5 / 113
転生したようです?
4
しおりを挟む
「あー、そうだなぁ。このまま隠しておく事は出来ないだろうし、稀な色の子が産まれた時は報告義務があるから。報告したくないって言ったらダメだよね?リリーナ?」
「えぇ。流石にそれは…。お気持ちはわかりますが、ダメでしょうね。」
この世界は見た目の色によっては、国へ報告をしなければならない義務がある。
まず、基本色と言われるのは、赤・青・黄・緑・橙・紫である。
そこに色の濃淡、混合具合で細かく分けられている。
そして、稀色と言われるのは、茶・灰・金・銀
さらに稀、と言うより有り得ない色なのが、白と黒である。
この世界では濃く、黒に近い色ほど尊く美しい色とされている。
逆に淡い、薄い色。白に近い色は未熟な色とし、美しくない=醜いとされている。
なので稀色はもちろん、普通色でも濃い色合いや黒っぽい、または薄くて淡い色を持つ者が産まれた場合は、国へ報告し、国民全てに差別化される。
美しい色の者は持て囃され、醜い色の者は酷い扱いを受けても仕方がないとされるのだ。
貴族や奴隷という制度はないが、一人一人の色がヒエラルキーとなり、産まれた瞬間にその者の運命が決まる。
だから、美しい者は絶対で、大抵の美しいと言われる者達は傲慢で偉そうだったりする。
また逆も、しかり。醜いと言われる者達はなるべく容姿がわからないように隠して、静かに暮らしている。
「しかしなぁー。サリーの存在を報告すると、その時点でこの世の頂点がサリーとなるのだろうなぁ。」
「もちろんよ!お父様!だって誰がどう見てもサリーが一番だもの!!」
「だがなぁー。まだ、サリーは産まれたばかりだし…。」
渋るライアン。皆、気持ちはわかるとばかりに頷く。何せ、前代未聞の黒眼黒髪なのだ。大事にしたくないが、ならざる終えない。
例え報告したとしても、サリーナは産まれたばかりの赤ん坊。何が出来る訳ではない。もしも、サリーナの存在を知った自分達よりも美しい者に理不尽な干渉をされる恐れもある。それだけは避けたい。
「とりあえず、出生届のみ提出とする。色の記入欄は白紙。…いいな。サリーには不便をかけるだろうが、ある程度自我が目覚めるまでは屋敷内から出さずに育てよう。
そして、サリーが自分の意思というものが伝えられるようになったら、改めて報告する事にする。」
「えぇ。流石にそれは…。お気持ちはわかりますが、ダメでしょうね。」
この世界は見た目の色によっては、国へ報告をしなければならない義務がある。
まず、基本色と言われるのは、赤・青・黄・緑・橙・紫である。
そこに色の濃淡、混合具合で細かく分けられている。
そして、稀色と言われるのは、茶・灰・金・銀
さらに稀、と言うより有り得ない色なのが、白と黒である。
この世界では濃く、黒に近い色ほど尊く美しい色とされている。
逆に淡い、薄い色。白に近い色は未熟な色とし、美しくない=醜いとされている。
なので稀色はもちろん、普通色でも濃い色合いや黒っぽい、または薄くて淡い色を持つ者が産まれた場合は、国へ報告し、国民全てに差別化される。
美しい色の者は持て囃され、醜い色の者は酷い扱いを受けても仕方がないとされるのだ。
貴族や奴隷という制度はないが、一人一人の色がヒエラルキーとなり、産まれた瞬間にその者の運命が決まる。
だから、美しい者は絶対で、大抵の美しいと言われる者達は傲慢で偉そうだったりする。
また逆も、しかり。醜いと言われる者達はなるべく容姿がわからないように隠して、静かに暮らしている。
「しかしなぁー。サリーの存在を報告すると、その時点でこの世の頂点がサリーとなるのだろうなぁ。」
「もちろんよ!お父様!だって誰がどう見てもサリーが一番だもの!!」
「だがなぁー。まだ、サリーは産まれたばかりだし…。」
渋るライアン。皆、気持ちはわかるとばかりに頷く。何せ、前代未聞の黒眼黒髪なのだ。大事にしたくないが、ならざる終えない。
例え報告したとしても、サリーナは産まれたばかりの赤ん坊。何が出来る訳ではない。もしも、サリーナの存在を知った自分達よりも美しい者に理不尽な干渉をされる恐れもある。それだけは避けたい。
「とりあえず、出生届のみ提出とする。色の記入欄は白紙。…いいな。サリーには不便をかけるだろうが、ある程度自我が目覚めるまでは屋敷内から出さずに育てよう。
そして、サリーが自分の意思というものが伝えられるようになったら、改めて報告する事にする。」
11
お気に入りに追加
1,049
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
悪役令嬢ですが、ヒロインが大好きなので助けてあげてたら、その兄に溺愛されてます!?
柊 来飛
恋愛
ある日現実世界で車に撥ねられ死んでしまった主人公。
しかし、目が覚めるとそこは好きなゲームの世界で!?
しかもその悪役令嬢になっちゃった!?
困惑する主人公だが、大好きなヒロインのために頑張っていたら、なぜかヒロインの兄に溺愛されちゃって!?
不定期です。趣味で描いてます。
あくまでも創作として、なんでも許せる方のみ、ご覧ください。
虐待されていた私ですが、夫たちと幸せに暮らすために頑張ります
赤羽夕夜
恋愛
サルドア王国では珍しい黒髪を持つ転生者、ヴァシリッサ・ビーンルサノはその黒髪を理由に家族から迫害され、使用人からも虐待を受けていた。
心も身体も死んでいくと恐怖したヴァシリッサは、この生活を抜け出す為、妹のアニスの社交界デビューについていくために訪れた王都のパーティーについていくことに。
サルドア王国は現代より生活や文明レベルが低いことを知っているヴァシリッサは手っ取り早くビーンルサノ家から出ていくための賭けとして、現代の知識を駆使して王都でも長年問題視されていた水害の解決策を手土産に、大川を管理している宰相、ベルンドル・オーツに保護してもらえるように交渉を持ちかけた。
それから数年後、水害対策や画期的な経済政策の立案者として功績を讃えられ、女性の身でありながら16歳で伯爵の位を賜り、領地を与えられる。養父であるベルンドルは聡明で女性というディスアドバンテージを持つことを不憫に思い、伯爵としてしっかりと生きていくために夫を複数持つように提案してそれを受け入れた。
二人の夫、ベルナルドとアリスタウを引きつれて恩人である養父の期待に答えるため、次は北方の不毛の土地であり、国境戦争地でもあるアレーナ北方領地を発展させることを決意する――。
※直接的ではありませんが、事後、性交渉を思わせるような表現があります。ご注意ください。R15指定にさせていただきます。
【本編完結】副団長様に愛されすぎてヤンデレられるモブは私です。
白霧雪。
恋愛
王国騎士団副団長直属秘書官――それが、サーシャの肩書きだった。上官で、幼馴染のラインハルトに淡い恋をするサーシャ。だが、ラインハルトに聖女からの釣書が届き、恋を諦めるために辞表を提出する。――が、辞表は目の前で破かれ、ラインハルトの凶悪なまでの愛を知る。
美醜逆転異世界で、黒豚令嬢は月の王子を溺愛する。
猫野 肉球
恋愛
息ができない苦しさで目を覚ました私は、何故か赤ん坊になっていたことに気がつく。
ツェツィーリエ、と名付けられた私は美男美女の両親の元、愛情を一杯に受けてすくすくと育つが、三歳になってしばらくしたある日、でっぷりと太った公爵様の養子になることに。
『美しすぎるツェリを危険から守りきることが出来ないから』
両親にそう涙ながらに説得され、でっぷりと太った公爵様、フィリップス様のお屋敷に行き、そこで自分の姿を鏡で初めて見て、崩れ落ちた。
鏡の中には、前世で『白豚』と呼ばれ続けた懐かしい姿があったからだ。
え?この姿が美少女?豚は最上級の褒め言葉?
美醜が逆転した世界で、前世の価値観を持ったまま産まれた私。
そんな中、月の王子と呼ばれる、この国の第一王子、レオナード殿下の話し相手になることに。
だがしかし、初めて会う王子は、何故か衝立の向こうに隠れたままで…?
これは、黒豚と呼ばれるほどに美しい令嬢が、月の王子と呼ばれる不憫な王子を甘やかして幸せにするお話。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様に先行投稿しております。
美醜逆転異世界で、非モテなのに前向きな騎士様が素敵です
花野はる
恋愛
先祖返りで醜い容貌に生まれてしまったセドリック・ローランド、18歳は非モテの騎士副団長。
けれども曽祖父が同じ醜さでありながら、愛する人と幸せな一生を送ったと祖父から聞いて育ったセドリックは、顔を隠すことなく前向きに希望を持って生きている。けれどやはりこの世界の女性からは忌み嫌われ、中身を見ようとしてくれる人はいない。
そんな中、セドリックの元に異世界の稀人がやって来た!外見はこんなでも、中身で勝負し、専属護衛になりたいと頑張るセドリックだが……。
醜いイケメン騎士とぽっちゃり喪女のラブストーリーです。
多分短い話になると思われます。
サクサク読めるように、一話ずつを短めにしてみました。
異世界転生先で溺愛されてます!
目玉焼きはソース
恋愛
異世界転生した18歳のエマが転生先で色々なタイプのイケメンたちから溺愛される話。
・男性のみ美醜逆転した世界
・一妻多夫制
・一応R指定にしてます
⚠️一部、差別的表現・暴力的表現が入るかもしれません
タグは追加していきます。
夫に離婚を切り出したら、物語の主人公の継母になりました
魚谷
恋愛
「ギュスターブ様、離婚しましょう!」
8歳の頃に、15歳の夫、伯爵のギュスターブの元に嫁いだ、侯爵家出身のフリーデ。
その結婚生活は悲惨なもの。一度も寝室を同じくしたことがなく、戦争狂と言われる夫は夫婦生活を持とうとせず、戦場を渡り歩いてばかり。
堪忍袋の緒が切れたフリーデはついに離婚を切り出すも、夫は金髪碧眼の美しい少年、ユーリを紹介する。
理解が追いつかず、卒倒するフリーデ。
その瞬間、自分が生きるこの世界が、前世大好きだった『凍月の刃』という物語の世界だということを思い出す。
紹介された少年は隠し子ではなく、物語の主人公。
夫のことはどうでもいいが、ユーリが歩むことになる茨の道を考えれば、見捨てることなんてできない。
フリーデはユーリが成人するまでは彼を育てるために婚姻を継続するが、成人したあかつきには離婚を認めるよう迫り、認めさせることに成功する。
ユーリの悲劇的な未来を、原作知識回避しつつ、離婚後の明るい未来のため、フリーデは邁進する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる