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  第1章  フォラスの町編

 No.47 旅の準備。新な魔法を修得しておこう

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 俺とリリィは小屋に入った。

 「あー❗❗ リリィお姉ちゃんだ~
来るの明日って言ってたけど、どうしたの?」

 「そのはずだったんだけど、用事が早く済んだのよ」

 「そうなんだ~
 お姉ちゃん、あのね~、
 明日ね~、お姉ちゃんと一緒にお洋服買いに行くんだよ」

 「あら、そうなの。
それは楽しみね~、フィリスちゃんはどんなお洋服が欲しいの」

 「え~とね~、かわいいの❗❗(*゚∀゚)=3 ムフームフー」

 フィリスは洋服を買うのが、よっぽど楽しみらしい
リリィにだいぶ興奮ぎみに話し続ける。
 やっぱり、ファッションの話しは女の子どうしが盛り上がるようだ。

 さて、寝るにはまだ早いしやはり魔法の練習するかな。
今覚えてる攻撃魔法はバレットだけだし、多数の敵に囲まれた時に使える、広範囲殲滅魔法が欲しいな。

 そうなると爆発の魔法だが……
ダイナマイトの作り方とかニトログリセリンの化学組成とか知らないけど、爆発のイメージだけでイケるか?

 今までは森の中で炎系統の魔法は、自分が巻き込まれる危険性が高いと思って覚えて来なかったが…
 今後は、貴族に絡まれる事も考えないとな~
たぶんあの商業ギルド長、誰かに報告してるよな。
 話せ無いけど、手紙には書けるとか有りそうなんだわ。
あ~失敗した、一切(いっさい)口外する事を禁ずるとかにしとけば良かった。
 それはともかく、貴族相手じゃあ騎士団を丸ごと相手する事も視野にいれないとな~

 外に出て、まず小規模の爆発として爆竹くらいの爆発をイメージする。
今回は魔力にイメージを重ねるやり方は、使わない。
 もし威力が出すぎて、ダイナマイトみたいな爆発をしたら…
まず大騒ぎになるわな、警備隊も原因追求の手を緩めないよな。

 爆竹のイメージに魔力を流そうとして、気がついた。
このまま爆発させたら、目の前で爆発すんじゃね?

 イメージを作り変えないと不味いな
えーとまず爆竹を出現させて、それを俺が投げて何かに当たったら爆発するまでをイメージする。

 う~ん、むずかしな
なんか上手くイメージできない。
 燻製小屋の細かいイメージが出来たんだ、これくらい簡単に出来ると思ったが、
 もっとイメージを簡略化しないとダメだな。

 1メートル程先で、極小爆発

 うん、これならイメージ出来た
イメージに魔力を流すと

 1メートル先の目の高さで、〈ぱん〉と言う音と光りが見えた。

 よしよし、成功だ、イメージだけでも爆発が起きた。
後は爆発の規模を大きくして、もう少し発動場所の指定を細かく出来るようにして行けばいい。

 「何よ、いまの音?」

 リリィが小屋から出て来た。
スベンソンを抱えたフィリスも居る。

 「ああ、驚かせてしまったか? スマン、スマン
これからグレンフォードまで旅する間に、盗賊や大量の魔物に囲まれる。
 なんて事態も起こるかも知れないから、殲滅魔法が欲しいと思って、その練習をしてたんだ」

 「どんな魔法なの?お兄ちゃん」

 う~ん、なんて説明するかな?
この世界にはまだ火薬は無いようだし、爆発って言っても解らないよな。

 「う~ん、説明が難しいから見てもらった方が早いな」

 さっきの極小爆発を発動させる。

 「パンて音と光りは分かったけど、これが殲滅魔法なの~?」

 フィリスが首をかしげる。
こんな極小では分からないのも仕方ない。
しかし街中であまり大きな爆発を起こす訳には行かないしな。

 「町から離れて、回りになにも無い所でもう少し大きくして見せるよ。
俺はもう少し魔法の練習するから、小屋に戻りなさい」

 「でも小屋の中真っ暗なの~」

 「わかった、灯りを点けようね」

 皆で小屋に戻ったが…
あれ? そんなに暗いかな?
 リリィやフィリスの姿が割りとハッキリ見えるが…

 そうか❗❗
これがスベンソンが言ってた魔力感知での視界か

 目を瞑り魔力感知を意識して回りに意識を向ける。
よし! 360度回り全てが見える、ついに魔力感知が初級になったようだ。


 天上にまた蛍光灯を意識した灯りを点けた。

 『リリィ、明日なんだが俺は別行動したいんだ』

 『どう言う事よ』

 『フィリスを連れてると、顔見知りに会った時にフィリスに聞かれ無い様に説明するのが面倒くさくてな。
 それと、リリィには身分証を作っておいてもらいたいんだが、大丈夫そうか?』

 『冒険者証なら作れると思うわよ、名前とか出身地とか簡単に書いて、冒険者証に魔力流すだけだから。
 昔のもっと高度な魔道具が使われてた頃は、さらに血を流して魔力認証だけじゃなく、血液認証もしてたらしいわ。
 その時代だと血が流れてない私は登録出来なかったでしょうね』

 『え、そうなの?
俺が見習い冒険者になった時は、魔力を流すなんてしなかったぞ』

 『そこはやっぱり、見習いと本登録の違いじゃないの』

 そう言えば、商業ギルド員登録の時は、ギルド証に魔力流したな、それをデカイ水晶玉みたいな物が付いた機械みたものに通してたっけ。
 冒険者登録とはずいぶん違うな~、と思ってたけど冒険者でも本登録だと同じ事をするのか。

 「リリィ、フィリス、明日買う服だがな。
くれぐれもお貴族様みたいなヒラヒラの動きにくい服を買うなよ。
 これから1ヶ月以上旅をするんだ、旅装束で動きやすい服だぞ」

 「え~❗❗ そんな~
可愛い服、楽しみにしてたのにー
 お兄ちゃんの、鬼~❗悪魔~❗人でなし~❗」

 「言ってろ、言ってろ。
ダメと言ったら、ダメです」

 「お兄ちゃん、お願い。
1着だけ、1着だけでいいから可愛い服、欲しいの~」

 上目遣いで、目をウルウルさせてお願いしてくる。

 か、可愛いじゃねえか❕❕❕  こいつおねだり上手いな。

 くそう、凄まじい破壊力だ。

 むー‼ いかん負けそうだ、だがここで負ければ、こうしておねだりすれば要求が全て通ると思われかねん。

 ここは心を鬼に……

 「こ、こんな小さな町では、そう言う服は売って無いと思うぞ。
そう言う服は、もっと大きな町にいって買おうね」

 くそう、今の俺にはこれが精一杯だ

 「本当だね❗、約束したからね❗❗」 

 「まったく、お兄ちゃんはフィリスに弱いわね~」

 くそう、なんとでも言え。

 俺は再び外に出て、魔法の練習を始めた
  

 

 

 

  





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