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しおりを挟む良く晴れた日、医者からの許可がおりたから、遊矢の車椅子を押しながら河川敷を歩いている。あの時と同じ場所で、なんとなく立ち止まった。遊矢はぼんやりと景色を眺めている。それに倣って河を眺める。水面を反射する光が眩しい。
ふと遊矢が真剣な表情になり、俺に視線を向けた。
「言うか、言わないか、悩んでたんだけど」
「うん」
「……好き、なんだ。圭佑のこと。あ、でも、返事は」
「俺も、遊矢のこと好きだよ」
彼は驚いたように目を開いて、これ以上にないくらい笑顔になった。
耳鳴りは、もうしない。
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