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君に会いに行くよ
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ドクンッ―――。
「…渉ちゃんだったんだ…私の初恋の人…」
「みーちゃ…ん…?みーちゃんだったの…!?」
―――そう、僕たちは幼稚園の時に同じクラスだった仲のよい友達だった。
そして僕の初恋の人…
「ごめんね…急にいなくなって…
私…転校することになったんだ…わたるちゃんのことが好きだったから言い出せなくて…
黙って転校しちゃったんだ…」
「そうだったんだ…
あのときはすごくつらかった…
一人取り残されたんだって…
また僕を置いていくの…?
また僕を一人にするの…?
お願い…もう一人にしないでよ…」
「わたるちゃん…」
ドクンッ―――。
「―――私は今、病院にいる…ずっとベッドの上で横になったまま…助けて…」
「病院…?」
彼女が転校するその次の日の朝、車に跳ねられ今も目を覚まさずに植物状態のまま病院で眠っているという。
「―――わかった。今から君に会いに行くよ。」
彼女を抱き締め僕は必ず君に会いに行くと約束をし、現実の世界へ戻った。
「―――約束だからね…」
「お母さん!飯田美羽って子が幼稚園の時にクラスにいただろ!?
あの子、今どこの病院にいるの!?」
目を覚ました瞬時に僕は階段を飛び降り、母の元へ駆け寄った。
「どうしたの急に!」
「いいから答えてよ!」
「えっと…ここからすぐ近くにある○○病院よ。」
家から車で15分もかからない病院に彼女がいたなんて…
急いで車を借り病院へ駆けつけた。
受付の人に部屋を教えてもらい駆け足で彼女の元へ走った。
廊下には二人の男女が彼女の部屋の前で涙を流していた。
「あなたは…」
「幼稚園の頃に仲がよかった葉山渉です!みーちゃんは!?」
息をきらしながら問うとみーちゃんの母親は涙を流しながら答えた。
「もうあの子は目を覚まさない…今年であの子も成人式…
私達も辛いし、あの子も安らかに眠りについた方が幸せなのよ…
だから今からあの子を永眠させてあげるのよ…」
「待ってください!
僕がみーちゃんの傍にいます!
ずっと、ずっとこれからは傍にいます!
だからお願いです、そんなことしないでみーちゃんを助けてあげてください!」
僕は必死になって叫んだ。
その発言を聞いた父親が僕の胸元をつかみ
「いきなり来て何を知ったように…っ!
あの子の気持ちをどこぞの知らん君が知ったような口をきくな!!
いい加減にしないか!」
鬼のような形相をした父親に殴られそうになりかけながらも、それでも僕は説得を続けた。
「僕は信じてもらえないかもしれないけど、4年間夢の中で彼女と恋をしてきたんです!
だからここに彼女がいることがわかった。
4年間も彼女が誰なのかわからず探し続けてきたんです!
お願いします…」
溢れる涙を流しながら両親を説得した。
すると母親が
「そういえば私も夢の中でみーちゃんに会ったことが一度だけあるわ…
その時に貴方のことについて話をした記憶がほんのわずかだけど覚えている…
ねえ、貴方、彼の言っていることが本当かもしれないじゃない…
彼を信じてみましょうよ…」
「・・・っ。
わかった、お前がそう言うなら私もそうしようじゃないか。」
「ありがとうございます…」
僕は二人にお辞儀をして部屋の前にたった。
ここに彼女が眠っている…
やっと君を見つけたよーーー。
窓から太陽の光が差す中、彼女は目を閉じ眠っていた。
光輝く彼女の姿は夢の中そのものだった。
椅子に座り両親が見守る中、僕の頬を涙が伝う…
そっと手を取り、やっと君の手を実際に握りしめることができた…
初めて君の温もりを肌で感じることができたね…
君を…みつけた…
「みーちゃん…」
頬を伝う涙が彼女の手に零れ落ちたとき、両親が涙をこぼし叫び声を上げた…
「わた…る…」
「みーちゃん…愛しているよ。」
彼女の頭をそっと撫で優しく微笑んだ。
彼女もまた優しく微笑み僕の頬に手を添えた。
美羽、渉「愛してる―――。」
「…渉ちゃんだったんだ…私の初恋の人…」
「みーちゃ…ん…?みーちゃんだったの…!?」
―――そう、僕たちは幼稚園の時に同じクラスだった仲のよい友達だった。
そして僕の初恋の人…
「ごめんね…急にいなくなって…
私…転校することになったんだ…わたるちゃんのことが好きだったから言い出せなくて…
黙って転校しちゃったんだ…」
「そうだったんだ…
あのときはすごくつらかった…
一人取り残されたんだって…
また僕を置いていくの…?
また僕を一人にするの…?
お願い…もう一人にしないでよ…」
「わたるちゃん…」
ドクンッ―――。
「―――私は今、病院にいる…ずっとベッドの上で横になったまま…助けて…」
「病院…?」
彼女が転校するその次の日の朝、車に跳ねられ今も目を覚まさずに植物状態のまま病院で眠っているという。
「―――わかった。今から君に会いに行くよ。」
彼女を抱き締め僕は必ず君に会いに行くと約束をし、現実の世界へ戻った。
「―――約束だからね…」
「お母さん!飯田美羽って子が幼稚園の時にクラスにいただろ!?
あの子、今どこの病院にいるの!?」
目を覚ました瞬時に僕は階段を飛び降り、母の元へ駆け寄った。
「どうしたの急に!」
「いいから答えてよ!」
「えっと…ここからすぐ近くにある○○病院よ。」
家から車で15分もかからない病院に彼女がいたなんて…
急いで車を借り病院へ駆けつけた。
受付の人に部屋を教えてもらい駆け足で彼女の元へ走った。
廊下には二人の男女が彼女の部屋の前で涙を流していた。
「あなたは…」
「幼稚園の頃に仲がよかった葉山渉です!みーちゃんは!?」
息をきらしながら問うとみーちゃんの母親は涙を流しながら答えた。
「もうあの子は目を覚まさない…今年であの子も成人式…
私達も辛いし、あの子も安らかに眠りについた方が幸せなのよ…
だから今からあの子を永眠させてあげるのよ…」
「待ってください!
僕がみーちゃんの傍にいます!
ずっと、ずっとこれからは傍にいます!
だからお願いです、そんなことしないでみーちゃんを助けてあげてください!」
僕は必死になって叫んだ。
その発言を聞いた父親が僕の胸元をつかみ
「いきなり来て何を知ったように…っ!
あの子の気持ちをどこぞの知らん君が知ったような口をきくな!!
いい加減にしないか!」
鬼のような形相をした父親に殴られそうになりかけながらも、それでも僕は説得を続けた。
「僕は信じてもらえないかもしれないけど、4年間夢の中で彼女と恋をしてきたんです!
だからここに彼女がいることがわかった。
4年間も彼女が誰なのかわからず探し続けてきたんです!
お願いします…」
溢れる涙を流しながら両親を説得した。
すると母親が
「そういえば私も夢の中でみーちゃんに会ったことが一度だけあるわ…
その時に貴方のことについて話をした記憶がほんのわずかだけど覚えている…
ねえ、貴方、彼の言っていることが本当かもしれないじゃない…
彼を信じてみましょうよ…」
「・・・っ。
わかった、お前がそう言うなら私もそうしようじゃないか。」
「ありがとうございます…」
僕は二人にお辞儀をして部屋の前にたった。
ここに彼女が眠っている…
やっと君を見つけたよーーー。
窓から太陽の光が差す中、彼女は目を閉じ眠っていた。
光輝く彼女の姿は夢の中そのものだった。
椅子に座り両親が見守る中、僕の頬を涙が伝う…
そっと手を取り、やっと君の手を実際に握りしめることができた…
初めて君の温もりを肌で感じることができたね…
君を…みつけた…
「みーちゃん…」
頬を伝う涙が彼女の手に零れ落ちたとき、両親が涙をこぼし叫び声を上げた…
「わた…る…」
「みーちゃん…愛しているよ。」
彼女の頭をそっと撫で優しく微笑んだ。
彼女もまた優しく微笑み僕の頬に手を添えた。
美羽、渉「愛してる―――。」
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