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  第1章  フォラスの町編

 No.63 旅の準備 やはり油断出来ない商業ギルド

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 大角鹿の解体をした時にスベンソンに生肉、約 300㎏預けていた事をスッカリ忘れてまして………
 62話を書き直しました。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 さて、商業ギルドに着いた。
受け付けの列に並びながら、大角鹿のベーコンをいくらで売るか考える。

 (何せこっちの人は大食いだ、フィリスでさえ1回の食事で最低500㌘くらい食べる。
 肉屋でもキロ売りが基本だし、日本のように100㌘いくらって売り方じゃ無いから、単純に比較出来ないけど……
 牛肉のA5ランクが1㎏ 3万円ぐらいだったかな?まあこれは小売り価額たから卸値だと半値ぐらい?そこまでいかないか?
 こっちの人の食べる量とか肉の相場とか考えると…
1㎏ 500ギロン 5000円を下回ったら売るのを止めよう)

 俺の前の人はよほど込み入った話しが有るのか、受け付け嬢と別室に案内されて行った。
 たぶんあの部屋には込み入った話しを専門にする人が居るんだろう。

 受け付け嬢が戻って来た。

 「いらっしゃいませ、本日はお買い取りでよろしいですか?」

 他のカウンターも見回して見ると……
良かった、あの分からず屋のアリアは今居ないようだ、あいつが居るとヤヤッコシイ事に成りそうたからな。

 「ギルド長のローグロドリーを呼んでもらえるか?」

 なめられ無い様に、なるべく尊大な態度で言ってみた

 「……面会の予定は入れてますか?」

 受け付け嬢は怪訝(けげん)な顔をしている

 そりゃあそうだよな、俺の見た目は14才のガキなんだから

 「面会の予定は入れて無いが、リョウジが来たと伝えてくれ。
もし、来ないようなら……
 俺の切り札(死霊のリリィ)を商業ギルド内で使うと伝えな」

 「来ないなら〈切り札〉を使うと伝えればよろしいのですね。
わかりました。
 ちなみに、その切り札とは何なのか教えていただけますか。
商業ギルド員には〈誓約〉がかかってますので、話していただいても他に漏れる事はございませんが」

 「お前達の〈誓約〉なんか、信じる訳無いだろ。
バカなのか?お前は」

 「な❗💢………」

 受け付け嬢は怒りで顔を真っ赤にしながら席を立ち、ギルド長を呼びに行った。

 
 「いったい何なのよ💢💢
あの失礼なガキは~❗」

 受け付け嬢は階段を上がり、ギルド長室の扉をノックして部屋に入った。

 「ギルド長、リョウジってクソ生意気な子供がギルド長を呼べと言ってますが、どうされます?」

 ギルド長はリョウジの名前を聞き少し緊張した。

 「それで……要件は聴いてますか?」

 「聴いてません、受け付けに来てギルド長を呼べとしか言いませんでしたので。
 ただ、来ないなら〈切り札〉をギルド内で使うと言ってました」

 「〈切り札〉を使う……確かにそう言ったのですね」

 (これは行かなきゃ不味いですね。
あの子の切り札とは死霊❨ワイト❩の事でしたね、つまり商業ギルド内にワイトを解き放つと言っているのです)

 「ギルド長はあの子の言う〈切り札〉をご存知なんですね。
何なのか、聞いても良いですか?」

 「興味本意で聞かない方が良いですよ。
何よりあの子の事は話さないと魔法契約を交わしましたので、話せないんですよ」

 「またまた~、いつものように只の噂話しなら大丈夫とか、同名の他人の事としてなら大丈夫とか、そんな感じなんでしょう~?」

 「いいえ、きちんと魔力認識で個人を特定した厳格な契約を交わしましたので、無理ですね」

 (それより受け付け達が、商人達から聞き出した話しを噂話しとして気軽に話してるのが問題です。
 これでは商人達に信頼されず情報が集まる訳がありません)

 ギルド長は部屋を出て、下の受け付けに向かった。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 受け付けで待ってると、ギルド長がやって来た。

 「え~と、リョウジ君でしたね。
お話しとは何ですか?」

 「まずは商談なんだが…チョット込み入った話しもある。
それに確認したい事もな。
 絶対に盗聴されない部屋は有るか?」

 「それなら、やはり私の執務室ですね。
2階に上がって下さい」

 フィリスとリリィを連れて、俺達はギルド長の執務室にやって来た。

 『リリィ、部屋中を鑑定と魔力感知して、何かおかしい物が無いか調べてくれるか?
 俺の魔力感知はまだレベルが低いから、隠蔽されてたり壁や床に埋まってる物は見つけられないんた』

 『分かったわ』

 リリィは部屋中を見回して鑑定を掛けまくっているようだ。

 『部屋の四隅と天井に魔力反応が有るけど……
床と天井に埋め込まれていて、直接見れないから鑑定は出来ないわね。
 前に来た時は無かったから、新たに設置したのね』

 (たぶん俺みたいな奴の対策に、相手を無力化する魔道具を設置したんだろうな)

 「ギルド長さんよ……
この部屋は以前無かった魔道具がたくさん有るようだな。
 何の魔道具なんだい」

 「も、もちろん盗聴防止の魔道具ですよ」

 (不味いですね、リョウジ君が魔力感知が出来て、しかも床に埋まってる魔道具を見つけられる程レベルが高いとは……
完全に誤算ですね)

 「ふざけるなよ、盗聴防止なら1個で良いだろ。
5個も必用無いだろ。
 ホントに信用出来ねえな……
まあ良い、隣の倉庫に行こうぜ。
 分かってると思うが、魔法契約書も持って来いよ」

 ギルド長室を出て、隣の倉庫に向かった。
  

 
 







 
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