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Panic 49. お風呂は大事です
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「どうしよう...」
途方に暮れるマコリン。
(あの子...が来たところで、ゲートは開けないのよね...)
そう思ったマコリンが一旦、小屋に戻ると、ポワンとジュンもついてきた。
「あ~~~~あ!」
ジュンは落胆の声を上げている。それに対し、
「!!」
ポワンは様子がおかしい。
近くに寄ろうとすると距離をとる。
そういえば、さっきから1m以内に近づいてこようとしない。
いつもくっついてくるポワンにしては、珍しい光景だった。
「ポワン、どうしたの?私がそばに来るとイヤ?」
マコリンが悲しそうな顔で聞くと、
「そ、そうじゃないの!...ただ...」
ポワンの頬が赤く染まる。
「なに?なんでも言ってみて!」
マコリンが優しく語りかけると、
「お風呂...」
ポワンはなんとかそれだけを口にした。
「お風呂?ああ、ここにはないわね!でも、温泉が...」
マコリンの言葉に、
「温泉があるのか?!なんで言ってくれなかったんだ?...私たち、もう3日も風呂に入ってないんだ!」
ジュンが責めるような目でポワンを見る。
「3日も?!」
マコリンもポワンの方を向くと、ポワンは顔を真っ赤にして伏せた。
「だ、だって、ジュンがいつも監視してるから...ポワン、マコリン以外には全てを見せたくないの!」
ポワンは理由をそう説明する。
「私は風呂を覗いたりしないぞ!」
ムキになって言い返すジュンだったが、
「でも...」
ポワンはやはり抵抗があるようだ。困った顔をしている。そんなポワンに、
「そう、それで...でも、大丈夫よ!」
にっこり笑いかけると、マコリンはポワンに抱きついた。
「ダ、ダメ!汗のにおいが!!」
ポワンは恥ずかしそうに声を上げるが、
「クンクン...ポワンの汗のにおい...なんでだろう?...ちっともイヤじゃない...」
マコリンはポワンの首元に鼻を当てると、においを嗅いでいる。
「恥ずかしいよ~~~~!!こんなにおい、マコリンに嗅がせるなんて!!」
ポワンは耳まで真っ赤にしているが、
「あら、ポワンだって私のあそこのにおいが大好きじゃない!」
マコリンが言うと、
「だって、とっても素敵なにおいなんだもん!ポワンの汗のにおいとは違うよ~~~!」
ポワンは泣きそうな目で訴えてくる。
「ふふふ!大丈夫よ!ポワンのだと思うと、なぜかとっても興奮するの!...汗のにおいも!あそこのにおいも!」
マコリンが微笑みかけると、
「ホント?こんなポワンでいいの?」
ポワンは心配そうに、マコリンを見つめる。
「ええ!もっと...嗅ぎたいな!」
マコリンが頬を染めると、
「いいよ!ポワンのにおい、もっと嗅いで!」
笑顔で答えたポワンは、メイド服の胸元をはだけだした。すると、
「お、おい!そういうことは私のいないところで!!」
突然、聞こえた声に、二人が振り向くと、ジュンが困ったように目を逸らせていた。
「「キャ~~~~~!!」」
二人の叫び声。
「なんであなたがここにいるのよ!!」
「『覗きはしない』って言ったのに...ウソつき!!」
マコリンとポワンが、ジュンを責める。
「...私が悪いのか?」
ジュンは二人に言い分に、納得がいかなかった。
「と、と、ところで、ジュンのその服、におったりしないのかしら?」
マコリンがごまかすように話題を変えると、
「...とてもにおう...」
ジュンが顔を真っ赤にしながら言った。
「イヤッ!近づかないで!!」
マコリンが心底、イヤそうな顔で、ジュンから離れると、
「...同じ汗のにおいでも、えらい違いだな...」
微妙な顔をするジュン。だが、
「大丈夫だ!一応、外には漏れないようになっている...ただ...脱ぐとすごくにおう!!」
安心させようと口にしたジュンだったが、余計なことまで話してしまい、顔を赤くする。
「そうなの?こ、ここでは脱がないでね!」
それを聞いたマコリンが、慌ててお願いすると、
「脱ぐか!!...この服は衝撃や熱、毒物などには非常に強いのだが、通気性が悪くてな!」
ジュンは怒鳴ると、続けて言い訳をする。
「文明が進んでるんでしょ?なんとかならないの?」
マコリンが尋ねると、
「だからだ!異世界間だけでなく、通常空間でも転移が容易なので、いつでも家に帰ることができる!そのため、そこらへんはあまり考慮されてないんだ!」
ジュンはそう説明した。
「そ、そう...じゃあ、後で温泉に行って、服は『クリーン』しましょ!」
マコリンはひとまず納得したようで、そんなことを提案する。
「えっ?!3人で行くの?!」
ポワンが驚いた顔をしているが、
「そんなわけないじゃない!!...まずは私とポワンで...ジュンはその後よ!」
マコリンはにっこり笑って答えた。
「う、うん...久しぶりに...できるね!」
ポワンが顔を真っ赤にしながら口にすると、マコリンも顔がほころぶ。
「ええ!私もこの3日間、ずっとそのことを考えてて...」
そして、うれしそうに話しだすと、
「ゴ、ゴホン!」
ジュンが咳払いをした。
「ま、また!!」
「盗み聞きなんて犯罪だよ!!」
マコリンとポワンが赤い顔で、ジュンに詰め寄る。
「お前らが勝手に話したんだろ!!」
思わず、声を荒げるジュンだったが、
(こいつらに言ってもムダか...)
そう思い直すと、話を戻す。
「もちろん、それで構わない。ゆっくり入ってくるといい!」
ジュンのセリフを聞いて、
「『ゆっくり』って!!...へ、変なことはしないわよ!」
「えっ?!しないの?!」
ポッと頬を染め、否定するマコリンを見て、ポワンは悲しそうな顔をする。
「も、もちろん、たくさんしてあげる...ただ、ジュンの前では...」
「そ、そっか...」
小声でやり取りしているマコリンとポワン。
「聞こえてるぞ!」
ジュンが呆れて口にした言葉に、
「「!!」」
二人は真っ赤になってしまうのだった。
「と、ところで、私の服の『クリーン』は...」
ジュンは気になっていたのか、口を開いたが、そこまで話すと頬を染めた。
「替えはないの?」
「あいにく...」
マコリンの問いに、面目なさそうなジュン。
「...便利すぎるとこういう時、困るわね!...まあ、いいわ!温泉に入っている間にポワンがしてあげて!」
マコリンが言うと、
「えぇぇ~~~~~!」
心底、イヤそうなポワンの声。
「指先で触れるだけでいいから」
「それでもイヤ!」
「でも、放置しておくと、そのうち、我慢できないほどのにおいに...」
「うう~~~~ん...」
マコリンとポワンの会話を聞きながら、
「そんなにイヤなのか?」
落ち込んでしまうジュンだった。
なんとかポワンを説得した後、
「ま、まあ、風呂の問題は解決したことだし、今後のことを考えようか?」
ジュンが最も大事な問題を提起する。
「そうだね!ポワンはマコリンが来たからこのままでいいよ!でもジュンは出てってね!」
「えっ?!」
思ってもみなかったポワンの言葉に、真っ青になってしまうジュンだった。
途方に暮れるマコリン。
(あの子...が来たところで、ゲートは開けないのよね...)
そう思ったマコリンが一旦、小屋に戻ると、ポワンとジュンもついてきた。
「あ~~~~あ!」
ジュンは落胆の声を上げている。それに対し、
「!!」
ポワンは様子がおかしい。
近くに寄ろうとすると距離をとる。
そういえば、さっきから1m以内に近づいてこようとしない。
いつもくっついてくるポワンにしては、珍しい光景だった。
「ポワン、どうしたの?私がそばに来るとイヤ?」
マコリンが悲しそうな顔で聞くと、
「そ、そうじゃないの!...ただ...」
ポワンの頬が赤く染まる。
「なに?なんでも言ってみて!」
マコリンが優しく語りかけると、
「お風呂...」
ポワンはなんとかそれだけを口にした。
「お風呂?ああ、ここにはないわね!でも、温泉が...」
マコリンの言葉に、
「温泉があるのか?!なんで言ってくれなかったんだ?...私たち、もう3日も風呂に入ってないんだ!」
ジュンが責めるような目でポワンを見る。
「3日も?!」
マコリンもポワンの方を向くと、ポワンは顔を真っ赤にして伏せた。
「だ、だって、ジュンがいつも監視してるから...ポワン、マコリン以外には全てを見せたくないの!」
ポワンは理由をそう説明する。
「私は風呂を覗いたりしないぞ!」
ムキになって言い返すジュンだったが、
「でも...」
ポワンはやはり抵抗があるようだ。困った顔をしている。そんなポワンに、
「そう、それで...でも、大丈夫よ!」
にっこり笑いかけると、マコリンはポワンに抱きついた。
「ダ、ダメ!汗のにおいが!!」
ポワンは恥ずかしそうに声を上げるが、
「クンクン...ポワンの汗のにおい...なんでだろう?...ちっともイヤじゃない...」
マコリンはポワンの首元に鼻を当てると、においを嗅いでいる。
「恥ずかしいよ~~~~!!こんなにおい、マコリンに嗅がせるなんて!!」
ポワンは耳まで真っ赤にしているが、
「あら、ポワンだって私のあそこのにおいが大好きじゃない!」
マコリンが言うと、
「だって、とっても素敵なにおいなんだもん!ポワンの汗のにおいとは違うよ~~~!」
ポワンは泣きそうな目で訴えてくる。
「ふふふ!大丈夫よ!ポワンのだと思うと、なぜかとっても興奮するの!...汗のにおいも!あそこのにおいも!」
マコリンが微笑みかけると、
「ホント?こんなポワンでいいの?」
ポワンは心配そうに、マコリンを見つめる。
「ええ!もっと...嗅ぎたいな!」
マコリンが頬を染めると、
「いいよ!ポワンのにおい、もっと嗅いで!」
笑顔で答えたポワンは、メイド服の胸元をはだけだした。すると、
「お、おい!そういうことは私のいないところで!!」
突然、聞こえた声に、二人が振り向くと、ジュンが困ったように目を逸らせていた。
「「キャ~~~~~!!」」
二人の叫び声。
「なんであなたがここにいるのよ!!」
「『覗きはしない』って言ったのに...ウソつき!!」
マコリンとポワンが、ジュンを責める。
「...私が悪いのか?」
ジュンは二人に言い分に、納得がいかなかった。
「と、と、ところで、ジュンのその服、におったりしないのかしら?」
マコリンがごまかすように話題を変えると、
「...とてもにおう...」
ジュンが顔を真っ赤にしながら言った。
「イヤッ!近づかないで!!」
マコリンが心底、イヤそうな顔で、ジュンから離れると、
「...同じ汗のにおいでも、えらい違いだな...」
微妙な顔をするジュン。だが、
「大丈夫だ!一応、外には漏れないようになっている...ただ...脱ぐとすごくにおう!!」
安心させようと口にしたジュンだったが、余計なことまで話してしまい、顔を赤くする。
「そうなの?こ、ここでは脱がないでね!」
それを聞いたマコリンが、慌ててお願いすると、
「脱ぐか!!...この服は衝撃や熱、毒物などには非常に強いのだが、通気性が悪くてな!」
ジュンは怒鳴ると、続けて言い訳をする。
「文明が進んでるんでしょ?なんとかならないの?」
マコリンが尋ねると、
「だからだ!異世界間だけでなく、通常空間でも転移が容易なので、いつでも家に帰ることができる!そのため、そこらへんはあまり考慮されてないんだ!」
ジュンはそう説明した。
「そ、そう...じゃあ、後で温泉に行って、服は『クリーン』しましょ!」
マコリンはひとまず納得したようで、そんなことを提案する。
「えっ?!3人で行くの?!」
ポワンが驚いた顔をしているが、
「そんなわけないじゃない!!...まずは私とポワンで...ジュンはその後よ!」
マコリンはにっこり笑って答えた。
「う、うん...久しぶりに...できるね!」
ポワンが顔を真っ赤にしながら口にすると、マコリンも顔がほころぶ。
「ええ!私もこの3日間、ずっとそのことを考えてて...」
そして、うれしそうに話しだすと、
「ゴ、ゴホン!」
ジュンが咳払いをした。
「ま、また!!」
「盗み聞きなんて犯罪だよ!!」
マコリンとポワンが赤い顔で、ジュンに詰め寄る。
「お前らが勝手に話したんだろ!!」
思わず、声を荒げるジュンだったが、
(こいつらに言ってもムダか...)
そう思い直すと、話を戻す。
「もちろん、それで構わない。ゆっくり入ってくるといい!」
ジュンのセリフを聞いて、
「『ゆっくり』って!!...へ、変なことはしないわよ!」
「えっ?!しないの?!」
ポッと頬を染め、否定するマコリンを見て、ポワンは悲しそうな顔をする。
「も、もちろん、たくさんしてあげる...ただ、ジュンの前では...」
「そ、そっか...」
小声でやり取りしているマコリンとポワン。
「聞こえてるぞ!」
ジュンが呆れて口にした言葉に、
「「!!」」
二人は真っ赤になってしまうのだった。
「と、ところで、私の服の『クリーン』は...」
ジュンは気になっていたのか、口を開いたが、そこまで話すと頬を染めた。
「替えはないの?」
「あいにく...」
マコリンの問いに、面目なさそうなジュン。
「...便利すぎるとこういう時、困るわね!...まあ、いいわ!温泉に入っている間にポワンがしてあげて!」
マコリンが言うと、
「えぇぇ~~~~~!」
心底、イヤそうなポワンの声。
「指先で触れるだけでいいから」
「それでもイヤ!」
「でも、放置しておくと、そのうち、我慢できないほどのにおいに...」
「うう~~~~ん...」
マコリンとポワンの会話を聞きながら、
「そんなにイヤなのか?」
落ち込んでしまうジュンだった。
なんとかポワンを説得した後、
「ま、まあ、風呂の問題は解決したことだし、今後のことを考えようか?」
ジュンが最も大事な問題を提起する。
「そうだね!ポワンはマコリンが来たからこのままでいいよ!でもジュンは出てってね!」
「えっ?!」
思ってもみなかったポワンの言葉に、真っ青になってしまうジュンだった。
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