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  第1章  フォラスの町編

 No.38 これからの計画と方針 (ダンパーについて考える)

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 さぁ食べよう。「いただきます🍴🙏」

 「「いただきます」」

 『リリィどうだ、味わかるか?』

 昨日味が分かるかどうか、食べて見ないとわからないと言ってたからな。

 『大丈夫、分かるわ。
凄く美味しいわよ』

 大角鹿の肉は脂は少ないが、柔らかく肉自体の味が濃厚で、旨い。
俺としては、ウーシー肉の方が好みだが、これはこれでやはり美味しい。

 「お兄ちゃん、このお肉凄く美味しいね。
こんなに美味しい物、始めて食べたー
 スープも凄く美味しい~」

 「そうか、そうか、沢山あるからイッパイ食べていいぞ~」

 みんな、それぞれ肉は 1㌔くらい食べた、
焼くのが大変だった。

 「ご馳走さま」

 「「ごちそうさま~」」

 『リリィは食べても栄養になる訳じゃ無いだろ。
そんなに食べる必用有るのか?』

 『え❗ だって美味しいんだもの
ケチケチしないで食べさせてよ~
 それに食材に含まれる魔力を取り込むから、まったくの無駄って訳じゃ無いわ』

 「しかしこうなると、食後のお茶が欲しいな」

 「な~に贅沢な事言ってるのよ、お茶は帝国からの輸入品で物凄く高いのよ。
 入荷したら貴族が買い漁るから一般にはまず出回らないわ」

 「そうか、お茶は無理そうか…
さて、リリィ、フィリス2人にはお風呂の残り湯で、毛皮を洗ってもらいたいんだ」

 フォレストウルフの皮と大角鹿の皮をマジックバックから出して渡した。

 「お兄ちゃん、いつも何処から物を出してるの~?」

 「フィリスはまだ知らなかったか?
俺は、収納スキルを獲得したんだよ(と言うことにしとこう)」

 「そうだったんだ、お兄ちゃんスゴーイ」

 「俺は、こっちを片付けるから、毛皮洗い頼むよ」

 2人は風呂に向かって歩いて行った。

 『スベンソン、寸胴鍋2つ別空間に入るか?』

 スベンソンには大角鹿の胆や肉を目一杯入れてもらってるからな

 『うん、野菜と肉を出したから大丈夫だよ~』

 
 俺は、片付けをしながらこれからの方針を考える

 

 まず、リリィをグレンフォードに連れて行かなきゃ成らないが…
何とか辺境伯に渡❨わたり❩を付けて、胡椒の実となるべく若い枝を手にいれたいな。
 たぶんだが、発芽実験と言っても地面に埋めるだけで、接ぎ木とかは試して無いんじゃあないかな。
 それに大元の胡椒の木が接ぎ木された物臭いんだよな~
何せ胡椒は蔓❨つる❩性の植物のはずだから、木のはずが無いんだよ。
 それに植物の種の中には、鳥なんかに食べられて胃酸に刺激されないと芽を出さない種類の物も多かったはず…
 胡椒がそうだとは限らないが、試す価値は有るはずだ。

 後は、何とかコイルバネとダンパーを作って、サスペンションシステムを作りたいが…
 コイルバネは鉄を変型出来れば作れそうだが……

 ダンパーはな~
 以前、修理で来店した何人かのお客さんと話して驚いたが、ほとんどの人はサスペンションはコイルバネだけで全て機能してると思ってるんだよな~。
 ダンパー無しでどうやって制御するんだって話しだよ。
少し考えれば分かるが、バネの先に重りを付けて下に引っ張り、手を放せば、バネはかなりの長時間ビヨン,ビヨン伸び縮みする。
 これが車なら、跳ね回ってとても運転出来ないよ。
俺は、若い頃ダンパーの抜けた車を運んだ事があるが、跳ね回っちゃってとてもじゃないが普通には運転出来なかった。
 結局セーフティーローダー車に載せて運ぶ羽目になったっけ。

 ダンパーの構造を簡単に言うと……
まあ、あれだ注射器を思い浮かべてくれ、薬液が入った筒とそれを押す丸い板に、板から棒が伸びていて、その棒を押して薬液を押し出す訳だが、注射器の針を外して先を潰❨つぶ❩したら、棒を押しても押せないわな。
 そこで棒の先の板に穴を空けると、棒は押せるが板に開いた穴から薬液が出てくる。
 空ける穴が小さければ押すのに力が必用になり、大きければ楽に押せる。
 注射器の筒を密閉して板の後ろ側も薬液で満たせば、押すのにも引くのにも力がいる。
 この力と言うか、抵抗でバネがいつまでもビヨン,ビヨンするのを早く納めているわけだ。
 
 昔のアメ車はこの穴が大きく、よくヘナサスなんて言われたもんだ。
良くできたダンパーは、一発で振動を抑えると言われていた。

 現在ではこの穴の大きさを 32段階で変えられるダンパーも有るって話しだったな。

 問題は、注射器の後ろの可動部分の密閉だ。
高い工業技術と耐久性の高いパッキンがないと、作れない代物だ……

 この世界の魔物の素材で代用出来る物が有ればいいんだがな~。

 「毛皮洗い終わったわよ」

 「ご苦労様。
それで、毛皮はどこに?」

 「土の壁に掛けて、干してるわ」

 「乾くまで、暫くかかると思うよ、お兄ちゃん」

 「そうか、そうか、フィリスもお疲れ様~」

 俺は、ついフィリスの頭をナデナデした
やっぱりカワエエな~、こんな娘が嫁さんになってくれたら嬉しいが…

 お兄ちゃん、と したってくれて、エルフらしく美しく成長するのは分かってるし、リリィの言う通り自分好みの女に育てて嫁にするのも良いな~

 あ❗ そう言えばエルフの寿命ってどうなってるんだ?
 

 

 

 

 




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