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告白
しおりを挟む魔物退治の後もしばらく我が家に宿泊されたお二人に私達姉妹は時間の有る限り貼り付いた。
「お姉様、今から私、ジャン様に告白してきますので、二人きりにしてくださいませ。」
なんと。
「相手にされないわよ。」
年が離れ過ぎだし、出会って二回目だし。
「それも、計算のうちよ。子供の私の可愛い告白なら、笑ってくださるでしょう?そこで妹ポジを確保出来たら重畳、ってベアトリス様もおっしゃっていたわ。」
なんと。あざとい。
最近、お茶会で社交界の華、百戦錬磨のベアトリス様にひっついていると思ったら…。
しかし、推しに軽く愛を告げるチャンスなんて子供のうちしかないじゃない?妹ポジ。
何それ美味しいじゃない。
ありがとう、ミランダよ。
姉も推しに愛を告げます!
高い身長を生かして聖誕祭の飾り付けを外すお手伝いをしてくださっているパーシヴァル様の元へいく。
彼の外した飾りをもらって籠に入れていく。推しから飾りを貰っているようで何だか幸せだ。
「パーシヴァル様。私、パーシヴァル様の事をお慕いしていますわ。」
パーシヴァル様の手が止まる。
一瞬、視線が絡んだ。美しいラファエロブルーの瞳が見開かれて、絡め取られるような感覚に胸が締め付けられるようだった。
次の瞬間パーシヴァル様は、目を伏せた。
美しい金色の長いまつげが影を落とした。
「レディ・エスメラルダ、貴女の気持ちは嬉しいよ。ただ貴女の事は妹としか思えない。」
ミランダよ。作戦とはいえ、ほろ苦いな。
ざっくり斬られたが、姉は見事妹ポジを手に入れた。
肉を斬らせて骨を断つ。なかなかにダメージ大な作戦だな。
よし、気を取り直し次の作戦決行!
「パーシヴァル様、今は私の事を妹としか思えないのですね。お手紙も迷惑ですか?」
「いや、嬉しいよ。」
「では、文通していただけますか?」
「もちろん。」
ああ、パーシヴァル様の花がほころぶような笑顔。先程受けた傷がふさがりました。
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「ジャンお兄様。」
あっ、妹がジャンにべったりひっついていた。私が思う妹ポジより我が妹は格段上のやつを手に入れたらしい。勇者め。
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