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第1章 フォラスの町編
No.07 フォラスの町
しおりを挟むこのフォラスの町は、へリオン王国が 5年前に作った新しい町だ。
場所は王国の西の国境から、さらに西へ馬車で 1ヶ月も走った所だ。
なぜこのような国からは遠く、不便で辺鄙❨へんぴ❩な所に町を作ったかと言うと、素材採取のためである。
この町から西へ徒歩 1時間ほどで、最西の森もしくは魔境と呼ばれる森に到着する。
この森から採取される薬草類は効果が高く、ここの薬草で作られた回服薬は高値で取引される。
この町は魔境の森に近いが、町が有る場所はなぜか魔素が極端に薄いのだ。
魔素の薄い場所には、強い魔獣や魔物は入いって来ないので、この場所の存在が確認されると、へリオン王国は即座に町の建設を決定したのだ。
最西の森は、西へ進めば進むほど魔素は濃くなり、森を抜けると隣の大陸まで続く橋のような大地が有ると言われている。
これは1000年ほど前の大賢者が残した文献に少し出てくるだけで、確認されてはいない。
大賢者の残した文献によると、隣の大陸には
*古代竜が人の形に変化❨へんげ❩した〈竜人〉がいたとか、
*オーガキングが進化した〈鬼神〉の村が有ったとか、
*蜘蛛❨くも❩からどういう進化をしたか不明だが
蜘蛛の体に人間の上半身が乗った〈アラクネ〉がいたとか、
*エルダートレントから進化した〈ドライアド〉に会ったとか、
*リザードンから進化した〈ドラゴニュート〉の村が有ったとか
荒唐無稽で、もう完全に〘おとぎ話〙である
だいたいオーガは Aランクの冒険者が複数で当たる魔物である。
オーガキング?なにそれ? さらにその上?ふざけてんの??
古代竜はおろか、属性竜ですらない、ワイバーンですら群れで出れば、小国なら国の存亡を賭ける事態である。
現在では〘おとぎ話〙として伝わるだけで、誰も信じていない。
この町は出来たばかりで人口も少なく、移住すれば住む土地と農地がもらえる事に加え、農家と商人には税率の優遇があるため、リュウジは移り住んだ。
最初は農家になろうと思って、町役場に申請したが、まだ未成年のため農地申請は通らず、町外れの城壁沿いの、小さな家一軒分の土地がもらえただけだった。
……役人に心ずけ(賄賂)をわたせば また違っただろう
俺は自宅(と言ってもホッタテ小屋だが)の中に入った、中は 8畳くらいの広さで、木のベッドと土と石で作った竃❨かまど❩と薪❨まき❩が少しと、水を入れる樽が有るだけだ。
竃の上には鉄板が置いて有るが……
「料理道具も調味料も無いな、皿は?」
ベッドの上に木の皿が一つ有った
「まったく、リュウジはどんな食生活してたんだ、それに家具も無いな着替えは………有るはず無いよな、ハア~」
俺は木の皿を竃の鉄板の上に置き、ベッドにフォレストウルフの皮を広げた。
「薄い毛布と言うより布?しか無いから敷き布団にちょうどいいな。
売ろと思っていたが自分で使おう」
まだ店やってるよな、とりあえず着替えと生活必需品買わないと…
金あるのか?
とりあえず所持金は~、
道具袋の中に、小金貨1枚に銀貨6枚、小銀貨5枚、銅貨3枚、小銅貨5枚 入っていた。
えーと、お金の単位はギロンで~
黒パン1個、小銅貨8枚═8ギロン
角兎の串焼き1本、銅貨1枚═10ギロン
1ギロン 10円くらいか?
1ギロン═小銅貨═ 10円
10ギロン═ 銅貨═ 100円
100ギロン═ 小銀貨═ 1000円
1000ギロン═ 銀貨═ 1万円
1万ギロン═小金貨═ 10万円
10万ギロン═ 金貨═ 100万円
100万ギロン═白金貨═ 1000万円
お金に関してはこんな感じか?
と言う事は所持金は、165350円 って所だな
多いのか少ないのか良くわからん
しかし、銀貨と銅貨 でかいな小判サイズたよ、小金貨や小銀貨は500円サイズで小銅貨は10円サイズだな。
そしたら金貨も小判サイズになるのか?
まあ白金貨はまず縁がなさそうだな。
それにしても、この世界の言葉と常識がある程度わかるのは、ホントたすかるな。
言葉・常識わからない、知り合い誰も居ない、そんな異世界転生したら、100%野垂れ死ぬわ……
とりあえず、ボロボロの防具を脱ぎ。
小屋を出て町の商店を目指して歩きはじめた
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