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第二章 異世界ど田舎村を救え!
俺、大ハズレ?のウパルパ様召喚 ※イラストあり
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最初の青く光る魔石のときは宇宙空間に投げ出されたが、今回は大海の荒海の中だった。
い、息が……! ………………あ、ふつうに呼吸できるわ。見た目だけかー。
しかしユキりんを含め、敵の傭兵たちも急激な周囲の変化にどよめいている。
そこに虹色キラキラの光を帯びた、黄色く光る巨大なピンクのカエル……いや胴体の短いウーパールーパーがどーんと現れた。ちょっとした小山ぐらいある。デカい。
ユキりんが絶望感たっぷりな悲鳴をあげた。
「サラマンダー!? なんでこんなところに!」
「大丈夫だ、俺たちに危険はない! ……はず!」
だって王様のチート剣から出てきたやつだし! 俺の王様への信頼は揺るがない!
あんなに誰かを深く愛して、でも大切な仲間のために自分の執着を捨てられる王様を、俺が信じなくて誰が信じる!?
サラマンダーは半透明で見るからにぷにっと柔らかそうなボディ。ピナレラちゃんみたいな女児の好きそうな感じだが……ひたすらデカい。
つぶらで大きな瞳は真っ青で、身体の大きさのわりに幼い悪戯っ子のように輝いている。
『アケロニア国王――――との盟約によりわれ来てやったのだ。われの力を望む者は誰だーなのだぷぅ?』
想像に反して、ものすごく可愛い萌え声をウーパールーパーが発した。日アサの魔法少女ものに出てきそうな愛くるしい幼女の声だ。
なんてことだ、うちのピナレラちゃんより可愛い声してるべ!?
「た、助けてくれ! 悪者たちが村を襲いに来てて危険なんだ!」
『むむ? あいにく、われは無害でかわゆいウパルパゆえ、戦う力は授けられぬのだぷぅ』
かわ……可愛いって自分で言ったぞこのウーパールーパー。見るからに生意気でふてぶてしい顔してるのに。
「サラマンダーじゃないのか!? 火や水を吐く魔法は使えないのか!」
ユキりんが叫ぶもウーパールーパーはぷぅぷぅ素知らぬ振りで鳴くばかり。
これ誤魔化してないか……? なんか冷や汗流してないかこいつ。
『無理なものは無理なのだ。だってわれまだ幼いウパルパだもの。なーのーで、代わりにステータスを一時的に上げてやるぞなのだぷぅ』
「強化か! だ、だがこの場を切り抜けられるバフじゃないと」
『われ福を司る神人ぞ。受け取れい、『幸運値フルマックス!』効果は一時間ポッキリなのだぞぷぅ~!』
キャバクラみたいな制限時間を告げて、ぷぅっとピンクのウーパールーパーがひと鳴きする。
途端、虹色キラキラを帯びたネオンイエローの魔力が俺とユキりんを包み込んだ。
どこか遠くから優しくて若い女性の声が聞こえる。
『――――ちゃん。今日のおやつはアップルパイですよ~』
『アッ、ねえや!? ……でもでも、われこの後どうなるか見届けないと……おやつ……アップルパイ……どうしたらよいのだ……おやつ……』
チラッチラッとピンクのウーパールーパーが俺たちを見てくる。
『焼きたてのアップルパイが冷めちゃいますよ~?』
『――――? 来ないなら俺たちが食っちまうぞー?』
『ピュイッ』
『そうね。バニラアイスものせましょう』
『ではオレは紅茶でも入れてきますね!』
『コーヒーも合うかな? ミルで挽こうか』
随分アットホームで賑やかなご家庭だな……
というかバニラアイスのせの焼きたてアップルパイ、めちゃくちゃ美味そうだべ!
『あああああ。われ、われどうしたらよいのだぷぅ!?』
見ててかわいそうになるぐらいウーパールーパーが狼狽え始めた。
見るからに鈍臭かったが、声が愛らしいから俺は涙目になってる姿が憐れで見てられなくなってしまった。
「……あの。お力を下さったのなら、その……どうぞ、おやつの時間ならお帰りいただいても……いえもちろん残っていただけるならそれが」
一番です、と俺が言う前にウーパールーパーはホッとした顔になった。
そんなに食べたかったのかアップルパイ。わかるよ俺だって好きだもん。ばあちゃんの手作りは最高だぞ。
『う、うむ! そなたがそう申すならわれ帰る。われは残りたかったのだぞ、本当なのだぞ! でもそこまで申すなら仕方ないのだぷぅ。――せいぜい達者にやるとよいのだぞ、ぷふー』
ものすごくわざとらしい言い訳を繰り返した挙句、最後にイラッとくる含み笑いを残してウーパールーパーは消えていった。
同時に海の中の映像も消えて、元のもなか山の風景に戻った。
待て。そういえば最初からあったこの軌跡のように残る虹色の煌めき。もしかしなくてもあの次元の狭間の宇宙人三人組もとい神人の仲間か!?
それに何も起きない。畜生、外れか!
傭兵たちは川を越えようと水に足を突っ込み始めている……
俺は大剣の柄を握り締めて覚悟を決めた。
殺るしかない。ピナレラちゃんやばあちゃん、ユキりん、村の人たちを守らなきゃ!
NEXT→そして村への侵入者たちは……
※ウパルパ様も初出は他作品から。「聖女投稿・第四章~」とか「ピアディと愉快な仲間たち」とか。おっきく育ったんです……
꒰( º⌓º )꒱ プゥ!?
い、息が……! ………………あ、ふつうに呼吸できるわ。見た目だけかー。
しかしユキりんを含め、敵の傭兵たちも急激な周囲の変化にどよめいている。
そこに虹色キラキラの光を帯びた、黄色く光る巨大なピンクのカエル……いや胴体の短いウーパールーパーがどーんと現れた。ちょっとした小山ぐらいある。デカい。
ユキりんが絶望感たっぷりな悲鳴をあげた。
「サラマンダー!? なんでこんなところに!」
「大丈夫だ、俺たちに危険はない! ……はず!」
だって王様のチート剣から出てきたやつだし! 俺の王様への信頼は揺るがない!
あんなに誰かを深く愛して、でも大切な仲間のために自分の執着を捨てられる王様を、俺が信じなくて誰が信じる!?
サラマンダーは半透明で見るからにぷにっと柔らかそうなボディ。ピナレラちゃんみたいな女児の好きそうな感じだが……ひたすらデカい。
つぶらで大きな瞳は真っ青で、身体の大きさのわりに幼い悪戯っ子のように輝いている。
『アケロニア国王――――との盟約によりわれ来てやったのだ。われの力を望む者は誰だーなのだぷぅ?』
想像に反して、ものすごく可愛い萌え声をウーパールーパーが発した。日アサの魔法少女ものに出てきそうな愛くるしい幼女の声だ。
なんてことだ、うちのピナレラちゃんより可愛い声してるべ!?
「た、助けてくれ! 悪者たちが村を襲いに来てて危険なんだ!」
『むむ? あいにく、われは無害でかわゆいウパルパゆえ、戦う力は授けられぬのだぷぅ』
かわ……可愛いって自分で言ったぞこのウーパールーパー。見るからに生意気でふてぶてしい顔してるのに。
「サラマンダーじゃないのか!? 火や水を吐く魔法は使えないのか!」
ユキりんが叫ぶもウーパールーパーはぷぅぷぅ素知らぬ振りで鳴くばかり。
これ誤魔化してないか……? なんか冷や汗流してないかこいつ。
『無理なものは無理なのだ。だってわれまだ幼いウパルパだもの。なーのーで、代わりにステータスを一時的に上げてやるぞなのだぷぅ』
「強化か! だ、だがこの場を切り抜けられるバフじゃないと」
『われ福を司る神人ぞ。受け取れい、『幸運値フルマックス!』効果は一時間ポッキリなのだぞぷぅ~!』
キャバクラみたいな制限時間を告げて、ぷぅっとピンクのウーパールーパーがひと鳴きする。
途端、虹色キラキラを帯びたネオンイエローの魔力が俺とユキりんを包み込んだ。
どこか遠くから優しくて若い女性の声が聞こえる。
『――――ちゃん。今日のおやつはアップルパイですよ~』
『アッ、ねえや!? ……でもでも、われこの後どうなるか見届けないと……おやつ……アップルパイ……どうしたらよいのだ……おやつ……』
チラッチラッとピンクのウーパールーパーが俺たちを見てくる。
『焼きたてのアップルパイが冷めちゃいますよ~?』
『――――? 来ないなら俺たちが食っちまうぞー?』
『ピュイッ』
『そうね。バニラアイスものせましょう』
『ではオレは紅茶でも入れてきますね!』
『コーヒーも合うかな? ミルで挽こうか』
随分アットホームで賑やかなご家庭だな……
というかバニラアイスのせの焼きたてアップルパイ、めちゃくちゃ美味そうだべ!
『あああああ。われ、われどうしたらよいのだぷぅ!?』
見ててかわいそうになるぐらいウーパールーパーが狼狽え始めた。
見るからに鈍臭かったが、声が愛らしいから俺は涙目になってる姿が憐れで見てられなくなってしまった。
「……あの。お力を下さったのなら、その……どうぞ、おやつの時間ならお帰りいただいても……いえもちろん残っていただけるならそれが」
一番です、と俺が言う前にウーパールーパーはホッとした顔になった。
そんなに食べたかったのかアップルパイ。わかるよ俺だって好きだもん。ばあちゃんの手作りは最高だぞ。
『う、うむ! そなたがそう申すならわれ帰る。われは残りたかったのだぞ、本当なのだぞ! でもそこまで申すなら仕方ないのだぷぅ。――せいぜい達者にやるとよいのだぞ、ぷふー』
ものすごくわざとらしい言い訳を繰り返した挙句、最後にイラッとくる含み笑いを残してウーパールーパーは消えていった。
同時に海の中の映像も消えて、元のもなか山の風景に戻った。
待て。そういえば最初からあったこの軌跡のように残る虹色の煌めき。もしかしなくてもあの次元の狭間の宇宙人三人組もとい神人の仲間か!?
それに何も起きない。畜生、外れか!
傭兵たちは川を越えようと水に足を突っ込み始めている……
俺は大剣の柄を握り締めて覚悟を決めた。
殺るしかない。ピナレラちゃんやばあちゃん、ユキりん、村の人たちを守らなきゃ!
NEXT→そして村への侵入者たちは……
※ウパルパ様も初出は他作品から。「聖女投稿・第四章~」とか「ピアディと愉快な仲間たち」とか。おっきく育ったんです……
꒰( º⌓º )꒱ プゥ!?
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