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あとがき
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最期までお読みいただきありがとうございました。
本作は岩手県金ヶ崎町に伝わる「白糸姫伝説」並びに東北各地に伝わる「金売り吉次伝説」をモチーフに執筆したものです。
本来の「白糸姫伝説」の概要をまとめますと、かつて前九年合戦に於て、安倍貞任の妹、白糸姫が、敵方である源義家といつしか恋仲になり、義家を救いたい一心で、砦の弱点(または大事な秘伝書)を彼に教えてしまい、その為に一族が滅亡してしまったことを激しく嘆いた末に深い淵へ身を投げたと伝えられているものです。
この「白糸姫伝説」については異聞が沢山ありましたので(主人公が貞任の娘だったり妻だったり、最後は怒った貞任に殺されたり)、「俺の知ってる話と違うぞ」という方もおられるかもしれませんが、そもそもの本作が元の話の原型を留めていない作品に仕上がりましたので何卒お許しください(いずれも薙刀担いで一緒に戦うような話ではありません)。また、秋田県大平山にも同様の伝説が伝わっておりますが、今回は岩手県のものを参考とさせて頂きました。
本作を執筆するにあたり、一次資料かつ作中で多々引用させて頂いた『陸奥話記』をはじめ、様々な参考文献や旧跡の由来等を参考とさせて頂いているものの、それぞれに相違が少なくないことと、香竹の歴史認識不足もあり、一部定説と異なる設定が含まれることをお断りさせて頂きます(特に白糸姫=一加一乃末陪というのは香竹の勝手な解釈です)。ストーリーに合わせて思いっきりひん曲げている部分も多少あります。
作中の主要人物である重任についても、雫石付近を本拠地としていたというのが定説ですが、割と貞任の本拠地である厨川に近いということと、遠野市に残る「安倍屋敷」という旧跡が重任の屋敷という由来もどこかで見かけたので(異説もあるので何が何やら……)、作中では普段遠野に住んでいるような描写にしております(てか遠野も気仙の勢力圏とダブるんじゃないか、という疑問が書いていて拭えませんでしたが、この御時勢ご当地に直接調べに行くわけにもいかず、確証無きままに話を書き上げました)。
「金売り吉次伝説」については東北のみならず全国にも伝わっている伝説の割には実像がいまいちつかめなかったのでここではあまり触れません。ただ、最後の結末があまりに悲し過ぎるかなと思い遊び心で盛り込んでみたものです(尤も、香竹が思いつくくらいですから誰かが既に使っているネタかもしれませんが……)。
なお、本作はカクヨム様にて先行公開させて頂いたものに若干の加筆修正を加え掲載しました。前作「彼方へ‐皆鶴姫異聞‐」「蒼旗翻天‐彼方へ 高衡後記‐」と繋がる部分もございますので(「彼方へ」は本作から大体130年後のお話)併せてお読みいただければ幸いに存じます。
ありがとうございました。
香竹薬孝
追記:
序盤を書いているあたりでタイトルとか設定(白い狼の毛皮被ってる女主人公、蝦夷、真っ二つに割れる男女主人公サイド他)がジブリ作品っぽいことにはたと気づき、開き直って要所要所にジブリ作品をオマージュさせて頂いた部分がさりげなく、或いは大胆に盛り込まれておりますので宜しければ探してみてください(因みに香竹は「もののけ姫」は中学生の時に2回、社会人になって1回、合わせて3回劇場で観ました。サンがめんこくて)
追記2:
作中に清原側の女武将として度々登場する藤原(平)千任ですが、史実では男性のようです。前作執筆中にとある資料(出典失念)を調べていたらどう読んでも女性としか思えないような記述があったので、敵側に女武将がいた方が面白いかな、という非常に安易な思いつきで女性として登場させてみました(性別は置いておいて、この人物を準主役としてスポットを当ててしまうと、もし今後「後三年合戦」を舞台に続編執筆を試みた場合、セルフレイティング必須の残酷描写が避けられないのが悩みどころです……)
※本作執筆にあたり以下の文献等を参考とさせて頂きました。この場を借りて御礼申し上げます(敬称を略しておりますこと何卒御容赦ください)。
「心にとどめておきたい悲恋伝説」木村暁朋と夢プロジェクト 河出書房新社
「新編 日本古典文学全集 41」 小学館
(※特にこちらの資料については一次資料として作中で多々引用させて頂いたことを重ねて感謝申し上げます)
「東北の古代史5 前九年合戦・後三年合戦と兵の時代」 樋口知志 編 吉川弘文館
「戦争の日本史5 東北の争乱と奥州合戦」 関幸彦 吉川弘文館
「義経周辺系図解説 義経北紀行伝説を読み解く」山崎純醒 批評社
「炎立つ 壱~参」 高橋克彦 講談社
「蝦夷の末裔」 高橋 崇 中公新書
本作は岩手県金ヶ崎町に伝わる「白糸姫伝説」並びに東北各地に伝わる「金売り吉次伝説」をモチーフに執筆したものです。
本来の「白糸姫伝説」の概要をまとめますと、かつて前九年合戦に於て、安倍貞任の妹、白糸姫が、敵方である源義家といつしか恋仲になり、義家を救いたい一心で、砦の弱点(または大事な秘伝書)を彼に教えてしまい、その為に一族が滅亡してしまったことを激しく嘆いた末に深い淵へ身を投げたと伝えられているものです。
この「白糸姫伝説」については異聞が沢山ありましたので(主人公が貞任の娘だったり妻だったり、最後は怒った貞任に殺されたり)、「俺の知ってる話と違うぞ」という方もおられるかもしれませんが、そもそもの本作が元の話の原型を留めていない作品に仕上がりましたので何卒お許しください(いずれも薙刀担いで一緒に戦うような話ではありません)。また、秋田県大平山にも同様の伝説が伝わっておりますが、今回は岩手県のものを参考とさせて頂きました。
本作を執筆するにあたり、一次資料かつ作中で多々引用させて頂いた『陸奥話記』をはじめ、様々な参考文献や旧跡の由来等を参考とさせて頂いているものの、それぞれに相違が少なくないことと、香竹の歴史認識不足もあり、一部定説と異なる設定が含まれることをお断りさせて頂きます(特に白糸姫=一加一乃末陪というのは香竹の勝手な解釈です)。ストーリーに合わせて思いっきりひん曲げている部分も多少あります。
作中の主要人物である重任についても、雫石付近を本拠地としていたというのが定説ですが、割と貞任の本拠地である厨川に近いということと、遠野市に残る「安倍屋敷」という旧跡が重任の屋敷という由来もどこかで見かけたので(異説もあるので何が何やら……)、作中では普段遠野に住んでいるような描写にしております(てか遠野も気仙の勢力圏とダブるんじゃないか、という疑問が書いていて拭えませんでしたが、この御時勢ご当地に直接調べに行くわけにもいかず、確証無きままに話を書き上げました)。
「金売り吉次伝説」については東北のみならず全国にも伝わっている伝説の割には実像がいまいちつかめなかったのでここではあまり触れません。ただ、最後の結末があまりに悲し過ぎるかなと思い遊び心で盛り込んでみたものです(尤も、香竹が思いつくくらいですから誰かが既に使っているネタかもしれませんが……)。
なお、本作はカクヨム様にて先行公開させて頂いたものに若干の加筆修正を加え掲載しました。前作「彼方へ‐皆鶴姫異聞‐」「蒼旗翻天‐彼方へ 高衡後記‐」と繋がる部分もございますので(「彼方へ」は本作から大体130年後のお話)併せてお読みいただければ幸いに存じます。
ありがとうございました。
香竹薬孝
追記:
序盤を書いているあたりでタイトルとか設定(白い狼の毛皮被ってる女主人公、蝦夷、真っ二つに割れる男女主人公サイド他)がジブリ作品っぽいことにはたと気づき、開き直って要所要所にジブリ作品をオマージュさせて頂いた部分がさりげなく、或いは大胆に盛り込まれておりますので宜しければ探してみてください(因みに香竹は「もののけ姫」は中学生の時に2回、社会人になって1回、合わせて3回劇場で観ました。サンがめんこくて)
追記2:
作中に清原側の女武将として度々登場する藤原(平)千任ですが、史実では男性のようです。前作執筆中にとある資料(出典失念)を調べていたらどう読んでも女性としか思えないような記述があったので、敵側に女武将がいた方が面白いかな、という非常に安易な思いつきで女性として登場させてみました(性別は置いておいて、この人物を準主役としてスポットを当ててしまうと、もし今後「後三年合戦」を舞台に続編執筆を試みた場合、セルフレイティング必須の残酷描写が避けられないのが悩みどころです……)
※本作執筆にあたり以下の文献等を参考とさせて頂きました。この場を借りて御礼申し上げます(敬称を略しておりますこと何卒御容赦ください)。
「心にとどめておきたい悲恋伝説」木村暁朋と夢プロジェクト 河出書房新社
「新編 日本古典文学全集 41」 小学館
(※特にこちらの資料については一次資料として作中で多々引用させて頂いたことを重ねて感謝申し上げます)
「東北の古代史5 前九年合戦・後三年合戦と兵の時代」 樋口知志 編 吉川弘文館
「戦争の日本史5 東北の争乱と奥州合戦」 関幸彦 吉川弘文館
「義経周辺系図解説 義経北紀行伝説を読み解く」山崎純醒 批評社
「炎立つ 壱~参」 高橋克彦 講談社
「蝦夷の末裔」 高橋 崇 中公新書
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