微笑みの梨乃亜姫

魚口ホワホワ

文字の大きさ
上 下
7 / 16

茶店にて

しおりを挟む
 山賊達は、みんなのびてしまいました。3人ともこの半年間で、お城の1.2を争う戦いの師匠達に戦闘術を叩き込まれ、1人で100人くらいは、平気で相手に出来るくらいの強さになっていました。

「それじゃあ、関所に報告しておきましょ…美代悪いけど、そこのひげをはやした偉そうなのを連れてって…」
「あい、わかりました。」
「えっなんで連れていくんですか…暴れ出したら怖いじゃないですか…」
「大丈夫だすよ!」

 美代は、ひょいとひげの偉そうなのをお姫様だっこして、関所に向かいました。

 関所に着くと何事かと役人が数人寄ってきたので、ひげの偉そうなのを渡しました。

「山道で通りかかったら、倒れている人を見つけました…」
「他にもたくさん倒れていただす…」
「えっ?自分達がやったのに…怖い…」
「伊吹、黙っときなさい…」
「ありがとうございます…えっこいつは、山賊の頭領ですよ…何があったんだ…」

 関所の役人は、慌てて何人か山道の方へ走っていきました。梨乃亜達は、通行手形を見せて、無事に関所を通過しました。

「梨乃亜様、おら腹へっただ!」
「そうね…ちょっとお腹すいたわね…」

 軽い運動して、小腹が減ったので、食べ物屋を探すことにしました。

「あっ、あそこの茶店があります…茶店に入りましょう」
「おお、茶店でだんご食いたいだす…」
「茶店って、何ですか?」
「伊吹、何にも知らないのね…美味しい物が食べれるところよ…」

 茶店に入るとそれぞれ、おだんごと甘酒を頼み、美代だけおだんごを3人前頼みました。

「美代は食いしん坊ね…」
「このだんごうまいだす…」
「甘酒って、何ですか?」
「伊吹、美味しい飲み物よ…やけどしないようにね…冷ましながらふーふーして…」
「はい…ふーふー、ごく、甘くて美味しい…」

 梨乃亜と美代は、おだんごを食べながら、甘酒を楽しみました。伊吹は甘酒を2.3口飲むと急に立ち上がると美代を押し退けて、梨乃亜の横に座りました。

「梨乃亜…今日も綺麗だ…梨乃亜のようないい女に出逢えて…俺は幸せだぜ…」
「えっ?えっ?伊吹どうしたの…」

 伊吹は、梨乃亜の顔の横の壁に片手をどんつけるとささやきました。梨乃亜は男前の顔が近くにあり、胸がどきどきするのを覚えました。

「俺がお前の事を守ってやるよ!」
「え、え、?」
「梨乃亜…愛して…」
「何してるだすか! この伊吹!」

 伊吹が、梨乃亜のあごにもう一方の手をそえると口を尖らせて、梨乃亜に迫りました。それを見て美代は慌てて、伊吹の頭をぽかりと殴りました。梨乃亜は、男前に迫られてぽーっとしましたが、美代の一撃で我に戻りました。

「伊吹…」
「伊吹、目が真っ赤でヘロヘロしているだす…甘酒で酔っただすか?」
「そうみたいね…甘酒で酔うのか?…」

 伊吹は、甘酒と美代に殴られてもうろうとしているので、美代が伊吹をおぶって、宿場町に向かいました。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

コボンとニャンコ

魔界の風リーテ
児童書・童話
吸血コウモリのコボンは、リンゴの森で暮らしていた。 その日常は、木枯らしの秋に倒壊し、冬が厳粛に咲き誇る。 放浪の最中、箱入りニャンコと出会ったのだ。 「お前は、バン。オレが…気まぐれに決めた」 三日月の霞が晴れるとき、黒き羽衣に火が灯る。 そばにはいつも、夜空と暦十二神。 『コボンの愛称以外のなにかを探して……』 眠りの先には、イルカのエクアルが待っていた。 残酷で美しい自然を描いた、物悲しくも心温まる物語。 ※縦書き推奨  アルファポリス、ノベルデイズにて掲載 【文章が長く、読みにくいので、修正します】(2/23) 【話を分割。文字数、表現などを整えました】(2/24) 【規定数を超えたので、長編に変更。20話前後で完結予定】(2/25) 【描写を追加、変更。整えました】(2/26) 筆者の体調を破壊()3/

【完】ノラ・ジョイ シリーズ

丹斗大巴
児童書・童話
✴* ✴* 母の教えを励みに健気に頑張る女の子の成長と恋の物語 ✴* ✴* ▶【シリーズ1】ノラ・ジョイのむげんのいずみ ~みなしごノラの母の教えと盗賊のおかしらイサイアスの知られざる正体~ 母を亡くしてみなしごになったノラ。職探しの果てに、なんと盗賊団に入ることに! 非道な盗賊のお頭イサイアスの元、母の教えを励みに働くノラ。あるとき、イサイアスの正体が発覚! 「え~っ、イサイアスって、王子だったの!?」いつからか互いに惹かれあっていた二人の運命は……? 母の教えを信じ続けた少女が最後に幸せをつかむシンデレラ&サクセスストーリー ▶【シリーズ2】ノラ・ジョイの白獣の末裔 お互いの正体が明らかになり、再会したノラとイサイアス。ノラは令嬢として相応しい教育を受けるために学校へ通うことに。その道中でトラブルに巻き込まれて失踪してしまう。慌てて後を追うイサイアスの前に現れたのは、なんと、ノラにうりふたつの辺境の民の少女。はてさて、この少女はノラなのかそれとも別人なのか……!? ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴*

忠犬ハジッコ

SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。 「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。 ※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、  今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。  お楽しみいただければうれしいです。

【総集編】アリとキリギリスパロディ集

Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。 1分で読める! 各話読切 アリとキリギリスのパロディ集

たった一度の、キセキ。

雨音
児童書・童話
「幼なじみとか、昔の話だし。親しくもないやつからこんなんもらったって、気持ち悪いだけだろ」 片思いする幼馴染み・蒼にラブレターを渡したところ、教室で彼が友達にそう言っているところを聞いてしまった宮野雛子。 傷心の彼女の前に現れたのは、蒼にそっくりな彼の従兄・茜。ひょんなことから、茜は雛子の家に居候することになる。突然始まった、片思いの人そっくりな年上男子とのひとつ屋根の下生活に、どぎまぎする雛子だが、 どうやら彼には秘密があるようで――。

悪魔さまの言うとおり~わたし、執事になります⁉︎~

橘花やよい
児童書・童話
女子中学生・リリイが、入学することになったのは、お嬢さま学校。でもそこは「悪魔」の学校で、「執事として入学してちょうだい」……って、どういうことなの⁉待ち構えるのは、きれいでいじわるな悪魔たち! 友情と魔法と、胸キュンもありの学園ファンタジー。 第2回きずな児童書大賞参加作です。

見習い錬金術士ミミリの冒険の記録〜討伐も採集もお任せください!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?〜

うさみち
児童書・童話
【見習い錬金術士とうさぎのぬいぐるみたちが描く、スパイス混じりのゆるふわ冒険!情報収集のために、お仕事のご依頼も承ります!】 「……襲われてる! 助けなきゃ!」  錬成アイテムの採集作業中に訪れた、モンスターに襲われている少年との突然の出会い。  人里離れた山陵の中で、慎ましやかに暮らしていた見習い錬金術士ミミリと彼女の家族、機械人形(オートマタ)とうさぎのぬいぐるみ。彼女たちの運命は、少年との出会いで大きく動き出す。 「俺は、ある人たちから頼まれて預かり物を渡すためにここに来たんだ」  少年から渡された物は、いくつかの錬成アイテムと一枚の手紙。 「……この手紙、私宛てなの?」  少年との出会いをキッカケに、ミミリはある人、あるアイテムを探すために冒険を始めることに。  ――冒険の舞台は、まだ見ぬ世界へ。  新たな地で、右も左もわからないミミリたちの人探し。その方法は……。 「討伐、採集何でもします!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?」  見習い錬金術士ミミリの冒険の記録は、今、ここから綴られ始める。 《この小説の見どころ》 ①可愛いらしい登場人物 見習い錬金術士のゆるふわ少女×しっかり者だけど寂しがり屋の凄腕美少女剣士の機械人形(オートマタ)×ツンデレ魔法使いのうさぎのぬいぐるみ×コシヌカシの少年⁉︎ ②ほのぼのほんわか世界観 可愛いらしいに囲まれ、ゆったり流れる物語。読了後、「ほわっとした気持ち」になってもらいたいをコンセプトに。 ③時々スパイスきいてます! ゆるふわの中に時折現れるスパイシーな展開。そして時々ミステリー。 ④魅力ある錬成アイテム 錬金術士の醍醐味!それは錬成アイテムにあり。魅力あるアイテムを活用して冒険していきます。 ◾️第3章完結!現在第4章執筆中です。 ◾️この小説は小説家になろう、カクヨムでも連載しています。 ◾️作者以外による小説の無断転載を禁止しています。 ◾️挿絵はなんでも書いちゃうヨギリ酔客様からご寄贈いただいたものです。

マサオの三輪車

よん
児童書・童話
Angel meets Boy. ゾゾとマサオと……もう一人の物語。

処理中です...