結婚…してみるかな

魚口ホワホワ

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結婚出きるかな

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 ゆーみさんと別れて、駅に行き電車に乗った。電車の中では、窓の外を眺めて、先ほどの事を思い出していた。そして家に着くとゆーみさんのアドバイス通り、まずは、自分のプロフィール欄をいじった。自撮りし直して写真も入れ替えた。

 そして、最後に新しいニックネームを考えながら、その日は、眠りについた。

 その夜、自分が結婚している夢を見た。あれやこれやと奥さんに指示されて、家事をしたり、買い物に行ったりと常に動いていた。

 洋服も常に良い物を来て常に気を張ってる状態だった。疲れ果てて、何かを言いたく奥さんを呼んだ。こちらを振り向くと奥さんの顔が、のっぺらぼうだった。

「ギャー…」

 叫びながら、目が覚めた。しばらくぼうっとして、少しすると落ち着いてきた。そこにはちょっと冷静な俺がいて、何か無理していることに気がついた。

「何か…違うな…」

 案外、マッチングアプリは楽しかったが、無理して結婚相手を見つけても、俺の性格上この先、付き合いが、しんどくなることを感じた。

 このマッチングアプリを上手く使って、素敵な出逢いをしている人もいるかもしれないが、何か、飾って、素の自分は出せないと思った。

 俺は思いきって、マッチングアプリをアンインストールした。何か、すっきりした感じがあった。

 マッチングアプリ恋愛に一喜一憂したことにより、昔の恋愛に憧れた頃の感情も戻ったようだった。

「よし、頑張ってみるか…」

 俺は、ちょっとだけ身なりを整えて会社に向かった。

 会社に着き、自分のデスクに座り、PCを立ち上げているとニヤニヤした長谷川が寄ってきた。

「山田さん、昨日のデートどうでしたか?」
「えっ、デートなんかしてないよ…」
「ほんとですか…」

 長谷川は疑いの眼差しをむけてきた。

「それより、長谷川、今日、ランチでも行かないか?」
「えっ!」

 長谷川は、ちょっとびっくりしてから、笑顔になった。

「いいですよ…奢ってくれますか…」
「いや、割り勘で…」
「なんだ…でも行きましょう…」

 そこには、ちょっと積極的な俺がいた。この先、結婚が出来るかわからないが、良い方向に進んでる気がした。
                   完
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