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よんじゅう

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アークの言葉に憤怒したヘレスは、契約違反を承知の上で彼に攻撃魔法を使おうとする。

その前に、より大きな魔力がヘレスの体を拘束した。

「お~勇者久しぶりだね?」

その大きな魔力でねじ伏せた本人は、アークの後ろからひょこりと顔を出してにこやかに笑っていた。

思わず、安堵してしまい結界魔法を解いてしまった。

あっと思った時にはヘレスが拘束を解き、私を抱えて窓から飛び出していた。

ルシファーの顔を見て油断してしまうなんて、なんで愚かな。これでは、エドワード様のそばにはいられないわ。と攫われながらに反省する。

私を抱えて、街中を駆け抜けるヘレス。

私は必死な顔をして走っているヘレスを見つめ、抵抗はやめて大人しく攫われることにした。

もし、ここで殺されたとしても私の落ち度だ。


そう強く自分に言い聞かせながら。





しばらくして、近くの森に入り結界を張り、私をどさっと捨てるようにおろした。

私はようやく呼吸ができると安堵して、深く息を吸って吐いた。

私はこれから、いつ、アークとルシファーが来るのだろうかと考えていた。

体を震わせている私を見て不快に思ったのか、私の顎を掴み自分の方に向くように上に無理やり上げられた。

透明な瞳が私をじっと見据える。
キラキラと綺麗な瞳に恐怖すら忘れ、魅入ってしまっていた。

そんな私を見てフッと笑い、顔をさらに近づけながらヘレスは再び恐怖に陥れた。




「…魔力の使いすぎで、貴様を殺す力もないとはな。どうする?」

ーーー私を殺すか?





ニヤリと悪魔のように笑ったヘレスは、本当にアークの言うように元人間、ましてや勇者なのだろうか。








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