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調査
調査④
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「ねぇ、マルゴット。前にバザルの近くにある村に変な事件が続いていると言っていたけれど、あれってまだ解決していないのかしら?」
マルゴットが以前マリク領内での事件を口にしていた事を思い出し、話題に出す。当のマルゴットは口にスプーンを含んだまま、「う~ん」と唸る。
「六月下旬から八月上旬位までは週一くらいでポツポツと事件が発生していたみたいなんですけど、先々週くらいからは何も起きてないみたいです」
「そうなのね。でも、一か月前までは旅人が消えていたわけだから、あまり気を抜けないわよね」
「はい。ジル様、外を歩く時は私に声をかけてください。付いて行きますので」
口からスプーンを抜いたマルゴットは真面目腐った顔をするので、ジルも神妙な顔で彼女に頷いてみせる。彼女の優しさにはいつでも感謝してしまう。
ビールで柔らかく煮込んだ牛肉にナイフとフォークを入れていたゲントナーは、ジル達の話題に興味を示したようで、顔を上げた。
「旅人が消えちまう話か。帝都で微妙に話題になってたね」
「ゲントナーさんもご存知でしたのね」
「ちょろっとね。私が聞いた話だと、旅人だけじゃなく、商人も何人か殺されてしまってるんだって」
「まぁ、商人も……」
旅人と商人、両者は別々の目的を持って都市を行き来するからそう呼び分けられている。観光に来たのか、商売をしに来たのかのどっちかだ。そして両者に共通するのは、外部から町という閉鎖空間に侵入した事だ。
(町の中の排他的な人間が外部から入って来た方々を殺しちゃったという事なのかしら? それとも、外に持ち出されては困る物があるとか?)
考え事をしているうちに、自分の皿だけ他の人達の物に比べて料理が残ってしまっていた。
(私だけ食べるのが遅かったら置いて行かれてしまうかもしれないわ。早く食べないと……)
初めて来る場所で取り残されるのは嫌なので、ジルは焦る。
それまで黙って食事をしていたアヒレスが、カラトリーをテーブルの上に置き、ゲントナーの方に体ごと向く。
「立て続けに事件が起きてた町って何て名前だっけ?」
「ライハナという名前だね」
彼女が言った『ライハナ』という都市名をジルは何となく記憶しておこうと、口に出さずに頭の中で復唱する。
「ここからはかなり遠い都市だな。心配いらないだろう。それよりも兵士達がもう来ているいるから早く食べた方がいい」
アヒレスがフォークでドアの方を指し示すので、見てみると、既にガタイの良い兵士達が三人立っていた。
「急ぎますわ!」
ジルは折角の美味しい料理をゆっくり味わえない事をコッソリ嘆きながら残りを必死に平らげた。
◇
あくる日の朝、薄曇りの空の下をジル達は歩く。田舎道は昨夜降った雨のせいでぬかるみ、歩き難い。
調査地は馬車で三時間ほどの村である。一行は村長に導かれて畑に向かっているところだ。
この村の村長は、バザルの村長とは一味違うめんどくさそうな雰囲気を醸し出しおり、必要最低限の事以外喋ろうとしない。
しかし、今回の調査には協力的な姿勢を示しており、研究所から話が来た時に、彼のジャガイモ畑を見せる事にしてくれたらしい。
帝都の市場で価格が高騰していたのは小麦・ジャガイモ・大豆の三品目だったが、時期的に小麦と大豆が作物として畑に植わっている状態を見る事が出来ず、ジャガイモだけ調査する事になった。そのため、八月に種芋を植えた畑があるこの村に調査しに来る事になったのだった。
少し寝不足のジルはボンヤリとし、道に落ちている馬のフンを踏みそうになる。
(うぅ……。自分が飼ってる生き物の世話くらいちゃんとやってほしいわね! そのうち土に帰るからどうとでもいいと思ってそう!)
生家であるシュタウフェンベルク公爵家の領地の田舎道の事を思い出し、ジルは少し懐かしい気持ちになる。
「ジル様、眠いなら馬車に戻って眠っても大丈夫です。記録係は私がやりますから」
マルゴットはそう言うと、彼女が着ている濃紺のドレスをゴソゴソと探り始める。すると、バラバラと干からびたイモリや六芒星が書かれたカード等が落ち、後ろを歩いていたアヒレスが「ヒッ……」と短く悲鳴を上げる。
「マルゴット、私は大丈夫よ! ちゃんと役割を果たさせてちょうだい!」
「そうですか?」
マルゴットの疑わしそうな視線に「うぅ……」とたじろぐ。
「ここがウチのジャガイモ畑だ」
村長の声に、前を向くと大きめの畑が広がっていた。整然と芽が並ぶ光景に目を奪われる。
しかし、畝に近付いてみて、ジルは首を傾げた。青々とした葉は健康そのものに見える。
種芋を植えてから天候が悪い日があまりなく、まだ健康な状態なのかと思うが、ここに来るまでに村長から聞いた話だと、ずっと雨が続いていたらしい。
一人で考えていても答えが出なそうなので、ジャガイモの葉を裏返しているゲントナーに近付き、疑問を口にしてみる。
「事前に想定していた病気の症状は、葉の表に独特の病斑が現れたり、裏に白いカビがついたりするはずでしたわよね?」
この国では過去何度も飢饉がおこっており、そのうちジャガイモの不作が原因だった時に蔓延した植物の病気が、今回も起こっているのではないかと帝都を出発前から想定していた。過去にその病気が広がったのが、雨が多い事で湿度が高まったからだったため、今回も同様だろうと考えたのだ。
「そうだね。もしかしたら来るのが早すぎたのかもしれない」
「うーん……」
来るのが早すぎたとすると、この村までわざわざ来た意味が無くなってしまう。
幼い芽の状態で症状が現れないなら、以前この村に植わっていたジャガイモの状況を聞いてみたいところだ。
目の前をウロウロと歩き回る村長は、六月収穫分のジャガイモの栽培時の状況を覚えていたりするだろうか?
「村長さん! 今年早くに植えたジャガイモの葉に変な班は付いておりました?」
「班? 俺は良く畑を見回っとるが、そんな風にはなってなかった」
「では、葉の裏に白カビが付いてたとか、葉や茎の色が黄色になったり、萎縮したりしました?」
「しとらんな……」
(あら?)
「今年の六月のジャガイモは本当に不作でしたのよね?」
「むむ……。不作であったとも!!」
村長はジルを怒鳴りつけ、プイッと明後日の方向を向いてしまった。
疑う様な事を言い、気分を悪くさせてしまったのだろう。ジルは内心申し訳なくなる。
それにしても、想定していた病気以外の理由で六月のジャガイモは駄目になったのだろうか?
肩透かしを食らった様な気分だ。
ゲントナーは村長に聞きたい事があるのか、ジルの言葉に憤慨して離れてしまった村長に近付いて行く。
「村長さん。植えるジャガイモの種類はずっと同じなんだよね?」
「ずっと同じだな!」
「症状はもっと後から出るのかもしれないね。帝都に戻る組とここに残る組の交代制にして観察を続けようか」
当初三日の日程だったのだが、ゲントナーの一存で、調査期間が延びる事になった。
(でもこれで、天候も含めて継続して調査出来るわね)
ジルは俄然やる気になり、ゲントナーに大きく頷いて見せた。
マルゴットが以前マリク領内での事件を口にしていた事を思い出し、話題に出す。当のマルゴットは口にスプーンを含んだまま、「う~ん」と唸る。
「六月下旬から八月上旬位までは週一くらいでポツポツと事件が発生していたみたいなんですけど、先々週くらいからは何も起きてないみたいです」
「そうなのね。でも、一か月前までは旅人が消えていたわけだから、あまり気を抜けないわよね」
「はい。ジル様、外を歩く時は私に声をかけてください。付いて行きますので」
口からスプーンを抜いたマルゴットは真面目腐った顔をするので、ジルも神妙な顔で彼女に頷いてみせる。彼女の優しさにはいつでも感謝してしまう。
ビールで柔らかく煮込んだ牛肉にナイフとフォークを入れていたゲントナーは、ジル達の話題に興味を示したようで、顔を上げた。
「旅人が消えちまう話か。帝都で微妙に話題になってたね」
「ゲントナーさんもご存知でしたのね」
「ちょろっとね。私が聞いた話だと、旅人だけじゃなく、商人も何人か殺されてしまってるんだって」
「まぁ、商人も……」
旅人と商人、両者は別々の目的を持って都市を行き来するからそう呼び分けられている。観光に来たのか、商売をしに来たのかのどっちかだ。そして両者に共通するのは、外部から町という閉鎖空間に侵入した事だ。
(町の中の排他的な人間が外部から入って来た方々を殺しちゃったという事なのかしら? それとも、外に持ち出されては困る物があるとか?)
考え事をしているうちに、自分の皿だけ他の人達の物に比べて料理が残ってしまっていた。
(私だけ食べるのが遅かったら置いて行かれてしまうかもしれないわ。早く食べないと……)
初めて来る場所で取り残されるのは嫌なので、ジルは焦る。
それまで黙って食事をしていたアヒレスが、カラトリーをテーブルの上に置き、ゲントナーの方に体ごと向く。
「立て続けに事件が起きてた町って何て名前だっけ?」
「ライハナという名前だね」
彼女が言った『ライハナ』という都市名をジルは何となく記憶しておこうと、口に出さずに頭の中で復唱する。
「ここからはかなり遠い都市だな。心配いらないだろう。それよりも兵士達がもう来ているいるから早く食べた方がいい」
アヒレスがフォークでドアの方を指し示すので、見てみると、既にガタイの良い兵士達が三人立っていた。
「急ぎますわ!」
ジルは折角の美味しい料理をゆっくり味わえない事をコッソリ嘆きながら残りを必死に平らげた。
◇
あくる日の朝、薄曇りの空の下をジル達は歩く。田舎道は昨夜降った雨のせいでぬかるみ、歩き難い。
調査地は馬車で三時間ほどの村である。一行は村長に導かれて畑に向かっているところだ。
この村の村長は、バザルの村長とは一味違うめんどくさそうな雰囲気を醸し出しおり、必要最低限の事以外喋ろうとしない。
しかし、今回の調査には協力的な姿勢を示しており、研究所から話が来た時に、彼のジャガイモ畑を見せる事にしてくれたらしい。
帝都の市場で価格が高騰していたのは小麦・ジャガイモ・大豆の三品目だったが、時期的に小麦と大豆が作物として畑に植わっている状態を見る事が出来ず、ジャガイモだけ調査する事になった。そのため、八月に種芋を植えた畑があるこの村に調査しに来る事になったのだった。
少し寝不足のジルはボンヤリとし、道に落ちている馬のフンを踏みそうになる。
(うぅ……。自分が飼ってる生き物の世話くらいちゃんとやってほしいわね! そのうち土に帰るからどうとでもいいと思ってそう!)
生家であるシュタウフェンベルク公爵家の領地の田舎道の事を思い出し、ジルは少し懐かしい気持ちになる。
「ジル様、眠いなら馬車に戻って眠っても大丈夫です。記録係は私がやりますから」
マルゴットはそう言うと、彼女が着ている濃紺のドレスをゴソゴソと探り始める。すると、バラバラと干からびたイモリや六芒星が書かれたカード等が落ち、後ろを歩いていたアヒレスが「ヒッ……」と短く悲鳴を上げる。
「マルゴット、私は大丈夫よ! ちゃんと役割を果たさせてちょうだい!」
「そうですか?」
マルゴットの疑わしそうな視線に「うぅ……」とたじろぐ。
「ここがウチのジャガイモ畑だ」
村長の声に、前を向くと大きめの畑が広がっていた。整然と芽が並ぶ光景に目を奪われる。
しかし、畝に近付いてみて、ジルは首を傾げた。青々とした葉は健康そのものに見える。
種芋を植えてから天候が悪い日があまりなく、まだ健康な状態なのかと思うが、ここに来るまでに村長から聞いた話だと、ずっと雨が続いていたらしい。
一人で考えていても答えが出なそうなので、ジャガイモの葉を裏返しているゲントナーに近付き、疑問を口にしてみる。
「事前に想定していた病気の症状は、葉の表に独特の病斑が現れたり、裏に白いカビがついたりするはずでしたわよね?」
この国では過去何度も飢饉がおこっており、そのうちジャガイモの不作が原因だった時に蔓延した植物の病気が、今回も起こっているのではないかと帝都を出発前から想定していた。過去にその病気が広がったのが、雨が多い事で湿度が高まったからだったため、今回も同様だろうと考えたのだ。
「そうだね。もしかしたら来るのが早すぎたのかもしれない」
「うーん……」
来るのが早すぎたとすると、この村までわざわざ来た意味が無くなってしまう。
幼い芽の状態で症状が現れないなら、以前この村に植わっていたジャガイモの状況を聞いてみたいところだ。
目の前をウロウロと歩き回る村長は、六月収穫分のジャガイモの栽培時の状況を覚えていたりするだろうか?
「村長さん! 今年早くに植えたジャガイモの葉に変な班は付いておりました?」
「班? 俺は良く畑を見回っとるが、そんな風にはなってなかった」
「では、葉の裏に白カビが付いてたとか、葉や茎の色が黄色になったり、萎縮したりしました?」
「しとらんな……」
(あら?)
「今年の六月のジャガイモは本当に不作でしたのよね?」
「むむ……。不作であったとも!!」
村長はジルを怒鳴りつけ、プイッと明後日の方向を向いてしまった。
疑う様な事を言い、気分を悪くさせてしまったのだろう。ジルは内心申し訳なくなる。
それにしても、想定していた病気以外の理由で六月のジャガイモは駄目になったのだろうか?
肩透かしを食らった様な気分だ。
ゲントナーは村長に聞きたい事があるのか、ジルの言葉に憤慨して離れてしまった村長に近付いて行く。
「村長さん。植えるジャガイモの種類はずっと同じなんだよね?」
「ずっと同じだな!」
「症状はもっと後から出るのかもしれないね。帝都に戻る組とここに残る組の交代制にして観察を続けようか」
当初三日の日程だったのだが、ゲントナーの一存で、調査期間が延びる事になった。
(でもこれで、天候も含めて継続して調査出来るわね)
ジルは俄然やる気になり、ゲントナーに大きく頷いて見せた。
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