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  第2章  グレンフォードへの旅編

 No.85 胡桃(くるみ)をはっけ~ん

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 粉塵爆発は室内でしか使えないジャン

 ………いや待て、俺の土魔法で囲ってその中に小麦粉なんかを充満させて火を点ければいけるんじゃないか?

 チョットやってみるか? いや馬車で移動しながらじゃあ むずかしいな。
 今晩、夜営の時にでも試そう。

 (*注 以前も言いましたが、魔法は物理法則を丸っと無視できる力です。イメージだけで爆発は起こせます、リョウジが出来ないのは地球での物理法則にとらわれているからです(*>∇<)ノwww
 最初に極小爆発を試した時は、実はキチンと爆発はおきて居ました。
 あの頃はリュージを名乗っており、リュージの常識の認識が勝っていたから出来たのです)

 
 街道の右側に林が見える、街道から少し離れるが木材が無くなってるから、何本か確保しよう。

 「リリィ、ちょうど林が有るから、休憩にしよう」

 「わかったわ」

 リリィはそう言いながら、街道を外れ馬車を林のそばに止めた。

 馬車を降り、林に行くと、3㌢くらいの実がついてる木が目についた。

 「リリィ、この木に毒が有るかどうか鑑定で解るか?」

 「鑑定して見るわ…〈鑑定中〉→→→→クリミの木だって。
 秋に実がなるけど、果肉は少なく食べるには向かない見たいね」

 「ふ~ン、食用じゃあ無いのか…残念」

 ちょうど秋口だから、結構な数の実がついてるんだがな…

 すでに落ちてる実を拾って皮を剥いてみた。
 果肉がズルっと落ちて、種だけになった……

 (これって胡桃(くるみ)じゃないのか?
この種、見た目は胡桃そっくりなんだが……)

 近くの石の上で、ナイフを使い種を割ってみた。
 
 結構固かったが、種の筋にナイフを当てナイフの背を何回か叩いて種を割った。

 (やっぱり胡桃ジャン)

 早速食べてみようと思ったが

 (いや待て、毒が有るかも知れん。
 確か地球でも、実(み)には毒は無いが、種には微弱な毒が有る物が多かったハズ……)

 「リリィ、この種の中身 食べられるかどうか知ってるか?」

 (これが胡桃なら、普通に流通してる可能性が高いよな)

 「知らないわね~。
 他の地域では食べてるかも知れないけど……
 少なくともロックフォード領では食べられて無いわね」

 「毒が有るかどうか、鑑定たのむ」

 (俺も鑑定は常に意識してるが、鑑定スキルを獲得する気配は無い。
 気長にやるしかないな)

 「鑑定してみたわ。
 物凄く微量の毒が有るわね、1度にこの木に生ってる種の中身を全部とか食べないかぎり、具合が悪くなるような事には成らないわ」

 「そうか❗食べられるか」

 早速さっき割った種の中身を食べてみた。

 (ローストして無いから、少し食感が柔らかいが、確かに胡桃だ。
 うん、うまい❗❗)

 胡桃の木を切り倒して、馬車に行きスベンソンとミーちゃんを呼んできた。

 「リリィは木の枝打ちをたのむ。
 ミーちゃんは枝に生ってる実を集めてくれ」

 『スベンソンはミーちゃんが集めた実の外側を溶かして種だけにしてくれ。
 種の外側も溶かして、種の中身だけにしてほしいが……
 かなり細かい作業になるから時間がかかりすぎると思うんだ。
 簡単に出来そうなら、是非やってくれ』

 『それは分かったけど、どうして~
 種の中身なんてどうするの~❓❓』

 『どうするって、食べるんだよ』

 「リョウジさん、この実は食べられるのです❓❓」

 「食べられるんだ。
 正確には実の中の種の中身だな。
 ミーちゃんが集めた実を、スベンソンが外側を溶かして種にするから、種はこの樽に入れといてくれ」

 マジックバックから、大樽を出した。 

 とりあえず、クリミの木を3本切り倒して実を確保した。

 まだ1日が始まったばかりの最初の休憩で、あまり時間を使う訳には行かない。

 3本の木から実を集めて、スベンソンに皮と果肉を溶かしてもらい種だけになった物を樽に詰めていると

 「リョウジ、木の枝払い終わったわよ」

 リリィから声がかかった。

 普通、こういった枝打ち何かは斧を使うんだが、リリィは剣を使い、剣スキル上級の腕前を存分に発揮して物凄い短時間で終わらせた。

 「すさまじい早さだな、剣が光って見えたのは上級スキルなのか?」
 
 「そうよ~、上級から使える魔力剣よ。
 剣に魔力を纏わせる事で、切れ味が上がるのよ、もっと魔力を込めれば魔力剣を伸ばす事も出来るわよ」

 リリィが3本の木の枝打ちをサクっと終らせてくれたので、まだスベンソンが溶かして無い実を別の樽に入れてもらい、とりあえず出発する事にした。

 実を溶かして種だけにする作業は、スベンソンに馬車の荷台で走りながらやってもらう事にした。

 ミーちゃんが馭者で、俺とリリィが並んで座る。

 俺はさっきの魔力剣について考えた。
 剣に魔力を纏わせれば切れ味が上がるなら、魔力を通しやすい剣に魔力を込めれば魔力剣に成って、切れ味が上がるんじゃないか?

 「リリィ、さっきの魔力剣は剣スキルでしか出来ないのか❓
 例えば魔力を通しやすい剣に魔力を流せば、魔力が通った剣、魔力剣に成らないか❓」

 「う~ん、どうなのかしらね?
 剣スキルの魔力剣は、剣の外側を魔力で被(おお)う感じなのよね、剣に通した魔力が外側まで出て、剣を被えば切れ味が上がる可能性は有るけど…… 
 スキルじゃ無いから魔力をまとうだけで切れ味が上がるかどうかは……
 正直、解らないわね」


 やって見なければわからない、その通りだ。

 俺は腰のミスリル合金の剣を抜いた。
 











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