上 下
93 / 113
学校生活〜②〜

92

しおりを挟む

「「サリーナ、運動会来てね!!」」

「はい!!」

帰宅すると、お兄様とお姉様にサンドされました。お二人とも運動会の話が出た時に、一番に思い浮かんだのが私だったらしく、帰宅したら、絶対に誘おうと思ってたみたい。

誘われて私も嬉しい!
お父様とお母様にも、お話ししないと。当日はお弁当も作って、しっかり応援する準備も用意しよう!

「なんだか、はしゃいでるね?」

「あっ!お父様。聞いて、運動会なんだけどね…」

「あぁ。もうそんな時期かぁ。」

「は、はい!お兄様とお姉様が、運動会来てねって!!」

一般クラスの運動会に家族として参加したい事を話すと、笑顔だったお父様の顔が一瞬険しくなった。

「お父様?」

「んー、サリー?俺としては、サリーを参加させたくない。」

申し訳なさそうなお父様の顔よりも、伝えられた言葉がショックで…思考回路が壊れたのかと思った。"参加させたくない"?私は、参加したらいけないの?お父様もお母様も、カインさんも行くんだよね?私は…?私は一緒に行けないの?

「その日は母さん達に来てもらうから、サリーはお留守番して?…ごめんね。」

どうして?私は、私は参加出来ないの…?な、なんで…な…、っ、……い、色のせい?私の色じゃ、の運動会に参加出来ないの?に家族の応援にも行けないの?

「…サリー?」

ぽたっ

ぽたぽたっ

止めどなく溢れる涙。
悲しい。淋しい。哀しい。ツラい。

初めて鏡を見て、両親とも兄姉とも似てない自分の顔を見た時に似てる。大切にされる自覚はあった。それはだから、末っ子だからって思ってた。でも、違った。としてとは違う愛され方。あれはまるで、心酔しているよう。

見た目も色も全く似てない私を大切に扱う。鏡を見た瞬間、言い難い疎外感に苛まれ、大泣きしたのを覚えている。みんなと同じ色が良いと言って、困らせた。あの時は、について知らなかったし、自分の待遇の意味がわからなかった。でも、今は理解してるし、それを利用しようとしている。

それでも、は望めない。

「ヒック、ヒック…な、なんで?どうして?わたし、参加しちゃダメ?」

「サリーナ…」

「「あー!お父様がサリーを泣かせてる!!」」

「あなた?」

「あっ、いや…あのー。」

中々リビングに来ない私とお父様を探しに来たお兄様とお姉様、それにお母様の目に映る、泣きじゃくる私と立ち竦むお父様。どう見ても、お父様が悪者ですが、フォローなんてしません。

「サリー?こんなに泣いて…どうしたの?」

「お、おかぁしゃま…わたし、ヒック…私、うんどう、かい、行っちゃ、ダメ?おにーさまと、おねーさまとやく、そく、したのにぃ。おと、さまだめって。ヒック。」

「あらあら。」

「いろの、せい?わた、し、じゃない、から、駄目なの?」

泣きすぎてしゃっくりは出るし、上手く喋れないし。それを見ている、無言の父。オロオロする兄姉。笑顔の母。ちょっぴりシュール。

「あなた?」

「は、はい!!」

「サリーの事を思うなら、連れて行っても良いじゃないですか。」

「だ、だって!サリーが変なのにちょっかいをかけられたら。」
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

私、この人タイプです!!

key
恋愛
美醜逆転物です。 狼獣人ラナン×自分の容姿に自信のない子キィラ 完結しました。感想やリクエスト、誤字脱字の指摘お待ちしています。 ここのページまでたどり着いてくださりありがとうございます。読んで頂けたら嬉しいです!

悪役令嬢がでれでれに溺愛されるまでの話

ててて
恋愛
悪役令嬢に転生して、その世界でフラグを折っていたら、ヒロインよりも世界に愛されてしまった感じの話。

モブはモブらしく生きたいのですっ!

このの
恋愛
公爵令嬢のローゼリアはある日前世の記憶を思い出す そして自分は友人が好きだった乙女ゲームのたった一文しか出てこないモブだと知る! 「私は死にたくない!そして、ヒロインちゃんの恋愛を影から見ていたい!」 死亡フラグを無事折って、身分、容姿を隠し、学園に行こう! そんなモブライフをするはずが…? 「あれ?攻略対象者の皆様、ナゼ私の所に?」 ご都合主義です。初めての投稿なので、修正バンバンします! 感想めっちゃ募集中です! 他の作品も是非見てね!

イッシンジョウノツゴウニヨリ ~逆ハーレムを築いていますが身を守るためであって本意ではありません!~

やなぎ怜
恋愛
さる名家の美少女編入生を前にしてレンは気づいた。突然異世界からやってきてイケメン逆ハーレム(ふたりしかいないが)を築いている平凡な自分ってざまぁされる人間の特徴に当てはまっているのでは――と。 なんらかの因果によって突如異世界へ迷い込んでしまったオタク大学生のレン。三時間でクビになったバイトくらいしか社会経験もスキルもないレンは、心優しい保護者の経営するハイスクールでこの世界について学べばいいという勧めに異論はなかった。 しかしこの世界では男女比のバランスが崩壊して久しく、女性は複数の男性を侍らせるのが当たり前。数少ない女子生徒たちももれなく逆ハーレムを築いている。当初は逆ハーレムなんて自分とは関係ないと思っていたレンだが、貴重な女というだけで男に迫られる迫られる! 貞操の危機に晒されたレンは、気心知れた男友達の提案で彼を逆ハーレムの成員ということにして、なりゆきで助けた先輩も表向きはレンの恋人のひとりというフリをしてもらうことに……。これで万事解決! と思いきや、なぜか男友達や先輩が本気になってしまって――?! ※舞台設定と展開の都合上、同性愛の話題がほんの少しだけ登場します。ざまぁの予兆までが遠い上、ざまぁ(というか成敗)されるのは編入生の親です。

天使は女神を恋願う

紅子
恋愛
美醜が逆転した世界に召喚された私は、この不憫な傾国級の美青年を幸せにしてみせる!この世界でどれだけ醜いと言われていても、私にとっては麗しき天使様。手放してなるものか! 女神様の導きにより、心に深い傷を持つ男女が出会い、イチャイチャしながらお互いに心を暖めていく、という、どう頑張っても砂糖が量産されるお話し。 R15は、念のため。設定ゆるゆる、ご都合主義の自己満足な世界のため、合わない方は、読むのをお止めくださいm(__)m 20話完結済み 毎日00:00に更新予定

乙女ゲームのモブに転生していると断罪イベント当日に自覚した者ですが、ようやく再会できた初恋の男の子が悪役令嬢に攻略され済みなんてあんまりだ

弥生 真由
恋愛
『貴女との婚約は、たった今をもって解消させてもらう!!』  国のこれからを背負う若者たちが学院を卒業することを祝って開かれた舞踏会の日、めでたい筈のその席に響いた第一皇子の声を聞いた瞬間、私の頭にこの場面と全く同じ“ゲーム”の場面が再生された。 これ、もしかしなくても前世でやり込んでた乙女ゲームの終盤最大の山場、“断罪イベント”って奴じゃないですか!?やり方間違ったら大惨事のやつ!!  しかし、私セレスティア・スチュアートは貧乏領地の伯爵令嬢。容姿も社交も慎ましく、趣味は手芸のみでゲームにも名前すら出てこないザ・モブ of the モブ!!  何でよりによってこのタイミングで記憶が戻ったのか謎だけど、とにかく主要キャラじゃなくてよかったぁ。……なんて安心して傍観者気取ってたら、ヒロインとメインヒーローからいきなり悪役令嬢がヒロインをいじめているのを知る目撃者としていきなり巻き込まれちゃった!? 更には、何でかメインヒーロー以外のイケメン達は悪役令嬢にぞっこんで私が彼等に睨まれる始末! しかも前世を思い出した反動で肝心の私の過去の記憶まで曖昧になっちゃって、どっちの言い分が正しいのか証言したくても出来なくなっちゃった! そんなわけで、私の記憶が戻り、ヒロイン達と悪役令嬢達とどちらが正しいのかハッキリするまで、私には逃げられないよう監視がつくことになったのですが……それでやって来たのが既に悪役令嬢に攻略され済みのイケメン騎士様でしかも私の初恋の相手って、神様……これモブに与える人生のキャパオーバーしてませんか?

美醜逆転異世界で、黒豚令嬢は月の王子を溺愛する。

猫野 肉球
恋愛
息ができない苦しさで目を覚ました私は、何故か赤ん坊になっていたことに気がつく。 ツェツィーリエ、と名付けられた私は美男美女の両親の元、愛情を一杯に受けてすくすくと育つが、三歳になってしばらくしたある日、でっぷりと太った公爵様の養子になることに。 『美しすぎるツェリを危険から守りきることが出来ないから』 両親にそう涙ながらに説得され、でっぷりと太った公爵様、フィリップス様のお屋敷に行き、そこで自分の姿を鏡で初めて見て、崩れ落ちた。 鏡の中には、前世で『白豚』と呼ばれ続けた懐かしい姿があったからだ。 え?この姿が美少女?豚は最上級の褒め言葉? 美醜が逆転した世界で、前世の価値観を持ったまま産まれた私。 そんな中、月の王子と呼ばれる、この国の第一王子、レオナード殿下の話し相手になることに。 だがしかし、初めて会う王子は、何故か衝立の向こうに隠れたままで…? これは、黒豚と呼ばれるほどに美しい令嬢が、月の王子と呼ばれる不憫な王子を甘やかして幸せにするお話。 ※『小説家になろう』様『カクヨム』様に先行投稿しております。

婚約者は醜女だと噂で聞いたことのある令嬢でしたが、俺にとっては絶世の美女でした

朝比奈
恋愛
美醜逆転ものの短編です。 男主人公にチャレンジしてみたくで以前書いたものですが、楽しんでいただければ幸いです。

処理中です...