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第三部 四季姫革命の巻
第二十二章 封鬼強奪 6
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六
護符に写し出された映像から、四鬼たちが散り散りに飛び去ってしまった事実を確認した翁は、一息吐いて安堵を見せた。
「思った通り、ほとんどの鬼たちは、童の元を離れてしもうた。奴らの力は強大なれど、分散されているならば京を滅ぼすほどの力とはなりませぬ。帝を守るため、京には四神の結界が張ってあるからな」
「ひとまず、時間は稼げそうだな」
夏も安心した様子で、胸をなでおろしていた。
「あの鬼たちは、どこに飛んで行ったんでしょうか?」
榎の不安は、完全には払拭されない。
再び封印されたわけでもない。危険な力を持つ鬼たちが現世を飛び回っているとなれば、危険極まりないのではないだろうか。
「あの鬼どもは、より強きもの、猛き者に引き寄せられる習性をもつ。この世に存在する猛者を探し求めて、各地へ散ったのであろう。なに、理由もなく弱き者たちを襲う真似はせぬよ。そこまで外道な連中ではない」
翁が太鼓判を押しているので、大丈夫なのだろう。
でも、強き者、猛き者とは、どういった人たちなのか。基準がよく分からないが、鬼たちがこの時代の誰かに何らかの影響や被害を与えてしまう可能性は、消えない。
「鬼たちに力を認められるほど強き者ならば、鬼と接触したとて、さほど困りはしないさ」
榎の心配事を感じ取ったのか、夏が軽い口調で不安を払拭してくれた。
「じゃが、鬼どもが、あの童の根底に眠る歪んだ強さに気付けば、再びひとところに集まり、下手をすれば童の手中に収まってしまうやもしれぬ。現に、隠形鬼は既に童に使役されてしもうた」
「その前に、鬼たちを倒すか、紬姫を見つけて保護しなくちゃいけないんだな」
少しだが、時間は稼げた。急いで京に行って、紬姫を探さなくては。
意気込んでいる榎と、その側で頷いている夏の様子を、翁は物珍しい目で交互に見つめていた。
「ところで、夏姫殿。てっきり、遠くにお逃げなさったかと思うておったが、何故、戻ってこられた? 式神まで使役して。――しかしながら、うまく式神を化かされましたな。其方に瓜二つだ」
髭を擦りながら、翁は榎を見て笑う。榎と夏の姿の相似を、見比べて楽しんでいた。
夏は困った表情で、翁に笑いかけた。
「式神では、ございませぬよ。まあ、私の代わりを務める人間としては、最も相応しい者ですな」
特に詳しく語らなくても、翁は榎が生身の人間である事実に気付いたらしい。さらに物珍しそうに、榎を観察していた。
榎は緊張して、立ち尽くした。
「娘さん。其方からは、この世とは違う香りが漂うておる。なのになぜか、夏姫殿と、同じ魂の匂いを嗅ぎ取れる」
不思議そうに、翁は榎に語り掛ける。
そんなに詳しく、榎の魂の情報を、読み取れるものなのだろうか。この時代一の陰陽師の名前は、伊達ではなさそうだ。
この人にも、未来から来たのだと説明して、きちんと理解してもらえるだろうか。
何と言って話せばいいか戸惑っていると、夏が代わって口を開いた。
「私は死ぬと、この娘になるのだそうですよ」
夏の簡潔な説明を、翁はとても興味深そうに聞いていた。
表情に大きな変化は見られなかったが、きっと内心では、とても驚いているのだろう。
「生まれ変わり。つまり、転生したものが、時を渡ってやってきたと。興味深い。しかも随分と、強い力をお持ちらしい」
感心した様子で、また榎の観察を始める。
「だが、どこか未熟な感じがする。きっと、其方の本来の力が、全て出し切れておらぬのだな」
図星を突かれ、榎も驚きつつ、素直に頷いた。
「本当なら、夏姫の力は現在、夏さんが持っているはずだから、あたしが使えるはずがないんです。でもなぜか、急に使えるようになった。お爺さんなら、その理由が分かったりしませんか?」
「なるほど、魂は一つ。同じ時に二つの媒体に力を宿させるなど、確かに無理な話だ」
翁は腕を組み、深々と思考に耽った。
「だが、娘さん。そなたからは、こちらの夏姫殿とは異なる力も感じられる。しかし、夏姫であることには変わりない。不思議で強い力が、内に秘められておる気がする」
翁の言葉は謎かけみたいで、よく理解できなかった。
「ひとつ、試してみようか。剣を抜きなされ」
言われるがままに、榎は剣を鞘から引き抜き、構えた。
翁が剣の腹に手を触れると、刃がぼんやりと緑色の光を放った。
「仮初ではない、真の力を感じる……。間違いなく、夏姫の力じゃ」
翁は再び考え込み、一つの結論に達したらしい。
「可能性の一つでしかないが、夏姫の魂、半分は既に転生しておるのではないかな」
半分とは、どういう意味だろう。
榎にはさっぱりだったが、夏は思い当たる節があるらしく、驚いた声を上げた。
「まさか、橘子(きつこ)の魂か!?」
「橘子って?」
尋ねると、夏の表情が少し陰りを見せた。
「私の、年子の姉だよ。本当なら、橘子が夏姫となり、お勤めを果たすはずだった。だが、夏姫のみが使えるとされるこの宝剣が、なぜか橘子を拒み、私を選んだ。だからやむなく、私が夏姫となったが……」
「では、その橘子さんという人は?」
「私に役を奪われたと勘違いし、憎しみや恨みに取り憑かれ、悪鬼となってしまった。完全に悪鬼に支配される前にと、私は、大切な姉を殺してしまった……。そうすることでしか、救えなかった」
辛い過去だったらしく、語るほどに夏の表情は歪み、声も震えた。
聞いてはいけない話だったのかもしれない。
黙り込む榎を見つめながら、夏の表情は更に苦痛を浮かべ、青褪めていく。
「それでも、橘子が想い焦がれていた、憧れの職だ。代わって全うすることが、姉の弔いにもなると、私は夏姫の任を引き受けた。その結果が、この様だ。こんな下らぬ使命のために、私たちの絆が裂かれてしまうなど、運命を狂わされるなど――。私は伝師などという一族に生まれたことを悔やみ、恥じ続けてきた」
夏が夏姫として戦うことになった経緯には、とても深く、辛い過去が眠っていた。
決して自ら望んで、その使命に誇りをもって、夏姫となったわけではない。榎みたいに、力があるなら世のため人のために戦おう、なんて気持ちは、微塵もなかったのだろう。
それでも戦い続けてきた目的は、たった一人の姉のため。
よっぽど、そのお姉さんを大切にしていたのだなと、夏の想いが伝わってくる。
榎はなぜ、この時代で変身できたか、その理由が分かった気がした。
「じゃあ、夏姫になるはずだった、そのお姉さんの魂だけが転生して、あたしのところに?」
榎の考えは正しいのかもしれない。翁が目尻に皺を寄せ、楽しそうに頷いていた。
「かもしれぬのう。その宝剣は、別に夏姫となる人間を乗り換えたわけではなかったのだろう。その素質を持つものが、何の因果か二人に別れておった。じゃから、より強い者のほうに惹かれてしまった、というだけの話なのだろう。其方の中で、夏姫の分かれた魂は、再び一つになろうとしておるのかもしれぬ」
翁の説に耳を傾けつつ、夏は複雑な表情をしていた。不安そうに、懐をまさぐり始める。
だが、目的のものが見つからなかったのか、慌て始めた。
「ない、橘子の形見の櫛が」
夏の探し物が何か察し、榎も慌てて、袖の中に手を突っ込んだ。
「この櫛ですか? 屋敷の庭で落としましたよね。すみません、返しそびれていて」
「拾ってくれたのか」
安堵した表情で、夏は榎が差し出した櫛を受け取り、大事に掌の中に包み込んだ。
ふと、榎の脳裏に、あの少女の面影が浮かび上がった。夏に初めて助けられた時、落とした櫛を拾ったと時、榎の前に姿を現した、小柄な女の子。
不思議と、その少女を見た時に感じた気配が、榎の周囲に纏わりついている気がする。
あの時の体験を、榎は話して聞かせた。
「この櫛を手にした時、目の前に知らない女の子が現れたんです。幻みたいで、すぐに消えてしまったけれど、『夏を助けて』と、あたしに言ってきました。その後、あたしは夏姫に変身できたんです」
その少女―—橘子が、夏を助けるために、榎に夏姫の力を半分、与えてくれたのだろう。転生して、その魂に宿る力を、榎に託してくれた。
「死してなお、私を守ってくれようとしたのか。私は、何もできなかったのに」
夏の声は、震えていた。顔を見ると、一粒の涙が、頬を伝っていた。
「素質がないわけでは、なかったのだ。私たちは、二人で一人前であった。お前も立派な、夏姫だったのだよ。橘子……」
夏はずっと、姉から夏姫の使命を奪ってしまったのだと、罪悪感を抱いてきたのだろう。その苦しみが、少しでも払拭されたのなら、榎がこの時代に来て、夏と出会った今までの出来事は、決して無駄ではなかった。
そしてこの先も、決して無駄にはさせない。
「この先は、橘子さんに代わって、あたしが夏さんの隣で戦います。共に、夏姫の使命を果たします」
榎は剣を強く握りしめ、固く決意をした。
護符に写し出された映像から、四鬼たちが散り散りに飛び去ってしまった事実を確認した翁は、一息吐いて安堵を見せた。
「思った通り、ほとんどの鬼たちは、童の元を離れてしもうた。奴らの力は強大なれど、分散されているならば京を滅ぼすほどの力とはなりませぬ。帝を守るため、京には四神の結界が張ってあるからな」
「ひとまず、時間は稼げそうだな」
夏も安心した様子で、胸をなでおろしていた。
「あの鬼たちは、どこに飛んで行ったんでしょうか?」
榎の不安は、完全には払拭されない。
再び封印されたわけでもない。危険な力を持つ鬼たちが現世を飛び回っているとなれば、危険極まりないのではないだろうか。
「あの鬼どもは、より強きもの、猛き者に引き寄せられる習性をもつ。この世に存在する猛者を探し求めて、各地へ散ったのであろう。なに、理由もなく弱き者たちを襲う真似はせぬよ。そこまで外道な連中ではない」
翁が太鼓判を押しているので、大丈夫なのだろう。
でも、強き者、猛き者とは、どういった人たちなのか。基準がよく分からないが、鬼たちがこの時代の誰かに何らかの影響や被害を与えてしまう可能性は、消えない。
「鬼たちに力を認められるほど強き者ならば、鬼と接触したとて、さほど困りはしないさ」
榎の心配事を感じ取ったのか、夏が軽い口調で不安を払拭してくれた。
「じゃが、鬼どもが、あの童の根底に眠る歪んだ強さに気付けば、再びひとところに集まり、下手をすれば童の手中に収まってしまうやもしれぬ。現に、隠形鬼は既に童に使役されてしもうた」
「その前に、鬼たちを倒すか、紬姫を見つけて保護しなくちゃいけないんだな」
少しだが、時間は稼げた。急いで京に行って、紬姫を探さなくては。
意気込んでいる榎と、その側で頷いている夏の様子を、翁は物珍しい目で交互に見つめていた。
「ところで、夏姫殿。てっきり、遠くにお逃げなさったかと思うておったが、何故、戻ってこられた? 式神まで使役して。――しかしながら、うまく式神を化かされましたな。其方に瓜二つだ」
髭を擦りながら、翁は榎を見て笑う。榎と夏の姿の相似を、見比べて楽しんでいた。
夏は困った表情で、翁に笑いかけた。
「式神では、ございませぬよ。まあ、私の代わりを務める人間としては、最も相応しい者ですな」
特に詳しく語らなくても、翁は榎が生身の人間である事実に気付いたらしい。さらに物珍しそうに、榎を観察していた。
榎は緊張して、立ち尽くした。
「娘さん。其方からは、この世とは違う香りが漂うておる。なのになぜか、夏姫殿と、同じ魂の匂いを嗅ぎ取れる」
不思議そうに、翁は榎に語り掛ける。
そんなに詳しく、榎の魂の情報を、読み取れるものなのだろうか。この時代一の陰陽師の名前は、伊達ではなさそうだ。
この人にも、未来から来たのだと説明して、きちんと理解してもらえるだろうか。
何と言って話せばいいか戸惑っていると、夏が代わって口を開いた。
「私は死ぬと、この娘になるのだそうですよ」
夏の簡潔な説明を、翁はとても興味深そうに聞いていた。
表情に大きな変化は見られなかったが、きっと内心では、とても驚いているのだろう。
「生まれ変わり。つまり、転生したものが、時を渡ってやってきたと。興味深い。しかも随分と、強い力をお持ちらしい」
感心した様子で、また榎の観察を始める。
「だが、どこか未熟な感じがする。きっと、其方の本来の力が、全て出し切れておらぬのだな」
図星を突かれ、榎も驚きつつ、素直に頷いた。
「本当なら、夏姫の力は現在、夏さんが持っているはずだから、あたしが使えるはずがないんです。でもなぜか、急に使えるようになった。お爺さんなら、その理由が分かったりしませんか?」
「なるほど、魂は一つ。同じ時に二つの媒体に力を宿させるなど、確かに無理な話だ」
翁は腕を組み、深々と思考に耽った。
「だが、娘さん。そなたからは、こちらの夏姫殿とは異なる力も感じられる。しかし、夏姫であることには変わりない。不思議で強い力が、内に秘められておる気がする」
翁の言葉は謎かけみたいで、よく理解できなかった。
「ひとつ、試してみようか。剣を抜きなされ」
言われるがままに、榎は剣を鞘から引き抜き、構えた。
翁が剣の腹に手を触れると、刃がぼんやりと緑色の光を放った。
「仮初ではない、真の力を感じる……。間違いなく、夏姫の力じゃ」
翁は再び考え込み、一つの結論に達したらしい。
「可能性の一つでしかないが、夏姫の魂、半分は既に転生しておるのではないかな」
半分とは、どういう意味だろう。
榎にはさっぱりだったが、夏は思い当たる節があるらしく、驚いた声を上げた。
「まさか、橘子(きつこ)の魂か!?」
「橘子って?」
尋ねると、夏の表情が少し陰りを見せた。
「私の、年子の姉だよ。本当なら、橘子が夏姫となり、お勤めを果たすはずだった。だが、夏姫のみが使えるとされるこの宝剣が、なぜか橘子を拒み、私を選んだ。だからやむなく、私が夏姫となったが……」
「では、その橘子さんという人は?」
「私に役を奪われたと勘違いし、憎しみや恨みに取り憑かれ、悪鬼となってしまった。完全に悪鬼に支配される前にと、私は、大切な姉を殺してしまった……。そうすることでしか、救えなかった」
辛い過去だったらしく、語るほどに夏の表情は歪み、声も震えた。
聞いてはいけない話だったのかもしれない。
黙り込む榎を見つめながら、夏の表情は更に苦痛を浮かべ、青褪めていく。
「それでも、橘子が想い焦がれていた、憧れの職だ。代わって全うすることが、姉の弔いにもなると、私は夏姫の任を引き受けた。その結果が、この様だ。こんな下らぬ使命のために、私たちの絆が裂かれてしまうなど、運命を狂わされるなど――。私は伝師などという一族に生まれたことを悔やみ、恥じ続けてきた」
夏が夏姫として戦うことになった経緯には、とても深く、辛い過去が眠っていた。
決して自ら望んで、その使命に誇りをもって、夏姫となったわけではない。榎みたいに、力があるなら世のため人のために戦おう、なんて気持ちは、微塵もなかったのだろう。
それでも戦い続けてきた目的は、たった一人の姉のため。
よっぽど、そのお姉さんを大切にしていたのだなと、夏の想いが伝わってくる。
榎はなぜ、この時代で変身できたか、その理由が分かった気がした。
「じゃあ、夏姫になるはずだった、そのお姉さんの魂だけが転生して、あたしのところに?」
榎の考えは正しいのかもしれない。翁が目尻に皺を寄せ、楽しそうに頷いていた。
「かもしれぬのう。その宝剣は、別に夏姫となる人間を乗り換えたわけではなかったのだろう。その素質を持つものが、何の因果か二人に別れておった。じゃから、より強い者のほうに惹かれてしまった、というだけの話なのだろう。其方の中で、夏姫の分かれた魂は、再び一つになろうとしておるのかもしれぬ」
翁の説に耳を傾けつつ、夏は複雑な表情をしていた。不安そうに、懐をまさぐり始める。
だが、目的のものが見つからなかったのか、慌て始めた。
「ない、橘子の形見の櫛が」
夏の探し物が何か察し、榎も慌てて、袖の中に手を突っ込んだ。
「この櫛ですか? 屋敷の庭で落としましたよね。すみません、返しそびれていて」
「拾ってくれたのか」
安堵した表情で、夏は榎が差し出した櫛を受け取り、大事に掌の中に包み込んだ。
ふと、榎の脳裏に、あの少女の面影が浮かび上がった。夏に初めて助けられた時、落とした櫛を拾ったと時、榎の前に姿を現した、小柄な女の子。
不思議と、その少女を見た時に感じた気配が、榎の周囲に纏わりついている気がする。
あの時の体験を、榎は話して聞かせた。
「この櫛を手にした時、目の前に知らない女の子が現れたんです。幻みたいで、すぐに消えてしまったけれど、『夏を助けて』と、あたしに言ってきました。その後、あたしは夏姫に変身できたんです」
その少女―—橘子が、夏を助けるために、榎に夏姫の力を半分、与えてくれたのだろう。転生して、その魂に宿る力を、榎に託してくれた。
「死してなお、私を守ってくれようとしたのか。私は、何もできなかったのに」
夏の声は、震えていた。顔を見ると、一粒の涙が、頬を伝っていた。
「素質がないわけでは、なかったのだ。私たちは、二人で一人前であった。お前も立派な、夏姫だったのだよ。橘子……」
夏はずっと、姉から夏姫の使命を奪ってしまったのだと、罪悪感を抱いてきたのだろう。その苦しみが、少しでも払拭されたのなら、榎がこの時代に来て、夏と出会った今までの出来事は、決して無駄ではなかった。
そしてこの先も、決して無駄にはさせない。
「この先は、橘子さんに代わって、あたしが夏さんの隣で戦います。共に、夏姫の使命を果たします」
榎は剣を強く握りしめ、固く決意をした。
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