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そうだ、留学しよう~アケロニア王国編
三通の手紙
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神殿からオズ公爵家に戻ると、マーゴット宛に数通の手紙が届いていた。
執事から受け取った手紙を自室で開けて読んだ。
一通は、雑草会の代表者からのもの。
最近、宰相令息のテオドアに協力してもらうなどしていたので、血筋順位一位のマーゴットと交流を再開したいとのこと。
了解してもらえるなら、来月からオズ公爵家へ雑草会の会報を送付するという。
封筒には年会費の振込用紙が同封されていた。
もちろんだとマーゴットは頷く。
年会費は身分に関わらず一律、大銀貨一枚。(約一万円)
振込用紙にすぐサインを入れた。明日、侍女長に振り込みのお使いに行ってもらおう。
二通目は、同盟国アケロニア王国のグレイシア王女からのもの。
「彼女、相変わらず達筆ねえ」
力強い筆跡の宛名に思わず笑みが溢れる。
グレイシア王女とは、子供の頃からの付き合いだ。
マーゴットがカレイド王国の王太女に定められたことを知った彼女から、同じ次期女王の立場の者同士で親しくなりたい、と手紙が届いて以来の付き合いだった。
カレイド王国とアケロニア王国は、円環大陸のそれぞれ北部と北西部にあって比較的近いので、手紙も早ければ数日で届く。
これが反対側の南部だと、一ヶ月以上かかることはザラだし、下手すると途中で手紙や荷物が紛失する。
「あ。そうか、そろそろ留学の時期ね」
グレイシア王女からの手紙には、短期留学はどちらが行うか確認したいと書かれてある。
カレイド王国とアケロニア王国は、どちらも王政国家で、次期国王が女性という共通点がある。
これまでのループでは、どの回もグレイシア王女がカレイド王国に短期留学しに来る側だった。
どちらが、相手国に留学しても良かった。
マーゴットがアケロニア王国まで行ったことは一度もない。
以前のループではオズ公爵家は困窮していたから、留学の費用が出せなかったからだ。
今回はようやく王家からの支援金等を取り戻せて、公爵家も立て直しつつある。
「………………」
両目から額のあたりにかけてが涼しい。
以前のループで、守護者カーナから祝福を賜った部位が反応している。
「留学、か。それもいいかもしれない」
最後、三通目はしばらく会っていない年上の幼馴染みからのものだった。
ディアーズ伯爵令息シルヴィス。
8歳年上の、マーゴットとバルカス王子の幼馴染みだ。
彼も雑草会のメンバーだ。遡ると王家の姫の降嫁した家の出身で、血筋順位は七位。
マーゴット以外の若い世代では最も順位の高い人物だった。
「えっ。シルヴィス、いまアケロニア王国にいるの!?」
彼からの手紙を読んで驚いた。
シルヴィスは伯爵家の子息で、家の爵位のわりに血筋順位が高いから、余計な王位継承争いに巻き込まれないよう、子供の頃から神殿に所属していた人物だ。
学園を卒業する成人前には神官になっていて、神殿の儀式を執り行う司祭の資格も持っていたと記憶している。
「まだ帰ってくる気はないのかしら……」
マーゴットたちが10歳のとき、18歳で成人すると同時に彼はカレイド王国を出てしまった。
その後届いた手紙では、遠く離れた異国の地で冒険者をやっていると書かれてあって、どれほど驚いたか。
「それで今はアケロニア王国の冒険者ギルドを拠点にしていると。……えっ、冒険者ランクA!? ……騎士団の副団長クラスじゃない……よくぞそこまで」
良いタイミングだった。
今回の人生では留学も兼ねて、アケロニア王国を訪れてシルヴィスにも会いに行こう。
執事から受け取った手紙を自室で開けて読んだ。
一通は、雑草会の代表者からのもの。
最近、宰相令息のテオドアに協力してもらうなどしていたので、血筋順位一位のマーゴットと交流を再開したいとのこと。
了解してもらえるなら、来月からオズ公爵家へ雑草会の会報を送付するという。
封筒には年会費の振込用紙が同封されていた。
もちろんだとマーゴットは頷く。
年会費は身分に関わらず一律、大銀貨一枚。(約一万円)
振込用紙にすぐサインを入れた。明日、侍女長に振り込みのお使いに行ってもらおう。
二通目は、同盟国アケロニア王国のグレイシア王女からのもの。
「彼女、相変わらず達筆ねえ」
力強い筆跡の宛名に思わず笑みが溢れる。
グレイシア王女とは、子供の頃からの付き合いだ。
マーゴットがカレイド王国の王太女に定められたことを知った彼女から、同じ次期女王の立場の者同士で親しくなりたい、と手紙が届いて以来の付き合いだった。
カレイド王国とアケロニア王国は、円環大陸のそれぞれ北部と北西部にあって比較的近いので、手紙も早ければ数日で届く。
これが反対側の南部だと、一ヶ月以上かかることはザラだし、下手すると途中で手紙や荷物が紛失する。
「あ。そうか、そろそろ留学の時期ね」
グレイシア王女からの手紙には、短期留学はどちらが行うか確認したいと書かれてある。
カレイド王国とアケロニア王国は、どちらも王政国家で、次期国王が女性という共通点がある。
これまでのループでは、どの回もグレイシア王女がカレイド王国に短期留学しに来る側だった。
どちらが、相手国に留学しても良かった。
マーゴットがアケロニア王国まで行ったことは一度もない。
以前のループではオズ公爵家は困窮していたから、留学の費用が出せなかったからだ。
今回はようやく王家からの支援金等を取り戻せて、公爵家も立て直しつつある。
「………………」
両目から額のあたりにかけてが涼しい。
以前のループで、守護者カーナから祝福を賜った部位が反応している。
「留学、か。それもいいかもしれない」
最後、三通目はしばらく会っていない年上の幼馴染みからのものだった。
ディアーズ伯爵令息シルヴィス。
8歳年上の、マーゴットとバルカス王子の幼馴染みだ。
彼も雑草会のメンバーだ。遡ると王家の姫の降嫁した家の出身で、血筋順位は七位。
マーゴット以外の若い世代では最も順位の高い人物だった。
「えっ。シルヴィス、いまアケロニア王国にいるの!?」
彼からの手紙を読んで驚いた。
シルヴィスは伯爵家の子息で、家の爵位のわりに血筋順位が高いから、余計な王位継承争いに巻き込まれないよう、子供の頃から神殿に所属していた人物だ。
学園を卒業する成人前には神官になっていて、神殿の儀式を執り行う司祭の資格も持っていたと記憶している。
「まだ帰ってくる気はないのかしら……」
マーゴットたちが10歳のとき、18歳で成人すると同時に彼はカレイド王国を出てしまった。
その後届いた手紙では、遠く離れた異国の地で冒険者をやっていると書かれてあって、どれほど驚いたか。
「それで今はアケロニア王国の冒険者ギルドを拠点にしていると。……えっ、冒険者ランクA!? ……騎士団の副団長クラスじゃない……よくぞそこまで」
良いタイミングだった。
今回の人生では留学も兼ねて、アケロニア王国を訪れてシルヴィスにも会いに行こう。
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