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side 王子 王子の帰還
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孫のマリオンがここ、タイアド王国を訪れることになった経緯は、もちろん祖父のダリオンは知っている。
だが、冒険者ギルドのお偉いさんで家を留守にすることが多いダリオンは、その後のマリオンのことをあまり知らなかった。
「手紙がさ。全然来ねえんだよ。俺は毎週送ってんのに一通も。初めて外で働くわけだし、忙しいんだろうな、変に催促したりしたら孫ちゃんに負担かけちまうかなって気遣ってたら……何なん? やっと手紙が来たと思ったら『じいじが一通も手紙くれなくて泣く日もありました』とか俺が泣くわ!」
「「「………………」」」
大きな日焼けした手に握られているのが、そのマリオンからの手紙なのだろう。
「一体この落とし前はどうつけるおつもりで?」
SSランク冒険者の覇気で睨みつけられて、国王も王太子も王妃もビクッと震えて背筋が冷えた。
だが、何とか国王が口を開きかけたとき、遠くから変な音が聞こえてきた。
ヒエエエエエ……
キウウウウウ……
フヒャアアアアア……
「エドアルド第二王子殿下のご帰還です! 国王陛下にさっそく報告のためお目通り願いたいとのこと」
「あ、後にせよと伝えよ!」
今はまずダリオンの相手が先だ。
しかし、謁見室の扉をぶち破りかねない勢いで、大きな荷車を引いてやってきた人物がいた。
真紅の騎士服を身にまとい、タイアド王族特有の金髪碧眼の若い青年。美形だが愛嬌ある顔立ちの、エドアルド王子だ。
「父上! 兄上! 任務完了しました、これは討伐報酬! すごいでしょ!」
キヒャーヒャヒャヒャヒャ!
エドアルド王子が、仔犬が獲物を飼い主に「見て見て!」するかのようにエメラルド色の瞳をキラキラ輝かせ、胸を張って見せた荷車の中には。
たくさんの巨大な野菜が山と積まれている。
だがどういうわけか、その野菜の表面には窪んだりヘコんだりで顔のようなものがあって、皆揃って奇声を上げていた。
だが、冒険者ギルドのお偉いさんで家を留守にすることが多いダリオンは、その後のマリオンのことをあまり知らなかった。
「手紙がさ。全然来ねえんだよ。俺は毎週送ってんのに一通も。初めて外で働くわけだし、忙しいんだろうな、変に催促したりしたら孫ちゃんに負担かけちまうかなって気遣ってたら……何なん? やっと手紙が来たと思ったら『じいじが一通も手紙くれなくて泣く日もありました』とか俺が泣くわ!」
「「「………………」」」
大きな日焼けした手に握られているのが、そのマリオンからの手紙なのだろう。
「一体この落とし前はどうつけるおつもりで?」
SSランク冒険者の覇気で睨みつけられて、国王も王太子も王妃もビクッと震えて背筋が冷えた。
だが、何とか国王が口を開きかけたとき、遠くから変な音が聞こえてきた。
ヒエエエエエ……
キウウウウウ……
フヒャアアアアア……
「エドアルド第二王子殿下のご帰還です! 国王陛下にさっそく報告のためお目通り願いたいとのこと」
「あ、後にせよと伝えよ!」
今はまずダリオンの相手が先だ。
しかし、謁見室の扉をぶち破りかねない勢いで、大きな荷車を引いてやってきた人物がいた。
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キヒャーヒャヒャヒャヒャ!
エドアルド王子が、仔犬が獲物を飼い主に「見て見て!」するかのようにエメラルド色の瞳をキラキラ輝かせ、胸を張って見せた荷車の中には。
たくさんの巨大な野菜が山と積まれている。
だがどういうわけか、その野菜の表面には窪んだりヘコんだりで顔のようなものがあって、皆揃って奇声を上げていた。
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