上 下
9 / 87
  第1章  フォラスの町編

 No.07 フォラスの町

しおりを挟む


 このフォラスの町は、へリオン王国が 5年前に作った新しい町だ。
 場所は王国の西の国境から、さらに西へ馬車で 1ヶ月も走った所だ。
 
 なぜこのような国からは遠く、不便で辺鄙❨へんぴ❩な所に町を作ったかと言うと、素材採取のためである。

 この町から西へ徒歩 1時間ほどで、最西の森もしくは魔境と呼ばれる森に到着する。 

 この森から採取される薬草類は効果が高く、ここの薬草で作られた回服薬は高値で取引される。
 

 この町は魔境の森に近いが、町が有る場所はなぜか魔素が極端に薄いのだ。

 魔素の薄い場所には、強い魔獣や魔物は入いって来ないので、この場所の存在が確認されると、へリオン王国は即座に町の建設を決定したのだ。
 

 最西の森は、西へ進めば進むほど魔素は濃くなり、森を抜けると隣の大陸まで続く橋のような大地が有ると言われている。

 これは1000年ほど前の大賢者が残した文献に少し出てくるだけで、確認されてはいない。
 

   大賢者の残した文献によると、隣の大陸には
 
 *古代竜が人の形に変化❨へんげ❩した〈竜人〉がいたとか、
 *オーガキングが進化した〈鬼神〉の村が有ったとか、
 *蜘蛛❨くも❩からどういう進化をしたか不明だが
   蜘蛛の体に人間の上半身が乗った〈アラクネ〉がいたとか、
 *エルダートレントから進化した〈ドライアド〉に会ったとか、
 *リザードンから進化した〈ドラゴニュート〉の村が有ったとか

 荒唐無稽で、もう完全に〘おとぎ話〙である


 だいたいオーガは Aランクの冒険者が複数で当たる魔物である。
 オーガキング?なにそれ? さらにその上?ふざけてんの??
 古代竜はおろか、属性竜ですらない、ワイバーンですら群れで出れば、小国なら国の存亡を賭ける事態である。

  
  現在では〘おとぎ話〙として伝わるだけで、誰も信じていない。


 


 この町は出来たばかりで人口も少なく、移住すれば住む土地と農地がもらえる事に加え、農家と商人には税率の優遇があるため、リュウジは移り住んだ。

 最初は農家になろうと思って、町役場に申請したが、まだ未成年のため農地申請は通らず、町外れの城壁沿いの、小さな家一軒分の土地がもらえただけだった。

 
 ……役人に心ずけ(賄賂)をわたせば また違っただろう




 俺は自宅(と言ってもホッタテ小屋だが)の中に入った、中は 8畳くらいの広さで、木のベッドと土と石で作った竃❨かまど❩と薪❨まき❩が少しと、水を入れる樽が有るだけだ。 
 竃の上には鉄板が置いて有るが……


 「料理道具も調味料も無いな、皿は?」

 
 ベッドの上に木の皿が一つ有った

 「まったく、リュウジはどんな食生活してたんだ、それに家具も無いな着替えは………有るはず無いよな、ハア~」


 俺は木の皿を竃の鉄板の上に置き、ベッドにフォレストウルフの皮を広げた。

 「薄い毛布と言うより布?しか無いから敷き布団にちょうどいいな。
売ろと思っていたが自分で使おう」


 まだ店やってるよな、とりあえず着替えと生活必需品買わないと…

 金あるのか?

 とりあえず所持金は~、
道具袋の中に、小金貨1枚に銀貨6枚、小銀貨5枚、銅貨3枚、小銅貨5枚 入っていた。


  えーと、お金の単位はギロンで~

 黒パン1個、小銅貨8枚═8ギロン
 角兎の串焼き1本、銅貨1枚═10ギロン

 1ギロン 10円くらいか?

 
   1ギロン═小銅貨═   10円
          10ギロン═  銅貨═  100円 
         100ギロン═ 小銀貨═   1000円
    1000ギロン═  銀貨═  1万円
    1万ギロン═小金貨═    10万円
  10万ギロン═ 金貨═ 100万円
   100万ギロン═白金貨═  1000万円


 お金に関してはこんな感じか?

 と言う事は所持金は、165350円 って所だな
  多いのか少ないのか良くわからん

 しかし、銀貨と銅貨 でかいな小判サイズたよ、小金貨や小銀貨は500円サイズで小銅貨は10円サイズだな。
 そしたら金貨も小判サイズになるのか?
 まあ白金貨はまず縁がなさそうだな。
 
 
 それにしても、この世界の言葉と常識がある程度わかるのは、ホントたすかるな。
 言葉・常識わからない、知り合い誰も居ない、そんな異世界転生したら、100%野垂れ死ぬわ……

  

  とりあえず、ボロボロの防具を脱ぎ。
小屋を出て町の商店を目指して歩きはじめた

 

 










しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。

夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。 陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。 「お父様!助けてください! 私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません! お父様ッ!!!!!」 ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。 ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。 しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…? 娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)

婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな

カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界 魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた 「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね? それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」 小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く 塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう 一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが…… ◇◇◇ 親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります (『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です) ◇◇◇ ようやく一区切りへの目処がついてきました 拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです

虐げられた令嬢、ペネロペの場合

キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。 幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。 父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。 まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。 可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。 1話完結のショートショートです。 虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい…… という願望から生まれたお話です。 ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。 R15は念のため。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

私を裏切った相手とは関わるつもりはありません

みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。 未来を変えるために行動をする 1度裏切った相手とは関わらないように過ごす

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

処理中です...