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転生したようです?

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「あー、そうだなぁ。このまま隠しておく事は出来ないだろうし、稀な色の子が産まれた時は報告義務があるから。報告したくないって言ったらダメだよね?リリーナ?」

「えぇ。流石にそれは…。お気持ちはわかりますが、ダメでしょうね。」


この世界は見た目の色によっては、国へ報告をしなければならない義務がある。

まず、基本色と言われるのは、赤・青・黄・緑・橙・紫である。
そこに色の濃淡、混合具合で細かく分けられている。

そして、稀色と言われるのは、茶・灰・金・銀
さらに稀、と言うより有り得ない色なのが、白と黒である。


この世界では濃く、黒に近い色ほど尊く美しい色とされている。
逆に淡い、薄い色。白に近い色は未熟な色とし、美しくない=醜いとされている。

なので稀色はもちろん、普通色でも濃い色合いや黒っぽい、または薄くて淡い色を持つ者が産まれた場合は、国へ報告し、国民全てにされる。
美しい色の者は持て囃され、醜い色の者は酷い扱いを受けても仕方がないとされるのだ。

貴族や奴隷という制度はないが、一人一人の色がヒエラルキーとなり、産まれた瞬間にその者の運命が決まる。
だから、美しい者は絶対で、大抵の美しいと言われる者達は傲慢で偉そうだったりする。
また逆も、しかり。醜いと言われる者達はなるべく容姿がわからないように隠して、静かに暮らしている。


「しかしなぁー。サリーの存在を報告すると、その時点でこの世の頂点がサリーとなるのだろうなぁ。」

「もちろんよ!お父様!だって誰がどう見てもサリーが一番だもの!!」

「だがなぁー。まだ、サリーは産まれたばかりだし…。」

渋るライアン。皆、気持ちはわかるとばかりに頷く。何せ、前代未聞の黒眼黒髪なのだ。大事にしたくないが、ならざる終えない。
例え報告したとしても、サリーナは産まれたばかりの赤ん坊。何が出来る訳ではない。もしも、サリーナの存在を知った自分達よりも美しい者に理不尽な干渉をされる恐れもある。それだけは避けたい。

「とりあえず、出生届のみ提出とする。色の記入欄は白紙。…いいな。サリーには不便をかけるだろうが、ある程度自我が目覚めるまでは屋敷内から出さずに育てよう。
そして、サリーが自分の意思というものが伝えられるようになったら、改めて報告する事にする。」
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