向いていないが、兵の指揮をした経験がある分、まだましなくらいだろう。
けれど今のフィアは、重荷から解き放たれたように伸び伸びとしていた。
あきらかに、ディニッサの帰国がわかったからだ。
(そばに来るだけでこれだけ安心させられるなんて、やりますわね)
心のなかでディニッサを賞賛する。
じつはクナーミーニヴは、ディニッサのことを認めているのだ。わけのわからない部分も多いが、領主として光る物を感じる。
──ノランやネンズは、引きこもっていたディニッサを説得せず後悔していた。だがクナーミーニヴの後悔は、それ以上だったかもしれない。
二人は曲がりなりにもディニッサに会い、そうして無理だと判断したのだ。その判断は間違いだったのかもしれないが、自分で確かめたことである。
対してクナーミーニヴは、周囲の噂だけでディニッサのことを決めつけていた。
もしかしたら、ノランのような男には心を開かなくても、同性のクナーミーニヴだったら相談相手になれたかもしれないのに。
とは言え、後悔は後悔として、それを現実に引きずる気はない。
次にうまくやれば良いのだ、とクナーミーニヴは前向きに考えている。
* * * * *
「さっきの魔球、どうやったら投げられますの?」
ネンズが大人しくなったのを見て、クナーミーニヴはフィアとの会話を再開した。
あの魔球を使えるようになれば、戦いを有利に進められるようになるだろう。しかしフィアの返事は意外なものだった。
「魔球は、教えない。いろいろ問題、あるから、戦争では使えない、って姫様言ってた」
「オイオイオイ、ふっざけんなよ!? 俺の玉はなんのために潰されたんだよ!」
クナーミーニヴより早くネンズが吠える。
よくわからないが、かなり激高しているようだ。フィアもネンズの態度にとまどっている様子だった。
魔族の常識は「腕が切れたなら、治せばいいだけ」というものだ。
ここまで負傷に執着する意味がわからない。
「レクリエーション……?」
「余興で人の金玉潰してんじゃねえよ!」
──その後フィアが謝っていたが、ネンズは納得いっていないようだった。
ネンズのことをよく知らないクナーミーニヴは、少し不安になった。
(この男、戦場でもピーピー泣きわめくんじゃありませんの?)
ひどい誤解だったが、やむを得ない。
男と女には、分かり合えない部分が確かにあるのだった……。
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