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犬と被害者と少女の夢(その5)
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金曜日(四月十三日)の午後、翌日の業務内容の件で神村産業と打ち合わせをした。
伐木の破砕適量と第二ブロックの切り返し二、三百立方程度、配送はなし。雨天なら、破砕だけ。ということだった。
――雨が降らないなら、切り返しを先にやって、残った時間内で破砕をやればいい。
ぼくは、そう判断し、了解を得た。
翌四月十四日土曜の天気は、予想通り微妙な薄曇りで、すぐにでも小雨がぱらつきそうだった。降ったときは降ったときのことにして、午前中休みなしで午後一時前まで作業。さいわい雨にも降られず、なんとか切り返しは終わった。
遅い弁当を使っていると、
「おい。木塚さん、いるかい。こっちだって聞いてきたんだが」
押領寺さんが顔を出した。何の用で来たのかと考える前に、
『切り返しは終わった。残った破砕の方は押領寺さんに潰された分、残業に回すか』
押領寺さんの長話に潰されるはずの作業時間の割り振りを考えていた。
「木塚さん。あんた、殺された死体なら区別が付くんだって聞いてきたんだが」
ぼくは自分の耳を疑った。
『区別が付く? どうして? 誰から? どこから聞いた話だ? なぜそんなことに?』
ぼくの頭の中を幾つもの何故が脈絡もなく駆けめぐり、ことばの数だけ嫌な感情が浮かんだ。苦くうち消している間に押領寺さんがことばを継いだ。
「うちの犬、殺されたかもしれん。近くでも、野良犬や野良猫がだいぶんな数死んでいる」
「はぁ。殺されたかもって、死因は何だったんです? 毒とか、殴られたとか……」
「毒じゃないそうだ。虐待も受けていない」
「それなら、なんかの病気でしょうし、保健所か警察にでも……」
「保健所にも、警察にも相談に行った。獣医にも見せた。らちがあかん」
押領寺さんは怒鳴り声を上げた。
「うちの犬は腎不全だったそうだ。そんな病気になるようなものは食わせてない」
それでも、と言いかけたことばを呑み込んで、ぼくは違う質問をした。
「他の犬たちは、どんな症状だったんですか?」
「腎不全、呼吸困難による窒息死、心不全、肝機能障害、多臓器不全、老衰……」
それなら普通の死因で何の問題もないが、と思ったが、これも口には出さない。
「聞いて回ると、この一週間ほどで、家の近所だけで二十匹以上も死んでる。一匹一匹は普通の死に方かもしれんが、あまりに多すぎる。子犬や病気とは縁のない頑丈な奴もいたんだ。どう考えて見ても、毒でも飲まされたとしか思えん」
ぼくには、はあ、としか答えようがない。
――押領寺さん、飼い犬が死んで少し被害妄想でも入ったか。まだ、六十半ばだったと思うが、そろそろ微妙な年か。など考えながら、
「押領寺さん。事情もなんだかわかりづらいし。――何よりも、それがぼくとどう関係があるのかが、さっぱりわからないんですが」
聞くと、即答だった。
「あんたが、死体を見たら殺されたかどうか区別が付く。そう聞いたから確かめて欲しくてここまで来たんだ」
「待って下さい。誰から聞いたか知りませんが、それは何かの間違いでしょう。ぼくは、ただの堆肥屋で。――獣医とか、監察医でもなければ、占い師でも……」
押領寺さんは、あとのことばを遮った。
「甲突川のバラバラ死体はあんたが見つけたんだろ? 松元町のことも聞いた。南薩《なんさつ》のことも噂で聞いている。頼む。見てくれ」
押領寺さんの止まりそうもない必死の剣幕に、結局ぼくは折れた。
「わかりました。でも、見るだけです。――だいたい、押領寺さんが聞いたことには、かなりの嘘や誤解が混じっていて、ぼくなんかが見たって、殺されたかどうかなんて、わかるはずがないです。それでも、押領寺さんが納得できるなら、今日の仕事帰りにでも寄ってみます。ビニールハウスのある圃場でよかったですか?」
たぶん、ぼくのことばの、わかりましたから後はほとんどは聞いていなかったはずだ。押領寺さんは勇んで帰っていった。
ぼくは残った破砕作業を続けた。
破砕作業そのものは、起動させたタブグラインダーにグラップルで挟んだ伐木や枝を放り込んで、破砕状況を見ているだけだ。
本来なら、木材をばきばき砕けていく様子を見ているだけでもかなりのストレス解消にはなるはずなのだが、そうはならなかった。
世間がぼくをどう思っているか、一端が見えた気がして、ため息が止まらなかった。
ぼくは、仕事帰りに押領寺さんのビニールハウスに行ってみた。
何を見ても、どこを見ても、何ひとつ感じない。
押領寺さんに乞われて、犬の墓を掘り返しても見たが、わかるはずもない。
「残念ですが、ぼくには、何もわかりません」
押領寺さんは落胆したが、ぼくにはどうすることもできない。
黙って、掘り返した犬を静かに土の中に埋め戻した。
週が明けた四月十六日、五月の連休の向けての各種の調整作業が始まった。
連休に入ってゴミ収集が休みになれば、当然生ゴミ類の受け入れも止まる。堆肥センターとしては、四月二十三日からの受入中止なら、連休の間は二次発酵槽の管理だけになる。誰かひとり、ふたりが交互にでも出勤すれば、じゅうぶん管理は出来るという話だ。
ここ五、六年ほどは、連休中はぼくが出ずっぱりになり、代休を適当に分散して取る。そう決まっていたようなもので、それは今年も変わらない。
だから調整と言っても、本題は堆肥センターの人員配置ではなく、連休前後に空になっていく貯蔵槽や休稼働の機械類の重点的整備・清掃業務の方だ。整備担当の機械メーカーや清掃会社からの人員派遣の日程調整の方が、むしろ主だったろう。
今年は、四月二十八日土曜日から五月六日の日曜日までが休みと決まり、ぼくは三十日から五日まで勤務、工場長が一日、二日の平日二日に補助的に出ることに決まった。
カレンダーの数字が赤い日は工場は休みだが、黒い日は開いていて、配送は出来なくても注文は受け付ける。そう考える農家は多い。工場長の出勤は念のための電話番であり、家族孝行から逃げる意味も含まれているはずだった。
四月十六日からの二週間。
――どうしても諦めきれなかったのだろう。押領寺さんの数回の訪問を除けば、まず平穏に過ぎた。
この五月の連休前の、四月後半の二週間の間には、全国二位の生産量を誇る緑茶の摘み取りが一斉に行われる。まだどこか肌寒い春の冷たい風が、お茶が畑一枚摘み取られていくごとに、肌に心地よい初夏の風に変わっていく時期でもある。堆肥の配送に出向けば、摘み立ての新芽の香りや製造中の茶工場の甘い匂いに出くわす。
ああ、今年も良いものが出来ているんだなと思えば、農家の土作りの端くれに居る者としては、直接は関係ないのだが、少し誇らしかったするものだ。
『さあ、まだまだ研究を重ねて、頑張らねば』
そうした気持ちにもなる。
長い連休のひとりっきりの初日の四月三十日、ぼくは密かに気合いを入れながら作業を続け、ようやく一段落着けて遅い昼飯を食べていた。他に誰もいないと言うことは、どんなふうに時間を使っても構わないということだ。
ぼくは、休憩室に寝っ転がってテレビの電源を入れた。
「K市でまたバラバラ殺人の可能性です……」
いきなり嫌なニュースが飛び込んできた。
【人の耳入り、警察に通報のこと】と書かかれた透明なポリ袋の中に、切り取られた右耳だけが入っていた。耳には最近開けたばかりのピアスがついていたことから、若い女性ではないか、と報じていた。
ぼくは、テレビの電源を切った。
『ぼくには関係ない。何も感じていない。頼まれても断るだけだ』
呟きながら、ぼくは何度も頭を振った。これまで昼間には見たことのない、いつもの悪夢が目の前に浮かび上がってくる気がしていた。
ぼくは、休憩室を飛び出しホイールローダーに乗った。
何も考えないようにして、ただ闇雲に二次発酵槽の堆肥を切り返し続けた。
伐木の破砕適量と第二ブロックの切り返し二、三百立方程度、配送はなし。雨天なら、破砕だけ。ということだった。
――雨が降らないなら、切り返しを先にやって、残った時間内で破砕をやればいい。
ぼくは、そう判断し、了解を得た。
翌四月十四日土曜の天気は、予想通り微妙な薄曇りで、すぐにでも小雨がぱらつきそうだった。降ったときは降ったときのことにして、午前中休みなしで午後一時前まで作業。さいわい雨にも降られず、なんとか切り返しは終わった。
遅い弁当を使っていると、
「おい。木塚さん、いるかい。こっちだって聞いてきたんだが」
押領寺さんが顔を出した。何の用で来たのかと考える前に、
『切り返しは終わった。残った破砕の方は押領寺さんに潰された分、残業に回すか』
押領寺さんの長話に潰されるはずの作業時間の割り振りを考えていた。
「木塚さん。あんた、殺された死体なら区別が付くんだって聞いてきたんだが」
ぼくは自分の耳を疑った。
『区別が付く? どうして? 誰から? どこから聞いた話だ? なぜそんなことに?』
ぼくの頭の中を幾つもの何故が脈絡もなく駆けめぐり、ことばの数だけ嫌な感情が浮かんだ。苦くうち消している間に押領寺さんがことばを継いだ。
「うちの犬、殺されたかもしれん。近くでも、野良犬や野良猫がだいぶんな数死んでいる」
「はぁ。殺されたかもって、死因は何だったんです? 毒とか、殴られたとか……」
「毒じゃないそうだ。虐待も受けていない」
「それなら、なんかの病気でしょうし、保健所か警察にでも……」
「保健所にも、警察にも相談に行った。獣医にも見せた。らちがあかん」
押領寺さんは怒鳴り声を上げた。
「うちの犬は腎不全だったそうだ。そんな病気になるようなものは食わせてない」
それでも、と言いかけたことばを呑み込んで、ぼくは違う質問をした。
「他の犬たちは、どんな症状だったんですか?」
「腎不全、呼吸困難による窒息死、心不全、肝機能障害、多臓器不全、老衰……」
それなら普通の死因で何の問題もないが、と思ったが、これも口には出さない。
「聞いて回ると、この一週間ほどで、家の近所だけで二十匹以上も死んでる。一匹一匹は普通の死に方かもしれんが、あまりに多すぎる。子犬や病気とは縁のない頑丈な奴もいたんだ。どう考えて見ても、毒でも飲まされたとしか思えん」
ぼくには、はあ、としか答えようがない。
――押領寺さん、飼い犬が死んで少し被害妄想でも入ったか。まだ、六十半ばだったと思うが、そろそろ微妙な年か。など考えながら、
「押領寺さん。事情もなんだかわかりづらいし。――何よりも、それがぼくとどう関係があるのかが、さっぱりわからないんですが」
聞くと、即答だった。
「あんたが、死体を見たら殺されたかどうか区別が付く。そう聞いたから確かめて欲しくてここまで来たんだ」
「待って下さい。誰から聞いたか知りませんが、それは何かの間違いでしょう。ぼくは、ただの堆肥屋で。――獣医とか、監察医でもなければ、占い師でも……」
押領寺さんは、あとのことばを遮った。
「甲突川のバラバラ死体はあんたが見つけたんだろ? 松元町のことも聞いた。南薩《なんさつ》のことも噂で聞いている。頼む。見てくれ」
押領寺さんの止まりそうもない必死の剣幕に、結局ぼくは折れた。
「わかりました。でも、見るだけです。――だいたい、押領寺さんが聞いたことには、かなりの嘘や誤解が混じっていて、ぼくなんかが見たって、殺されたかどうかなんて、わかるはずがないです。それでも、押領寺さんが納得できるなら、今日の仕事帰りにでも寄ってみます。ビニールハウスのある圃場でよかったですか?」
たぶん、ぼくのことばの、わかりましたから後はほとんどは聞いていなかったはずだ。押領寺さんは勇んで帰っていった。
ぼくは残った破砕作業を続けた。
破砕作業そのものは、起動させたタブグラインダーにグラップルで挟んだ伐木や枝を放り込んで、破砕状況を見ているだけだ。
本来なら、木材をばきばき砕けていく様子を見ているだけでもかなりのストレス解消にはなるはずなのだが、そうはならなかった。
世間がぼくをどう思っているか、一端が見えた気がして、ため息が止まらなかった。
ぼくは、仕事帰りに押領寺さんのビニールハウスに行ってみた。
何を見ても、どこを見ても、何ひとつ感じない。
押領寺さんに乞われて、犬の墓を掘り返しても見たが、わかるはずもない。
「残念ですが、ぼくには、何もわかりません」
押領寺さんは落胆したが、ぼくにはどうすることもできない。
黙って、掘り返した犬を静かに土の中に埋め戻した。
週が明けた四月十六日、五月の連休の向けての各種の調整作業が始まった。
連休に入ってゴミ収集が休みになれば、当然生ゴミ類の受け入れも止まる。堆肥センターとしては、四月二十三日からの受入中止なら、連休の間は二次発酵槽の管理だけになる。誰かひとり、ふたりが交互にでも出勤すれば、じゅうぶん管理は出来るという話だ。
ここ五、六年ほどは、連休中はぼくが出ずっぱりになり、代休を適当に分散して取る。そう決まっていたようなもので、それは今年も変わらない。
だから調整と言っても、本題は堆肥センターの人員配置ではなく、連休前後に空になっていく貯蔵槽や休稼働の機械類の重点的整備・清掃業務の方だ。整備担当の機械メーカーや清掃会社からの人員派遣の日程調整の方が、むしろ主だったろう。
今年は、四月二十八日土曜日から五月六日の日曜日までが休みと決まり、ぼくは三十日から五日まで勤務、工場長が一日、二日の平日二日に補助的に出ることに決まった。
カレンダーの数字が赤い日は工場は休みだが、黒い日は開いていて、配送は出来なくても注文は受け付ける。そう考える農家は多い。工場長の出勤は念のための電話番であり、家族孝行から逃げる意味も含まれているはずだった。
四月十六日からの二週間。
――どうしても諦めきれなかったのだろう。押領寺さんの数回の訪問を除けば、まず平穏に過ぎた。
この五月の連休前の、四月後半の二週間の間には、全国二位の生産量を誇る緑茶の摘み取りが一斉に行われる。まだどこか肌寒い春の冷たい風が、お茶が畑一枚摘み取られていくごとに、肌に心地よい初夏の風に変わっていく時期でもある。堆肥の配送に出向けば、摘み立ての新芽の香りや製造中の茶工場の甘い匂いに出くわす。
ああ、今年も良いものが出来ているんだなと思えば、農家の土作りの端くれに居る者としては、直接は関係ないのだが、少し誇らしかったするものだ。
『さあ、まだまだ研究を重ねて、頑張らねば』
そうした気持ちにもなる。
長い連休のひとりっきりの初日の四月三十日、ぼくは密かに気合いを入れながら作業を続け、ようやく一段落着けて遅い昼飯を食べていた。他に誰もいないと言うことは、どんなふうに時間を使っても構わないということだ。
ぼくは、休憩室に寝っ転がってテレビの電源を入れた。
「K市でまたバラバラ殺人の可能性です……」
いきなり嫌なニュースが飛び込んできた。
【人の耳入り、警察に通報のこと】と書かかれた透明なポリ袋の中に、切り取られた右耳だけが入っていた。耳には最近開けたばかりのピアスがついていたことから、若い女性ではないか、と報じていた。
ぼくは、テレビの電源を切った。
『ぼくには関係ない。何も感じていない。頼まれても断るだけだ』
呟きながら、ぼくは何度も頭を振った。これまで昼間には見たことのない、いつもの悪夢が目の前に浮かび上がってくる気がしていた。
ぼくは、休憩室を飛び出しホイールローダーに乗った。
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