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守護者と立ち向かう新ループ

守護者カーナ1

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 カレイド王国の守護者カーナは、この国の始祖と同じハイヒューマンだ。

 比較的、現代人と似た感性を持っていて、始祖と中興の祖の女勇者の末裔としてマーゴットは親しい友人のように付き合ってもらっている。

 ハイヒューマンは今の人類の祖先たちで、人間の上位種と言われている。

 マーゴットがなかなかループから抜け出せない現状を憂いて、もはや静観はできないからと、今回慌てて文字通り飛んできてくれたらしい。

「龍の姿でね。久し振りに空を飛んだよ」
「あの黄金の鱗の龍? 見たかったなあ!」

 カーナは竜人族と一角獣人族のハーフで、今は滅んでしまった竜人族の元王子だ。

 最も古いハイヒューマンの一人で、既に数万年とも数十万年ともいえる長い年月を生きている。

 本来なら円環大陸の西部にある、自分の名前を冠した小国、カーナ王国の守護者だ。
 元はいにしえの時代にその地域を治めていた魚人族の王族と婚姻を結び、伴侶や息子と住んでいた。

 残念ながら、現在のカーナ王国は王家が守護者カーナとの縁を失ってしまって、カーナを召喚できる神殿もなく神官もいない。

 代わりに、建国を助けて守護者となっていたこのカレイド王国との縁を深めてくれているというわけだ。



 カーナは、マーゴットたちが子供の頃までは、こうしてよくカレイド王国を訪れて遊んでくれていた。

 竜人族と一角獣人族のハーフのカーナは、竜人族としては落ちこぼれで竜の姿になれなかった。
 その代わり、先祖にいたという蛇体の巨大な雄の黄金龍に変身することができて、天空を泳ぐ。

 一角獣へ変身するときは、仔馬サイズの雌の白いユニコーンになる。

 マーゴットとバルカスは、龍や一角獣の背に乗せてもらって、円環大陸を高い空から見下ろしたことがある。

『わあ。世界は本当にリング状なのね』

 大雑把にドーナツのような形をした円環大陸は、とてもとても大きかった。



 昔はカーナのような、上位種と呼ばれるハイヒューマンはたくさんいたそうだ。
 ハイエルフやハイドワーフ、ハイデーモン、魔族や魔人族、羽を持って空を飛べる天使族など多彩な種族が存在していた。

 そのうち、人間との混血が進むに連れて数を減らしていき、今では大陸の中央部に『永遠の国』と呼ばれる安全で小さな国を作り、そこで生き残りたちが身を寄せ合っている。

 各国に対して特に強権を行使することはないが、たまに偉大な人物を見出しては名誉称号を授与したり、あるいは人々の生活に必要な各種ギルドや機関の本部はすべてこの国の中にあったりする。

 商業ギルド、労働者ギルド、魔導具師ギルド、医療ギルド、冒険者ギルド、あるいは神殿や教会などといった具合だ。

 人類の上位種と呼ばれるだけあって知性の高い者が多いので、世界にとって必要な機能を整えてくれている。


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