4 / 148
第1章 異世界へ。現状を知る
お風呂地獄
しおりを挟む
相当な時間がたったあとで、全身を洗われ終わった。
ただ立っていただけなのに、ひどい疲労感がある。
しかし、禅寺での修行が役に立つとは思わなかった。
無の境地にはまったく至らなかったものの、気はまぎれた。
社長ありがとうございます。
新入社員研修で禅寺とか頭おかしい、って言ってスミマセンでした!
オレはふらふらと歩いて、浴槽に入った。
深い。立てばちゃんと足はつくが、お湯が胸の下あたりまでしかこない。
かと言って座ると頭までお湯に浸かってしまう。
水位を首の辺りにするには、中腰を保たなくてはならない。
肩まで浸かる派のオレとしては、ちょっとイラッとした。
やるせない思いで天使さんの方をみると、なんだかすごいことになっていた。
彼女の全身は、巨大な白い球体に覆い隠されて見えなくなっている。
球体の中ではかなりの勢いで水が流れているようだ。さながら洗濯機に人を放り込んだがごときありさまだった。
しばらくすると白球は床に流れ落ちた。中から泡だらけの天使さんが登場する。
すぐさま滝のような水で泡を洗い流していく。オレにかけた時間の10分の1もかけずに、彼女は自分の体を洗い終えた。
……着替える時もそうだったけれど、重要なのは「姫様」だけで、自分のことはどうでもいいらしい。こわい。正体がバレた時のことを考えると、背筋が凍る。
天使さんは所在無く立っていたオレのところまで来ると、オレの体を軽々と抱え上げ自分のひざの上にのせた。そうすると、お湯ががちょうど首の辺りきた。
とてもいい湯加減だ。最初にやり過ぎだと感じた金色の天井と壁も、浴槽でゆったりしながら見ると、別の感慨がわいてくる。風呂の水面が、天井の金色を反射してキラキラと輝いている。植物の模様をかたどった壁もとても美しい。
つまるところ、この場所から見ることで最大の効果を発揮するよう計算して作られているのだろう。みごとなものだ。
さらに、天使さんがオレの体を優しく抱きしめてくれている。
背中に押し付けられた胸の感触も心地よい。
パーフェクトだ。
これを極楽と言わずなんと言おうか。さっき恐怖でふるえたのも忘れて、この世界にしばらくいるのもいいなあ、などと思った。
* * * * *
風呂から上がると、天使さんがオレの頭をなでた。
可愛がろうとしたのかと思いきや、そうではないらしい。彼女が触れると、あっという間に髪が乾いてサラサラになったのだ。魔法、すごい。
また服を着せてもらい、脱衣所に置いてあった椅子に座らせられる。
椅子の前には小さなテーブルがあり、飲み物が用意してあった。
喉が渇いていたのでちょうどいい。
水を飲んでいる間、天使さんはひたすらオレの髪にブラシをかけていた。
水でも飲めばいいのに、と思ったが、彼女の横顔を見て考えをあらためる。
ものすごくイイ笑顔だったのだ。目がキラキラしている。
彼女がブラッシング自体を楽しんでいるのは明白だった。
意識が戻ってからずっとドタバタしていたが、ようやく落ち着いて考える時間ができたようだ。現状の整理をしてみよう。
現状──
異世界の、悪魔っぽい少女の体に入り込んでしまった。
本来のこの体の持ち主がどうなったかは不明。姫と呼ばれている。
少なくとも大金持ちなのはたしか。
また、この世界には魔法がある。
現状を引き起こしたのも、魔法の影響である可能性が高い。
目的──
元の世界に帰る。
当然だ、妹の体調も不安なのに、この世界で遊んでいるわけにはいかない。
天使さんと触れ合えなくなるのは、少しおしいけどな。
行動──
やっぱり魔法、か? 魔法で来たならば、魔法で帰ることもできるだろう。
天使さんにすべてを打ち明け、魔法を使ってもらうという手はある。ただ、彼女の偏執的な愛情をみるに、危険性が高い。最後の手段にしたほうがいいだろう。
となると、自分で魔法が使えないか調べるのが先決か。
様子をみながら情報を探していくか。それとも天使さんに聞いてみるか。
どちらも一長一短だ。
様子見の場合。時間がたつほどボロが出やすくなるだろう。
なにせ、自分の名前すらわからないんだから。魔法の情報を集めるのにも時間がかかるかもしれない。
そうなると致命的なのは、陽菜の問題だ。
こっちに来る前、家でみた妹の様子は明らかに異常だった。陽菜もなにかに巻き込まれているおそれがある。家に帰って確認しないコトにはとても安心できない。
天使さんから魔法の使い方を聞き出す場合、正体がバレる可能性が高い。
その後の反応も不明。牢屋にでも入れられるか? (おそらく)この体自体は、本物の姫様のモノのはずなので、そう無茶はされないと思うが……。
……熟慮の結果、速度優先に決めた。
妹の安否確認をしないことには、はじまらない。
「ん。ん~」
「姫様、どうかいたしましたか」
「魔法の、勉強したい……」
ドキドキしながら、そう口にした。これほど緊張したのは会社の面接以来だ。
天使さんは後ろにいるため、顔の確認はできない。どんな表情を浮かべているのだろうか。
「……魔法のお勉強、ですか。書庫にいけばその手の本はあるはずですけど」
ブラシをかける手を止めて、天使さんが答えた。
「でも分厚い本ばかりですし、読むのは疲れますよ?」
「大丈夫」
思ったより順調に話が進んだ。
その本を読めば、なにか手がかりが得られるかもしれない。
「ふふふ……」
急に天使さんが低い笑い声をあげながら、オレを後ろから抱きしめた。
「ふふ、あなたは、誰?」
天使さんが、オレの耳元で優しくささやく。
ハッとしたオレは天使さんの方をむく。そして、すぐに後悔した。
口ぶりこそ優しかったものの、その目はまるで笑ってない。
「あなたは、誰?」
同じセリフが同じ口調でくりかえされた。
「見て、わからないの?」
オレは動揺をおさえ、演技を続ける。
「私の姫様は、そんな言い回しはしませんよ」
「そういう遊び、やってみただけだから」
「ふふ。頑張りますね。でも、言い訳はムダなんですよ?」
オレを抱きしめる手に力がこめられた。
椅子の背もたれがギシギシいっている。
「勉強したいって言いましたね。それから、分厚い本もちゃんと読むって」
さらに力が加わる。
「ありえないんですよ、姫様がそんなことをするなんて。姫様の一番嫌いなことが努力で、二番目に嫌いなことが疲れること」
ダメすぎるッ。どんだけダメ人間なんだよ、このお姫様は!
頑張らないはずの姫様がやる気を見せたことで、あっさり正体が露見してしまったらしい。
「すまん。だまして、いたのはあやま、る。でも、オレも、違う世界に、連れてこらえて、わけが、わからず……」
万力のような腕に苦しめられながら、とぎれとぎれに釈明する。
「違う世界? ……。ああ、なるほど、あの時のはそういう……」
「この、から、だは、本モノの──」
最後まで言葉を続けることはできなかった。
あばら骨がまとめて何本か折られたせいだ。
声の代わりにセキが出た。
口から血が溢れ出る。
たぶん、折れた骨が肺に刺さった。
「姫様は! 姫様は! 姫様は! 姫様は!」
彼女の激情とともに、地獄の抱擁は力を増すばかりだ。
考えが、甘かったらしい……。
体がバラバラになったような痛み。
胴体が押しつぶされて、内臓が口からはみ出しそうだ。
こりゃ、今度こそ死んだな……。
──最後にオレが目にしたのは、血まみれのテーブルとコップだった。
ただ立っていただけなのに、ひどい疲労感がある。
しかし、禅寺での修行が役に立つとは思わなかった。
無の境地にはまったく至らなかったものの、気はまぎれた。
社長ありがとうございます。
新入社員研修で禅寺とか頭おかしい、って言ってスミマセンでした!
オレはふらふらと歩いて、浴槽に入った。
深い。立てばちゃんと足はつくが、お湯が胸の下あたりまでしかこない。
かと言って座ると頭までお湯に浸かってしまう。
水位を首の辺りにするには、中腰を保たなくてはならない。
肩まで浸かる派のオレとしては、ちょっとイラッとした。
やるせない思いで天使さんの方をみると、なんだかすごいことになっていた。
彼女の全身は、巨大な白い球体に覆い隠されて見えなくなっている。
球体の中ではかなりの勢いで水が流れているようだ。さながら洗濯機に人を放り込んだがごときありさまだった。
しばらくすると白球は床に流れ落ちた。中から泡だらけの天使さんが登場する。
すぐさま滝のような水で泡を洗い流していく。オレにかけた時間の10分の1もかけずに、彼女は自分の体を洗い終えた。
……着替える時もそうだったけれど、重要なのは「姫様」だけで、自分のことはどうでもいいらしい。こわい。正体がバレた時のことを考えると、背筋が凍る。
天使さんは所在無く立っていたオレのところまで来ると、オレの体を軽々と抱え上げ自分のひざの上にのせた。そうすると、お湯ががちょうど首の辺りきた。
とてもいい湯加減だ。最初にやり過ぎだと感じた金色の天井と壁も、浴槽でゆったりしながら見ると、別の感慨がわいてくる。風呂の水面が、天井の金色を反射してキラキラと輝いている。植物の模様をかたどった壁もとても美しい。
つまるところ、この場所から見ることで最大の効果を発揮するよう計算して作られているのだろう。みごとなものだ。
さらに、天使さんがオレの体を優しく抱きしめてくれている。
背中に押し付けられた胸の感触も心地よい。
パーフェクトだ。
これを極楽と言わずなんと言おうか。さっき恐怖でふるえたのも忘れて、この世界にしばらくいるのもいいなあ、などと思った。
* * * * *
風呂から上がると、天使さんがオレの頭をなでた。
可愛がろうとしたのかと思いきや、そうではないらしい。彼女が触れると、あっという間に髪が乾いてサラサラになったのだ。魔法、すごい。
また服を着せてもらい、脱衣所に置いてあった椅子に座らせられる。
椅子の前には小さなテーブルがあり、飲み物が用意してあった。
喉が渇いていたのでちょうどいい。
水を飲んでいる間、天使さんはひたすらオレの髪にブラシをかけていた。
水でも飲めばいいのに、と思ったが、彼女の横顔を見て考えをあらためる。
ものすごくイイ笑顔だったのだ。目がキラキラしている。
彼女がブラッシング自体を楽しんでいるのは明白だった。
意識が戻ってからずっとドタバタしていたが、ようやく落ち着いて考える時間ができたようだ。現状の整理をしてみよう。
現状──
異世界の、悪魔っぽい少女の体に入り込んでしまった。
本来のこの体の持ち主がどうなったかは不明。姫と呼ばれている。
少なくとも大金持ちなのはたしか。
また、この世界には魔法がある。
現状を引き起こしたのも、魔法の影響である可能性が高い。
目的──
元の世界に帰る。
当然だ、妹の体調も不安なのに、この世界で遊んでいるわけにはいかない。
天使さんと触れ合えなくなるのは、少しおしいけどな。
行動──
やっぱり魔法、か? 魔法で来たならば、魔法で帰ることもできるだろう。
天使さんにすべてを打ち明け、魔法を使ってもらうという手はある。ただ、彼女の偏執的な愛情をみるに、危険性が高い。最後の手段にしたほうがいいだろう。
となると、自分で魔法が使えないか調べるのが先決か。
様子をみながら情報を探していくか。それとも天使さんに聞いてみるか。
どちらも一長一短だ。
様子見の場合。時間がたつほどボロが出やすくなるだろう。
なにせ、自分の名前すらわからないんだから。魔法の情報を集めるのにも時間がかかるかもしれない。
そうなると致命的なのは、陽菜の問題だ。
こっちに来る前、家でみた妹の様子は明らかに異常だった。陽菜もなにかに巻き込まれているおそれがある。家に帰って確認しないコトにはとても安心できない。
天使さんから魔法の使い方を聞き出す場合、正体がバレる可能性が高い。
その後の反応も不明。牢屋にでも入れられるか? (おそらく)この体自体は、本物の姫様のモノのはずなので、そう無茶はされないと思うが……。
……熟慮の結果、速度優先に決めた。
妹の安否確認をしないことには、はじまらない。
「ん。ん~」
「姫様、どうかいたしましたか」
「魔法の、勉強したい……」
ドキドキしながら、そう口にした。これほど緊張したのは会社の面接以来だ。
天使さんは後ろにいるため、顔の確認はできない。どんな表情を浮かべているのだろうか。
「……魔法のお勉強、ですか。書庫にいけばその手の本はあるはずですけど」
ブラシをかける手を止めて、天使さんが答えた。
「でも分厚い本ばかりですし、読むのは疲れますよ?」
「大丈夫」
思ったより順調に話が進んだ。
その本を読めば、なにか手がかりが得られるかもしれない。
「ふふふ……」
急に天使さんが低い笑い声をあげながら、オレを後ろから抱きしめた。
「ふふ、あなたは、誰?」
天使さんが、オレの耳元で優しくささやく。
ハッとしたオレは天使さんの方をむく。そして、すぐに後悔した。
口ぶりこそ優しかったものの、その目はまるで笑ってない。
「あなたは、誰?」
同じセリフが同じ口調でくりかえされた。
「見て、わからないの?」
オレは動揺をおさえ、演技を続ける。
「私の姫様は、そんな言い回しはしませんよ」
「そういう遊び、やってみただけだから」
「ふふ。頑張りますね。でも、言い訳はムダなんですよ?」
オレを抱きしめる手に力がこめられた。
椅子の背もたれがギシギシいっている。
「勉強したいって言いましたね。それから、分厚い本もちゃんと読むって」
さらに力が加わる。
「ありえないんですよ、姫様がそんなことをするなんて。姫様の一番嫌いなことが努力で、二番目に嫌いなことが疲れること」
ダメすぎるッ。どんだけダメ人間なんだよ、このお姫様は!
頑張らないはずの姫様がやる気を見せたことで、あっさり正体が露見してしまったらしい。
「すまん。だまして、いたのはあやま、る。でも、オレも、違う世界に、連れてこらえて、わけが、わからず……」
万力のような腕に苦しめられながら、とぎれとぎれに釈明する。
「違う世界? ……。ああ、なるほど、あの時のはそういう……」
「この、から、だは、本モノの──」
最後まで言葉を続けることはできなかった。
あばら骨がまとめて何本か折られたせいだ。
声の代わりにセキが出た。
口から血が溢れ出る。
たぶん、折れた骨が肺に刺さった。
「姫様は! 姫様は! 姫様は! 姫様は!」
彼女の激情とともに、地獄の抱擁は力を増すばかりだ。
考えが、甘かったらしい……。
体がバラバラになったような痛み。
胴体が押しつぶされて、内臓が口からはみ出しそうだ。
こりゃ、今度こそ死んだな……。
──最後にオレが目にしたのは、血まみれのテーブルとコップだった。
1
お気に入りに追加
40
あなたにおすすめの小説
どうぞお好きに
音無砂月
ファンタジー
公爵家に生まれたスカーレット・ミレイユ。
王命で第二王子であるセルフと婚約することになったけれど彼が商家の娘であるシャーベットを囲っているのはとても有名な話だった。そのせいか、なかなか婚約話が進まず、あまり野心のない公爵家にまで縁談話が来てしまった。
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 ウィルベル
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる