白狼姫 -前九年合戦記-

 平安時代後期、陸奥の地の覇権を巡り、12年に及ぶ熾烈な合戦が繰り広げられた。
 後に前九年合戦と呼ばれるこの大きな戦乱の中で、官軍将兵らを最も恐れさせ、そして心を奪った女武将がいた。
 或る者曰く、美しき白狼の姫君。また或る者曰く――血肉を喰らう人狼、と。
 それを討たんとするは、後に軍神と呼ばれる一人の若武者。
 戦いの中で彼らはいつしか惹かれ合い、愛し合うようになるが、やがて二人の運命は悲劇的な結末を迎えることになる――。

(モチーフ:白糸姫伝説(岩手県)、金売り吉次伝説(宮城県他東北各地))
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