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第1章 フォラスの町編
No.30 なんか、スゴいの出来ました❗
しおりを挟む確かに、その発想は無かった。
集めた魔力を発動させたい場所に流せば良かったのか❗
だがこのままバカにされたままなのは、シャクだな。
俺が魔法初心者で、戦い慣れておらず、そんなに強く無いと思われたら…
旅の途中で襲われかねん!!
リリィと正式に獣魔契約を結べれば良いのだが、ワイトでは契約の魔道具も付けられないし…
『……いや、そ、そっちの方法なら出来るさ…
だが実戦だと魔力を集めてから流してたら時間がかかるし、魔力感知で感ずかれる事も有るだろ。
だから発動させたい場所に直接魔力を集められないか? って事だよ』
『何だが言い訳臭いわね~
まあそう言う事にしておいてあげるわ。
それで魔力を直接、発動場所に集める方法だけど、私には分からないわね~
それより改めて見ると、すごいの一言ね、こんなに濃い魔力水見た事無いわ。
これなら1年くらい消えないんじゃ無いかしら?
それじゃあ回復薬作るから、手伝ってちょうだい』
『分かった何をすればいい』
『まず、樽の魔力水を大き目の鍋に七分目まで注いで、薬草は3㌢幅で切ってちょうだい』
俺はマジックバックから鍋を出して水を注ぎ、言われた通りに薬草を刻んだ。
『次は、薬草を鍋に入れて弱火でゆっくり温めてちょうだい、沸騰させないように注意してね』
鍋に薬草を全て入れて、竈に置いた。
料理した時の薪が炭火になって残っていて、丁度良いだろう。
『どのくらいの時間煮れば良いんだ』
『薬草の色が抜けるまでよ』
『普通の水じゃあ何故ダメなんだ、なるべく濃い魔力水の方が良いって言ってたが、普通は水で作るんだろう?』
『そうね~説明が少し長くなるけど、回復薬が出来上がるまで時間もかかるし、説明するわ』
リリィの説明を要約すると
*薬草はただの水で煮ても、殆❨ほとん❩ど薬効成分を抽出できない。
これは薬草をすりつぶして、搾ってみてもやはり薬効成分は抽出できない。
普通の水で薬効成分が抽出できるなら、冒険者が自分で薬草を煮れば、回復薬が作れてしまう。
*薬効成分は魔力に反応して抽出される事が分かったので、普通の水に魔力を込めて薬草を煮れば抽出できる訳だが、普通の水に魔力を込めるのには限界が有り、中級を作るのが精一杯である。
それは魔力の濃度により、抽出出来る薬効成分の量が変化するからだ。
つまり濃い魔力水で作れば、回復量の多い回復薬が出来上がり、薄い魔力水で作れば回復量が少なくなる。
その上、普通の水に限界まで魔力を込めても、そのままでは直ぐに魔力が抜けて使い物に成らない。
限界まで魔力を込めた水で、直ぐに薬草を煮て薬効成分を抽出しても、水の魔力が抜けると、薬効成分も抜けてしまうからだ。
下手をすれば煮てる間に魔力がどんどん抜けて、出来た時にはほとんど回復量が無い回復薬になりかね無い。
そこで水に魔力を馴染ませる処理をしなければ成らないのだが、やり方は薬剤師ギルドが秘匿してるため分からないが、おそらく何らかのマジックアイテムで状態維持を一定の期間掛けて魔力を馴染ませていると思われる。
水に魔力を完全に馴染ませると、水から魔力は抜けなくなる。
*そこで、魔力で直接水を作れば簡単な訳だが、現代の詠唱による水の作成では普通の水しか作れない、飲み水を作るための魔法だから当然と言える。
攻撃魔法のウォーターボールで作る水は、攻撃した後消える事から、魔力で直接水を作り出している事がわかっていたので、詠唱を水を作った所で止めて、魔力水だけ得る方法も試したが、内包してる魔力が薄く、普通の水に魔力を込める方がまだましな上、直ぐに消える。
*現在出回っている上級、特上級の回復薬はダンジュン産しか無い。
特上級だと、即死以外なら体がどれだけ傷つこうが、たとえ下半身が吹っ飛んで無くなっていようが、回復するそうだ。
『と言う訳で、上級以上の回復薬を作るには、魔力を直接水にした濃い魔力水が必用なのよ』
俺は、竈に薪を足し、鍋をかき回しながら聞いていた。
『しかしリリィは、何故そんなに回復薬について詳しいんだ?』
『ロックフォード本家には、大賢者が残した研究書や手記が残されてるのよ。
ご丁寧に状態維持の魔法まで掛かってるから、まだ書かれた直後みたいに綺麗な状態で残ってるわ。
殆どの物は暗号みたいな文字で書かれていて読めないけど、大賢者が後の子孫のために共通語で書いた物が何冊か有るのよね、その中に魔法発動方法の考察と回復薬についての考察が有ったのよ』
『なるほど、それは俺も是非読みたいもんだな』
日が沈み、部屋がすっかり暗くなったので、さっき聞いた魔力を発動させたい場所に流す方法を使って、灯りの魔法を試してみる事にした。
魔力を 1000分の1集め天井に流す、イメージは蛍光灯で発動後は天井に張り付いているのをイメージする。
流した魔力にイメージを重ねるが、以外と難しい。
重ねるじゃダメだ、ならばイメージを送り込む感じで……
良し成功した。
『あら、ホントに出来るのね~』
『だから言ったろ。
それより、ソロソロ良いんじゃないか? 薬草の色、完全に抜けて真っ白だぞ』
『ちょっと鑑定して見るわね~
……………ちょっとこれ
……………………特上級回復薬って見えるんだけど❗❗』
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