トラロープの絆

深川さだお

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用語解説 釣り関連

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用語解説 釣り関連


川割り


渓流釣りにおける「川割り」とは、釣り人同士が釣り場でのトラブルを避け、公平に釣りを楽しむための慣習です。具体的には、釣り場に集まった釣り人が、各自が入る川や沢の区間を事前に話し合いで決めることを指します。これにより、同じ区間での重複を避け、先行者と後続者の間での無用な競合を防ぎます。

例えば、丹沢の世附川水系では、釣り人が朝4時に漁協小屋に集合し、各自が入りたい沢を宣言し合う「4時の沢割り」という慣習があります。この際、ホワイトボードに自分の入る沢を示すマグネットを貼り、他の釣り人に自分の釣り場を知らせます。このようなルールを守ることで、釣り人同士のトラブルを避け、全員が快適に釣りを楽しむことができます。

「川割り」は公式な規則ではなく、釣り人同士のマナーとして受け継がれてきたものです。このような慣習を尊重することで、釣り場での良好な人間関係を築き、自然環境を守ることにも繋がります。

物語の中では、前日に、先着順で行うことになっています。
また、釣り場のトラブル防止のほかに、遭難したときにすぐに救助にいくための側面もあります。



イワナ釣り


イワナはサケ科に属する30センチほどの淡水魚で、冷たく澄んだ渓流や山間部の湖などで見られます。その姿は美しく、背中に白い斑点が散りばめられ、地域や環境によって体色が変わることもあります。イワナは非常に警戒心が強く、釣り人の気配を感じるとすぐに岩陰などに隠れてしまうため、釣りには高い技術と忍耐が求められます。

物語「トラロープの絆」に描かれるイワナ釣りは、釣り人が険しい渓流や岩場を越えて山奥へと足を踏み入れ、自然と一体になって釣りを楽しむ過酷なものです。渓流は天候や増水の影響を受けやすく、滑りやすい岩場もあるため、危険と隣り合わせ。こうした環境の中、静かに泳ぐイワナを狙い、慎重に釣り糸を垂らすのはまるで「修行」のような体験です。

イワナ釣りは、ただの釣りにとどまらず、自然と向き合い、渓流の厳しさとその中に潜む美しさを体感する時間でもあります。釣り人はイワナとの対話を通して、山深い自然の厳しさと尊さを感じるのです。


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