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にじゅうろく
しおりを挟む「ルナ知っているか?!こういうのは、ほら、端に行けば問題ない!!!」
ハハハと笑いながらアークは本当にうつ伏せになりながら壁の隅に。
え?と見返す間も無く、俺は後ろから迫り狂う物体に悲鳴を上げながら、壁の方に身を投げうつ伏せになった。
こ、これで死んだらアークの枕元に三日三晩恨み立ってやる!!!
「おーい、るな?ルナ、もう大丈夫だ!」
「…話しかけるな外道。人が必死にしてる姿を見て笑うなんて外道だ。」
「ハハハ!なんと心狭いやつよ、ルナ!騎士ならばもっと広い心と冒険心を持て!」
そう言って私の肩を思い切り叩くアーク。
とりあえず蹴っ飛ばしたいけど、足手纏いになったり気絶されたら面倒なので、我慢した。
まあ、私は大人だから。そう大人だから。
「それにしても、ルナよ。あれだな?あまり冒険書とか読まないな?」
「…幼少のみぎりは帝王学などのこの国に関することを学んでいた。」
「いやいや、私もだ。騎士になるべくそのようなことも学んださ。しかしながら、ルナはロマンを知らない!!!いいか、グゥッ!」
私は奴が何かいう前に首元の服を掴み捻りあげた。彼は降参だというように首を横に振り、両手を上げた。
私はそんな彼を見てにっこり笑いながら、ゆっくりと手を離す。
「いいか、アーク。お前が調子に乗ったり熱くなったりすると、大体いい事がない。」
「そ、そうか?」
「そうだ!いいか、お前が先に行くのもなしだ!私が先に行く!いいか?」
そう言えば、アークは少し渋る。
「ルナはあまりダンジョンに詳しくないから、私としては不安だな…」
いや、お前に任せても不安だろとは言わなかったけど、少し目で訴えたのが効いたのか口を閉ざした。
だけど、少ししてまた失礼なことを言い出す。
「それに、ルナと死ぬのは嫌だし。」
「私もお前と死ぬのはごめんだし、お前が先に行く方が命がいくつあっても足りないだろうが!!!!!」
「なっ酷いな!私たちは仲間なのにそんなこと言うのか?!」
「先に言ったのはお前だけどな!!」
クワっと目を見開いてそういえば、そうだったか?と首を傾げるアーク。
なんだかアークといると体力も精神力も持ってかれて、ひどく疲れる気がする。
はあとため息を吐けば、「大変ね」と優しげな声が慰めてくれた。
「ほんとに、疲れる」
「あの人根はいいけど少し天然ね。」
「少しどころじゃない、かなりの天然だ!」
「貴方も早くここから出たい?」
「そうだね、とりあえず地上には出たいかな…」
と答えたところで、ふと自分は誰と会話をしているのだろうと思った。
隣にいるアークを見ると全力で首を横に振られ、必死に私の後ろを指差す。
え、なんだ?私の後ろに何かいるのか?
「???女の子?」
「いや、魔物だろ!!!!ルナ、下がれ!!!喰われるぞ!!」
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